バカとIZUMOと悪霊退治 序章 ネノクニ その1 |
Aクラスに敗北してから色々とあった。
清涼祭、学力強化合宿、Dクラスとの再戦、姉さんの帰国など色々なことがあった。
姫路さんがFクラスに毒されて、美波と同じくらい暴力的になったり、その美波は逆に妙に優しい時があるし……。
そんなこんなと過ごしている内に、僕は生徒会長の北河さんと親しくなっていた。
最初は、屋上でお弁当を食べていた北河さんにサンドイッチをもらった事から始まった。
彼女のサンドイッチはとても美味しく、姫路さんの殺人料理とは雲泥の差であった事は言わなくてもわかると思う。
まあ、北河さんが烏をペットにしていることには驚いたけど……。
それから時々、彼女と二人でお弁当を食べる様になった。
その事はクラスの皆には秘密だ……。
下手をすると姫路さんや美波、須川君率いるFFF団の連中に殺されかねない。
そんな日常が続いたある日、僕と雄二、ムッツリーニ、秀吉の4人は鉄人に捕獲され補習を受けさせられていた。
まあ、秀吉は僕ら3人の巻き添えだったけど……。
鬼の補習が終わり、僕らが疲れて卓袱台に突っ伏していたら、突如地震が起こったんだ。
気が付いたら、校内が巨大な木の根に覆われていた。
僕は何とか雄二達と合流した。
次から次へと僕らに襲い掛かる普通のサイズよりも大きくなった鼠や蟷螂や蜘蛛たちを僕らは何とか退治して行った。
最初は一苦労だったけど、僕が誰かが忘れて行ったと思う木刀を使うとき、秀吉が拾った勾玉っていう昔の日本の装身具を木刀に出来ていた窪みに着けたときに、魔法みたいな事が出来るようになったことだ。
勾玉は
((火玉|ほだま))、
((土玉|すなたま))、
((金玉|かねたま))(キン○マに非ず)、
((水玉|みたま))、
((木玉|こだま))、
((荒玉|あらたま))、
((和玉|にぎたま))、
((奇玉|くしだま))、
((速玉|はやたま))、
((産玉|うぶだま))、
((迷玉|まよいたま))、
((忌玉|いみだま))、
((闇玉|くらたま))、
((夢玉|ゆめたま))、
((苦玉|にがたま))
の15種類ある。
僕らは勾玉の力を使って、襲ってくる化け物を倒しながら何とか校舎の外に出る事が出来た……と、思ったら巨大な植物の化け物が立ち塞がっていたんだ。
植物の吐く((致死毒|デッドリーポイズン))を苦玉で防ぎながら、何とか撃退する事が出来た。
校門を出る頃には辺りは真っ暗になっており、不気味な鳴き声が響いていて、どうやら外にもさっきの化け物がいる様なので、僕らは学校に泊り込んで、明るくなったら帰宅することにした。
携帯は圏外になっているし、この暗闇の中で行動するのは自殺行為だと判断したからだ……雄二が…。
幸い保健室は、そんなに地震と木の根の被害を受けていないようなので、僕らはベッドで休む事にした。
流石に今日はいつも以上に疲労しているのがわかる……。
姉さんが帰ってきてからはずっと普通の食事を摂っていたから良かったけど、以前の水と砂糖と塩だけの生活だったら、僕は間違いなく今日死んでいたと思う…。
僕は襲い来る睡魔に抗うことなく、瞼を閉じた。
夜中にふと目が覚め、僕は何かに誘われる様に外に出ていた。
そして、僕の前に現れる綺麗なお姉さん。
「明久様……」
「へっ!?あなたは誰ですか?」
「私は、((蔓|かずら))と申します」
「蔓……さん?」
「先ほどはお見事でした。私を倒したのはあなた方が初めてです」
「先ほどって?」
「お仲間の方々と私と戦ったではありませんか?」
彼女……蔓さんは草木を操る精霊で僕らが先ほど戦った植物の化け物その人だった。
蔓さんは、僕に自分の主になって欲しいと頼んできた……僕と契りを交わして欲しいと……。
「契りを交わすって……どうやって…?」
「身体を重ねる事で私とあなたの気を交換するのです……」
いくら僕がバカでも意味が解った……と、言うよりも僕たちの年齢の男子が、一番興味があることだ…。
