同居人・達 07話
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窓から風が入ってきて

俺の顔を優しく撫でる

J 「ん?もう朝か・・・」

昨日は色々大変な目に会ったからな

J 「今日は学校休もうかな〜」

ちなみに今の俺の格好はパンツ一枚だ

サービスじゃないよ。暑かっただけ。

そんな言い訳をしながら

天井を見つめているとドアの向こうで物音がした

大方、翠星石達が起こしに来たのだろう

とりあえず毛布を頭から被って寝たフリをする

 

「コンコン・・・」

 

ドアの開く音がして部屋の中に誰かが入ってくる

ここはやはりセオリー通り逆に毛布を被せて絞め倒すか

そんなことを考えていると俺の体に手らしき感触がくる

今だ!

J 「そりゃっ」

突然立ち上がり相手がいるであろう方向へ向って

毛布を広げて被せる

??? 「きゃっ」

J 「ふはははははっ!『きゃっ』なんてかわいい声だしおって

   このまま絞め倒してくれるわ!!」

俺は毛布ごと相手を抱きしめ

そのままベットに押し倒した

J 「俺を目覚めさせる奴はみんなこうしてくれる

   うりうり、参ったかっ・・・・・・?」

抱きしめながら頭をグリグリしてるとき

違和感に気づいた。

あれ?あいつらってこんなにデカかったっけ?

・・・

・・

J 「・・・・・・(ゴクッ)」

俺は恐々毛布をめくってみる

巴 「お、おはよう」

そこには髪の毛が少し乱れたTo萌・・・じゃなくて

巴さんの姿がありました

 

---きゃぁぁぁぁーー!!!----

 

その瞬間、俺のあげた声は、天を突き抜けるほどだった

J 「あ・・・ふ・・・え・・・?」

やべっ、ショックのあまり脳が少し錯乱してる

巴 「大丈夫?」

俺の目の前で手をフリフリ揺らす巴

J 「え、あっ、ハイ!大丈夫であります大佐!」

シャキッと立ち上がって兵隊のように答える

巴 「そう、それにしても朝から元気ね」

巴はクスッと笑いながらしゃべる

もしかして怒ってはいないのかな?

J 「は、はははははははは」

乾いた笑いでとりあえず誤魔化す

その瞬間

翠星石 「朝からでけぇ声出すなですぅ!!」

---すかーん!----

俺の後頭部にオタマが直撃した

J 「いってぇー!」

頭を押さえて振り向くとそこにはエプロン姿の翠星石

そういえば昨日そんなものも買ったんだったな

家庭的で似合ってるな、うん・・・じゃなくて

落ち着いて今の俺の状態を振り返って見よう

俺はパンツ一枚

巴はベットに押し倒されてます

2人は共に息が荒いです。

すぐさま俺の脳内で結果が出た

言い訳無用のこの状況

死して屍拾う者なし、南無阿弥陀仏・・・

 

翠星石 「に〜ん〜げ〜ん〜・・・」

すぐ後ろでスカウターが壊れそうなほどの闘気を感じる

命を懸けて弁解すればもしかしたら誤解が解けるかもしれない

そんな僅かな可能性に賭けて

振り向こうとしたら、その前に巴が立ち上がった

巴 「翠星石ちゃん落ち着いて私の話を聞いて」

ここへ来ての逆転劇!?俺にとっては神の声!

巴さん、言ったってください。これは事故なんだと!

巴 「年頃の男女が同じ部屋に居たら間違いの1つや2つ

   必ず起きるものよ。そう、これは避けられない運命」

運命じゃねぇぼげぇー!なに誤解に拍車かけてんだ!

これじゃぁ、半殺しどころか全殺し確定だろ

上げ落としか?これは上げ落としなのか!?

J 「えっと・・・翠星石ちゃん?落ち着いて僕の話を

   聞いていただけないでしょうか?お願いマジで」

そう言って振り向いた俺の視界一杯に翠星石の拳が映った

翠星石 「ブラソ・イスキエルダ・デル・ディアボロ!!」

悪魔を見た。

 

J 「チャドの霊圧が・・・消えた・・・」

わけのわからない言葉を残し

そこから先の記憶は跳んでいた

目が覚めると何故か庭の花壇に頭から突っ込んでいた

 

 

 

 

学校

 

