真・恋姫無双外史〜外史ヨリ出ズル外史〜 序章
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  作られた外史――。

 

  それは新しい物語の始まり。

 

  終端を迎えた物語も、

 

  望まれれば再び突端が開かれて新生する。

 

  物語は己の世界の中では無限大――。

 

  そして閉じられた外史の行き先は、

 

  ひとえにあなたの心次第――。

 

  さあ。

 

  外史の突端を開きましょう――。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

太陽が真上を通り過ぎ、西に傾き始めたころ――――

 

 

「むにゃ・・・・むにゅ―――」

 

 

フランチェスカ学園の校舎の屋上で眠る腰まで伸ばされた黒く長い髪の『美少女』の顔を二つの人影が覆った。

その人影の一つは茶色の短髪に、メガネをかけた軽そうな少年。

 

もう一人は、先の少年より赤みがかった髪をした少年、全体的に整った容姿をしている。

 

二人ともこのフランチェスカの男子用の、純白の制服を着ている。

 

 

「しかし、かずぴーや。ワイはまだ信じられへん」

 

「何と無く言いたいことはわかるよ。及川」

 

 

かずぴーこと北郷一刀は『美少女』の顔の横にしゃがみ込んで、その頬を指でつつく及川に同意の言葉を示しながら、普通に見たら怪しい光景だなと一歩、退いた。

 

何せ、眠りこける少女を男二人が囲み、一人は少女の顔の横にしゃがみ込んでいるのだから。

 

普通なら警察を呼ばれてもおかしくはない――――そう、普通なら

 

『彼女』が彼らと同じ男子用の制服を着ていなかったなら。

 

 

「ん・・・・・・ゆ、・・・ね、さま―――」

 

「寝言なんか漏らしおって・・・どうみても美少女にしかみえへん」

 

「おれも日に日に美人と化してく幼馴染が恐ろしくなるときがあるよ。こいつの爺さんはあんな巨漢なのに」

 

「――――ん・・・・」

 

 

二人の気配を察知したのか、『彼女』あらため『彼』はゆっくりと目をあける。

西日が眩しいのか、片手で光を遮りながら彼は傍にいる二人に目を向け、傍に立つ一刀に目を向け、その瞳を大きく見開いた。

 

そして、軽く開いたその口から小さく声が漏れる。

 

 

「天の・・・御使い・・・・」

 

「「は?」」

 

「・・・・・っ! 人の安眠を妨げるとはどーいう量見だ?」

 

 

彼はハッとして、何事もなかったかのように二人を冷やかな目で見た。

 

 

「あ、いや、かずぴーがはるぴょん誘ってゲーセン行こうっていうもんやから」

 

「一刀・・・?」

 

「いやいやいや・・・言い出したのは及川だぞ、春華!」

 

 

二人の罪の擦り付け合いにはるぴょん、こと九条春華は小さく歎息した。

 

 

「いや、今日は遠慮しとく。空と先約がある―――――」

 

 

春華はもう一人の幼馴染の名前をあげてその誘いを断る。

一刀と及川は『ならしょうがないか』と顔を見合わせる。

 

二人とも空なる人物のことをよく知っているのだろう。

 

 

「じゃ、はるぴょんは今回は不参加やな」

 

「ということは、俺と及川の一騎討ちか――――燃えるな」

 

「ああ、萌えるわ」

 

「・・・・・・何か響きが違わないか?」

 

「違わへんっ!! 今日は『萌え萌え百花繚乱!!3  赤壁は燃えているか』のアーケード版で対戦するんやからな」

 

 

そんな会話をしながら、二人は春華に手を振りながら屋上を後にした。

 

 

「・・・・さて、と」

 

 

春華は起き上がると、ゆっくりと西に沈みゆく太陽に目を向けた。

 

 

「天の御使い、ね。何で今更―――」

 

バタンッ

 

「はるっかくーーーーん、おっはろーーーーーっ」

 

 

二人が閉めていった扉を豪快に開け放ち、一人の少女が飛び込んできた。

 

―――――――夕陽を反射し、朱銀に染まる赤みがかった乳白色の長髪

―――――――病的なまでに白い肌

―――――――宝石のように輝く碧色の瞳

 

更には制服の上からでもわかる抜群のスタイルに、整いすぎた造詣の顔立ちという完全無欠の美少女は飛び込んできたその勢いのまま、春華に飛びついた。

 

 

「おはろーって、もう日も沈むぞ」

 

「目が覚めたらいつでもおはようだよ――――って、はうっ、どこ触ってるのっ!!」

 

 

春華は少女を受け止め、勢いあまって(半ば故意に)少女の胸を鷲掴みにし、その少女に殴り飛ばされる。

 

 

「・・・・・っぅ――――空、お前・・また、成長したのか・・・?」

 

「にゃにゃっ! 声がおっきいよーっ」

 

「安心しろ。他に誰もいない。しかし・・・空、恐ろしい子っ!!」

 

「にゃ、なんの話!?」

 

 

