仮面ライダーオーズ×ポケットモンスター 氷の中で燃える炎・欠ける虹 9話 |
目を腫らしたミミとコンを抱き抱えて、リトはポケモンセンターに戻って行った
昼に全てを話すと決めていた為にもポケモンセンターに行くことにはなっていた
「……でもやっぱり、言いずれぇ…」
【しょうがないでしょ、オーズにとっても重要なんだから】
数分後、ポケモンセンターに着いたリトはサトシのいる寝室を聞き、そこに向かう
扉を開けると、そこには和気あいあいするタケシ達とベットから起き上がっているサトシの姿が
「あ、リト……今さっきサトシが目を覚ましたんだ」
「でもさっきからぼーっとしているのよ」
タケシが戸惑いながらもリトに対応し、カスミは心配そうにサトシを見つめる
――だがリトは、急に鳥肌が立った
サトシを見てからだ
「……ッ!みんなサトシから離れろ!」
「ええ!?」
「一体どうしたんだい?」
驚くヒカリに尋ねるデント
一方のリトは険しい眼でサトシを見る
まるで天敵を見つけたかのようだ
彼の中にあるコアメダルが渦巻いているのが何よりの証拠
「……いつからだ。いつから目覚めたんだ…!」
「リト?」
「ピカァ…!」
周りが未だに警戒心を消さないリトに疑問を持つ
ピカチュウも目の前の人物がサトシではないかのように威嚇する
そんな中、サトシはベットから出ると窓を開けて外の風景を見る
「――美しい。夜の光に照らされる町、星がちりばめている夜空…」
「「「……………!?」」」
「我は全てを手にいれたい。この森、この町、この夜空を!それだけではない!海も、山も、人も!この世界全てが欲しい!!!!」
タケシ達はやっと理解した
目の前の人物がサトシではないと言うことに
「……もうすぐやってくる……この世界の終末が…そして」
「やっぱり、お前は………」
ゆっくりと振り向いたサトシの眼は――
「――誕生するのだ。我が統べる、新しき世界が」
「……ギル王…!」
鈍く、不気味な紫色に光っていた
「…ギル…王…?」
アイリスは言葉の意味がわからず、混乱している
タケシ達もわからずにいた
「久しいな、訪問者。こうして話すのも貴様が我を殺した時以来か?」
「そうだな、でも俺が殺したのはお前じゃない。お前のオリジナルだ」
「それもそうだな。どれ、再会を祝おうとするか?」
「お断りだ。こっちは二度と会いたくもなかったからな」
「ククッ…そう言うな。我は歓喜しているのだ。こうして貴様を……なぶり殺しに出来るのだからな」
リトとサトシ……いや、ギルの会話は殺伐としていた
リトからは怒りを押し込めた感情が溢れ、ギルからは歓喜と恨みが混ざったような感情がわかる
体の中にいる五つの人格も怒りの感情で溢れていた
「ああ、やってみろよ…ただし、サトシの体から出ていけ!!」
「それはできんな。この肉体は我が目的を遂行するに必要なものだ」
「なら、力づくで……!!」
リトは険しい眼のまま、ギルに向かって走り出した
だが、ギルは開けた窓から落ちるようにしてそれをかわす
そしてそのまま地面に着地…ゆっくり立ち上がるとリトに降りてくるように指示する
「ハハハ……そうかッかするな。貴様も降りてこい。この体に馴染む為にも相手をするのだ、訪問者」
「なにぃ…!」
「それにこれも……術士どもの作ったと言うこれを試してみたいからな」
そう言ったギルの手にはオーズドライバーと三色のメダルが握られていた
ギルは腰にドライバーを着け、メダルをセットし…変身した
「変身」
『タカ!トラ!バッタ!…タ・ト・バ、タトバ、タットッバ!』
ギルはそのままオーズへ変身
しかし、それはいつものオーズではなかった
眼が紫色になっているのだ
「っそ!変身!!」
「そうだ、それでいい」
リトは悔しいと思いながらも飛び降りクウガに変身
そしてそのまま、最初の一撃を放っていた
「フム、なかなかの威力だ。申し分ないな」
「テメェ、なに考えてる!?変身したとしてもお前は俺に勝てねぇぞ!」
「……そうだな、だが勝つ必要はない」
なに、と言う前にオーズはバッタレッグの跳躍力を使った蹴りをいれる
クウガが怯む隙にオーズはメダルを変え、スキャンする
『プテラ!トリケラ!ティラノ!…プットティラ〜ノザウルース♪』
「どういう意味だ…!」
「そのままの意味だ。………どうした、かかって来ないのか?」
オーズはプトティラにコンボチェンジし、メダガブリューを取り出す
一方のクウガは内心焦っていた
――プテラノドンヤミー戦でのあの実力
ライジングにならなければ正直勝てない…そう思っているのだ
しかも、相手はサトシの体を使っている
下手にダメージを与えられないのだ
「(なら、一気にけりを付ける!)超変身!!」
「いいぞ…そのまま続けろ」
クウガはアメイジングマイティに超変身し、プトティラに挑む
