ソードアート・オンライン アクチュアル・ファンタジー STORY9 謎を残して |
STORY\ 謎を残して
デュオ視点
避難を確認して、俺は暗殺者の男に銃を放った。
暗殺者は俺が放った弾丸を、首を傾けるだけで易々と避け、お返しと言わんばかりに、両手のハンドガンを連射してくる。
奴の銃はハンドガンにも関わらず、アサルトライフルにも引けを取らない連射性能を持っていた。
俺とキリトは慌てて左右に回避し、柱の陰に隠れる。
デュオ〈武器はあの二丁拳銃と背中の長剣か〉
そっと覗き見て確認するが、それ以外に武器は見られない。
俺はキリトとアイコンタクトを取ると、さっと陰から飛び出してリボルバーを発射する。
男は、右手の銃でそれを撃ち落とし、左手の銃をこちらに向けた。
デュオ「キリト今だ!!行け!!」
俺の言葉に、後ろに控えていたキリトが飛び出し、ジャンプして俺の上から男に斬りかかる。
男は右手の銃だけ仕舞うと、背中から剣を引き抜き、空中のキリトと激しい斬り合いを演じる。
キリトが放った上段の一撃を、下段の斬り上げで真っ向から迎撃。
立て続けに飛んでくる左右の斬り払いも、回避することなく打ち合い、正面から受けて立つ。
互いの剣がおよそ12回の激しい火花を迸らせた後、キリトが再び上段斬りを放ち、男と鍔迫り合いになった。
剣が徐々に下がり、交差する刃の間から仮面の暗殺者が、キリトを見る。
そして、ニヤリと一瞬頬に笑みを浮かべると、剣を押し込んでキリトを吹き飛ばした。
俺は、こちらに向かってきたキリトを受け止め、男に発砲。
銃弾に続くようにして、男に斬りかかる。
剣の重量を活かし、遠心力を使った右斬り払いを放つ。
余裕の姿勢を崩さずに戦っていた男も、さすがに耐え切れないと踏んだか、宙に身を躍らせた。
俺は、空かさず剣を片手持ちにし、ホルスターから抜き取った銃を空中に向けて6発の銃弾を放った。
それに続いてキリトも飛び上がり、剣を振り上げる。
デュオ〈勝った!〉
幾ら奴が銃弾を撃ち返せるとはいえ、銃をホルスターに収めた状態でこの距離から発砲されれば、さすがにそれは無理だろう。
しかも、空中では身動きが取れないため回避も不可能。
奴は間違いなくダメージを受け、上手くいけばキリトの攻撃で行動不能に出来るかもしれない。
俺は、勝利を確信する。
だがその時、奴はこちらに不敵な笑みを浮かべてみせた。
まるで「これで勝ったつもりか?」とでも言っているような。
次の瞬間、男は信じられない行動を取った。
体を捻って、空中で―――床と垂直に―――高速回転、飛来する弾丸を斬り落としたのだ。
キリト&デュオ「なっ・・・!?」
驚く俺たちを他所に、男はキリトに向かって構える。
デュオ「キリト!!」
キリト「ちっ・・・!!」
慌てて防御態勢に入ったキリトに、暗殺者の容赦無い一撃がぶつかる。
?「ぜあ・・・っ!!」
キリト「ぐっ・・・!!」
甲高い金属音とともに吹き飛ばされたキリトは、そのままの勢いで壁に激突した。
衝撃音が轟き、キリトが激突した壁に亀裂が奔る。
キリト「がはっ・・・!!」
硬い大理石に叩き付けられたキリトが、HPを大きく減らし口から鮮血を吐き出した。
デュオ「キリト!!くそっ!!」
それを見た俺は銃を投げ捨て、剣を振り上げて男に走る。
デュオ「ぜいあぁぁぁ・・・!!」
着地した直後の暗殺者は、振り返るのと並行して、剣を後ろに流すように構えた。
デュオ「はあぁぁぁっ!!」
未だ余裕の色を失わない男に向かって、俺は上段に構えた剣を右に流して横薙ぎに振るう。
男の後ろから向かってきた剣が、俺の剣と激突し火花を散らした。
デュオ〈重い・・・!!〉
あまりの剣圧に、俺の剣が跳ね返ると、男は滑るような滑らかな動きで剣を引き絞る。
左手を突き出し、肩と同じ高さで水平に構えた剣先が俺の心臓に向いた。
瞬間、狂いの無い打突が飛んでくる。
俺は、どうにか引き戻した剣の腹で突きを防いだ。
致命傷は避けられたが、打突の勢いでキリトとは逆側に吹き飛ばされてしまった。
すると、男は剣を担ぐように肩に乗せる。
?「なんで俺と戦うんだ?」
そして、突然話し掛けてきた。
いきなりの出来事にやや驚くが、すぐ気を取り直すとキリトが言い返す。
キリト「お前こそ、なんでこんなことをする!?」
?「なんで、って。こっちは仕事なんでね」
デュオ「人殺しがか!?」
?「モンスター退治さ」
悪びれることも無く、飄々とした態度と取る暗殺者。
その様子はラフコフのメンバーを連想させるが、奴にはどこか違和感がある。
だが、その違和感が何なのかわかる前に、キリトが怒鳴った。
キリト「何がモンスター退治だ!!人を殺しておいて!!」
?「よく見てみろ。こいつらは人じゃない。」
男は、剣で周りをあおぐ。
それを見て俺たちは同時に、倒れている騎士たちを見た。
フェイスマスクが壊れ、中から出た顔は炭のような黒い肌をしている。
深夜の外灯のように光るオレンジ色の目、口には三角形の鋭い牙が鋸状に並ぶ。
?「まあ、俺もただの人間じゃないけどな」
振り返ると、そこには男の姿はなかった。
慌てて周りを確認するが、その姿はどこにもない。
?「こっちだ、こっち」
声が聞こえたのは、上からだった。
俺たちは、天井の割れたステンドグラスに視線を向ける。
そこには、先程姿を消したばかりの暗殺者の姿があった。
キリト「どういう意味だ!」
?「自分で考えな。さて、俺は仕事があるんでね」
デュオ「待て!!」
立ち去ろうとする男に、俺は銃を放つ。
だが、銃弾は天井に当たって、大理石の粉を落としただけだった。
すると、土埃が舞う天井部分から男がヒョコっと顔を出した。
少年「((Adios|アディオス)) ((Kids|キッズ))!」
それだけ言い残して、暗殺者はどこかへ去っていった。
説明 | ||
久々の戦闘シーンです。 | ||
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コメント | ||
本郷 刃さんへ はい。以前、デュオの元ネタが〇ンテでは?と言われたことがありまして、その時から彼を元にしたキャラを作ってみるのも面白いかと思って出来ました。 ストーリーの元ネタに関しては最初だけは使わせていただきました。(やぎすけ) ふむ・・・もしやですが、元ネタはDMC4と○ンテですかな? 二丁拳銃と長剣、さらに戦闘が始まるまでの経緯を考えて・・・(本郷 刃) |
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