仮面ライダーオーズ×ポケットモンスター 氷の中で燃える炎・欠ける虹 17話 |
「“精神”を試す!?“信頼する三匹”!?」
「そうだ。だからここでのバトルはポケモンを信頼して試合中、指示は出さない。ただ見守ってるだけでいい」
バトルパレス内部、エメラルドはバトルパレスでのルールに驚いていた
それは「トレーナーはポケモンに一切の指示をせず、ポケモンが自分の意思で技を選択、戦う」と言うルール
エメラルドの嫌いな「ポケモンを信頼する」に当てはまっているものだ
ウコンはポケモンをクロバット、ラプラス、ケッキングに設定
エメラルドは手元のジュカイン達を見て迷っていると、ウコンは先程からなっている電話をとる
その内容は、ガイルがジラーチを捕らえ、バトルタワー最上階に向かったと言う内容
エメラルドは試合を放棄してバトルタワーに向かおうとする
だがその試合は中止にはならない
このバトルパレスでのバトルはあくまでポケモンのみでやること
つまりトレーナーは手出ししないと言うことだ
「………。…そうだな」
“お前は他人にも自分にも嘘をついている”
「決めたよ」
少し考えたエメラルドはこの状況があまりにも出来すぎているように感じたが、すぐにやるべきことを決めた
「ジュカイン!ウソッキー!サマヨール!」
モンスターボールからジュカイン達を出す
そして三匹に近寄り声をかける
「お前達にパレスの試合を任せる!オレはタワーでガイルからジラーチを取り返してくる!試合に勝ってスピリットシンボルを取ったら、追いかけてきてくれ!」
その答えは、このバトルパレスに挑戦すること
つまり…
「信頼、してるぞ!!」
リトがバトルドームに来て三十分経過した
フロンティアブレーンにサトシのピカチュウ、そしてリトも観客を避難させながら戦っていたが状況はかわりなし
やはり、誘導しながらだと戦い辛いのだ
そして次の瞬間、海がバトルタワーよりも高く盛り上がり、まるで形作るように変化した
それを見たサトシとリトは驚く
「なっ…カイオーガ!?」
「いや、違う……あれはカイオーガよりもデカイ。まるで…魔物」
恐らくガイルがジラーチを使って産み出したのだろう
そうでなければあれの説明がつかない
そう考えている間にも、魔物はバトルタワーに直撃した
「なっ…あそこにはダツラが…!」
「何だって!?」
「それに…さっきラティアスも見た。ラティアスはエメラルドの友達だから…あそこにはエメラルドも!」
ジンダイが叫び、サトシが驚きの声をあげる
それにリトによるとバトルタワーにラティアスが向かったと言った
つまりあそこにはエメラルドがいる
「サトシ!バトルタワーに行くぞ!」
「ああ!!アイツを止めないと!!」
「ミュウツー、メッタン、ライライは俺を連れて空から。サトシはリオウと一緒に下から行くぞ!」
「ピッチュピ?(私とコンは?)」
「お前らも俺と来てくれ」
「きゅ、きゅん…(う、うん…)」
別々にバトルタワーに向かうリトとサトシ達
リトはライライの背に乗りさっそくバトルタワーへ
リオウとサトシは地上から行こうとするが…リオウは途中で何かを見つけた
それは――――
バトルタワー最上階…ここでは甲冑の男、ガイルとエメラルド、ルビー、サファイア達が交戦していた
ただここまでの間に起こった出来事と幾つか変わったことがある
起こった出来事は二つ
一つはタワータイクーン、リラがガイルの操る術によりエメラルドと最上階で戦闘していた
ライコウを繰り出してエメラルドが沈めたカビゴン、バリヤード、マンタインを一方的に叩きのめしている
だが、途中で術に耐えられなくなりリタイアしてしまう
二つ目はガイルの正体が消えたはずのアクア団首領、アオギリだったこと
ラティオスのゆめうつしによってウコンの口から出た真実
それはガイルに碧の宝珠に触れたことのある人物であると言うこと
碧の宝珠に触れたのは、サファイア、ウコン、そしてアオギリだけ
これで正体が解ったと言うことだ
三つ目はガイルがジラーチを使って先程の魔物を産み出してしまったこと
その海の魔物はガイルの意思で動くエネルギー体らしく一筋縄ではいけない
そして変わった出来事は二つ
