魔王の黙示録 〜褒め言葉は卑怯者〜@ |
「確か・・・ここで待ち合わせのはず・・・」
僕は高見二郎・・・中学校に入学してもう半年の中学一年生である。僕は今、ある人に会うために古風な喫茶店の前に立っている。
なぜ僕がここにいるかと言うと、ある一人の少女を探して貰う為である。
その子とは早川はるかという少女、小学生から一緒でとても可愛らしく魅力ある女の子であったが、小学校の運動会の一週間後に突然行方不明になった。地元警察の懸命な捜索でも未だに彼女は見つかっていない。
彼女の消息が絶ってもうすぐ1年を迎え、学校である話題が持ち上がっていた。
『どんな案件も解決出来る探偵がいる』と言うのだ。
噂ではあるが指名手配されていた凶悪犯を捕まえたり、過去の事件を解決した事もあると言う。
だが…その探偵の事務所は存在しておらず、どうやって連絡するかも分からないと言うのだが…三日前に自宅のポストから一枚の紙が入っていた。
『あなたの依頼・万事引き受けます…あるならば下の電話番号に連絡を…『MK探偵』』
僕は半信半疑で電話すると男が電話に出た。
『もしもし依頼・万事解決のMK探偵…』
『もしもし…ポストに入っていて電話したんですけど…どんな依頼でもですか?』
『はい…動物や人探し、不倫・浮気調査なんでも出来ますが?』
『人を…探しているんです』
『ではメモしてください…』
僕はそのままペンとメモ帳を出して書く準備が出来た。
『三日後、Y市のM町1丁目にある喫茶店で探して欲しい人の写真を持って来て下さい…ではお待ちしています…』
電話を切られて僕は半信半疑の気持ちになった。
「入ってみよう…」
僕は恐る恐る喫茶店に入っていった。店の中は古風な感じでよくテレビやドラマに出てくる喫茶店のイメージとほぼ同じでクーラーがガンガン効いていた。中には渋い感じの白髪の人がカップを拭いていた。
「ああ…いらっしゃい」
「あの…ここで待ち合わせをしている方に会いたいんですけど…」
「依頼人ですね?奥の窓側で待っております」
マスターが手を伸ばした先には一人の男が座っていた。黒いスーツを身に纏ってカップに入っている飲み物を口に含んで小皿の上においた。
僕はその人が座っているテーブルに足を運んだ。
「あの…MK探偵の方ですか?」
「ええ…私がMK探偵の実です、よろしく…ささ、座って」
「は、はい」
実という人に進められて僕は席に座った。
するとマスターが僕にオレンジジュースを持って来てくれた。
「あの…まだ注文は…」
「いえいえ、この暑い中着て来られたのですから、冷たい飲み物の一つ位サービス致します。では」
マスターは一礼してその場を後にした。
「さて…あなたの依頼は人探し…でしたよね?」
「はい…」
「写真を拝見したい」
実さんが言って僕は彼女の写真を渡した。とは言っても5年生の時の集合写真しかなく、彼女のところに丸をした。
「この丸の女の子ですね?名前は?」
「あっ…はい、早川はるかちゃんです…」
「ではあなたが知っている限りの事を詳しく教えてください」
「わかりました…」
僕は彼女の事について解っている事を全てを彼に話した。
「わかりました…今後わかった事がありましたらこちらの電話番号で…」
実さんはメモ帳を取り出して、メアドと電話番号を書いて僕に渡した。
「ではコチラにあなたのメアドと電話番号を…」
「はい」
僕はメモに携帯番号を書いて実さんに渡した。
「それでは調査を開始しますので…もうお帰りになっても大丈夫です」
「わ…わかりました」
僕は椅子から立ち上がり、扉に向かおうとした時だった。
「二郎さん…君に1つだけ忠告する」
「はい…」
僕は実さんに呼ばれ振り向いた。
「たとえどんな真実でも君は直視する事になるかもしれない…その覚悟はあるかな?」
意味深な忠告に僕は『はい』と答え、喫茶店を出た。
だが、実さんの一言がどれ程大切な事に僕はまだ知らない・・・
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新作完成しました。 まずは依頼者視点からスタートです。 |
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