司馬日記38 |
2月6日
憮然とした表情の張任殿に飲みに誘われた。
どうした事かと思ったが、飲み屋に着いてみると同じく仏頂面した張松殿、法正殿が既に席に居り、困り顔の劉備様と劉璋殿を見てでピンと来た、張松殿、法正殿が先に劉備様に指示されたように張任殿も劉璋殿からこの二人と親交を持つようにと指示されたのだと言うが、まるで針の筵で飲んでいるような心地で、よっぽど一人で飲んでいる方がましというものだった。
酒が進むに連れ其々自身達の閨房自慢と相手の罵倒が激しくなり、「この使い道のない腐れ穴が」「なんだとこのド貧乳にブスチビ」と言って立ち上がったところで劉備様が「だ、だめだよ三人とも!貴女達が争ってたらきっとご主人さまが悲しむよ?ね、言いたい事があるならみんなご主人様に一緒に聞いてもらお?お布団で添い寝しながらお話すればきっと落ち着くよ!」と言って劉璋殿と共に三人を取り成し、まだ不満げな彼女達をつれて一刀様の御部屋の方へと去って行かれた。
2月7日
昨晩の事を詠様に御報告したところ、
「桃香…なんでもかんでも一刀の腰にモノ言わせればいいと思ってるみたいだけど、そういうとこ凄く安直よねぇ…まあ実際解決するからいいのかもしれないけど、ちょっとそういうのってどうなのかしらねぇ」
と額に手を当てながら溜息を吐かれた。
…あれだけの人数であったしお話をされに行ったのだと思っていたが、よく考えてみれば今日張任殿は休暇を取っている。つまりはその、そういうことであったのか…。
2月8日
珍しい事に孫策様にお呼び出しを受けたので私室に伺ったところ、
「さっき蔡文姫とだべってたんだけどさ、あの娘の話聞いてたらちょっと繋がらない所があるのよ。聞くとどうも司馬懿さんに聞けばわかるみたいだったんだけど何か知らない?」と言われた。しかし一体どういった事を聞かれているのか掴みかねていると、私自身が蔡文姫に関わったことを全て話せと言われたので先日のあらましを逐一説明したところ、何故か肩を震わせ涙を浮かべながら
「わ、判ったわ…ぷっ…ぷふふっ…帰っていいわよ、私今から華琳の所にようじが出来たから」
と言って部屋を出て行かれたので、私も執務に戻ることとした。
2月9日
曹操様が真っ赤な顔で総務室に駆けてこられ、
「詠っ!!どうして雪蓮があの時の事知ってんのよっ!!」
と怒鳴られた。詠様は一体何なのよと言いながら二人で会議室へ入って行かれ、その後直ぐに蔡文姫殿が呼ばれて入って行った。そのしばらく後に詠様が出てこられ、つかつかと私の元へ来られると、「あんたやってくれたわね…ちょっと来なさいよ」と言われたので付いて行こうとしたところ、一刀様が総務室へ飛び込んでこられ御一緒に会議室へ入られた。
会議室へ入るや昨日孫策様に質問された内容を聞かれた為ありのまま答えたところ、曹操様、詠様とも肩を落として頭を抱えられてしまった。蔡文姫殿が御二方の御気持ちをお察しし、
「袁紹様におかれましても曹操様におかれましても、一刀様の御性癖に対応されているだけですので何ら恥じる必要は無いではないですか。また英雄色を好むと言います、一刀様は大変な御性豪で幅広い御伽を愉しんでいらっしゃる事でもありますから、多少の加虐趣味や幼児ぷれいの趣味程度は一刀様の御恥になるとは思われません。私も年齢体格といったところは容易には変えられませんが、あらゆる一刀様の御求めに応える所存です」
と申し上げた。しかし詠様が「あんた日が浅くてうち(後宮)の事良く知らないから言うんだろうけど、そんな単純で常識的な話じゃないのよ…にしても、この馬鹿はぁ…」と私を見て言われると、一刀様が
「いや、仲達さんがその…仲達さんだってのは詠も華琳も判ってたことだろ?で口止めし忘れちゃったんだからこれはしょうがないよ、仲達さんのせいじゃないって。雪蓮は…華琳や詠が黙っててって言って聞く相手じゃないだろうから、俺が全力で『御願い』して口外しない約束させるから。雪蓮ヒマだから二日くらいかかっちゃうかもしれないけど、その間執務の方は詠達で御願い」
