仮面ライダーオーズ×ポケットモンスター 氷の中で燃える炎・欠ける虹 16話 |
ミミがルビーを蹴ったり、殴ったり、絞めたりした後、ようやくリトとルビー、サファイアはバトルドームに移動
いく方向が違うため、リトはサトシのいる観客席側に、ルビーとサファイアはエメラルドを探しに移動
リトが通路を通るときに声にならない絶叫が響いたのだが、ライライ以外はスルーした
「んーと……あ、サトシ!」
「リト!遅かったな!」
「まあな、懐かしい顔と会ったから!」
歓声が響き渡る中での会話なので当然声が大きくなる
ピカチュウやミミ、コンにライライも耳を押さえていた
「それよりもさ、エメラルドって凄く強いんだよ!戦略が凄いって言うかさ!」
「そうか…とりあえず観戦するか!」
きらきらとした目で試合場を見るサトシはいてもったってもいられないと言う顔をしている
リトもいつ起こるか解らない戦いに備えて、今は観戦しようと決めた
「あのルビーって奴のラグラージ強いな〜〜」
「この世界のセンリさんの息子だからな」
「えっ!?そうなの!?」
「ピッチュ!(負けちゃえ!)」
「り、リト!ハルカ!ハルカがいる!!」
「ああ…アイツはサファイア。アイツも図鑑所有者の一人でハルカとは別人だぞ」
「へ、へー…」
「ああ、そうだ。サトシ、くれぐれもこの世界にいるお前の知ってる奴には初対面を装っとけよ?馴れ馴れしいと逆に混乱するから」
「ああ、解った」
「エメラルドVSルビーか」
「あ、写真取り出した」
「相変わらずだな……。アルバム何冊目だよ…」
「きゅ…(照明眩しい…)」
「おっ…あっちはヒースさんとサファイアの試合だ」
「ボスゴドラ強そうだな」
「まあ、あのメンバーでホウエンジム制覇したからな」
「グルル…(ちょっくらタイマンしてぇな…)」
「自力で破った!?」
「アイツの根性半端ないな」
「負けられない戦いだったのかな?」
「あ、ジュカイン殴った」
「しかも追いかけられてるし…」
「メッタ…(かけっこ…)」
「ファオ!?(Σやらせねぇよ!?)」
「決勝かぁ…」
「あれ…?ルビーとサファイアってあんなに仲良かったっけ?」
「あ、騒いでる」
「…イチャつくな…だってさ」
「きゅぅ!?(りと聞こえたの!?)」
「うん、大体」
「ん?手持ちを変えた…?」
エメラルドが何が気に入らなかったのか、ルビーとサファイアをマジックハンドで掴み、外に出す
さらには決勝まで上がってきたメンバーを変えると言い出した
審判は動揺するが、ヒースはそれを許可する
「……。そんな目で見るなよ。競技なんだ。勝つためにやってる。いくら気持ちだ絆だとか言ったって、勝ち目のないメンバーでは挑めない」
――そんなことしたら…、かえってポケモンに失礼になるからな…
少し辛そうにしながらも、ジュカイン達を説得するエメラルド
ジュカイン達の視線が痛いが今は仕方がない
クリスタルの連絡がないまま、エメラルドは送られてきたモンスターボールを手にして再び試合場に出る
「なんだ?ポケモンを交代するのか?」
「そうらしいな…」
観客席側のリト達は急に手持ちを変えたエメラルドに少し驚く
一体どうしたのか…考える暇もなく、決勝戦は始まった
つまらない
そう、その決勝戦はそう言うのに相応しかった
準決勝の方がまだ白熱していただろう…
エメラルドは、最初のリザードンすら倒せないまま、
敗退したのだ
「…呆気ない……」
「ピカ…」
「……サトシ、俺ちょっと行ってくる」
「えっ?ちょっ…リト!?」
エメラルドが顔を俯かせてバトルドームを出ようとしているのを見て、リトも動き出す
混雑する観客の間をすり抜けながら出ていき、もうその姿は見られなくなってしまった
サトシも後を追いかけようとするが、観客のドヨッ、とした空気にステージを振り替える
「?ヒースさん…どこに行くんだ?」
「……………………」
こんなはずじゃない
俺は勝てるメンバーで試合したんだ
なのに何で負けた?
選抜ミス?相手のポケモンが強いから?技のタイミング?
解らない…解らない…
「よお、エメラルド」
「……あんた」
バトルドームから出て、次にバトルパレスに挑戦しようとするエメラルドの前にリトが現れる
エメラルドは一瞬顔をしかめると、リトの横を通りすぎようとした
「なんだよ…これからバトルパレスに挑戦しに行くんだよ。それとも俺を笑いにきた?」
「――俺の仲間で、友達で、兄弟で、家族の一人にさ…嘘つきがいるんだ」
「ハァ…?」
意味の解らないことを言い出したリトに思わずエメラルドは振り替える
一方のリトはエメラルドを見ずにそのまま喋り続けた
「そいつさ、道端で会った女の人に声かけてナンパするんだよ。しかも会話に変な嘘も言って。結構騙されるんだよな、その嘘に」
「何でそんな話が出てくるんだよ…」
「お前もそいつと同じで嘘つきだからだよ」
「嘘つき?俺は嘘ついたことなんて…」
「それも嘘だ。お前は他人にも…自分にも嘘をついている」
エメラルドははっ、と軽く嘲笑うとバトルパレスの方向に向かって行った
でもその顔は…少し曇っていたが
「くだらない。もし俺が嘘つきだとしたらあんたの言う…友達?とどう違うんだよ」
「…簡単さ、アイツは…ウラタロスは他人には嘘をつくけどそれは『誰かのための嘘』が大半で、自分に嘘はつかない。逆にお前はさっき言った通り、他人にも自分にも嘘をついている」
そこでリトはやっと振り替える
といっても顔をエメラルドの方向に向けただけだが
「自分につく嘘は、自分も他人も傷つける。俺はお前に、そんな奴になってほしくないんだよ」
最後の言葉を聞いてエメラルドはバトルパレスに向かう
少しため息をついたリトはガイルでも探そうかと歩き出すが…
その瞬間、バトルドームから大勢の悲鳴が聞こえた
――――――――。
「ピカチュウ、十万ボルト!!」
「ピィ〜〜ッカヂュゥゥゥゥゥゥゥ!!!!」
ヒースがバトルドームから出て数分後、記者達が不信に思い外に出ると、ブレーン達が正体不明の甲冑の男と交戦しているのを発見した
その後、甲冑の男…ガイルは大量のモンスターボールを出し、そのなかのポケモン達に記者達を襲わせる
当然、ブレーン達は記者や観客を守るために戦闘を開始
サトシも騒ぎを聞いてピカチュウとともに目の前のポケモンを止めにかかっている
「さすがにピカチュウだけじゃ…足りないか…」
「ピカァ…」
「ガウアッ!!」
「メッタァ!!」
「フォォォウ!!」
『ふっ…!!』
『SPECIAL』の世界にピカチュウしか連れてきていないため、疲労が溜まる
だがそのサポートにリオウ、メッタン、ライライ、ミュウツーがやって来た
それぞれの技でポケモン達を沈静しているが数が圧倒的に多すぎる
そして遠くから、リトが走ってやってくる
「サトシ!これは一体…?」
「さっき甲冑の…ガイルがジラーチを捕まえて、バトルタワーに行ったんだ!それでこのポケモン達を足止めに…」
「そうか…とりあえず俺たちもやるぞ!!」
「ああ、解った!!」
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