それを楽しむかのようにプトティラはメダガブリューを振るいながら戦うが全てクウガAMに避けられた
防御力の高いプトティラだが、アメイジングマイティの電撃攻撃は防御力を無視して内部を攻撃する
次第に勢いが弱まって、プトティラは膝を付いた
「戦闘経験が少ないところが仇になったな…」
「ふん、確かにな…だが絶対的な力に経験は関係無い」
「絶対的な…か。させるかよ、絶対に」
クウガAMはそう言い残し、距離を伸ばし助走する
そしてジャンプ……必殺の【アメイジングマイティキック】をぶつけた
プトティラは大きく吹き飛び、変身が解除される
「ぐぉ…!」
「さぁ…大人しくサトシから出ろ!」
「それはできんと言ったはずだ…。だが、我のメダルを、力を使ってしまったからな……浅い眠りには付くだろう。だがその前に…」
ギルは身体中から紫のオーラを出し、目を段々と閉じる
「この体の人格を……暴走させるか…」
「なんだと!?」
「ふははははは!!貴様が救う筈の者を貴様が殺すのだ!!我に逆らう者は全て極上の苦しみを与える…これ程滑稽なことはない!!」
ギルは高笑いし、勝ち誇ったかのような笑みを浮かべる
そして、完全に目を閉じ、最後の一言を呟いた
「もっとも…助かったとしても、この体の人格がまともにいられるとは思えんがな…」
言い残したギルの気配は完全に消えた………だが、目の前の脅威が去った訳ではない
ギル…いやサトシは焦点が合わない眼でこちらを見る
「あ、あ、……あああああああああああ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛ッッッ!!!!」
「サト……なっ!?」
サトシの叫び声が聞こえ、何やら先程までいた部屋から音がすると思ったら、今までリトとサトシが回収していたセルメダルが窓から出てくる
そしてそのメダルはサトシに覆い被さるように落ち、サトシの姿を新たに形成した
恐竜のような爪、皮膚、尻尾…そしてティラノサウルスの骨をモチーフにした頭部
不完全なグリードなのだろうか……だが、実力は計り知れない
恐竜グリード・不完全体は咆哮を上げ、クウガAMに襲いかかった
「嘘……」
「サトシ…が…」
「…いっ…いやぁあああ!!」
部屋から覗いていたタケシ達は既に下に降りて戦闘を見ていた
そして、サトシが目の前で…怪人になるところを見てしまったのだ
「くっ!?サトシ、目を覚ませ!!」
『あああああ…うぁああああああ!!』
恐竜グリード・不完全体は一心不乱にクウガAMに拳を叩きつける
一方のクウガAMは相手がサトシなので迂闊に攻撃できないでいる
『うあああああ…!!』
「なっ…ぐあ!!」
恐竜グリード・不完全体の放つ冷気によりクウガAMは両腕を凍らされた
動揺している一瞬の隙に恐竜グリード・不完全体は尻尾を叩きつける
先程の戦闘の疲労もあってか、クウガAMは変身解除してしまった
「リトッ!!」
「サトシ、もうやめて!!」
『うあああ…』
デントが倒れたリトのもとへ行き、マサトが止めるように訴えるが、恐竜グリード・不完全体には聞こえていないようだ
それどころか二枚のセルメダルを近くの岩と木に投入し、そこからユニコーンヤミーとアンキロサウルスヤミーを作り出した
「ヤミーを作ってる…ってことはかなりヤバイな…」
【呑気に解釈すんな!来るぞ!】
『『ォオオオオオ!!』』
ダメージが大きく、すぐには動けないリトに向かって二体のヤミーは走り出す
リトの中の人格の一人が呼び掛けるが、正直間に合いそうもない
――だが、そんなヤミー二体に上空からシャドーボールが当たった
『『グォアアア!!』』
「な…何だ!?」
「どこから…?」
「………ナイスショット…」
タケシ達は狼狽え、リトはそう呟きながら上を向く
「ミュウツー…」
そこに居たのは、暗い夜空に浮かぶ…ミュウツー
「「ミュウツー!?」」
「なっ何で!?」
「どうしてカントーに!?」
ミュウツーの存在を知るカスミ、タケシ、デント、アイリスは驚く
ただ、アイリスとデントに関してはこのミュウツーとは別個体と会っているので勘違いしているが
『待たせたな、戦友よ』
「いや、けっこう良いタイミングだったぞ」
【嘘をつけ、かなりぎりぎりだったぞ】
【いつも計画性がない君が言うの?】
【黙れ、カザリ!】
【ケンカダメ〜】
【そうよ、それに……彼を止めるんでしょ?クウガの坊や】
「まあな。でもけっこうきついけど…」
【はっ!…こっちは負けられると困るんでなぁ?さっさと勝つぞ】
「言われなくても…」
リトは少しよろめきながら、その姿をキメラグリードに変える
そしてその横に、仁王立ちするミュウツーが降り立った
『サトシ……俺は…俺は……お前を救う為に倒す!!それが今の俺にできる、全てだ!!』