と言われた。
曹操様と詠様は深く溜息を吐かれ、そうね仲達が仲達だって事を忘れてた私達が仲達だったってことね、と言って部屋を出て行かれた。
何故なのかは分からないが、私が孫策様と御話した事は拙かったとは察したので「御迷惑をかけて申し訳ありませんでした」と一刀様にお詫び申し上げると、一刀様は「いや、仲達さんは仲達さんのままでいいよ」と言って頭を撫でて頂いたが、詠様はこちらを振り返って「いやもう少しでいいからマシになれ」と真顔で言われた。
2月10日
昼食に庁内食堂へ行ったところ、周囲がざわついたので何事かと見てみると一刀様がにこにこされた孫策様を抱っこして食堂へやって来られていた。そしてそのまま注文を済ませ貴賓専用席へ向かわれると一刀様の膝の上に横座りで孫策様が座り、暫く食べさせ合いをしていたが食事が無くなるや孫策様が持参されていた酒を口移しで飲ませあわれていた。
孫策様は御機嫌で何度か「めーりーん!あんたもこっちに来なさいよ!」と呼ばれていたが周瑜殿は完全に無視を決め込んでさっさと席を立たれてしまった一方、食堂の隅では柱の陰から孫権様が涙目で御二人をずっと見ていた。
一刀様の御振舞いに何らの不満は無いが、羨望は禁じ得ず目の毒ではあった。
2月11日
李典殿により後宮の新設備の説明会が行われた。
「炬燵」なるもので天の国で一刀様も大変お好みであった暖房器具であるというが、完全再現は困難な為床暖房に炬燵を載せたものであるという。
李典殿により使用方法が説明された後に質疑となると詠様が
「で、どうやって使うの?」と聞かれると
「ちっこい奴は上に乗って、足長い奴は向かいに座るんや。うちはどっちも試してみたけど寒い時期は一回入って入れたが最後出られへんし抜かれへん、だーらだーら贅沢な時間が過ごせるちゅうわけや。床は水拭き出来るし布団も洗濯出来るから安心やで。但し馬超はんあんさんはダメや、さすがに床材痛んでまうからな」
と答えると馬超殿は満面朱にして
「しねーよ!しねーから!!」
と怒る一方で馬岱殿が
「ううん無理お姉さま入ったら絶対するし事前にお手洗いいける保証なんてどこにもないから」
と真顔で手を振られていたが、暖房器具の説明とどういった関係があるのか分からない。
また背の高い方用に小さい炬燵を、小柄な方向けに大きな炬燵が出席者方から要望され誰一人異論を挟まれなかったのだが、普通は逆ではないのだろうか…?
2月12日
陳琳殿が憮然とした顔で総務室に元直を訪ねて来たと思ったら、両脇に諸葛亮殿と?統殿を抱えていた。真っ直ぐ元直の元へと行くと、
「残念ながら私はそちら方面を書く趣味は持ち合わせておりませんでね。申し訳ないが、彼女達を御引き取り下さい」
と言って臥龍鳳雛を元直に投げ渡すと去っていった。
何が起こったのかと見ていたが、元直が呆れた様子で
「朱里も雛里も…うちの恥だからよしてよね!」
「……で、出来心だったんでしゅ…」
「正直私には『伽は伽、これは別腹』っていうの自体理解出来ないけどねぇ、あんた達だってそれなりの名文家なんだから自給自足すればいいじゃないの…でも『かずかだ』だか『かだかず』だか知らないけどそのへんは殺される前にやめときなさいよ?」
「もうそれは大分前に辞めました!でも自分のじゃ萌えないんです、そんなのは同人界では常識でしゅ!」
「じゃ街中行って買ってらっしゃいな、…一応念を押しとくけど間違っても王粲さんにお願いとかしないでよね?」
「じ、実はもう断られちゃって…本当は、成人向けの陳琳さんより耽美系になると思って先にお願いしたんだけど…」
「はあ…もういいからあんた達自分の仕事場に戻ってよ、さっさと行かないと藍(姜維)に食らったやつ私が食らわすわよ!?」
「ひ!?ご、ごめんなしゃいっ!?」
等と叱りつけて追い出していた。
一体なんだったのか元直に聞いてみたところ暫く私の顔を眺められたが、
「あんたが聞いたら殺しかねないからねぇ…ま、あの子たちに仕事させる殺し文句に当分使わせてもらうわ、『懿来来』ってね」
