ソードアート・オンライン アクチュアル・ファンタジー STORY10 追跡開始 |
STORY] 追跡開始
デュオ視点
暗殺者が去り、武器を仕舞った俺たちは、互いに背中を合わせて床に座り込んでいた。
少しして騎士たちが到着、今は聖堂内の片付けを行っている。
近づいてきた騎士の何人かが労いの言葉をかけてくれたが、返す気力は残っていなかった。
モンスター戦とは明らかに違う対人戦での疲労と理解出来ない状況続きでの混乱で、肉体的にも精神的にもぐったりしている。
怒りで神経が張り詰めていたためか眠気はないが、とても体を動かす気にはなれそうにない。
俺は、立てた右ひざに右腕を乗せ、その上に額を預ける。
すると、早歩きのブーツの音が近づいてきた。
顔を上げると、そこにいたのはアスナが“お((義兄|にい))ちゃん”と呼んでいた騎士団長だった。
?「((義妹|いもうと))を助けてくれたこと感謝する。私はシュヴァル。この街の騎士長だ」
シュヴァルと名乗ったこの男性は、俺たちにお辞儀をしてくる。
俺は、そのまま床に沈み込もうとする体に鞭を打って立ち上がり、若干ふらつく足を安定させてから返した。
デュオ「デュオ。こっちは相棒のキリト」
キリト「どうも・・・」
俺が紹介すると、キリトも立ち上がって軽く会釈する。
デュオ「“いもうと”って言うのはアスナのことか?」
シュヴァル「ああ。とは言っても、書類上の話だが」
キリト「どういう・・・」
デュオ「落ち着け」
危うくシュヴァルに飛び掛かりそうなキリトを威圧して制し、視線を戻してから問い掛ける。
デュオ「詳しく聞かせてくれないか?」
シュヴァル「彼女は数日前に、この街の路地裏で発見された。とても衰弱して倒れていたところを教皇に見つけていただいたのだ。すぐに応急処置を施し、彼女は一命を取り留めた。だが、彼女は自分の名前以外何も憶えていなかった」
シュヴァルは言葉を切ると、申し訳なさそうに瞼を閉じてから続けた。
シュヴァル「そこで教皇は、アスナを私の義妹として教団に迎え入れ、歌唱力の高さから歌姫という大役を任せられたのだ。だが・・・」
シュヴァルは震えるほど両手を握り締め、歯を食いしばる。
その姿は、さっきまでの堂々とした様子からは想像出来ないほど悔しさを滲ませていた。
それを見て、キリトが口を開く。
キリト「デュオ行くぞ」
デュオ「えっ・・・?」
キリト「奴を追うんだ」
キリトの口から出たのは意外な一言だった。
キリト「あいつはアスナの恩人を殺した。だとすれば、いつアスナが襲われるかわからない」
デュオ「なるほど。だが、どこへ行く?奴の行き先なんて俺にはわからないぞ」
シュヴァル「エネルギープラントだ」
そう言って、俺の問いに答えたのは、騎士団長のシュヴァルだった。
シュヴァル「奴はここから西へ行った先にあるエネルギープラントに向かったらしい」
キリト「西のエネルギープラント・・・」
シュヴァル「万が一に備えて街からは離れた海岸沿いに建設されている。行けばわかるだろう」
キリト「わかった。デュオ!」
デュオ「OK」
俺たちは装備を確認して、聖堂の出入り口に走る。
シュヴァル「教皇の仇を、頼む」
聖堂から出る直前、シュヴァルの言葉が聞こえた。
デュオ〈アスナを助けてもらった恩返しが、復讐とはな〉
俺はそんなことを考えながら、キリトに並んで西へ向かった。
後書き
訂正させていただきます。
前回のコメント返信に『〇ンテを元にしたキャラを作ってみるのも面白いかと思って出来ました。』と書きましたが、『作ってみる』ではなく『出してみる』でした。
(キャラクター自体は、数年前から完成していました)
すみません。
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遅くなりました。 | ||
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コメント | ||
本郷 刃さんへ そうですね。今のキリトは、アスナが目の前にいるのに何も出来ないというもどかしさから、半分正気を失っています。(やぎすけ) いまのキリトは焦っているような感じですね・・・アスナの恩人を殺されたからとはいえ、ここまで愚直に動くのは焦りからでしょうね。まぁ、デュオがいますから大丈夫だとは思いますが・・・(本郷 刃) |
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