現象起こしの転生者 第六十五話 |
「今回は本当に手段を選びませんね、クラン」
「もちろんですよ優姫様、
あなたのせいで私換算で二億年分の仕事がたまっているんです」
「二億年程度ならあなた方が二億人いれば一年ですみ、四億人いれば半年ですむ。
というか、あなた方はほぼ無限といえるような数いるはずよ?」
「それだけの仕事が増えるのが、どれだけ重労働かわかってるんですか?」
「わかりません、たかだか二三秒の仕事のどこが重労働?」
私は怒りを込めた視線をクランに向けた、
しかし、クランは全く動じずに私を見返してきた。
「重労働なんですよ、あなたと私達を同じにしないでください」
「同じよ、私だって元々はほぼ無限のうちの一人だったの」
「ですが、あなたにはのし上がれるだけの力があった」
「そう考えているのは途中で諦めた人たちだけ、
私と同格の二人に聞いてみればいいじゃない、過去の私の努力っぷりを」
「それでも、帰ってきてもらいます」
「嫌よ、零くんとの幸せな日々を崩されてたまるもんですか」
クランとの視線の間に火花が散る。
今にも爆発しそうな怒りを抑えながらの睨み、
どちらかが動けば一気に爆発するそんな雰囲気の中、
空気を読まなかった破壊者が一人。
「げっげっげっげっげ!!!
また不思議な少女が増えた。新しすぎる!
この世界は何だ、新しくも革命でも起きたのか!?」
「「……」」
うるさい破壊者ですね。
欠片も残らず消して欲しいんですか?
「……こいつは放っておきましょう。
零くん、準備はいいですか?」
『もちろんだよ姫ちゃん、
こんな時のための善吉だろう?』
そうですね、そのための強化ですし。
今のところ一番勝算がある人なのも確かです。
『というわけでレッツゴー善吉』
「え!? 俺か!?」
『そうだよ、がんばれ、あ、そうそう、
お前が負けたら姫ちゃんが連れ去られるからそのつもりで』
「零! 何か後ろから黒いものが出てるぞ!
ヤバイヤバイ、失敗したら死刑よりひどいことになりそうな気がする!」
『よくわかってんじゃねーか、頑張れ』
「……おう、頑張る」
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『さて、姫ちゃん、全基地は言彦にけしかけたけどさ、
本体のクランちゃんとやらが残ってるぜ?』
「そうなんですよね、まぁ今回は四対一ですからなんとかなるかも……」
俺は創の方を向いて意見を求めてみる。
「うーん、善吉が言彦を倒すまで待って、その後撤退するのは?」
そう言った創に廻が横から口を挟む。
「でも、目の前の子が逃がせてくれるかわからないし、
今度は前に行ってた鶴喰博士を味方にされるかもしれないわよ?」
『うーん、どうしようか』
そう言って悩んでいると、俺の前方から声が掛かる。
「大丈夫、あなた達の言ってる鶴喰博士ならもうこっち側よ
言彦討伐を条件に一時的にこっち側にいてもらってる」
おっと、まじかよ……そりゃあ困るなぁ。
おそらくあの博士もこっちに来ているんだろう。
到着が遅れてるだけマシといったところか。
『すみませんね安心院さん、もう一人相手が増えそうですよ』
「と、いうことは、その鶴喰くんは僕が相手すればいいのかな?」
『そうですね、球磨川先輩と一緒にやってくれます?』
「仕方ないね、ま、それまではここで観戦しておくよ」
まぁ、これでいいだろう。
原作の大物二人が出てくるんだし、しかも神様もいるし、
ちょっとくらい手伝ってもらっても構わないだろう。
『さて、行こうか……『通音口(メロディボイス)』」
まずは声帯を付け焼き刃程度に回復だ。
視界と同じでガラガラ声だが、ないよりはマシだろう。
「いこうか、三人とも、準備はいい?」
「いいとも、いつでもいいぜ」
「女の子の幸せを奪おうなんていい度胸よね、
おんなじ女の子でも許せないわ」
「行きましょう零くん、最終決戦です」
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「ぬうううう!!」
「グッ……くっ」
人吉善吉は言彦と互角に戦うことに成功していた。
スタイル無しで言彦と互角、それは、言彦という相手と、
世界の摂理と同レベルの存在にまで達することに成功したという証だった。
「新しい、新しいぞ少年! 人間はここまで進化したか!」
「そりゃどうも、悪いが負けるとあとが怖いんでね!」
善吉はここまでに二つの改造を零から受けてきた。
スキル付与、そしてスキル無効化の二つ。
その二つが、善吉が摂理のレベルまで進化した肝だった。
「『先出しじゃんけん(サービスエース)』改、
先制攻撃しつづけるスキル『先攻の再先攻撃(リターンサーブ)』」
一つ目の強化で得た『強制徴収』により、
善吉は『完成』を昇華し、同時に『強制徴収』を完成させ、
これを繰り返すことでスキルを一から作り直すスキル『革命』に進化させた。
これによって、自らを作り直し、人間を超越したものになることに成功した。
しかし、まだこれでは世界のルールを相手にするには弱い。
これでは安心院さんと同レベル、ただの超越者だ。
「せえい!」
「ぐっ……痛ってー、俺だから全治三秒で済むもんだな」
しかし、そこに二つ目の強化が重なることでそれは変わる。
零と創による干渉無効の付与、これによって世界のルールへの反逆が可能になった。
なぜなら、この二人の干渉無効はもともとこの世界のスキルが基ではないからだ。
この世界のスキルは安心院も含め、全ては世界のルールに則って制作される。
そして世界に則っているために、世界のルールである言彦に破壊されるのだ。
ならば、それに対向するためどうするか、ルールに抵触しないもので倒す。
もしくは、そのルールの通用しないもので倒す、この二つだ。
そして、前者がスタイルであり、後者が零達のスキルだ。
「なぜだ、なぜお前は治る!?」
「何故も何も、俺はこの世界のルールにから外れてるからな」
零達のスキル、それの基板はクランやアランのような神の力。
世界を管理する者達の力だ。故に、この世界のルールである言彦には縛られない。
そして、それによって縛られない善吉が使うなら、作りなおしたスキル、
世界をもとにしたスキルでも、言彦に向けて効果を発揮することができる。
「お前の負けだよ言彦」
「ぬおおおおおお!!」
善吉の一撃が、言彦を貫く。
断末魔を上げて言彦が消えていく。
世界の破壊者は、高校生の一撃により、その姿を消した。
説明 | ||
神様と転生した主人公が めだかで原作に入るお話 ※注意※ めだかボックスの二次創作です キャラ崩壊するかもです 作者は分が苦手です 俺TUEEEE系です 自分的解釈もあります 上記でもよい方以外はバックすることをお勧めします 構わないという方はよろしくお願いします |
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