と答えてくれなかった。
2月14日
新後宮の備品台帳の整理をしていた所、後宮書斎の図書は全て庁舎図書室にもあることが判明した。詠様に重複している図書は売却等で処分して良いでしょうかと伺うと、
「ああそれわざとだったと思うけど。書斎の図書は全額穏の私費で出てるはずだし、あの小部屋の建設費自体殆ど穏持ちだったはずよ?」
と答えられた。再度工事費内訳と備品の台帳を確認したところ、確かにその通りであった。陸遜殿が勉強家である事は夙に有名だが、後宮に所蔵された図書は貴重なもの多く見受けられこれらは世の為により利用された方が良いのではないか。
2月15日
陸遜殿を訪ね、後宮書斎の図書を有償で貸し出しして貰えないか交渉してみたところ、
「えっとぉ〜、私の書斎にあったって知ったらぁ〜、借りたいって仰る方もいないでしょうし〜、私としてもぉ〜、一刀さん以外があの部屋に入られるのはぁ〜、ちょっと困りますのでぇ〜」
と難色を示されたので諦める事とした。
説明 | ||
その後の、とある文官の日記です。 | ||
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コメント | ||
2月14日・・・何も起きなかった・・・だと?一刀はなぜビッグイベントをスルーしたんだ!?(Solty) ↓↓まあ、一刀さんなら100人だとうと200人だろうと全員連れて帰って幸せにするんでしょうけどねw(メガネオオカミ) 仲達は、仲達で、仲達だから。うん、三段活用ぽくなったね。もはや何しても『仲達だからしょうがない』ってことになってるねw(Alice.Magic) 仲達さんの対はわわあわわ性能の高さといったらwww そういえば戦国恋姫で一刀が恋姫全員連れて現代に帰ったことが確定したわけですけど、司馬日記の設定だとどれだけのヒロイン連れて来ることになるのやら(~_~;)(happy envrem) 仲達さんが801本のことを知ったらどうなるか…。怖いです、はい。(ミドリガメ) 炬燵の中でちん炬燵か……(いじり) 千数百年の後:教育委員長「正しい歴史を教えるのは教育の一部だ、だが18禁だらけの歴史ってどうよ…」(禁玉⇒金球) 仲達さんが801本を見つけてしまったら、確かに朱里ちゃんも雛里ちゃんも命の灯火が消えちゃいそうですがww 命を賭けてでも書きたいのかww 書いたら、もうボクによこせ、保管しておくから(神余 雛) 匈奴の方まで「ぷれい」って言葉が浸透してんのかい(牛乳魔人) 仲達が仲達だと仲達な人たちが... いかん混乱してきた。 そして穏さん、ついに専用の部屋をつくっちゃったかー。(FOX) ついには一刀にも言われちゃったな、仲達www書斎というが実質プレイ部屋の一種というwwwww(悠なるかな) 仲達さんに八百一「かだかず」と「かずかだ」を知られたら、八百一本関係は全部焚書処分になるでしょう。(いた) 陳琳さんがちょくちょく出てきて嬉しい限りです。 あ、2・12事件は当方とは全く関係ありませんよね?(くらげ) 炬燵は暖房器具です。用法を守って正しくお使いください(棒)(アルヤ) この作品の世界観だと腐軍師ズは自作八百一創作物の存在が公になったら首チョンパされても不思議じゃないね(yosi) 仲達さんが仲達さんであることは、もうこの世界では当たり前なんですねww臥龍鳳雛に対する『懿来来』は、本当の意味での殺し文句ですね!!(HIRO) ↓全くだw 蓮華はハンカチを噛み締めていたに違いない(呂兵衛) ↓に超同意ww(D8) そうね仲達が仲達だって事を忘れてた私達が仲達だったってことね。これを読んでリアルに酒吹きかけたw(ちゃあ) 炬燵ネタに吹かざるを得ないwww「ただし馬超、テメーはダメだ。」にここ最近一番ワロタwww(kazo) |
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