バカとテストと召喚獣 五つの鎧を持つもの 第三十六話 |
三日後の文月学園、学園長が余計なことをみんなの前で言ってくれたおかげで『紅蓮の森』について来ることとなった。
「本当にいのか?ここでの運動は召喚獣と同等の力を発揮する。その運動は肉体にフィードバックされて筋肉痛を引き起こすぞ。」
「おいおい鋼牙、俺らを甘く見んじゃねえ。」
皆肉体が傷つかないをいいことに余裕をかましている。
「ところで鋼牙君、その背中にる瓶は何かな?」
工藤が指摘すると鋼牙は皆に見せる。何処からどう見ても酒瓶である。
「少し融通が聞かない人と言うかシステムがいてな。酒が好きなんだ。」
そういいながら鋼牙は学園のある一室に入る。そこには部屋の真ん中に一つの帽子が置かれていた。
「で、そのシステムってのはどこんにあんのよ?」
「美波、そこにいるぞ。」
『え!?』
鋼牙が帽子を指差すと。帽子から植物が生えるかのように上半身が人間、下半身が木の根っこのようなものが現れた。
「久しぶりですね、チヨバア。」
「おや鋼牙、久しぶりだね。で、用件はなんだい?」
「『グレンの森』へ向かうことだ。」
「バカ言うんじゃないよ。システム内にあんたみたいなのが入ったらバグがわんさか眠っているのがでてきちまうじゃないかい!ダメだね。」
「そうですか〜、ざ〜んねん。せっかくこれもって来たのに。」
鋼牙はそういいながら酒瓶をわざと見せる。
「せっかく上等な酒を持って来たのに。通してくれないんじゃ渡せないな。」
「あ〜〜〜〜〜、わ〜たよ。通せばいいんだろ通せば!」
「話が早くて助かる。」
「ただし、肉体の保障はしないよ。」
チヨバアのがそういうお鋼牙は「ああ。」と返答する。チヨバアの股のところにゲートが開く。
「ここを通れば『紅蓮の森』に行けるよ。だがその前に―――」
「ああ、わかっている。皆、試獣召還をしろ。」
『試獣召還。』
その瞬間皆の服装が召喚獣と同じ姿になる。
「ここから先はその姿じゃなければまずもってお陀仏になるよ。」
「わかっている。」
「じゃあ気をつけていくんだよ。」
「ああ。皆、行くぞ。」
そう言って鋼牙はゲートを通る。
「おいおい、あいついつになくやる気がでてないか?」
「そいつは当たり前だよ。」
雄二の疑問にチヨバアが答える。
「これは昔大河が通った道だ。あいつは大河におい付きたいがために今もこうして必死にやっている。だから自ら進んでやっているんだいるんだ。それに、『ヴァランカスの実』は結構美味いんだよ。」
皆はチヨバアの答えにみんなはなるほどわからんといった感じに納得する。
「おい、まだか?」
ゲートの向こうから鋼牙の声が聞こえてくる。
「さあお前たち、しっかり頑張っていきな。」
『はい。』
姫路達はゲートを通る。
ゲートを通るとそこには灰色の世界が広がっていた。
「なんだこりゃ?」
「ここが・・・・『紅蓮の森』なのかの?」
「ああ。どういうわけかここはバグが生まれやすい森でな、良く耳を澄ますとその原因が馬鹿らしいと聞く。」
鋼牙がそう言うと皆は耳を済まして聞いてみる。
『異端者には死を!』
『『『『おおおおおーーーーーーーー!!』』』』
『最近薄い本のネタが浮かばないのよね。』
『根本君って誰が好きなのかしら?』
「・・・・・・・・な。」
「あ、ああ・・・・・・」
「最初の方はFFF団だったのじゃ。」
「・・・一体どういうわけで生まれているんだ?」
「わけがわかんないわね。」
「皆のいろんな情報をシステムが取り入れてしまっているようですね。」
「学園長はなんで調節しないのかしら?」
「・・・・・何度も調節しているけど結局失敗するのがオチ。」