「えっ…!?本当にするの?」
蔓さんは恥ずかしそうに頷く。
な……なんて美味しい方法なんだ…。
ここには、僕にお仕置きしてくる美波も姫路さんも居ないし、須川君たちFFF団もいない。
一番やっかいな雄二やムッツリーニも来る気配が無い……。
ぼ……僕は遂に大人の階段を登る時を迎えたんだ…。
姫路さんや美波に「一生、機会がない」なんて言われたけど……やっぱり僕にも機会は訪れてくれたんだ。
「案ずるより生むが易し……です。さあ……」
蔓さんに手を引かれ、彼女の胸に僕は抱かれた。
悪いね、雄二、ムッツリーニ……。
僕は君たちより一足先に大人になるよ……。
気が付けば、僕は一人で寝そべっていた。
「さ……さっきのは夢……じゃないな……」
何せまだ身体に蔓さんの温もりが残っている……。
「それにしても、綺麗な人(!?)だったなぁ〜…」
いかん。思い出したら顔がにやけて来た。
とにかく、雄二やムッツリーニに気付かれないうちに戻る事にしよう…。
翌日、僕らは驚愕の事実を知った。
校門を出た後に出会ったカグツチという人が教えてくれたんだ。
ここは僕らの居た世界じゃなく、死後の世界だということを…。
最初は危ない人だと思い関わるのをやめようと思ったけど……僕が蔓さんと契りを結んだ事を見抜いて、その契りの方法を口にしようとしたので、慌てて止めた。
あの事がこの三人にばれれば、僕の身は破滅だ……。
とくにムッツリーニに知られれば、それはFFF団に広まる事を意味する……。
そうなれば、僕の命はない……って、あれ!?
カグツチという人が言ったように、蔓さんや他の化け物の様な生き物はいない……ということは、ここは本当に死後の世界なの!?
そういえば昨日、僕ら4人は姫路さんの特製アップルパイを食べたんだった。
一命を取り留めたと思っていたけど……やっぱり僕らはあの時に死んでしまったんだろうか…?
「君達は、生きたままこのネノクニに来てしまったんだ……この俺のようにね」
生きたまま死後の世界に来たって事は、僕らは((阿頼耶識|エイトセンシズ))に目覚めたんだろうか?
じゃあ、僕らはこれからアテナを守る為に、ハーデスと戦うことになるのか?
「いや、聖○士星矢じゃないんだが……」
カグツチさんが苦笑しながら突っ込みを入れてきた。
うん。この人は間違いなく、僕らと同じ世界から来た人のようだ。
そこに一人の男がカグツチさんに近付いてきた。
話を聞いていると、どうやら彼らは魔物の軍と戦っているらしい。
死後の世界で、化け物と戦争とは……現実離れしすぎだよ。
とにかく、僕らはカグツチさん達の拠点である里にご厄介になることになった。
右も左も解らない死後の世界……普通の学生に過ぎない僕らとしても選択肢の余地はない。
ここは素直に彼らの庇護を受けるべきだ……という雄二の意見により、そうすることになった。
「ところで雄二……卑語ってどういう意味だっけ…?」
「…まず字が間違っているぞ……その字だと意味がまったく違うモノになるからな」
カグツチさんの里に向かう途中、僕らは魔物の罠に嵌ってしまった。
「明久のバカ!こんな罠に嵌るんじゃねぇ!!」
「…人の事言えるかバカ!雄二も同時に嵌っていたじゃないか!!」
と、僕と雄二が責任の擦り付け合いをしていると、魔物が僕らに襲い掛かってきていた。
「喧嘩しとらんでなんとかするんじゃ!」
僕らの中で唯一、戦闘人員じゃない秀吉が叫ぶ……ポーカーフェイスの秀吉も泣きそうな表情になっていた。
魔物の爪が僕らに振りかざされる直前、一筋の疾風が魔物たちを切り裂いた!。
倒れる魔物たちの前にいたのは……僕らのクラスメイトで、生徒会長の北河麻衣さんだった。
説明 | ||
この作品はライトノベル「バカとテストと召喚獣」とPCゲーム「IZUMO2」とのクロスオーバー作品です。 |
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