真・恋姫無双 刀蜀・三国統一伝 第八節_拠点:星のメンマと酒と本当に大切なもの |
まえがき コメントありがとうございます。朝と昼の温度差に発狂寸前のsyukaです。さて、今回は星の拠点です。星と言えばメンマ、メンマと言えば星です。華蝶仮面とかパロディ要素も強い彼女ですが、良い味出してますね〜←誰 彼女と貂蝉の絡みとか割と好きですよw 私的にはたまに見せる恥じらいや真剣な表情に胸をうたれます。星の恥じらいに全俺が萌えたと言っても過言ではないでしょう。それではごゆっくりしていってください。
うむ、今日は主とのでーとの日だ。なかなかに待ち遠しかった。暇潰しに愛紗をからかい、朱里や雛里をからかいはしたものの、毎日これでは流石の私でも飽きが来てしまったところだったからな。
「星ちゃん、今日は妙に生き生きしてるわねん。」
「そうか? いつもと変わらぬと思うのだが。」
今は貂蝉と朝の警邏中だ。まぁ、この時間帯から外にいる者も多くはない。楽なのはいいが良い分やり甲斐がない・・・。
「も・し・か・し・て、今日のご主人様とのでーとを楽しみにしてるのね〜。星ちゃんにもついに春が・・・ぐふふ♪」
「確かに楽しみであることに違いはない。 だが、主と出かけるのも初めてではないのでな。 とりあえずは酒と肴でも買ってのんびり過ごすさ。」
「もう、色気が足りないわん! 星ちゃんが押し倒しちゃえばそのまま流れでしっぽりと・・・この先は恥ずかしくて言えないわ!//」
「私はそれでも良いのだがな。 だが主はそれを望んでいない。 時が来るまで待つのも興だろう。」
「星ちゃんったら〜・・・あんまり焦らしちゃ駄目よん?」
「むしろ焦らされているのはこちらだ。」
何度か主の部屋に向かおうとも思ったのだがな・・・。先日まで負傷されていたのだ。不安定な状態で無理をさせるのは私もしたくはない。
「警邏もこのあたりが頃合だろう。 私は主の部屋に向かうぞ。」
「分かったわん。 私はもう少し市を散策するから、早く行ってあげなさいな。」
「うむ。」
私は少々駆け足気味になりながら主の部屋へ向かった。心なしか足取りが軽いのは心が高ぶっている証拠・・・私も変わったのだろうな。
「貂蝉よ、子龍をあのまま行かせてよかったのか?」
「あら、卑弥呼じゃない。 覗き見なんて趣味悪いんじゃな〜い?」
「たまたま通りかかっただけじゃ。 そのようなことより子龍のことが先じゃが。」
「恋する乙女は止められないのよん。」
「分かっておるわい。 じゃが・・・気付かぬお主でもあるまい。」
「勿論。 けど、私たちが口出ししてどうこう出来ることじゃないわ。」
「・・・そうじゃな。 後はご主人様に任せるとするかの。」
・・・
「一刀! 起きなさいよ!」
「う〜ん・・・あと五分。」
「子供かっ!」
「くすくすっ、薔薇ちゃん。 もう少し寝かせてあげてもいいんじゃない?」
「今日は星とでーとって言ってたじゃない。」
「そうだった!!」
昨日が胡花と遅くまで話し込んでたから・・・うっ、ちょっと眠気が残ってる。
「顔でも洗ってきたら?」
「そうだね。」
俺は欠伸を噛み締めながら部屋を出た。うぅ〜・・・眠気が残ってるのなんて学生時代以来だなぁ。いや、卒業はしてないからまだ学生なのかな?・・・どうでもいっか。
「一刀さんが朝眠そうなんて珍しいね。いつも私たちより早く起きて、しゃきっとされてるのに。」
「なんだかんだで疲れが抜けてないんじゃないかしら? 最近は部屋に戻ってきてから政務してるから。 無理はするなっていつも言ってるのに。」
「一刀さんだから。 無理をするなと言われても皆に支障が出るなら無理をされる方だよ。」
「まったく・・・病み上がりなんだからもう少し休む時間くらい確保しなさいよね・・・。」
・・・
「はぁ、すっきりした〜。」
「お帰りなさい。」
「主がこの時間に起きられるとは・・・今日は雨ですな。」
「あら、星。 待ちきれなくて部屋まで来ちゃったらとか?」