「代表、それ言っちゃダメ。」
それぞれがそんなことを言いながら歩いていると二つに枝分かれしいた道に二人の少女が立っていた。
「あなたが冴島鋼牙ね。」
「ああ。そういう貴様らはここの番人といったところか。」
「そう。今から私達の立っていりる一方の道が安全にヴァランカスの元へとたどり着ける。でも間違えれば苦しみながら進むことになる。ちなみに私が98%正直に言うわ。」
「私は0%正直に言うわ。」
右が98%、左が0%か。普通に考えれば右に聞くのが普通だが・・・・
「お前に聞こう。」
鋼牙はあえて左のに聞いた。
「おいおい鋼牙、なんで右に聞かないんだよ。」
「・・・・普通に考えたら右に聞く。」
雄二と霧島が鋼牙の決定に反論するが姫路が鋼牙の考えを言う。
「いいえ、98%正解であっても2%は嘘を言うかもしれないんです。なら元々嘘を言うほうを聞けばその反対が答えなんです。」
「貴方達、頭回っているわね。」
「いいコンビよ。」
「それで正解はどっちだ?」
「「正解は、こっち。」」
そう言って二人は右を指した。鋼牙は左の道を進む。皆も鋼牙に付いていった。雄二達はふと右の道を見ると燃え盛る森が広がっていた。雄二達は背筋が凍った。
(あ、危なかった・・・・・・)
そう思いながら進んでいくと木も無い岩だらけの荒野にたどり着いた。鋼牙は立ち止まると剣をコートから取り出す。
「でてきたらどうだ?」
《ほう、私の気配に気付くとは流石魔戒騎士といったところか。》
何処からか聞こえてくる声に姫路たちは戸惑う。だがその声の主ははすぐにわかった。鋼牙達の目の前に胴体が箱状の動く何かが突如姿を表した。
「貴様がグラウ竜だな。」
《いかにも。そなたたちが我を倒しに来たとお見受けする。》
「ああ。出来れば実を素直に実を渡してくれればありがたいのだが。」
《愚問だな。三十年も前にも同じことを言っていた男がいた》
「っ!」
《その男は自身の持てる力で我に立ち向かってきた。貴様がもしその男のようになりたいのであれば、貴様の持てる力で立ち向かって来い。》
「皆、聞いたな。」
鋼牙がそう言うとそれぞれ返答し武器を構える。
《行くぞ。》
そう言った途端、グラウ竜は波動を鋼牙達に放つ。鋼牙達は散開し避ける。
「おい鋼牙、どうやって倒すんだ?」
「全力で倒す以外ほかに手段は無い。」
「・・・・俺に任せろ。」
そう言って土屋が『加速』を使いグラウ竜に接近する。しかしグラウ竜は身体から長いアームを胴体から出し土屋を払う。
「ぐっ・・・・・!」
「ムッツリーニ君!」
工藤は土屋に向かい掛け走り土屋をキャッチする。
「・・・・すまない。」
「いいって。」
「はああああああ!」
鋼牙はグラウ竜に向かい一直線に掛け走り、左足を強く踏みこみ、跳ぶ。
《ここで跳ぶとは愚かな。》
グラウ竜は鋼牙を叩こうとアームを伸ばそうとする。その時、グラウ竜の真下に有事が回ろうとする。
「もらった!」
《甘い!》
グラウ竜は胴体から翼を出すと雄二の拳が届かない範囲まで飛翔する。
「翔子!」
「・・・わかってる。」
雄二の後ろから霧島が雄二よりも高く跳び、雄二の拳に足を乗せる。
「いっっっっけ!」
雄二は霧島を飛ばしグラウ竜のところまで飛ばす。霧島は刀をグラウ竜に振る。グラウ竜の足に傷が付けられる。
《ぐ・・・・っ、無茶な方法だがこんな真似をするとはな。おもしろい。》
グラウ竜は胴体を回転させ身体から刃の付いたアームを出し鋼牙と霧島を斬る。
「ぐっ!」
「うっ・・・・・!」
「翔子!」
雄二は落ちてくる霧島をキャッチする。鋼牙は体勢を立て直し着地する。
「ザルバ!」
