第八章 進軍 |
「まさか…あの二人が…」
劉備は突然現れたミノルとアキラが紅き戦人と蒼き戦人で、天の遣いだとわかった途端、驚きを隠せない。
「まさか董卓軍の将で、敵となって出会うとは」
青龍偃月刀を片手に険しい顔になる関羽。
「兵士が吹っ飛んだのだ!」
二人の力に興奮する張飛。
「いやしかし、これは一筋縄ではいかなくなりましたな…」
目を瞑って語る趙雲。
「のん気でよく言えるな〜」
その趙雲の言葉に反論する馬超。
「一刀、あなたと同じ天の遣いだそうよ…」
「ああ…けど炎や雷を出すっていうのは聞いたことがない」
同じ天の遣いである北郷一刀も驚いていた。ましては二人が魔界から来たとは知る由もない。
「つまり…あなたとは違う世界から来たという事になるわね」
「ああ…そうなるな…」
今はそれしか言えない二人であった。
「あの二人が噂の戦人で天の遣いね…」
孫策は劉備ほど驚いてはいなかった。むしろ冷静である。
「雪蓮、感心している場合では…」
軍師である周瑜が孫策に注意した。
「姉様!」
「わかってるわ…一旦待機、様子を見ましょう」
妹の孫権に孫策は冷静に指令を送った。
一方、洛陽では
「住民の避難、完了しました」
コーウェイは洛陽のいる民を避難させた。
「大丈夫かな…あの二人」
「大丈夫です…あのお二人はお強いですから」
二人を心配する詠にシーナは笑顔で答えた。
「董卓様、お荷物の準備を…」
「はい」
「兄さん…一人頭何人ですか?」
「千…二千…三千…ダメだ、眠っちまう」
アキラの言葉に面倒臭く答えるミノル。
「とにかく俺達はこいつら蹴散らせて袁紹をここから引き上げさせるか、もしくは士気を低下させてあいつらを楽させる事…それだけだな」
「というのも案外楽じゃないよ?一応あの三国の将がいるんだから?」
「おやぁ?騎士団長は女だらけの三国志の将達に手を抜いちゃう?」
ニヤニヤしながら話すミノルにクスクスと笑うアキラ。
「それじゃあこの虎牢関で皆殺しだけど?いいよ、久しぶりに女の血肉を斬るのも…」
「おいおい…冗談だろ?」
アキラの冷たく残酷な言葉に冷や汗をかきながらミノルが答えた。
「冗談ですよ?ここで三国志を終わらしたら…元の世界に戻るヒントがなくなるから」
「そうだな」
そう言って剣を構えるミノルとアキラ。
「それじゃあ連合軍お仕置きぃ!開始だぁぁーーーーー!!」
叫んだミノルを合図に二人は連合軍に進軍した。
「来るぞぉ!何としても止めろ!!ここで食い止めて、虎牢関を…」
『ドカァァァァァァァン!!』
「邪魔だァァァァ!!兵隊アリ共がァァァァーーーーーー!!」
兵士たちを倒しながら突っ込むミノル。
「こんなんでぇ!俺の首を取ろうなんてぇぇ!!百万年早いわぁぁぁぁぁ!!!」
叫びながらミノルは前進していく。
「止まれぇぇ!」
ミノルの背後に向かって襲い掛かろうとする連合軍兵士達、だが…
『パキィィィィン!!』
一瞬で剣や槍が綺麗に斬られ、驚く兵士達。
「やれやれ…そんな鈍(なまく)ら武器で来るなんて…殺されたいのかな?」
ミノルの背後にアキラが神速の斬撃で武器や身に纏っている鎧を破壊して兵士達は戦意を失った。
「だ…だめだ…前も後ろも」
「まるで大波のように俺たちを飲み込んでいる見てえだぁぁ!」
「だめだ逃げろぉぉ!」
戦意を失った兵士達は逃げ始めた。そのほとんどが袁紹軍の兵士だった。
「いや〜キリがない」
「劉備軍、曹操軍、孫策軍の防衛網を突破しないと…士気を低下させるのは苦労するよ」
お互い背中を合わせて喋る二人。
「合図を出すのはまだ早い、戦力はなるべく温存しないと…」
「そうなると…最低一つの軍でも落とさないとな」
「兄さん…戦場に贅沢という言葉は禁句だよ」
「そうでした…じゃあやっぱりまとめてやるしかないな…」
劉備・曹操・孫策軍を見てミノルは頭を掻きながら、アキラは落ち着いた様子で歩き出した。
「す・・・凄い」
劉備は2人の猛攻を見て、驚きを隠せなかった。
「桃香様!我々は出陣の準備は出来ております」
「鈴々もいつでもいいのだ!」
関羽と張飛はそれぞれの武器を片手にやる気満々で答えた。
「うむ…では参ろうか、翠は桃香様を…」
「わかった!!」
「よし!行くのだ!」
関羽・張飛・趙雲は2人に向かって行った。
曹操side
「春蘭、秋蘭」
「「はっ!」」
「貴方達は季衣、流琉、凪、真桜、沙和を連れて迎撃に向かいなさい」
「「はっ!」」
曹操の言葉に2人はその場を後にした。
「一刀、あなたはここにいなさい」
「ああ…わかった」
曹操の隣に馬に乗っているもう一人の天の遣い。北郷一刀が曹操の言葉に頷いた。
孫策side
「冥琳!」
「ええ…祭と思春、明命はいつでも…」
「私も行くわ!姉様」
「蓮華様!」
孫策と同じ鮮やかなピンク色ののロングヘアーで褐色肌の少女、孫策の妹・孫権が剣を持って申し出た。
「いいわ…でも、無理はしないでね」
「はい…」
孫権は孫策に一礼して向かって行った。
「ですがここで皆さんが負けたら結構きついですね〜」
「大丈夫よ〜その時は私も出るから…」
穏の言葉に笑みをこぼして話す孫策。
「15人か…こりゃあやばいな…」
ミノルは15人の戦女(おとめ)達を見て冷や汗をかいた。
「まずくなったら合図を出そう…僕達は出来るだけ一人でも多く倒すしかない」
「そうだな…じゃあ行くか…」
二人は剣を強く握り締めると、炎帝剣の色が赤く、雷帝剣は青白く変化した。
「もちろん、全開でな…」
ミノルの一言言って微笑んだ。
説明 | ||
第八章完成しました〜 どんどん更新しないと…頭の中では進んでいるんですけど中々表現出来ないんです… それではどうぞ〜 |
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