「まぁ・・・あながち間違ってはいませぬ。」
まぁ珍しい。星が素直だ。
「というか、そんなに俺が遅く起きるの珍しいかな? さっきも薔薇に言われたんだけど。」
「うむ。 私の印象では朝は厨房で料理、愛紗との稽古、市で警邏。 このどれかですな。 おそらく私と起床時刻も同じでしょうから。」
「朝は強いつもりだからね。 でも今日は・・・はふっ。」
すっきりさせたつもりなんだけどなぁ・・・。
「まぁ、適当に歩いてれば眠気も覚めるでしょ。 朝ごはん食べてからでいい?」
「御意。」
「私たちもごはん食べに行きましょ。」
「そうね。」
俺たちは雑談しながら俺の部屋を出た。月に熱いお茶を淹れてもらおう。
・・・
俺は食後、星と市をぶらついてる。というか、夜に二人で飲むための白酒を探してる。
「星、いつものお店じゃダメなの? あそこならおっちゃんが白酒置いてくれてるでしょ。」
「あそこにあるのならこのように探しておりませぬ。 何やら金髪くるくる髪の人が買っていったそうだが。」
「・・・麗羽だな。 まぁ確かにあの酒はほどほどに値も張るから麗羽も気に入るだろうけど・・・飲めるのかな?」
「さぁ。」
麗羽が酔ったらそのお守りにまた斗詩が苦労するんだろうなぁ・・・容易に目に浮かぶ。
「とは言っても、飲み慣れているものを飲むより目新しいものを買い冒険する。 それも一興だと思いますが、主はどう考えられる?」
「う〜ん、お酒に関してはそんなに詳しくないしこだわりもないからなぁ・・・。 俺は普段なら飲み慣れているものを買うかな。」
「なるほど。」
そんなことを呟きながらも俺の眼前を歩く星。・・・いつもより足取りに元気がないというか、足がおぼついてるんだよな。パッと見ならまず気付かないくらいに。
「・・・ねぇ、星。」
「ん? 何かお有りか?」
「特に何か見つけたわけじゃないけどさ・・・星、もしかして体調悪い?」
俺にそう言われてもキョトンするだけの星。ん〜?何か引っかかるんだけど・・・。
「私は体調を崩すような人間にお見えか?」
「見えないよ。 けどさ、なんか少しだけ無理してるように見えるんだ。」
「それは主の杞憂ですぞ。 それより、私よりご自分の身を案じてくだされ。 ただでさえ病み上がりの身なのですから。」
「うん、分かったよ。 ありがと。」
それでも心配なものは心配なわけで。
そんなに心配なら今日は付き添っておいてやれ。
そうするよ。
俺には無理するなって言うのに・・・仕方ないなぁ。
「主よ、もう少し早く歩いてくだされ。」
「はいはい。」
・・・
市を歩き始めて30分。ようやくお目当ての白酒を入手したところで再び移動開始。このあとに星が買うものといえば決まってるよなぁ。
「へい、らっしゃい。」
予想通りの星の行きつけ。何故か存在するメンマ専門店。専門店というか、まぁパッと見は屋台。一回ラーメンと思ってついてきて、食べてみれば麺の代わりに入ってたのはメンマ。最初に出てきたサービスもメンマ。その他にもメンマチャーハンなどなど。
「店主、いつものを頼む。」
「毎度ありがとうございます。」
いつもので済むあたりかなりの常連である星。というか、星以外の客が来ているのかすら謎である。よく経営が成り立ってるよな・・・。
「お待ちどうしました。」
「ありがとう。」
お代を店主に渡し、ホクホク顔でメンマ(大盛り)を受け取る星。これ、何日分あるんだろうな・・・。
「主は酒の肴は何かご所望はあるか?」
「いや・・・メンマで十分です。」
目の前にあるこの量のメンマを見るだけで胸焼けを起こしそうなのに・・・これ以上あってもお腹に入んないって。
「では私は一度部屋へ戻ります。 夜に備えて準備するので。」
「了解。 じゃあ俺は厨房で夜ご飯でも作ってこようかな。」
「御意。」
俺たちは城の前で解散した。さて、厨房に向かおうかな。
・・・
夜、皆の分の晩御飯を作り終えたところで俺は城の城壁へと向かった。もう待ってるかな?