「アア、イクゾ!」
鋼牙は牙狼剣の刃をザルバに擦りつけ、天に剣先を向け、円を描き牙狼の鎧を召喚する。
「はあああああああっ!」
牙狼は構え、グラウ竜のほうへと走る。グラウ竜は刃の付いたアームを牙狼に向け振るう。牙狼は牙狼剣でアームを弾く。
「うおおおおおおっ!」
牙狼はグラウ竜に向け跳ぶ。グラウ竜は波動を牙狼に向けて放ち牙狼を弾き飛ばす。
「ぐああああっ!」
牙狼は背中から落ちる。
「やあああ!」
姫路がグラウ竜に向け熱線を放つ。グラウ竜は結界を展開し防ぐ。
「うりゃああ!」
「はあああ!」
グラウ竜の両サイドから秀吉が薙刀を、優子が槍を突く。グラウ竜はアームを横に伸ばし胴体を回転させ二人の武器を弾き飛ばす。
「うりゃあああああ!」
美波がグラウ竜の真上から剣を突き刺す。
《ぐうううっ!》
グラウ竜は苦しむ。
《ぬぅああああ!》
グラウ竜は身体を大きく揺らし美波を飛ばす。
「きゃっ!」
「美波!」
牙狼は落ちていく美波に掛け走り、牙狼剣の地肌で頭から落ちないように地面に下ろした。
「いたた・・・・受けとめなさいよ。」
「鎧に触れると痛いぞ。」
「あ、そうなの?」
「ああ。」
牙狼と美波がそんな話をしているとグラウ竜が二人に向け波動を放つ。牙狼が美波の前に立ち攻撃を受ける。
「ぐうっ!」
牙狼は片膝を付く。
「はああああ!」
工藤がグラウ竜の後ろから腕輪の能力・『電撃』を身に纏い、グラウ竜に接近し斧を振り下ろす。グラウ竜は攻撃を受けグラつく。
「うおりゃ!」
雄二がグラウ竜の顔に向けパンチを放つ。グラウ竜にその攻撃が通じ、グラウ竜は倒れる。
《ぐう・・・・まさかここまで出来るとはな。少々侮っていたがここまでだ。》
グラウ竜は全ての武装を展開し辺りに闇雲に攻撃する。皆は悲鳴を上げる。
「大丈夫か皆?」
「あ、ああ・・・」
「なんとかね。」
「・・・・以外に痛い。」
「結構つよいです。」
皆それぞれの返答をする。
「後は任せろ。」
牙狼は轟天を召喚し、乗馬しグラウ竜に向かい馬を進める。
「轟天!」
「ヒィィィィン。」
轟天は跳び、グラウ竜に向かい跳ぶ。
「はっ!」
牙狼は牙狼剣をグラウ竜に斬りつけ、グラウ竜とすれ違う。グラウ竜はアームで牙狼を掴む。
「ぐうっ!」
牙狼はそれを振り払うとするもグラウ竜は牙狼を放さない。
「くっ!」
牙狼は轟天を走らせる。
「はっ!」
牙狼は岩の下に空いた穴に向け轟天を走らせる。グラウ竜は岩に当たり画廊を掴んでいたアームを離す。
「はっ!」
牙狼はグラウ竜に向け轟天を走らせる。しかしグラウ竜は牙狼を轟天から落とされる。轟天はグラウ竜のアームに捕まり苦しむ。
「ヒィィィィィィィン」
「戻れ、轟天!」
轟天は召還された。
「・・・鋼牙、どうして轟天を戻した?」
「あのままでは轟天は消滅してしまう。俺はあえて戻したんだ。」
「じゃがどうするのじゃ?このままでは・・・」
「何とかするしかない。」
牙狼は牙狼剣を構えグラウ竜に立ち向かおうとする。しかしグラウ竜は牙狼の方を見ず姫路、優子、美波の方を向いていた。鋼牙は察した。潰すのは弱い者からだと。
「させるか!」
牙狼は姫路たちの元まで跳び姫路達を守ろうと立った。その刹那、グラウ竜は自身の持つ波動を最大出力で牙狼に向け放った。牙狼はその攻撃を牙狼剣で受け止める。
「ぐおおおおおおおおお!」
牙狼は足に力を込め、倒れまいと踏ん張る。
『鋼牙(君)!』
(こいつらを、守れなかったら・・・・・)
脳裏に蘇える亡き大河の面影。
誰よりも強く、優しく、大きな背中が印象に残った父の姿が鋼牙をここまで導いてきた。
(父さんのように強くなれない!)
