私達の視界は白に覆われた

何が起こったのか全く分からなかった

ただひとつ分かった事は……

我々は地面に倒れていたことだけだった……

　　　　終節　?消失?

愛紗「ぐっ……くっ………」

蓮華「はぁ………はぁ……」　

春蘭「うっ……ぐっ…」

幸いにも死者出ていなかった

奇跡としか言い用のない状況だ

大地はえぐれ仲間達の殆どは満身創痍であった

響窃「ふむ………

加減はしたつもりであったが

やはり難しいものだな……」

愛紗「なっ!?」

これで加減したのか!?

響窃「わかっかな？大陸の者達よ

貴様等がどれだけ頑張ろうと

貴様等がどれだけ意地を見せようとも

この響窃の足元にも及ばぬことを…」

雪蓮「そんな……こと…どうだって……いいのよ

私達は一刀を取り戻したい…だけなんだ…から」

響窃「…本当に諦めが悪いな……

ならば……」

ｶｧﾝ!!

ｸﾞｻｯ!!

響窃「くっ！？」

愛紗「っ！？」

音と共に響窃、もといご主人様の胸には深々と矢が刺さっていた

春蘭「秋蘭！？」

秋蘭「はぁ……はぁ……はぁ……」

響窃「くっ！ふん！」

ﾌﾞｼｭｱ!!

ご主人様のお身体から血が吹き出ていた

響窃「この響窃に一杯食わせるとは

流石だな……夏侯淵…」

だがすぐにその血は止まりだしていた

秋蘭「貴様なんぞに…北郷の……

一刀の身体など……くれてやる……ものか」

響窃「……ならば仕方あるまい……

遊びのつもりであったが貴様等をここで……

跡形もなく……消してやろう……」

秋蘭「くっ……おのれ！」

華琳「くっ……」

蒲公英「ご主人様……」

稟「一刀殿……」

冥琳「響窃……貴様……」

響窃「安心しろ…痛みなど……感じぬまま死ぬのだから」

季衣「こんな死に方……ないよ…」

流琉「兄様……」

響窃「先程より大きい幻龍破で木端微塵にしてやろう…！」

ｷﾞｭｫｫ!!

桃香「ご主……人…様」

響窃「幻……龍……」

愛紗「(ご主人様!!!)」

……………やめろ………………

響窃「ぐっ!!?」

蓮華「!?」

思春「なんだ？どうしたのだ？」

凪「とてつもなく大きな気が消えた？」

響窃「ぐっ!?ぬぅ！」

鈴々「響窃が苦しんでるのだ！」

冥琳「一体どうしたというのだ？」

響窃「ぐぅっ！！お、おのれ…」

凪「禍々しい気が小さくなっていく」

華琳「一体何が？」

響窃「そ、そうか……わかっぞ

仲間達を失いたくないのだな……北郷よ…」

亞莎「……っ！冥琳様！ひょっとして……」

冥琳「あぁ、北郷の精神はまだ生きている」

稟「つまり一刀殿の身体から響窃を引きずり出せば……」

朱里「まだご主人様は生きられる、ということですね」

雪蓮「それなら……尚更負けられないわ」

華琳「その通りね」

蓮華「一刀、今助けてあげるからね」

愛紗「ご主人様、待っていて下さい」

響窃「くっ…そうか……良いだろう

貴様等をここで消すのはやめだ」

春蘭「なんだと！？」

響窃「このままでは……私の存亡に関わるのでな……」

ｽﾞｽﾞｽﾞｽﾞｯ!!

愛紗「な、なんだ！？」

響窃の周りに黒い霧のような物が現れ

響窃を包み始めた

響窃「私は見てみたいのだ……

たった一人の男の為に命を賭ける者達の未来を……

たった一人の男の為にこの響窃を敵に回す貴様等の真の強さを……」

雪蓮「…………」

響窃「そして何より私は目標を達成しなければならないからな……

この不完全な状態では達成できぬ

だから………」

響窃「一旦ここは退こう」

春蘭「なっ！？逃げるのか、響窃!?」

響窃「ようはそういうことだ……」

愛紗「待て！響窃!!」

響窃「また会おう……大陸の者達よ

分かっていると思うが……

天の御遣い・北郷一刀の身体はこの響窃が頂いた

返して欲しければこの響窃打ち破ってみるがいい………」

春蘭・愛紗「「望むところだ!!!」」

華琳・雪蓮「「望むところよ!!!」」

奴は黒い霧に消失するように飲み込まれていった…………

我々は響窃との最初の戦いでご主人様のお身体を奪われてしまい『完敗』という形で初戦は終わった………

だがこれはまだ『始まり』

平和を奪われた戦いの始まりに過ぎないのだ

　　　序章‘訪れた悪夢’

　　　　　　　　　　……終……