その言葉と同時に、キメラグリードとミュウツーはそれぞれアンキロサウルスヤミーとユニコーンヤミーに戦いを挑む
まず最初にミュウツー対ユニコーンヤミー
ユニコーンヤミーは真っ直ぐミュウツーに自身の角を突き刺そうとする
だが、ミュウツーは難なくそれを避け、すれ違い様にシャドーボールを打ち込む
怯みながらも振り向いたユニコーンヤミーだがそこにはミュウツーの姿はない
どこに行ったのか辺りを見渡していると、真上からサイコカッターが数枚斬りかかってきた
急なことに対処しきれないユニコーンヤミーの角が斬られ、無防備になったところにミュウツーの至近距離によるサイコブレイクが命中……ユニコーンヤミーは無惨にも散った
次にキメラグリード対アンキロサウルスヤミー
固そうな見た目をしていたため、キメラグリードは攻撃力の高い腕に変化させて攻撃したが、傷一つ付かない
そうしている間にアンキロサウルスヤミーは硬い鉄球部分で反撃
防戦一方な状態が進んだが、人格のいくつかと対話し、作戦を思い付いた
キメラグリードは腰マント部分をムチに変え、アンキロサウルスヤミーの腕を縛り動けなくすると、なんと口の中に手を突っ込んだのだ
そのまま水流を流し込み、体が膨脹するほど水が入ったとたん、今度は電撃を流し込んだ
水は電気を通しやすい……そんな性質を利用した攻撃だ
トドメと言わんばかりに今度は炎を口に放つと――アンキロサウルスヤミーは爆発した
電気分解により発生した水素と酸素……それを使った攻撃だ
ちなみにこれを考えたのは腹黒い人格だったりする
『これであとは……』
『アイツだけって訳だな…』
合流したキメラグリードとミュウツーは未だ叫び続ける恐竜グリード・不完全体を見る
だが、その叫び声からは何故か恐怖を感じない…
『ウウアア…ウアァァァアアアアァアアアアアア!!』
『サトシ…!』
『彼けっこうヤバイんじゃないの?』
『確かに……もしかして強制的に戦わせられてるんじゃないかしら?』
『だとすれば、早く助ける!』
『いくぞ〜』
ミュウツーが飛び上がり、シャドーボールを恐竜グリード・不完全体の足下に連発させて威嚇する
恐竜グリード・不完全体がミュウツーに気をとられてる間にキメラグリードは足をチーターのように変えて移動
懐まで来た途端にキメラグリードは恐竜グリード・不完全体の胸をかきむしるように引っ掻く
――サトシの体を包んでいるのは集めたセルメダル…だとすればそこからサトシを取り出せるはずだ
そう考え、ひたすら掻き分けると体がセルメダルに崩れ、中から腕が出てくる
『ッ!!サトシ…』
『グルァアアアアア!!』
『うおっ!?』
キメラグリードは腕を取り、引っ張り出そうとするが、その前に恐竜グリード・不完全体の冷気によって視界を塞がれる
そしてパンチが炸裂……今日で何戦もしてきたキメラグリードの体力の限界もあり、すぐに地面に叩きつけられた
『くそぉ…』
『……………けて……』
『……!?』
『だれ…か……た…けて…』
恐竜グリード・不完全体…いや、その中にいるサトシが震えるような声で助けを求める
キメラグリードはそれと同時に理解した……あの叫びは悲鳴だったのだと
自分では止めることのできない悲しさのこもった、悲鳴だったのだと
苦しいからこそでる、悲鳴だったのだと
――だからこそ、助けなきゃいけない
『ぉおおおお!!』
伏せていた地面を蹴り、再び腕を掴もうとするキメラグリード
ミュウツーはその後押しにサイコキネシスで恐竜グリード・不完全体の動きを止める
そして……キメラグリードは腕を取り、サトシを取り出した
『ぉおお…おお……』
声がしぼんでいき、恐竜グリード・不完全体の体がセルメダルに還元された
キメラグリードもリトに姿を戻しサトシを支える
サトシの顔にはいくつもの泣いた跡があった
どうやら必死に止めようとしたができなかった悔しさで泣いていたらしい
「リ……ト…」
「サトシ、平気か?」
「俺……グリードに…」
「大丈夫だ、まだ間に合う」
「でも…みんなを…」
「傷つけるかもしれないって?それでもいい、俺が止めるからな」
「……この力を……使っても…?」
「いいんじゃないか?それでも…それでも戦っていいんだぜ?」
その言葉を聞いた途端、サトシは気を失った
何気に今日で二回気を失った……人生であまり経験することはないだろう
リトはサトシを抱えてタケシ達のもとに行く
「明日にでもいいか?俺が……全部話すのは」
ごめんなさいXXXです
説明の所……ちょっと違ってました
仮面ライダー部分あんまやりませんでした…
次は戦闘シーンがない、いわば拠点イベントです
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