ゆりいろモザイク(アリスとカレン)
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 アリスはシノと出会ってからはずっと一途に想っているのを私は見ていた。

アリスが生き生きしながらシノのことを語っているのは楽しいけれど。

どこか私の中ですっきりしない気持ちで校内の廊下を歩いていると

向こうの方にホノカの後ろ姿が見えたから私は急ぐようにホノカのもとへ走っていった。

 

「シノのことも好きなんデスけど〜。アリスがシノのことばかりでちょっと寂しいデス」

「そっか〜。カレンちゃんはアリスちゃんのことが好きなんだね」

 

「ハイ!大好きデス!」

 

 この言葉、昔と変わらないつもりの「好き」だったはずなのにいつの間にか

「憧れ」から「恋」に変わっていたのは、たまたまアリスと二人きりになった時に

気づいた。

 

 一緒にいて話をするだけでテンションが変に上がっていったの。

最初はちょっとした違和感くらいにしか思ってなかったけれど。

 

「好きな人同士が距離近すぎるってとこかな。それは嬉しいけれど、寂しいよね」

「そうなんデスよ〜」

 

「じゃあ、今度アリスちゃんを誘い出してアピールしちゃえば?」

「アピ!?」

 

「あはは、カレンちゃん顔赤くなってかわいい〜」

 

 ホノカの言葉の影響なのか、偶然なのか。それは翌日に再現されることになった。

たまたまアリスが一人で私はボ〜ッとしながら廊下の窓から外を覗いている時に…。

 

「あ、カレン〜。そんなとこでどうしたの?」

「あ、アリス…」

 

「?」

 

 アリスの仕草が子犬が首を傾げるような感じに似ていて思わず胸がキュンッと

なった。

 けど、これはさっき思っていた気持ちとは違う気がしていた。

 

「アリス、今日ちょっとイイでショウか…」

「珍しいね。いいよ〜」

 

 すごくかわいらしい笑顔が更に私の気持ちがあがっていくのを感じる。

一緒にいて話をするだけでドキドキしてしまう。

 

 昔はこういうのなかった。ただ楽しい、嬉しいって気持ちばかりだったのに。

アリスと約束してからすぐにシノが向こう側からやってきて、アリスと私に声を

かけてきた。

 

「シノー」

「カレン〜」

 

 アリスが反応する前に私がシノに飛びつくようにくっついた。

シノはいつも通りに幸せそうな顔をしてくれるけれど、私はいつもと違って

あまり嬉しくなかった。こんな気持ち…なんかやだな…。

 

「あ、シノ。今日はちょっとカレンと用事があるから先に帰っててくれる?」

「いいですよ」

 

 抱きつくような形でシノにくっついてるから背後から聞こえたアリスの言葉に

びっくりした。てっきりシノと一緒だとばかり思ってたから。

 シノもあっさりとOKをしてお互いを信頼してるんだって思った。

 

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「二人きりなんて久しぶりだね〜」

「そうデスね…」

 

「カレン、今日ちょっと変だよ? 具合でも悪い?」

「そうじゃナイんですケド」

 

 心配そうな表情で私の頬に手を当ててくるアリス。

もう心臓が破裂しそうで私は思わずアリスの後ろに手を回して思い切り抱きしめていた。

 

 アリスの匂いがする…。

 

 小さい時から一緒にいた時のあの匂い。

 

「カレン、くるしい…」

「あ、ごめんなさいデス」

 

 アリスの言葉に我に返る私は慌てて離れて人差し指を先を合わせるような仕草をして

もじもじしながら言った。

 

「アリス、シノとばかりいるから。ちょっとテンション上がってたみたいデス」

「そう?」

 

「そうデスよ。…アリスはシノの方が大事だから」

 

 いつも頭のどこかに残っていた気持ちがそのまま口に出てしまった。

アリスの表情が少し怒ったようになって。

 

「そんなことないよ!シノと同じくらい私はカレンも好きだよ!」

 

 アリスが背伸びをするようにして私の頭を両手で押さえて口元にやわらかい感触がした。

まさか…まさか…。これまでにないくらい顔が熱くなっていくのを感じていた。

 

「ア、アリス・・・!?」

「こうでもしないと、カレンわかってくれないでしょ?」

 

 私の気持ちの変化に気づいたいたの…?

そんな私の考えを読むかのようにアリスは胸を張って言った。

 

「ずっと長いことカレンを見てきたんだもん。それくらいはわかるよ。

お姉ちゃんだしね!」

「あはは、アリスはお姉ちゃんって感じシマセンよ〜」

「お姉ちゃんなの!」

 

 ムキになるアリスを見ていて少し気が楽になっていた。

だけどちょっと気になることが…。

 

「さっきシノと同じくらい好きって言ってたデスけど…」

「うん、そうだよ」

 

「それってどうゆう…」

「二人共私の嫁!って意味だよ!」

 

 自信満々の表情を見せるアリスを見て、そんな言葉どこで覚えたのだろうと思う他に。

 

「それじゃ二股じゃナイデスか〜〜」

「ふふっ」

 

 この後に私はアリスに送ってもらう途中話をしたり、お店に寄ったりして過ごした。

恋人繋ぎをしながら。

 

 この時間がもっと長く続けばいいのにと思っていても、すぐに私の家にたどり着いて

アリスが笑顔で手を振って帰っていった。

 

 アリスの手の温もりの名残が残っててしばらく私はそのまま戻らずに

立ちながら目を瞑って今日のことを思い耽っていた。

 

 この気持ちは恋でいいのでしょうか。

 

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「あ、カレン。おはようございます」

「おはようデス!シノ!」

 

 私はベッドから起きた時に驚くほど気分がスッキリしていることに気づいて

すっかり体も気分も軽くなって挨拶してきたシノに抱きついて挨拶を返した。

 

 隣で微笑んでみていたアリスにも同じような挨拶をしていつも通り…って

したかったけど、勢いに任せて私はアリスの頬にキスをした。

 

 アリスは驚いていたけれど、回りはほんわかとした空気で。

 

「お、外国風の挨拶か?」

「そうデ〜ス。ね、アリス?」

「え、う…うん。そうだね」

 

 本当はそっちの意味のキスではないことはアリスと私だけが知っていた。

 

 私はシノもアリスも大好きで、アリスのようにどっちがいいかなんて選べないけど。

いつかは3人でこの気持ちが共有できたらいいなって思っている。

 

「もう時間ですよ、カレン」

「クゼハシ先生に怒られてしまいマス…!」

 

 宿題も時間もそっちのけ。一気に血の気が引く私は急いで教室へと向かう。

さっきまでのセンチメンタルはどこへいったのか。

 

 でも、こういうこと含めて楽しい時間なのだと思えた。

 

お終い

説明
シノの存在感と二人の関係性からこういう話を書くのが難しかったですが試しに書いてみました。いつかは3人でも書いてみたいですね(*´∇`*)グヘヘ カレンの言葉遣いがけっこう難しい件orz
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きんいろモザイク 九条カレン アリス・カータレット 百合 キス 

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