---ガラガラガラ----

フラつきながら教室のドアを開けると秀吉がクルクル回ってた

---ラガラガラガ----

ドアを閉めてため息ひとつ

うん、気のせいだ。朝から幻覚見ちゃうなんて疲れてるのかな俺

深呼吸をしてもう一度ドアを開ける

---ガラガラガラ----

女装した秀吉が足元に扇風機を置いてスカートを押さえてた

---ラガラガラガ----

・・・・・・・・・

J 「・・・・・・・・・」

よしっ!帰ろ・・・

 

俺は回れ右して家を目指した

だがその時、岡田に後ろから腕をつかまれた

岡田 「気持ちはわかるがサボるな

    ただでさえ休みがちなんだから」

J 「うぅ〜、いやじゃ〜、変態がクラスメイトの教室になんか

   入りとうないわ。かんにんして〜」

涙ながらに訴えるが岡田は首を横に振る

岡田 「運命だと思ってあきらめろ

    俺も一緒に入ってやるから」

そう言ってドアを開けると

嬉しそうに自分の体を抱きしめて

床を這いずり回ってるイカレ野郎(秀吉)

 

岡田 「・・・」

J 「・・・」

その場で回り右する俺達

岡田 「帰りにどっか寄らないか?」

J 「そうだな、すごく飲みたい気分だ」

岡田 「とことん付き合うぞ」

秀吉 「お願い無視しないで!」

這いずりながら俺の足を掴んで

懇願するように見つめてくる秀吉

---どげしっ----

あっ、気持ち悪すぎて思わず踏んじまった

岡田 「それでなにがあったんだ?

    遺言として聞いてやる」

秀吉 「じ、実は今度、女子高生と

    合コンする事になりまして・・・」

俺と岡田が同時にハモる

J・岡 『幻覚か?』

秀吉 「ちっがーう!」

立ち上がって否定する秀吉を見て

岡田はため息混じりに呟く

岡田 「なんだ、駅前のコロンビア人から

    謎のキノコ売りつけられたな?」

J 「だからほどほどにしとかないと

   中毒になるからやめとけっていったのに・・・」

秀吉 「誰がクスリなんかやるか!

    本当に女子高生と合コンするんだって!

    昨日、街歩いてたら逆ナンされたんだ。」

ふ〜ん、世の中には不思議なことがあるもんだ

まぁ、『ありえない』って言葉がありえないって

ある人が言ってたしな

 

岡田 「すまん、ついていけん」

そう言うと岡田は頭を頭を押さえてどこかへ行ってしまった

すると、秀吉が俺の手を握ってきた

秀吉 「そこで頼みがある!ぶっちゃけメンバーがいない!

    だからお前に来てもらいたいんだ!!」

俺は秀吉をゴミ箱に詰めて2階の窓から投げ捨てた

J 「なんで俺達が、貴様ごときサルを逆ナンするような

   奇特な女子高生と合コンせにゃならんのだ、死ね」

そう言って俺は窓を閉めた

岡田 「あれ?秀吉は?」

J 「たぶん死んだ」

岡田 「そうか」

 

 

秀吉を捨てて一安心したのか

席に座った途端、体中に痛みがきた

J 「体中イテェ・・・」

岡田 「おーい、生きてるか?」

J 「しんでま〜す・・・」

顔を上げるのもめんどいので

突っ伏したまま返事をする

岡田 「やばそうだから、チェルさん呼んだぞ」

サンクス、マイフレンド

としあき 「じゃあ、今なら何してもOK?」

今登校してきたとしあきが『シャッフル!』に出てくる

リシアンサスの格好をして近づいてくる。

J 「変なことしたら犯すぞ」

としあき 「それじゃ、はりきって行ってみよー♪」

何でさっきよりもやる気になってるんだ?

その時、教室のドアが開いた

チェル 「おーい、シップ持って来たぞー」

薬箱と酒瓶を持ったチェルが入ってきた

朝からお仕事と飲酒に熱心なことで・・・

チェル 「お主もよく怪我するのー。

     そんなにワシに合いたいのか?」

そう言ってワンカップをイッキする

岡田 「なんで酒なんか飲んでるんですか?」

チェル 「こんな暑い日は飲まんとやってられん!!」

J 「酒臭ぇ、チビ、給料泥棒。」

チェル 「誰がチビじゃ」

---ぐしゃっ----

薬箱が頭にめり込んだ

岡田 「ツッコむとこそこだけ?」

チェル 「他は大体合っとるから文句は言えん!」

腕を組んで堂々と言ったチェル

 

チェル 「それじゃシップを貼ってやるから・・・

     その・・・上着を脱げ・・・」

頬を紅くして呟くチェル

J 「もしかして照れてるのか?」

チェル 「・・・飲み過ぎた・・・うぷっ」

J 「ここで吐いたら殺す」

割とマジのトーンで言った

 

J 「ていうか教室で貼るの?

