魔装機神サイバスター・トータル・オルタネイティブ
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第一話『凶兆』

 

 

 

地球の内側にある世界『ラ・ギアス』

その世界は外側にある地球とは全く別の技術が発達している世界、何よりその世界には外側にいるBETAが存在しないのだ。

 

BETAとは、

 

Beings of the Extra Terrestrial origin which is Adversary of human race(人類に敵対的な地球外起源種) の略。人類と同様の炭素系生命体だが地球上(地表・地中・深海)だけでなく真空中でも活動が可能であり、地球上における生物学の常識を逸脱している。体内には暗赤色の体液が流れているが、その体液を含めBETAの肉体を構成している物質や、生物的な役割などは判明していない。

火星や月は既にBETAに支配されており、地球では1973年のBETA来襲以来、28年間にも渡って人類との戦争が続いている。人類は再三BETAと接触しているが、生命体として認識されていない。BETAに対するコミュニケーション手段は一切不明だが、文明や共通の言語を持たない複数種の生物が高度な社会性をもって機能を分担し、連携して人類に対する攻撃を繰り返している。また、BETAの生態系についてはほとんど解明されておらず、外見や戦闘能力に応じて便宜的に区分されているのが現状である。劇中の2001年においても地球に存在するすべてのBETAが判明しているわけではなく、後述の母艦級など、新たに発見されるケースや、各戦線から未確認のBETAの断片が発見されることがある。

BETAの戦術は基本的に圧倒的な物量によるごり押しであるが、次第に有人兵器を識別し、脅威度の高いものから排除するようになっていった。ただし基本戦術は変わらない。

地球に来た目的なども不明だが、『ハイヴ』と呼ばれるBETAの「巣」から外宇宙へシャトルのようなものを発射されているのが確認されている。地球周辺の宇宙空間も既にBETAが支配しているが、衛星軌道上の人工衛星や、ラグランジュ点で建造中の地球脱出用宇宙移民船などは攻撃を受けていないため、BETAは地球そのものに対して、何らかの目的があると思われている。

 

当然、ラ・ギアスの住人は一部を除いてBETAの存在を知らない。

だが、そんなラ・ギアスの世界だが今、ある事件が起きていた。

 

 

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ラ・ギアス『神聖ラングラン王国』王宮内

 

王宮内を一人の少年(歳は14、5歳くらい)が傍らに白猫と黒猫を引きつれて歩いていた、

 

「オーイ雅樹!!」

 

雅樹と呼ばれた少年、本名は『龍見雅樹』歳は15歳でラ・ギアスでも四体しかいない魔装機神と呼ばれる魔装機の中で風の魔装機神『サイバスター』の操者でもある。

 

「んあっ?・・・澪かお前も呼びだしくらったのかよ?」

 

雅樹は眠たそうな目で振り返るとそこにはツインテールのまだ幼さが残る少女、『貴家澪』にぶっきら棒に答えた。

貴家澪、歳は13歳でこちらも魔装機神の内の一体、大地の魔装機神『ザムジード』の操者でもある。

 

「まねー。というか、雅樹。すんごい眠そうな顔してるけどどうしたの?」

 

「どうしたのじゃねぇよ。昨日の夜、また例の奴らが出てきやがってその退治に駆り出されちまったんだよ。そんでついさっき終わってそのまま帰って来た所だ」

 

不機嫌そうに顔を歪めながら応える雅樹に澪はあーっと苦笑しながら、

 

「それで、更にフェイル殿下から呼び出しが掛かっちゃって貫徹ってわけね」

 

「そう言う事だ。そう言うお前の方はどうなんだ?」

 

「あたし?あたしは近場だったし帰って来た頃には雅樹と入れ違いだったからそのまま待機ってわけよ」

 

「マジかよ。ズリー!」

 

「なはははっ!・・・っと着いたね。開けるよ」

 

そう言いながら澪はドアをノックした。

 

「ああ、入っていいよ」

 

「失礼しまーす」

 

「失礼するぜ、殿下」

 

雅樹達が部屋に入るとそこには部屋の主である長髪の美青年『フェイルロード・グラン・ビルセイヤ』とその妹である青みがかかったショートカットの『セニア・グラニア・ビルセイア』がいた。

 

「やあ、良く来てくれたね二人とも。特に雅樹は昨日は大変だっただろう、ご苦労だった」

 