一つはもう一人のガイルが現れたこと
その登場に警戒していたエメラルド達だったがすぐにそのガイルの正体が明らかになる
――その正体はジョウト地方の図鑑所有者、ゴールド
同じ所有者のクリスタル…通称クリスと共に助太刀に来たのだ
二つ目はホウエン地方の図鑑所有者達の究極技取得のための修業
海の魔物を倒すには技の相性ではなく、圧倒的なパワーをぶつけるしかない
そのためには究極技を取得しなければならないのだ
そして今、ホウエン地方の図鑑所有者達はクリスのバリぴょんが作り出した空気ブロックの部屋で修行中
サファイアはエメラルドに自分のことを話すように言う
しばらく考えたなか、エメラルドは服に仕込んだ装備を全て外し、その全てをさらけ出す
「小さすぎて驚いたか?でもこれがオレだ」
そのなかで…エメラルドは自分の過去を話始めた
「オレは…、ずっと…独りだったんだ」
エメラルドは幼い頃から両親を亡くし、親戚の間を転々としていた
そのたびに家にいる子供に背が小さいからといっていじめられていた
だが、そんな彼を関係なく接してくれたのはポケモン
そのポケモンはエメラルドの頼みを聞いてくれていたのだが…その家の子供の一言で、エメラルドは酷く傷つく
『お前の場合、ポケモンが手足のかわりだな』
ポケモンを「仲間」、「友達」と思っていた彼にとってそれは悲しいこと
エメラルドはその家を飛び出し、それ以降ポケモンを使うのも、好きになるのも止めようと誓った
途方にくれたエメラルドは川で翠色に輝く不思議な宝珠を見つける
それがあれば変われる気がする
そう思いながら、地面に新しい自分を書き出した
『うわっほ〜!なかなかアイデア満載の設計図…!』
それをのぞきこんでいたのはカラクリ大王
彼とエメラルドはすぐに仲良くなり、エメラルドの才能に気付く
それはポケモンの出身地が解る能力
いじめでエメラルドの才能を腐らせるのはもったいないと思ったカラクリ大王はジョウトにエメラルドを送り出した
『ジョバンニ先生のポケモン塾、いくらなんでもボロすぎだろ〜〜』
ジョバンニ先生のポケモン塾
確かにボロすぎだが、彼はそこで一人の少女を見かける
それは今戦闘中のクリス
彼女のことを見ているうちに小さな憧れが芽生え、ポケモン塾に入ることになった
だが、その翌日からクリスはいなくなり、ボー、とする毎日を送っていた
しばらくすると、塾がみるみる内に改善していった
どうしてだろう?と思っていたエメラルドはジョバンニの口から真相を聞かされる
クリスが危険な仕事をしながら費用を出している
それを聞き、ただただ驚いたエメラルドはクリスへの憧れが尊敬に変わった
そうしてから、クリスから学ぼうと思ったエメラルドは会おうとするが多忙でできないでいる
だが閃いた、彼女と同じ図鑑所有者になればクリスに相手をしてもらえると思ったからだ
図鑑を持っているオーキド博士に直接会いに行ったのはよかった
『キミだけの道を見つけなさい。それができたらもう一度図鑑を渡すか考えよう』
その言葉を聞き、エメラルドはカラクリ大王に相談しに行った
それと同時に、前にエメラルドが設計した物と同じ装備とエメラルドの能力を最大限発揮出来るカラクリを渡された
そうして…今のエメラルドが誕生した
話が終わり、エメラルドがうつ向いていると上から音がする
見上げるとそこには…ボロボロになったゴールドとクリスが横たわっていた
「ゴールドさん!!クリスタルさん!!」
「しぶといヤツらめ!いけっ!!」
エメラルドの大声のすぐ後にガイルは海の魔物に命じて攻撃を開始
海の魔物はバトルフロンティア全体に覆い被さった
「クカカカカ!!すばらしい!すばらしいぞ!!願った以上の力だ!!!」
願った以上の力に両腕を広げ、高らかに笑うガイル
そしてコツコツと空気のブロックを剣でつつく
「…それにしても、バリヤードが空気を固めて作ったブロック壁とは…。そこに隠れて、究極技の習得だと?こざかしいわ!!」
そこから剣をエメラルド達に向け、大声をあげる
素顔は見えないが余裕そうな雰囲気だ
「撃てるものなら撃ってみろ!!海と一体化したもののどこに当てる気だ!?」