   保健室連れてってよ〜」

チェル 「あと少しで朝礼が始まるじゃろ

     それに見られて恥ずかしがる年でもなかろう」

思春期です。思いっきり恥ずかしがる年です

だけど、確かに保健室まで行くのはめんどいな

J 「手早くお願いね」

軽く頭を下げて俺は上着を脱ぐ

チェル 「任せろ」

そう言ってチェルがシップを取り出した瞬間

チェルの手からシップが消えた

チェル 「おろ?」

消えたシップはすぐ見つかった

すぐ横に居た巴が持っていたのだ

巴 「私が貼ります」

チェル 「何を言っとる!ここは『保険のお姉さん』である

     このワシが貼る!」

巴 「いいえ、『学級委員』の私が貼ります」

なにやらお互いに睨み合い

今にも火花が散りそうな勢いだ

J 「えっとぉ、別にどっちでもいいんで・・・」

巴・チェ 『あ?』

J 「何でもないっす・・・」

同時に睨まれ小さくなる俺

 

巴とチェルはお互いに自分の仕事だと

言いながら闘気を飛ばしあっている

そんな戦場にクルリと背を向け

J 「そんな訳で、『保険委員』の岡田さん

   お願いします」

岡田 「任せろ・・・」

頭痛を感じながらもシップを貼ってもらうことにした

J 「一体なんなんだこの教室は?」

 

 

放課後

 

J 「ただいまー、とーさん今帰ったぞー」

などとつまらないギャグを言ったが返事がない

J 「あれ?家間違えたかな」

いつもなら呼ばなくても顔を見せるのに

すると、階段の上で水銀燈がこっちを見ていた

J 「なにしてんだ?」

水銀燈はあわてて口に人差し指を当てると

水銀燈 「し〜〜・・・っ」

J 「?」

わけわからん

そう思いながら茶の間に行くと

J 「ただいま」

翠星石 「げっ・・・お、お帰りです人間・・・」

あからさまに怪しい態度の翠星石と

その向かいに座っているのは・・・誰だ?

??? 「あっ、お邪魔しています」

帽子を取ると丁寧に頭を下げる男の子・・・いや

この感じは女の子か

??? 「僕、ローゼンメイデン第4ドール蒼星石と言います」

J 「これはこれはご丁寧にどうも。俺は・・・」

蒼星石 「知ってますよ。翠星石のミーディアムさんですね

     翠星石からよく話は聞いてます」

どんな話かはすごく気になるところだが、まぁいいだろう

J 「第4ってことは、つまり翠星石(第3)の妹か」

蒼星石 「はい、僕と翠星石は双子の姉妹なんです」

いわれてみればそんな感じがするようなしないような

翠星石 「何ジロジロ見てるですぅ?」

目を細めて威嚇するように呟く翠星石

性格はまったく違うけどね

 

蒼星石 「それじゃ僕はそろそろ帰りますね」

そう言うと蒼星石は立ち上がり翠星石へなにやら耳打ちする

翠星石は顔を真っ赤にして小声で騒いでいるが

それを無視して蒼星石は鏡のほうへ歩いていった

蒼星石 「また来ますね」

次の瞬間、蒼星石は鏡の中に姿を消した

J 「あれがnのフィールドってやつか」

感心しながら見ていると、さっきから後ろで翠星石が

モジモジしてるのが見えた

J 「どうした、便所か?」

翠星石 「違うです!この阿呆!!」

---べしっ----

顔面に小さな包みをぶつけられた

J 「冗談だよ・・・ん?何だこれ」

ぶつけられた包みを開くと中にクッキーが入っていた

翠星石 「し、真紅達の所で作った『失敗作』ですぅ!

     捨てるのも勿体無いから貴様にくれてやるですよ!

     あ、ありがたく食らいやがれですぅ!!」

そう絶叫すると翠星石は2階へ全速力で駆け上がった行った

俺は包みからひとつクッキーを取り出し

じっくり観察して見る

J 「へ〜、これが失敗作ねぇ。

   随分と形の綺麗な『失敗作』だこと」

眺めてたクッキーを口に入れる

J 「うん、うまい」

あとで頭でも撫でてやろう

 

クッキーを食べていると

涎を垂らした水銀燈がこっちを見ていた

J 「ほれっ」

一個投げて渡すと口に咥えて嬉しそうに

どこかへ飛んでいった

野鳥かあいつは・・・。

 

 

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