「全くだぜ。流石に今回はキツかったよ」

 

「いえいえ。あたしの方はあんまり苦じゃなかったですよ」

 

対照的な事を言いながら二人は備え付けのソファーに腰を下ろした。

 

「それより何で俺達二人を呼んだんだよ?また任務か?」

 

「いや、実はまだ人が来る予定なんだが―――」

 

フェイルがそう言うとコンコンッとドアがノックされ入室の許可を出した。

 

「「失礼します」」

 

入って来たのはセニアよりも青みがかかった長髪の女性と立派なひげを生やした男性であった。

 

「あれ、ウェンディ?」「あ、ワグネルさんも」

 

彼らの名は前者がウェンディ・ラスム・イクナート、後者がワグネル・グラン・チェレンドルである。

 

「どうして二人がここに?」

 

「ああ、それについてもこれから説明するよ。それと、二人ともどうぞかけてくれ。話をする前に紅茶を入れようか」

 

「あ、兄さん。だったらそれは私がするわ」

 

「い、いや!セニアがやるまでもないさ!そうだろう、マサキ!?」

 

「お、おう!そうだぜ。仮にも王女様なんだから、そう言うのは俺達に任せろって!な、ウェンディ!?」

 

「え、ええ!そうね。セニア様。紅茶でしたら私がいれますので・・・」

 

「わ、わーい。ウェンディさんのいれた紅茶だーい(棒読み)」

 

「あっ!?・・・もうっいいわよ。私もウェンディの淹れた紅茶飲みたいし」

 

紅茶を入れようとしたセニアに雅樹達の見事な連携攻撃によりその作業を断念した。それを確認した雅樹達は密かにほっとした。

何を隠そうこのセニア、料理関係が壊滅的にダメなのである。やれ料理を調合や配合がなどと、その所為か彼女の料理で一時期王国の政治が一時停滞した事は記憶に新しい。

そうして、紅茶を飲んで一息ついた頃、不意にフェイルが真剣な面持ちで話を始めた。

 

「さて、こうして集まって貰ったのはほかでもない。先日、といっても今日の深夜だが例のBETAという外側の世界に存在している未確認生物がこの世界に召喚された」

 

「んーまたですか?ここの所多いですね」

 

ワグネルの言うとおりここの所、BETAが召喚された回数が増加している。

 

「またヴォルクルス教団の奴らが絡んでんじゃねぇのか?」

 

「でも、ルオゾールは倒したでしょ?」

 

『ヴォルクルス教団』とは簡単に説明すると破壊神サーヴァ=ヴォルクルスによって世界の破滅を願う組織である。その中で『ルオゾール・ゾラン・ロイエル』は魔神官と呼ばれ、教団でも屈指の実力者である。

しかし一年前の教団との抗争で雅樹達によってルオゾールは戦死している。

 

「でも、ルオゾールが倒されたからといっても教団が大人しくしているとは思えないわ。影でコソコソするのはアイツ等の十八番だもの」

 

「いや、今回は教団だけが原因ではないのかもしれない」

 

ウェンディの推測にフェイルは待ったをかけた。

 

「?どういう事だよ、殿下?」

 

「それを説明する前にセニア、例の報告書を」

 

「うん。・・・はい兄さん」

 

セニアから受け取った資料をフェイルは雅樹達に配った。

 

「これは先日、ギド達が調べた報告書なのだが・・・」

 

「これは・・!時空が歪んでいる?それにこの魔力値は・・・!?」

 

「んーこれは只事じゃないですね」

 

「・・・・」

 

ウェンディとワグネルは資料と添付されている写真を見て表情を険しくし、雅樹と澪はその写真から嫌な気配を感じ取った。

 

「しかもその写真は今回雅樹が出撃した場所からそう遠くない位置だ」

 

「あれ?今回マサキが任務で言った場所って・・・」

 

「サイシェット州のバナン市、その街外れだ」

 

「そしてこの写真はサイシェットとキナの中間に位置する場所で撮影された場所だ」

 

(なるほどの。あの時、感じた歪なプラーナはコレだったのか・・・)

 

雅樹は帰還する時に感じた異様な気配の正体に神妙な面持ちで納得した。

 

「殿下、もしや私達を呼んだのは・・・」

 

「ああ。君達アンティラス隊にはこの現象の調査を依頼したい」

 