春華の言葉に白い頬を真赤に染める少女――――天ケ瀬 空。

 

 

「・・・・・・・で、話ってなんだよ」

 

 

春華は空が落ち着くのを待って、屋上のフェンスに寄りかかりながらそう声をかけた。

 

 

「にゃ、にゃにゅっ!! いきなり本題!?」

 

「こう見えて忙しいからな。時間がないんだ」

 

「にゃにおーーっ、昼寝してたのにーーーっ」

 

 

不満そうな声をあげ、頬を膨らませる空。

八重歯を覗かせるその愛らしい表情に苦笑しながら先を促す春華。

 

 

「学園祭の後夜祭のダンスパーティ、一緒に踊って!!」

 

 

半ば投げやり気味に言う空。その言葉に目を丸くする春華

そして、おもむろに口を開く

 

 

「去年も中坊のころも一緒に参加しただろ? お互い虫よけで」

 

 

当時の状況を思い出したのか欝な表情をする春華。

その言葉に首をかしげる空。

 

 

「はれ? あれ? そーだけど、そーじゃなくて!!」

 

 

彼女の顔が赤いのは夕陽のせいか、それとも別の理由か

動揺する空をよそに、春華はふと夕陽に視線を向け、何かに気がついたように口を開く

 

 

「悪い、冗談抜きで時間がなくなっちまった」

 

「にゃ?」

 

 

 

 

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校庭に出た一刀と及川は屋上に上る階段のところですれ違った空の話題で盛り上がっていた。

 

 

「しかし、あのぽけぽけーな空ちゃんがあんな真剣な表情するたぁ、これはついに告白かな?」

 

「いやいや、あいつのことだから『宿題写させて』かも」

 

「それやったら、夢があらへんやないか!!」

 

「夢って・・・・ん?」

 

呆れたように呟いた一刀はふと、夕焼け空を見上げた

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そのとき、屋上で少年は口を開く。

 

 

「・・・・・・来る」

 

「ふぇ?」

 

 

二人の視線の先で丸いはずの太陽が徐々に欠けていき、辺りが暗くなっていく――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「んなあほな、皆既日食やて、ど、どーなってるんや。なぁ、かずぴー・・・ってかずぴー!?」

 

「うぉ・・・俺のからだが――――」

 

 

及川の視線の先では体が透けていっている一刀の姿があった。

そして、その体を包むように空間に黒い穴が開き、一刀の姿はその穴に呑まれて消えた。

 

 

「か、かずぴー!? え、えーい。これも友のためや、蛇が出るか、鬼が出るか!?」

 

 

及川はそう叫びながらその穴に飛び込んだ―――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「にゃ、にゃ、何? 何?」

 

「悪い、空。呼ばれてるから、行かないと」

 

 

春華の言葉に空が視線を戻すとそこには体が透け、消えそうな春華の姿があった。

 

――――別れ

 

それを悟った空の動きは速かった。

消えそうな春華に飛びつくと、決して離れないとでもいうようにきつくしがみついた。

 

 

「お、おい。空――――」

 

「いやだっ。ずっと、ずっと一緒なんだもんっ」

 

「・・・・・はぁ、なるようになるか」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そうして、『正史』から四人の人間が消え、物語は開幕する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あ、愛紗ちゃん、鈴々ちゃん。見て、見てっ! 流れ星、それも三つも」

 

「桃花様っ!? そんなに先にいかれては!」

 

「愛紗は相変わらず心配症なのだ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「流れ星、か。三つもなんて珍しいわね。何の兆候かしら、春蘭、秋蘭、どう思う?」

 

「私はそういう難しいことは・・・・」

 

「市井で占い師が天の御使いの話をしていましたが・・・」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「祭、流れ星だわ。それも三つも」

 

「策殿、何かの前触れかもしれぬ。油断召されぬな」

 

「誰に向っていってるのかしら?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「見て、天和姉さん、ちい姉さん、流れ星よ、それも三つも」

 

「わー、何かな何かなー?」

 

「きっと、ちぃたちの天下到来の知らせね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「詠ちゃん、詠ちゃん」

 

「どうしたのよ、月―――って流れ星?」

 

「三つ同時なんて珍しいこともあるもんやな」

 

「何かいいこと起きそう。献帝様にもみせてあげたかったな」

 

「月、そんな楽天的な―――」

 

「だいじょうぶ。きっと見てる。セキトもそう思うって」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――こうして『外史』は幕を開けた

 

 

 

 

 

 

 

 

To be continue...

 

 

 

 

 

 

 

 

あとがき

 

 

第一作目(プロローグだけですが)投稿しました。

遅ればせながら『真・恋姫無双』もの。しかもオリキャラ、何番煎じだか分りませんが

気長によんでやってください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

説明
オリキャラを加えた再構成モノ。

彼らの参入は外史にどういった変化を齎すのか――――?
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コメント
ちょwwwwwww かなり世界観ちげwwww だが、面白いの一言ですなw 続きを期待です!(Poussiere)
つづきを期待!(南風)
タグ
真・恋姫無双

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