【恋姫二次創作】死神の毒 虎牢関
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〜装 side〜

 

〜虎牢関〜

 

装「あれが呂布と張遼ですか。いやぁ、思ってた以上ですねぇ。」

 

桂花「師匠、もう少し緊張感を持ってもらえませんか……」

 

春蘭「桂花の言う通りだ、これから私達三人で張遼を捕縛するのだぞ?」

 

装「まさか文官である僕が神速と槍を交えるなんて、思ってもみませんでしたよ。」

 

春蘭「まあ二対一という形になってしまうが仕方ない。私一人でも十分だが華琳様のご命令なら仕方ないな!」

 

そんなやり取りをする僕ら三人。

 

何故か僕は劉備軍の諸々の罰として、張遼をこの二人と共に捕縛するという非常に危険な罰を受けているのです。

 

華琳さんが言うには、劉備軍のせいで連合に影響が出た→僕は知っていながら言っていないため劉備軍がああなった→なら僕が悪い、という流れでこうなってしまったのですねぇ。

 

まさに横暴。

 

まぁ、袁紹殿の所へ顔を出すのを最後に回したため、曹操殿に罰は任せるとなってしまったせいでもあるんですがねぇ。

 

鞭打ちとかじゃなくてよかったと思う反面、文官にやらせる罰なのか、そもそも僕が罰を受けるべきなのか、とかいろいろ思ってしまいますがねぇ。

 

でもこのおかげで、この後のことも僕が犯人だとは思われないでしょう。

 

春蘭「ソウ、さっさと槍を持って準備をしろ!もうすぐ張遼がここへ来るぞ。」

 

装「はいはい。桂花も兵が邪魔しないようにお願いしますね。」

 

桂花「わかりました。任せておいてください。」

 

この子は戦の時は問題ないですが、普通の生活の時にはもっとも頭が痛くなる教え子なんですよねぇ。

 

どうしてか最近、僕までどこかが変なふうになる雰囲気がうつりそうで怖いですねぇ。

 

董卓連合が終わったら一旦本国へ帰りますかねぇ……

 

春蘭「そこの!!貴様が張遼か!!」

 

そうこう考えているうちに春蘭が張遼を見つけてしまいました。

 

張遼「あちゃぁ……このクソ忙しいときに。一騎打ちの申し込みなら、もう締め切っとるぞ!」

 

春蘭「ふんっ!そんなことは知らん!華琳様のご命令を果たすために貴様を捕縛させてもらうぞ!」

 

装「もう周りは兵で囲み、僕ら二人から逃げきる自信があるのならどうぞ、逃げてみてくださいねぇ。」

 

桂花と共に兵にこっそり命令を出し、周りを曹操軍の兵で囲んでいる状態を作りました。

 

ここに僕と春蘭が居ないのなら逃げれるでしょうが、呂布でもないと無理でしょうねぇ。

 

張遼「へぇ、霊帝様の侍中さんもおるんか。……あんたら駄目っちゅうても仕掛けてくる目やな。恋や華雄っちとおんなじ目ぇや。」

 

春蘭「貴様も同じ目をしているぞ?」

 

張遼「……あかんなぁ、自分を殺しとるつもりやったんやけど……ええよ。どうせこの戦、ウチらの負けは確定しとる。最後くらい自分の趣味に走ってもバチは当たらんやろ。」

 

張遼は自分の槍を持つ手に力を込めました。

 

春蘭は更に気合いを入れ、僕は久しぶりに振るう槍術を自分の中で確認します。

 

張遼「両方ともヤル気マンマンやな。えぇで……来ぃや!」

 

春蘭「良い心がけだ。ならば、行くぞ!」

 

装「神速、見せてもらいましょうか。」

 

張遼「後悔すんなや、侍中さん。これが神速や!!」

 

一瞬。

 

放たれる神速の槍。

 

周囲の風を巻き込んで場が大きく変わる一突きを放ってきた。

 

ギリギリ今までの経験による力で、身体をひねり回避する。

 

先ほどまでの緊張感の無さは消え、周りの兵たちが見えなくなる。

 

装「ほぅ。なかなか速いですねぇっ!」

 

だんだんと思い出してくる槍術。

 

力を籠め、一発一発に重さを込める。

 

張遼はそれを難なく回避するが、一気に近づいた春蘭が愛刀、七星餓狼を力任せに叩きつける。

 

その攻撃も神速の槍に弾かれるが、張遼の方も後ろに飛ばされる。

 

