語られし者たちとIS 世界樹大戦 第33話 二学期開始
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夏休みも終わり、二学期最初の実戦授業

 

一組と二組の合同で実施しており、クラスの代表である一夏と鈴が戦っている

 

「零落白夜・四季! 春!!」

 

一夏は零落白夜に纏わせていたエネルギーを突風のように変化させ、鈴に攻撃する

 

しかし、威力不足なのか鈴の動きを止めることはできなかった

 

「甘いわね、使用するエネルギーの配分が少ないからそれじゃそよ風よ。喰らいなさい」

 

持っている青竜刀をぶん投げて、一夏に攻撃する

 

「零落白夜・四季! 秋」

 

纏っていたエネルギーを今度は岩のように固めて防御する

 

投げられた青竜刀の攻撃を防ぐことができたが、鈴は防がれることを読んでいたのか衝撃砲の追撃を開始した

 

さすがに防ぎきれなかったのか、一夏はダメージを受けている

 

そのままシールドエネルギーが尽きてしまい、一夏は敗北してしまった

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「勝利の味ね、一夏から奢ってもらうデザートは」

 

「そいつはどうも、う〜ん、それにしても微妙と言われるとは思っていなかったな……」

 

昼休み、食堂で一夏はいつもの五人と一緒に昼食をとっている

 

一夏のボヤキにシャルロットは反応する

 

「一夏の新しい力、零落白夜・四季だね」

 

「まあ、確かにエネルギーを使って攻撃や防御ができても威力が低いのでは、使いづらいからな」

 

ラウラの解説にセシリアと箒も頷いている

 

「零落白夜・四季は白式に纏っているエネルギーを変化させる技、だが実戦ではあまり意味がないように見えるな。使用するにしても遠距離に攻撃が届くことと防御に仕える程度。だが遠距離攻撃に使うにしても威力が低いから接近した方がいいし、防御にしても大した防御力がないからかわした方が有利になれる」

 

このような指摘を千冬から言われた

 

だが、シャルロットと鈴の感想は違う

 

(今日みたいな使い方だから勝てたものの……正直、本来の使い方で使われたら勝てるかわからなかったわね)

 

(確かあれって本当は、術技の攻撃方法を変化させる技だよね? 今回はエネルギーをぶつけていただけだけど)

 

そう、本来零落白夜・四季は、術技の属性を変化させる技

 

今日の戦いで一夏が使用していたエネルギーを放出させるのは、術技を使わない場合、どのように使えるのかを試したに過ぎない

 

箒やセシリア、ラウラは福音戦で、本来の使い方を見ている

 

しかし、本日の鈴との戦いで使った技と、福音戦で見せた技が同じとは思っていないため、使いづらいという間違った判断をしている

 

理解しているのは、鈴とシャルロット。そして、詳しくは分からないにしても本来の使い方ではないと世界樹大戦の参加者は思っているだろう

 

「それにしても3日前の入学式には驚きましたわ。2学期の間、選ばれた中学生の方がIS学園に体験入学するなんて」

 

「急に決まった事らしいな。それにどうやら今日の模擬戦を見学していたようだったな。いい刺激になったと思う」

 

「確かに早いうちからISにかかわる事はいいことだろう」

 

セシリアと箒、ラウラはそれぞれ中学生たちについて意見を出していた

 

だが、一夏と鈴、シャルロットは別のことが気になっていた

 

一夏以外のメンバーはすでに蘭が世界樹大戦の参加者であることは、知っている

 

更に新しく手伝いとしてきたナターシャとチェルシーも参加者であることも

 

しかし、それ以外に関係者がいなかった

 

(う〜ん、誰かが世界樹大戦の参加者をこの学園に集中させると思っていたんだけど……)

 

(……全部で、12人が学園に集まっている。ジェイの話だと、今回の参加者は全部で16人のはず……あと4人は一体……)

 

(というかどうしていきなり中学生を集めたのかしら? それも気になるわね)

 

中学生たちが来て3日が経過しているが集められた理由はわからないまま

 

一夏だけでなく楯無や真耶も調べているが不明、勿論ジェイたちも調べているが成果は出ていない

 

答えがすぐに出ないと思ったため、3人は一度、考えるのをやめ、昼食の続きを取ることにした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

次の日、IS学園は学園祭ということもあり、賑わっている

 

楯無が学園祭で一番人気だった部活に一夏を入部させるという商品が原因で、いつもの学園祭よりも気合が入っている

 

また、クラスの出し物を決める時にも騒がしかった

 

一夏がいるため、彼を活かした出し物にしようと考える人が多かったのだ

 

無論、彼は何度も拒否した結果、喫茶店をすることにした

 

他の子は、メイド服に対して一夏だけ執事服になるのだが

 

出し物を担任である千冬に報告した後、一夏は異世界で特訓をするために部屋に戻ることにした

 

自室への帰り道、一夏は蘭に出会う

 

「よ、蘭。もう慣れたか?」

 

「あ、一夏さん。勉強は大丈夫なのですが、まだ校内で迷いそうになります……」

 