そう心に強く思った瞬間であった。牙狼が鋼牙に答えたのか、波動の力が牙狼に力を与えたのか、牙狼が黄金に輝きだした。
その輝きは牙狼の背中に広がってゆき、そしてグラウ竜の波動をかき消した。そして牙狼は空へと舞い上がる。グラウ竜も、姫路達も牙狼の姿を見て驚いた。
牙狼の背中には竜のオブジェと竜の尻尾、牙狼剣は炎の形状をした姿、竜神牙狼の姿がそこにはあった。
《まさかその姿になるとはな。歴代の牙狼にはそのような姿になったものが数えるほどしかいなかった。この時代にもまだその姿になれるものがいることに私はうれしい。》
「なら今すぐ倒してやる。かかって来い!」
牙狼がそう告げた瞬間、グラウ竜は胴体から翼を広げ、宙へ舞い上がる。グラウ竜は刃の付いたアームで竜神牙狼に攻撃を仕掛けるが、牙狼は牙狼剣でそのアームを斬り裂く。牙狼は身体全体を使い牙狼剣を振るい、グラウ竜のアーム、波動を発する部位、翼を切り落としていく。グラウ竜は地面に真っ逆さまに落ちてゆく。牙狼はグラウ竜の真上に位置し、剣を身体の前に両手で立てる。牙狼はグラウ竜に向け真っ逆さまに突進する。その姿はまるで敵に止めを刺す金色の竜のように見えた。龍神牙狼はグラウ竜を貫き、地中から地上へと這い上がり、地上に着地した。
《流石だ。ここまで私を壊したのは貴様で十三人目だ。》
「一つ聞きたい。十二人目は誰だ?」
《先代の牙狼、冴島大河だ。》
「っ!!」
《あいつは持てる力の全てを使った。無論、仲間もいた。あいつが危機に瀕した時、仲間はあいつを助けた。あいつは私を倒したあとにこう告げた。「俺は自分の力で勝ってはいない。」と。私は言った。「貴様のお照る力で私に勝てと。なら、その者たちも貴様の持てる力だ。」と。》
グラウ竜は胴体からボロボロのアームを出し。自分の顔に近づけると赤い実を取り出した。
《受け取れ、これが『ヴァランカスの実』だ。またいずれ会おう。》
グラウ竜はそう告げると姿を消した。
「グラウ竜ハ魂ガナイ。今ノ魔導具と違って何度デモ蘇ルコトガデキル。ダカラココノ番人ヲシテイルンダ。」
牙狼は鎧を解いた。
「大丈夫か皆?」
鋼牙は皆の方を振り向き聞くと皆は「大丈夫。」と返答した。こうがは少しばかり笑みを浮かべた。
「結構強かったな。」
「まあ三十年も起動していたからな。」
「それにしてもそのヴァランカスの実って現実世界に戻ったら大きくなるのかな?」
「いや、工藤。これはこの大きさのままだ。」
皆は驚いた。鋼牙が持っているヴァランカスの実はリンゴほどの大きさしかない。
「今までバグを倒したグラウ竜が体内で生成したヴァランカスの実は小さな実に凝縮されている。が、結構上手いらしい。まあこうしてこっちで怪我も無く出てこれたのが何よりの救いだ。」
「まあそれもそうじゃな。」
「・・・・雄二が私を抱いてくれて嬉しかった。」
「代表、誤解が生まれる。」
「・・・・それにしてもさっきのあの姿、いつでもなれるのか?」
「いや、あの姿は俺も初めてだ。おそらく今回のような姿には早々なれないな。」
「そうか。試召戦争で使えそうかと思ってたが無理か。」
「そうなるな。」
チヨバアのゲートへと戻り、皆はどこの怪我も無く出て木こられて一安心と思った矢先であった。姫路、工藤、優子、霧島の四人がいきなり両膝を付いた。
「お、おいどうしたんだ翔子!」
「・・・・大丈夫か工藤愛子。」
「どうしたんじゃ姉上!」
雄二達は膝を付いた四人の心配をする。
「やっぱりきたか。」
「どういうことよ鋼牙?」