張遼「なかなか重い攻撃やないか!ただ恋の攻撃程ほど重くはない、その程度の攻撃でこの張文遠を倒せるなんて思うなや!!」

 

 

 

 

 

 

 

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春蘭「はぁっ!!」

 

装「せいっ!!」

 

左右からの攻撃を何とか弾いた張遼。

 

しかし何合にもよる打ち合いにより、張遼は疲労困憊といった様子。

 

と言ってもこちらもほとんどギリギリなんですがねぇ。

 

まさかここまで強いとは思いませんでしたねぇ。

 

無事に捕縛できるか、不安になってきますねぇ。

 

張遼「つぅ……やってくれるやないか。」

 

張遼は顔を顰めるが、すぐに口の端が吊り上った。

 

春蘭「まだまだ、これからだ!!我が大剣、七星餓狼の切れ味を存分に馳走しよう!!」

 

意気揚々と言う春蘭に

 

張遼「アホか。いらんわ。」

 

冷静に言う張遼。

 

春蘭「遠慮するな。」

 

張遼「いやいや、本当にいらんから。」

 

春蘭「いやいや、本当に遠慮するな。」

 

張遼「……」

 

春蘭「……」

 

張遼「押し売りは人に嫌われるで?」

 

春蘭「なぁに。時には強引なのも良いものだぞ?」

 

張遼「……惇ちゃんって変態やな。」

 

装「……」

 

あれ、流れ変わった?

 

いや……挑発ですかねぇ?

 

挑発です……よねぇ?

 

春蘭「ぬかせっ!」

 

張遼「おおっと。危ない危ない。……いきなり一発入れようなんて、スケベやなー、惇ちゃん。」

 

装「……(……スケベであの人の顔を思い出してしまいました。)」

 

 

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一刀「ん?」

 

 

 

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春蘭「くっ、減らず口ばかり叩く!」

 

張遼「挑発は基本中の基本やろ?……まぁ、分かりきった挑発に乗る惇ちゃんも、なかなか単純な性格しとるけどな。」

 

装「……」

 

やっぱり挑発でしたか。

 

良かった良かった。

 

春蘭「ぐぬ……た、単純で悪いか!!」

 

張遼「惇ちゃん、かわええなぁ〜。」

 

春蘭「ぐぬぬぬっ!!」

 

張遼「侍中さんもそう思わんか?ほら〜、ぐぬぬって言ってる顔もかわええで〜。」

 

装「そうですねぇ……」

 

春蘭と相性は良いんですかねぇ?

 

一方的に春蘭が馬鹿にされる想像しかできませんが……

 

春蘭「まだ言うか!!ソウも乗らなくていい!!」

 

張遼「にゅふふ、言う言う。言っちゃうでぇ〜!……と言いたいところやけど、時間も無いことやしなぁ。さっさと逃げさせてもらうわ。」

 

ようやく本題へ来ましたか。

 

装「先ほどの時点で逃げられないのに、今は逃げられると?」

 

張遼「思わん。けど……ウチが頑張れば、その分だけ兵隊たちが逃げる時間を稼げるやろ?」

 

春蘭「お前は逃げんのか?」

 

張遼「逃げられたら逃げるし、逃げられんかったらそれまでや。生まれたときからこの命、天に任せてるよってなぁ。」

 

春蘭「そんなボロボロの状態でこの七星餓狼を受けられるとでも思っているのか。」

 

張遼「そんなこと言っても、さっきウチの槍を受けたとき、ちょっと痛そうに顔顰めてたやないかぁ。」

 

春蘭「気のせいだ!」

 

張遼「はははっ、気のせいか!そりゃおもろい返しやな。……んで、侍中さんもやっぱり一角の将やな。」

 

僕が一角の将ですか。

 

装「ほう、何故でしょうかねぇ?」

 

張遼は槍を周りの兵に向ける。

 

張遼「……何のためかは知らんけど、戦ってる間に兵を動かしてたやろ?」

 

春蘭「……な、何の事かな?」

 

張遼「やっぱ惇ちゃんは単純や!侍中さんが無表情で教えてくれんでも、惇ちゃんが訊いてもいないのに答えてくれるなんてなぁ!」

 

まぁ、もうバレても良いんですけどねぇ。

 

春蘭「むぅ……バレたからには仕方がない。……張遼よ。我らに投降しろ。」

 

張遼「投降?なんでウチが投降なんてせな―――」

 

装「投降していただけるならば、兵は殺しませんよ?」

 

なるべく脅すように、淡々と述べる。

 

張遼「……っ!兵を動かしてたのはそういうことか。」

 