「待ちくたびれましたぞ、主。」
「ごめんごめん。 皆の晩御飯の配膳してたからさ。」
予想通り星は既に城壁に腰掛けて待っていた。今日の夜風は涼しいというよりも肌寒い。けど、満天の星空の下で酒に洒落込むのも中々に乙なものがある。
「主もほら、ここに。」
自身の隣をぽんぽんと叩く。早く座れとな。
「そんなに急がなくても時間はまだまだあるのに。」
「主との二人の時間は貴重なのだ。 一寸たりとも無駄にはできんのでね。」
「そんなもんかね?」
「そういうものですぞ。」
とりあえず星の隣に座ってお酌してもらう。星にもこちらからお酌する。
「今日の良き日に、乾杯。」
「乾杯。」
チンっと軽い金属音があたりに響き渡る。互いにくいっと一気に飲み干すと喉をアルコールの刺激が通り抜ける。隣を見れば星も俺の顔を見つめていた。少し顔が赤いのはアルコールのせいかな?
「主・・・。」
星がトロンとした目で俺を見つめてくる。・・・酔いが回るには早すぎじゃないか?普段の星ならばありえない早さだ。
「星・・・大丈夫・・・んっ。」
星が俺の唇を奪った。・・・息遣い、というか顔が凄く赤い。城壁に登ってきたときとは比にならないくらいに。
「星、辛いなら部屋に戻ろう! 二人の時間ならまた作るから・・・。」
唇を離し、星に伝えると俺の頬に添えられていた星の手がずるっと落ちる。それと同時に星の体が崩れ落ちそうになる。
「はぁ・・・はぁ・・・。」
星を抱きとめると、息遣いがどんどん荒くなっていく。
「やっぱり無理してたんじゃないか。 まったく・・・。」
っと、こんなことぼやいてる暇じゃないか。診療部屋・・・はもう艶火が閉めてるよな。ひとまず星の部屋まで運ぼう。俺は星をお姫様だっこして星の部屋へと足を向けた。
・・・
「すぅ・・・すぅ・・・。」
星の額に乗せていた布を取り替え、水をもう一度浸し軽く絞ってから彼女の額に乗せる。顔色の赤みが少し薄れたあたり、熱も少しは下がったかな。
「一刀、そろそろ私と変われ。 お前もそろそろ休まねば体に響くぞ。」
「ありがと。 けど、看病は俺がしたいから任せて。」
「そうか。 だが、くれぐれも無理をするなよ。 お前が倒れたら本末転倒だからな。」
「了解。」
鈴も心配してくれてたんだな。まぁ、俺の一番そばにいるから俺の体のこともよく分かるんだろう。
「・・・んっ・・・あるじ?」
「あ、ごめん。 起こしちゃった?」
「ここは・・・」
「星の部屋だよ。 飲んでる途中で倒れちゃったんだから。」
「そうか。 ・・・みっともない姿を見せてしまった。」
申し訳ない。と頭を下げる星。
「申し訳ないと思うならもっと体を大切にしなさい。 ・・・まぁ、俺も人に言える立場ではないんだけどさ、夜に一人で鍛錬してるでしょ。」
「気付かれていましたか。」
「俺も薔薇と百合が寝静まった後に政務してたりするからね。 休憩がてら外に出たときにたまに見かけてたんだ。」
「なるほど・・・。 はぁ、愛紗に素直になれと言っていた私自身が熱で倒れるとは。」
自嘲しながらも苦笑する彼女はどこか悲しげで。月明かりのせいか儚く、今にも消え入りそうな雰囲気を醸し出している。
「私は・・・どうにか主に追いつこうと夜に鍛錬を続けていました。 だが、どれだけやっても主は私の遥か先にいる気がして・・・焦りが出てしまったのでしょうな。」