「断る理由がねぇな。俺は賛成だぜ」

 

「私も賛成しますけど、ラングラン(ここ)の方はいいんですか?」

 

雅樹は真っ先に賛成し、澪は賛成はするもラングランの事を心配した。

 

「その点については問題ないよ。最近では近衛騎士団も力をつけているし、州との連携も強化されている。それに他国もここよりは酷くないが同様な現象が起きている。これは各国の以来でもあるからね」

 

「なるほど。わかりましたー」

 

「んーそれでは我々は準備が出来次第、調査に向かいますね」

 

「ああ。それとグランヴェールとガッデスも最終調整が終了した。フリングホルニに載せてくれ」

 

「やっとか。あの二機が後一年早く完成してたらあの時の抗争はもっと楽にだったんだがな・・・」

 

雅樹はこの前の抗争を思い出しやれやれとため息を吐く中、澪はある事に気付いた。

 

「でも、ここに置いとかなくていいんですか?」

 

「ああ。元々、魔装機神はアンティラス隊所有になっているんだ。それに王都に置いては盗まれる可能性が万が一にもあるからね。その点、フリングホルニに預けとけばその可能性は無いからね」

 

「あー成程。基本空飛んでるからね」

 

「そう言う事さ」

 

そうしてその場は流れ解散となった。

 

 

 

 

 

 

 

 

そして時間は少し流れここはフリングホルニブリッジ。

 

「しかし、何で我々がそんなモノの調査まで遣らねばならんのだ・・・イテテッ!!?や、やめろ、シャーリー!」

 

この中年の男の名は『ブラッドロイ・ザン・ベリファイト』。階級は大佐でこのフリングホルニの艦長でもある。

とても艦長とは思えない物言いだが・・・・。

 

「シャーリーと言うな!艦長、あまり愚痴愚痴文句を言わないでください。貴方がそんなんでは下の者に影響が出ます!」

 

「あー分かったわかった」

 

そんなブラッドロイの耳を引っ張り叱責したキツめな女性は『シャリアン・ザニア・ベリファイト』。階級は少佐でこの間の副長である。名字から察するようにこの二人は親子である。

 

「そういや、こうやって全員揃うのは久々だな」

 

「お前と私たちは毎日会っているだろう・・・」

 

「でも、ひさしぶりだよ?」

 

雅樹の呟きに気の強そうな印象の銀髪の美少女『クリスカ・ゼノサキス』は呆れた様に返し、その隣にいるクリスカよりも長い銀髪で儚げな印象を持つ美少女『イーニャ・ゼノサキス』。この二人は先の抗争で死亡したゼオルートが偶然地上から召喚された二人を偶々保護しそのまま養子として引き取った。

最初は雅樹にもあまり懐いていなかったが徐々に懐いて行くようになり今では(クリスカは否定するだろうが)好意を持つほどである。

 

「三人とも、もう直ぐ目的に着く。念のため、魔装機に搭乗していてくれ」

 

「へーい。んじゃ、行こうぜ?クリスカ、イーニャ」

 

「うんっ!」

 

「ああ、わかった」

 

そう言いながらブリッジを後にする三人を見てブリッジクルーは微笑ましそうに見送った。

が、その直後、

 

ビーッ!!!ビーッ!!!

 

「ッ!?何事だ!!」

 

「ほ、本艦上空に強力な魔力反応を感知!!」

 

「何だと・・・?何故今まで気付かなかった!?」

 

「と、突然現れたんです!」

 

ガコンッ!!!

 

突然艦が大きく揺れ出した。

 

「ッ!今度は何だ!?」

 

「艦が上空に引っ張られていきます!」

 

計器を確認しながらセニアがある事に気付いた。

 

「この魔力反応・・・まさかゲート!!?」

 

「何ですって!?しかし、なら何で我々が引き寄せられているんですか!?」

 

「多分・・・ううん。間違いなくこっちが向こうへ呼び寄せられているのよ!!」

 

「・・・全速力でこの宙域を離脱せよ!!」

 

「ダメです!!引っ張られます!!」

 

「「「「う、うわぁぁぁぁっ!!?!!?」」」」

 

そしてフリングホルニはこの世界から姿を消した。

 

 

 

 

 

説明
魔装機神Vが発売されてテンションが上がってしまったので新しく書いてしまった。反省はしているが、後悔は無いかも知れなくもない。
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