春蘭「そういうことだそうだ!!」

 

張遼「……くくくっ。ホンマ、惇ちゃんって単純でかわええなぁ。」

 

春蘭「う、うるさい!それよりどうするんだ!降るのか!降らないのか!」

 

張遼「ふむ……。いくつか質問がある。それに答えてくれるか?」

 

春蘭「良いだろう。何でも聞け。」

 

張遼「……曹操は何を目指す?」

 

春蘭「天下統一。この天に包まれた、全ての大地を手に入れることこそ、我らが主、曹孟徳様の目的だ!」

 

張遼「……どう目指す?」

 

春蘭「誇り高く、堂々と目指す!」

 

張遼「誇り高く、堂々と、か。……ええ言葉やな。」

 

春蘭「当然だ!」

 

張遼「……そーかそーか。よー分かった。」

 

春蘭「で、返事は?」

 

張遼「兵隊の命、ホンマに助けてくれるんやな?」

 

装「まぁ、曹操軍に組み入れさせてもらいますがねぇ。」

 

張遼「どういうこっちゃ?」

 

装「つまり、張遼殿が投降していただけるなら、その兵たちも皆、そっくり仲間にしようと。そういうことですよ。」

 

張遼「なるほど、上手いことしよるなぁ。」

 

理解しますか。

 

少なくとも春蘭、鈴々殿、一刀殿、桃香殿よりは頭が良いようですねぇ。

 

春蘭「それで!!返事は?」

 

張遼「…………分かった。ほんなら投降し―――――」

 

張遼が最後まで言おうとした時

 

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どこかから一本の矢が飛んできて春蘭の左目に刺さった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

春蘭「がぁっ!?」

 

春蘭の目からは血が溢れ、抑えている春蘭の手を赤く染めていく。

 

張遼「ちょ……惇ちゃんっ!?」

 

春蘭「ぐぅ……。」

 

張遼「くっそがぁああああああ!!誰じゃあ!!出て来ぃ!!ウチが叩き斬ったる!!」

 

装「衛生兵!!」

 

春蘭「ぐぅああああああああああ!!」

 

張遼「惇ちゃん!!」

 

張遼がそう言って心配するが、春蘭はゆっくり立ち上がる。

 

春蘭「はぁ、うぐっ……天よ!地よ!そして全ての兵達よ!よく聞けぇい!!

 

我が精は父から、我が血は母からいただいたもの!!

 

そしてこの五体と魂、今は全て華琳様のもの!!

 

断り無く捨てるわけにも、失うわけにもいかぬ!!

 

我が左眼……永久に我と共にあり!!」

 

周りの兵や、張遼の兵は春蘭を驚きの目と共に尊敬の目を向け始める。

 

すると春蘭は左目に刺さった矢を引き抜いた。

 

張遼「惇ちゃん……!!」

 

装「ほぅ……!!」

 

春蘭「んっ、んぐ……ぐっ……がは……っ!!」

 

そして引き抜いた矢に刺さっている眼球を口へと運び、呑み込んだ。

 

張遼「だ、大丈夫なんか!?惇ちゃん!!」

 

装「春蘭……。」

 

春蘭「……大事ない。私がこうして立つ限り……張遼との約束は無効にならないし、戦線だって崩れさせん。」

 

こんな時にも戦線を気にするとは。

 

流石に僕でも驚きですねぇ。

 

装「綺麗な布です。今はそれをあてておいてください。」

 

春蘭「すまない。っと、待たせたな。では華琳様の下へ行こうか。」

 

張遼「は、はははっ。なんや……アンタって奴は……。ええ、ええなぁ……最高や……。そんな惇ちゃんが言う曹操さんは凄いんやろうなぁ。」

 

春蘭「当然だ。華琳様は素晴らしいお人だ!!」

 

まだ血が流れて激痛である筈なのに春蘭は胸を張る。

 

張遼「じゃぁ、連れてってもらうで。」

 

張遼もその光景に感服したようですねぇ。

 

春蘭「これで華琳様のご命令を果たすことが出来る。」

 

その時の春蘭の笑顔はいっさいの曇りがなかった。

 

 

説明
あいまいみー面白いね。
さすが平成のチャー研ですねー。
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コメント
金球さん、nakuさん 蜀編の方だと惇さんの目イベントが起こらないので、結構前から決めてたんですよねぇ。仕方ないね♂(ぺぺぺ)
劉備陣「出番なし!!!」←プーークスクスザマァ(禁玉⇒金球)
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