一刀の晋王転生録 第六章十八話 |
姓:司馬 名:昭 性別:男
字:子上
真名:一刀(カズト)
北郷一刀が転生した者。
姓:司馬 名:懿 性別:女
字:仲達
真名:理鎖(リサ)
一刀と瑠理の偉大なる母。第三章で死亡した。
姓:司馬 名:師 性別:女
字:子元
真名:瑠理(ルリ)
母を目標にする一刀の姉。一刀を異性として愛す。
姓:張 名:春華 性別:男
真名:解刀(カイト)
一刀と瑠理の父にして、一刀の師。第四章前編で死亡した。
姓:王 名:元姫 性別:女
真名:美華(ミカ)
一刀に異常なまでに執着する一刀の妻。
姓:ケ 名:艾 性別:女
字:士載
真名:江里香(エリカ)
後の司馬家軍の宿将。司馬家に対して恩を感じている。
姓:賈 名:充 性別:女
字:公閭
真名:闇那(アンナ)
司馬家の隠密。一刀のために働くことを生きがいとする。
姓:王 名:濬 性別:女
字:士治
真名:澪羅(レイラ)
後の司馬家の水軍の将。一刀を気に入り、司馬家のために戦う。
姓:司馬 名:望 性別:女
字:子初
真名:理奈(リナ)
一刀達親戚で、一刀と瑠理とっては義姉という立場。
姓:杜 名:預 性別:女
字:元凱
真名:綺羅(キラ)
一刀とは同期。親同士の仲は良くないが、当人達の仲は良い。
第十八話
「山越え」
五丈原での戦いでは今、流れが変わり始めていた。
「皆さん! 此処は無理をせず退いてください!」
天候などが変化し、蜀が攻めていた状況から一変、今度は晋が攻める。
「この時を待っていたぜ!」
「澪羅の隊を援護するわよ! 弓隊構え!」
「此方は敵の側面から攻めます!」
瑠理からついに攻める指示が出た三人は今までのうっぷんを晴らすように奮闘する。
「諸葛亮様! 魏延様が突撃をなさろうとしています!」
「! すぐに止めてください! 相手はあの司馬師です! 隙を見せれば一気に此方の陣形を崩されるでしょう!」
「はっ!」
指示を受けた兵は魏延隊に駆けつけ、それを伝える。
「何だと!? これでは奴等に好き放題されるだけでは無いか!?」
文句は言うが渋々従い、何とか守りに専念する。
だが、それが数日続くと魏延は次第に焦れて行く。
「まだか! まだ攻めに転じないのか!」
魏延は少しずつ募らせていた諸葛亮に対する不満を自分の部下を囲んで共に一気に爆発させ愚痴る。
「臆病者かあいつは! 最初に開戦しようと口にしたのは奴では無いか! そもそもこの戦いは本当に桃香様の指示なのか!? 以前
の晋との戦いでもそうだ! 桃香様は最初は反対するようなそぶりがあったにも関わらず奴が桃香様を強引に丸め込んで決めたよう
だった! これではまるで奴が王では無いか!? ふざけるな! 私は桃香様に仕えているのであって奴に仕えている訳では無いと言
うのに!」
その後も、魏延の諸葛亮に対する愚痴は続いた。
一方その件の諸葛亮は自分の天幕で、少しずつ膨らんでいったある疑問について思案する。
(司馬昭は何故姿を見せない?)
最初は伏兵として何処かに潜んでいると思っていた。攻めの一手の時に一気に攻める為に。だが現在はどうだろう。その一手が来た
というのに一向に司馬昭は姿を現さない。
(私達が呉を警戒しているように彼等も魏を警戒している? だから本国に留まっているままだと言うの?)
現在、魏と呉は戦の最中なのでそれはまず無いというのが普通だが、彼女達も優秀、故にその状況を利用して攻めてこないとは限ら
ない。諸葛亮は恐らくはそういう事であろうと予想した。
此処で成都を強襲するために居ないという考えが出てきそうになったが、諸葛亮はすぐにそれは無いと考えていた。
何故なら、晋が蜀を攻めるならば今自分の立っている後方以外での進路はまず無いからだ。此処以外で行軍しようとするならば険し
い山による洗礼が待っているのである。例えば崖から落ちる、崖に阻まれ進めないなど、まさしく自然が生んだ天然の要塞だと言えよ
う。
(故に無理のはず。仮に今、山の中を進軍しているのなら途中で引き返す事になる)
諸葛亮は此処で一刀の事について考えるのを止めて、目の前の敵に集中する。
そんな一刀達は諸葛亮の思惑とは反対に、少しずつ、次々と山を進んで行く。
「もう少しで山を越えられる! 何としてもこの山を突破するぞ! 諸葛亮達はまさかこの山を越えるなどとは露ほどにも思っていな
いはず! つまり、突破できれば成都はかなり隙だらけになる!」
そう、それこそが一刀の策である。後は山さえ突破出来れば一刀の策は成る。策というよりは博打に近いものはあるが。
(しかし、蜀の将すら突破は不可能と言われただけはある。江里香が居なければとてもこの山を突破なんて無理だった)
この山越えの時点で江里香は様々な場面でかなりの活躍をしていた。上れそうに無い山に差し掛かるとそこは独自の計算で慎重に穴
を開けたり、谷に差し掛かると何とか橋を掛けたり、それが出来ないのならば羊毛の衣で身体を包んで転がり下り、さらには崖を木に
つかまりながらよじ登る等、とても一刀では解決出来ない事を彼女はやってのけた。
(江里香には頭が上がらないな)
そして、ついに山を突破する。
「良くやったな皆! けどもう少しだけ力を貸してくれ! これから一気に成都まで行く!」
「応!」
一刀の指示に将兵達は嫌がるそぶりを見せず全力で声を上げる。
「行くぞ皆!」
彼等が成都に辿り着くのはもう少し。
説明 | ||
五丈原の戦いはさらに激化していく。一刀は諸葛亮の心理利用し、彼女にとってありえない策を取っていた。 | ||
総閲覧数 | 閲覧ユーザー | 支援 |
2371 | 2009 | 29 |
コメント | ||
コメントありがとうございます。諸葛亮と魏延の結末はもう少しお待ちください。しばらくは一刀側の話になります。(k3) 桃香と話して説得、戦いをとめて降伏?朱里は自害しそう^^;(nao) 朱里がこれまでやってきた事のツケを払わされる時が近づいてますね。あの2人の暗躍があったとはいえ、桃香の意思を聞かずに戦火を広げ続けて、良い結果が出るはずないのに・・・。(flamme) 山越え成功。問題は趙雲が果たす役割が諸葛瞻なのか、それとも……?(h995) 今回は、魏延が正しいだろう。諸葛亮がしていることは蜀の滅亡と劉備の名を貶めている。 (act) こればかりは魏延が正しいと言えますね。魏延が諸葛亮を抹殺?(Jack Tlam) この状況で一刀達が成都に辿り着いた、となったら、それを知った諸葛亮と魏延はどうなるんだろうか?具体的には書きませんが凄く嫌な予感が......(カノン) 朱里終了のお知らせ。魏延の気持ちもわからなくないかな、完全に朱里の専横状態だもの(ohatiyo) |
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