騎士物語
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 昔々、ある王国に、ひとりの騎士がいました。

 騎士はとても貧乏でしたが、仲間たちにかこまれて、とても楽しく暮らしていました。

 

 ある日のことです。騎士に、王女さまの護衛が命じられました。それは、とても名誉のあることです。騎士は、喜んで仕事に励みました。

 

 王女さまはとてもわがままでした。お茶の準備、お菓子の準備、何をするにも騎士をこき使います。それでも騎士は、ただのひとつの不満さえ漏らしませんでした。

 

 騎士は、仲間の騎士たちから噂話を聞きました。それは、この国の王様が、王女さまの暗殺を企てている、という不穏なものでした。

 仲間たちはよくある与太話と、笑いましたが、騎士にはその噂が気になってしかたないのでした。

 

 騎士はとても注意深く王様を調べました。そして、見てしまったのです。暗殺などを生業としている汚い連中と王様が話しているところを。あの噂話は本当のことだったのでした。

 

 その夜。騎士は王女さまを連れて、城を飛び出しました。このまま城にいては、王女さまは殺されてしまいます。

 騎士には、そんな理不尽は許せないのでした。

 

「これは捕まったら死刑じゃの。酷い酷い拷問を受けた上で磔じゃ。哀れじゃ、哀れじゃ」

 

「なにせお前は誘拐犯じゃ。王女誘拐の大逆賊じゃ。昨日までただの召使だった男が大した出世じゃのう」

 

 何も知らない王女さまは、騎士を誘拐犯と罵ります。

 それでも騎士は何も言いません。親に殺されようとしているなどと、誰が口にできましょうか。

 騎士は、祖国を背に、ただ走ります。王女さまの罵声をうけながら。

説明
 友人に絵本を書くと言いました。とてもすばらしい感動的な騎士物語だったので、「これは良いのではないか」と彼は申しておりました。もちろん絵本なので「絵はこれだ」と、一枚の画像を彼に送ってやりました。すると彼は、「どう見てもトンパ文字にしか見えない」と私に罵声を浴びせてきました。なので、僕の象形文字のような挿絵はなくなり、文のみの投稿です。

挿絵の一部 http://www.tinami.com/view/63061
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騎士 王女 失敗絵本 中二病 死者物語 

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