「どうして一人で・・・言ってくれればいつでも一緒に。」
「私が主に追いつくために、それを主に頼めるとお思いか? それに、他の者に頼めるわけもない。」
「星・・・。」
「主を守るために槍を握ろうと決めたあの日から。 先にいる主を追いつこうと鍛錬してきたが・・・どれだけ強くなろうと主はまだまだ先にいる。 主より強くならねば・・・守られるだけでは主を守ることなど出来る訳もない。」
俺より強くなるために・・・俺のためにそこまでしてくれたのか。それこそ熱が出るほどに。
「星が倒れたら俺はどうしたらいいのさ。 皆を守るって決めたんだ。 誰も失いたくないって、そう思ったから。」
「しかし、私たち家臣を守るために主が傷つくのであれば悲しみの涙を流すのも我らなのですぞ。 少なくとも私はそうです。 主がいるからこそ・・・私の愛する貴方がいるから私は戦える。 主を戦場から生きて返すために命を散らせるのであれば、それも悪くない。」
「そういう役目は俺が・・・って言っても、星は納得してくれないんだよな。」
「勿論。」
「じゃあ二人で・・・ううん、皆で強くなろう。 皆が戦場から生きて帰ってこれるように。 誰も犠牲にしなくていいようにさ。」
「ふむ、それが妥協案であろうな。」
「うん。 とりあえず、星は大人しく寝ときなさい。 お酒はまた明日付き合ってあげるから。」
「御意。」
星を寝台に横にさせると、不意に腕を引かれ俺も寝台・・・星の隣に引き込まれる。
「今宵はこのままで。」
「どうしたのさ? いつになく甘えん坊じゃないか。」
「主に横にいていただけると安心するのでな。」
「そういうことか。 分かったよ。」
「ありがとうございます。」
二人で寄り添い合いながら眠りに着いた。星の少し高い体温が心地よくて、寝息が少し擽ったい。安心する・・・か。それは俺も同じなんだけどな。そんなことを考えながら夢の中へと旅立ったのだった。
ちなみに、翌日に星に酔い潰されたのは語るまでもないだろう。
あとがき 読んでいただきありがとうございます。星の拠点はいかがでしたでしょうか。書いてて思ったのですが、甘えん坊の星・・・ギャップ萌えで死にそうでした。思わず鼻血が・・・失敬。拠点パートもそろそろ終盤戦に差し掛かってきました。ラストスパートと思いながらも執筆速度を上げるつもりで・・・上げたいのですが・・・企業の研修が残りひと月で開始ですので再び遅くなるかもしれません。それでも月に3〜4度は更新しようと考えておりますので、よろしくお願いします。それでは次回、 第八節_拠点:怒髪天の紫苑と雷 でお会いしましょう。
説明 | ||
何でもござれの一刀が蜀√から桃香たちと共に大陸の平和に向けて頑張っていく笑いあり涙あり、恋もバトルもあるよSSです。 | ||
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種馬王に医者王、麺麻女王かwww(らっしぃ) 甘える星ってあまり見ないから新鮮だ(黄昏☆ハリマエ) いつもの星も味が出ていていいですが、やはり甘えが入った星が一番萌えますな!(本郷 刃) |
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