「…くっ!」
「うう…」
「よくも…。よくもクリスタルさんを…!いけえ!!」
「クカカカ!!」
エメラルドはクリスを傷つけられた怒りでジュカイン以外のメンバーを出し、ガイルに攻撃しようとする
だが、冷静さが欠けていたのか…あっけなくガイルにねじ伏せられ、バトルタワーの中にエメラルドごと叩き込まれた
「クカカカ、見たか。先の戦いで疲れきったこんな役立たず共を、今さら差し向けてなんになる!」
「やめろ…、足をどけろォォ…!」
「んん?おかしなことを…。お前はポケモンが好きなのではなく、ポケモンバトル(・・・)が好きなのだろう?」
バリヤードをの頭を踏みつけ、その次にマンタインを踏みつけながらガイルはエメラルドに問いかける
それはバトルフロンティアに来て周囲に言ってきたこと
「所々で聞いてきたぞ、お前のその主義をな。こいつらには戦う力なぞ一片も残されていない。ポケモンバトルをすることなど到底望めないだったらもう用済みだ、捨ててしまえばいい。ポケモンなぞいくらでもいる」
冷たい目でポケモンを踏みつけながら、さらにエメラルドに問いかける
「ポケモンが好きなのではなく、バトルが好きなのであればなんの問題もない。傷ついた物は捨ててしまえ。その方がよりよくバトルが出来るではないか。人も同じだ。動かなくなったただのカタマリを後生大事に取っておいても邪魔なだけだ」
シルバーの像…否、石化したシルバーを叩きながらその考えをエメラルドに伝える
ゴールドはクリスを庇いながらも、悪友を叩かれ、ポケモンを悪く言われ歯軋りをたてた
「――違うッッ!!」
「ッッ!?」
エメラルドの返答を聞く前に、突如ガイルにはかいこうせんが放たれた
すぐさま防御したガイルだが、後ろいつの間にかメタグロスが現れ、アームハンマーをガイルに叩き込む
流石に防御しきれず、壁に激突したガイルは声の主を見つけた
「…!?貴様は…!」
「「リト!!」」
「よぉ二人とも。元気…とは言えないな」
声の主は現在フライゴン…ライライの背中に乗るリト
ゴールドとクリスは驚きの声をあげる
「クカカ…今日は懐かしい顔を見るな」
「…どこで会ったか知らないけど、お前がガイルか?」
「リト、ガイルの正体はアオギリなんだ!!」
「!?…お前…生きてたのか?宝珠を取り込んで…消えたはずじゃあ…」
「フンッ!過去のことはどうでもいい。それよりもヒラサワ・リト…何が違うと言うのだ?ポケモンバトルをするにはいくらでも…」
「お前まだ解らないのか?根本的なことから間違ってるのに」
「なんだと…?」
根本的な所から間違っている、と聞き首を傾げるガイル
「エメラルドがポケモンが好きじゃなくてポケモンバトルが好き?違うな。それは嘘だ」
「嘘だと…?」
「ポケモンが好きじゃないのなら、何で暴れていたポケモンを静めた?ほっとけばよかっただろ?なのにエメラルドは助けた」
「……」
「自分につく嘘は自分も他人も傷つける。エメラルドはあまり本心を出さないんだ。独りの時が多かったのか解らないが、伝える力が足りない。…だからエメラルド。言ってやれよ、お前の本心を」
リトはエメラルドを見る
そのエメラルドの目は…なんの迷いもなかった
「お前の口で、お前の意思で、お前の答えを言ってやれ」
「……ああ」
エメラルドは数歩前に出て、ガイルを見定める
まるで過去の自分と決別したような目付きだ
「オレは…、欲しかったんだ。本当は…。一緒に心を通わせ合える仲間や友達、同じ想いをもって絆を結べる相手が…、ずっと…ずっと欲しかった…!!」
「オレはポケモンバトルが好きなんじゃない!!」
「ポケモンが好きなんだ!!!」
「ポケモンを好きな人が好きなんだ!!!」
エメラルドの心からの叫びの後、どこから音が鳴り響く
一つや二つじゃない…十ヶ所から聞こえる
そう……石化した、レッド達の場所からもだ
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さて、次回はなに書くかな… | ||
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