「この学園はかなり広いからな。数日だけじゃまだだな」

 

「そうね、私たちの時もそうだったし」

 

4人で仲良く話しながら寮に向かう

 

ちなみに蘭も寮に入っているため、一緒に帰る事が出来て蘭はご機嫌

 

「そう言えば蘭は学園祭では、何かやるのか?」

 

「私たちは、特に何かをやったりはしないそうです。基本的にイベントは見学が多いです」

 

「一夏達は何をやるんだ?」

 

「喫茶店よ、一夏は執事になるの」

 

ジュディスの言葉を聞いて蘭は顔を赤くしていた。想像でもしているのだろう

 

「あ、俺の部屋こっちだから、また明日な」

 

「へ? あ、はい。また明日」

 

蘭は気が付くと一夏と別れていた。想像していたため、分かれ道に気が付かなかったようだ

 

そんな自分に対して、恥ずかしくなったのか余計に顔を赤めていた

 

(私何やっているんだろう……せっかく一夏さんと話せるチャンスをつかんでいたのに……)

 

(あんまり気にするなよ、チャンスはまた来ると思うぜ)

 

そんな彼女にガイは優しくしていた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一夏は部屋に入ると、何かを感じたのか、体勢を整えて、すぐに窓の外を見た。しかしそこには誰もいなく、何もなかった

 

「……逃げられたわね」

 

「ええ、誰かいると思ったのですが……」

 

一夏とジュディスは警戒しながら窓から離れた

 

二人が感じたのは殺気

 

魔物と戦い始めてから一夏もある程度の殺気を感じる事が出来るようになっていた

 

勿論、ジュディスには及ばないが

 

「それにしてもどうしようかしら? 異世界で夜を過ごした場合、外の不審者さんは寮に入ってくるかもしれないわね」

 

「狙いが俺ですからね……ジュディスさんにこの部屋にいてもらうのは……」

 

「やめた方がいいかもしれないわ、他の寮生への説明が大変になるわ」

 

世界樹大戦の関係者ならまだしも、知らない人が一夏の部屋に入ってきた場合、説明できない

 

どうしようかと考えていた時、彼の部屋に来客がやってきた

 

「ヤッホー遊びに来たわよ、一夏君」

 

「こんばんは、おや? 一夏さん、どうしましたか?」

 

楯無とローエンの二人だった。二人はすぐに一夏が何か考えていることに気が付いた

 

一夏とジュディスはちょうどいいと思い、楯無とローエンに相談することにした

 

外に誰かがいる気配がしたこと、対策をどうするべきかを

 

「成程ね、じゃあいい案があるわ」

 

楯無の言葉に期待した一夏だったが……

 

「しばらく私はこの部屋に住まわせていただきます」

 

その言葉に一夏は黙ってしまった

 

「成程ね、確かにあなたなら怪しまれないわ」

 

「そうですね、一夏さんの実力を侮っているわけではありませんが、楯無さんの実力ならば、さらに安全ですね」

 

(どうしよう……パートナー達が男女と同じ部屋に一緒にいることを問題に思っていない)

 

「あら? 一夏君もしかして……欲情しちゃうの? 襲っちゃうのかしら?」

 

「な!? べ、別にそう言うわけでは……」

 

楯無の言葉に顔を赤らめる一夏

 

「あら? それって私に魅力がないってことかしら?」

 

「いえ、あの……楯無さんは充分に魅力的……って、からかわないでください」

 

それを見て余計にからかう楯無

 

微笑ましそうに見守るローエンとジュディス

 

結局、この日は楯無が一夏の部屋に泊まることになった

 

次の日、クラスメイトから質問攻めにあったのは言うまでもない

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

スキット

 

初めてのISでの戦いの感想

 

一夏と鈴の戦い

 

その光景を一組と二組のクラスメイトだけでなく、二学期限定で入学している中学生たちも見学していた

 

始めてみる人も多いからか、皆真剣に見ている。勿論、蘭もそのうちの一人だ

 

まあ、一夏に興味津々という人も多いのだが

 

「すごいですね……あんな風に戦うなんて」

 

「ああ、俺が想像していた以上の凄さだ。やっぱりかっこいいな」

 

ガイはものすごく興奮した様子で見ている

 

「それにしても一夏の奴、本気を出していないように見えるな」

 

「え?」

 

「ああ、なんとなくそう思っただけだ。そりゃ、実力を全部見せるとは考えにくいからな」

 

ガイの言葉に納得した蘭

 

(そうだよね……いつか一夏さんとも戦う時が来る……私は、戦えるかな?)

 

「あまり固く考えないでくれ、そうなった時に考えればいいんだから」

 

「ふふ、ありがとうございます、ガイさん」

 

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実生活が忙しく、話がなかなか思いつかなかったため、投稿が遅れてしまいました。

 

次回はもう少し早く投稿できるように頑張ります。

 

感想・指摘等あればよろしくお願いします。

説明
書かせていただきます。
今回は二学期最初の場面です。
話的にはあまり進みません。
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