「『紅蓮の森』で活動するとすぐに筋肉痛になるんだ。普段からあまり運動をしていない人とかには特に効く。召喚獣の力を使うと言ったはずだぞ。」
「確かにそんなこと言った気がするな。で、どうしたらいいんだ?」
「おそらく歩けないからな・・・・・・おぶって行くしかないだろ。」
その言葉に一同ビクッと反応する。
「雄二、お願い。」
「ムッツリーニ君、家近いからついででお願い。」
「秀吉、お願い。」
霧島、優子、工藤の三人はそれぞれ頼むが姫路はどうしようかと戸惑っていた。
「姫路。」
「なんですか、鋼牙君?」
「お前の家まで送ってやる。」
「えっと・・・・・・・・・・いいんですか?」
「構わない。それに家は同じ方向だ。俺としても構わない。」
「じゃ、じゃあ・・・・・お言葉に甘えさせていただきます。」
雄二は霧島をおんぶして霧島の自宅に向かっていた。
「・・・・雄二、ありがとう。」
「気にすんな。それよりヴァランカスの実は食わないのか?」
「・・・・雄二と一緒に食べたい。」
「別に俺と一緒じゃなくてもいいだろ。」
「・・・・雄二がよくても私がよくない。」
「たくっ・・・・・じゃああそこの公園のベンチで食うか。」
雄二はそう言うと霧島をベンチに座らせると霧島の隣に座り、ヴァランカスの実をカバンから取り出した。霧島も筋肉痛の体に少し無理をしてヴァランカスの実を取り出そうとする。
「無理すんな。」
雄二は霧島のカバンからヴァランカスの実を取り出した。
「・・・・雄二、食べさせて。」
「はいはい、わーったよ。」
雄二はヴァランカスの実を霧島へと運び食べさせる。
「・・・・おいしいい。」
霧島は笑みを浮かべてそう言う。雄二は少し顔を紅くした。
「・・・・どうかしたの、雄二?」
「な、なんでもない!」
そう言って雄二はヴァランカスの実を口にする。
「おっ!これ美味いな。」
そんな時間を過ごした。
「ゴメンねムッツリーニ君。」
「・・・これくらいたいしたこと無い。」
土屋は工藤を背中に背負いながら道を歩いていた。
「でも鋼牙君のあの姿、驚いたよね〜。」
「・・・・あいつらしいがな。」
「あはは、確かに。それでさ、ムッツリーニ君。」
「・・・なんだ?」
「今こんなこと聞くのは変かもしれないけど・・・・・どうして僕の写真だけムッツリ商会で扱ってないの?」
「っ!」
「い、いや!変な意味は無いんだよ。ただ・・・・僕の写真ってそんなに売れないのかなって。いや、べつに変な意味は無いんだよ。」
「・・・お前の写真は撮っていない。」
「・・・・え!?」
「・・・・正確に言うとなかなかいい写真が撮れないんだ。だから売りに出せないんだ。」
「そ、そうなんだ。」
「姉上、本当によかったのかの?」
「なんのことよ?」
「鋼牙に送ってもらってもイタタタタタタタタタタ!姉上、指はそっちに曲がらないのじゃ!」
「あんたが余計なこと言うからでしょ。それに姫路さん身体弱いんだしいいでしょ。」
「すみません鋼牙君、送ってもらって。」
「気にするな。だがしばらくは寝たきりになるのは覚悟しておけ。」
「はい。それと・・・・」
「なんだ?」
「あの時は・・・・・ありがとうございました。」
「ああ。」
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ヴァランカスノミッテノハケッコウトルノガムズカシインダ。オマエラヤレルノカ? 「竜神」 ソノカガヤキデテラセ! |
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