魔法戦記リリカルなのはmemories 最終章 新たなる聖王の歴史(メモリー) 本幕【終わり、そして始まりの日】 第百二十話 |
次回書き終わったら『最終章、終幕』になります。もしかしたら次回から『最終章、終幕』かもしれませんが。
終幕は多分二、三話くらいです。その後エピローグになりますね。
ってなわけであと五話くらいとなりましたがこの話も第百二十話。結構話数あったな……
とまぁ、少し早いですがここまで読んでいただいて本当にありがとうございます!!
あと数話ですので、それまで読んでもらえるとうれしいです。
それではどうぞ!!
「うん、分かった。気を付けておく」
アリシアは念話でフィルノからアマルナが操られているシステムについて聞き、現在の状況を把握した。
アマルナは向こうから動くようなことはせず、ただその場で立っていた。念のため魔法を打ってみたが、何もダメージを与えられているような気配はなく、その間にも何かを溜めているように見えたが、その時間を有効利用しようとアリシアは思い、全員に向けて少し声を上げて話す。
「みんな!! 今のアマルナは体の事なんか気にせずに攻撃してくる!!」
「なっ!? それって先ほどの最終モードって……」
「多分だけど、自分のダメージが多く、このままでは勝てないとなった時のために、自分の体が壊れても相手をすべて倒すというモードだと思うっ!!」
「ちっ、人間を道具扱いするなんて、管理局はここまで腐っていたのかよ!!」
フェイト達はまだアマルナしか見たことがないけども、アマルナのような人間が何百人もいて、その大半が実験によって亡くなってしまったという事を考えてしまうと、管理局というものがそこまで酷い組織になっていたのだと思ってしまった。
フェイト達はこんなところに私たちは所属していたのかと思っていたが、そんな中、リィナ・シルフィアは別の事を考えていた。その考えを姉のデュナ・シルフィアとティアナ・ランスターに伝え、リィナが考えていたことをみんなに伝えた。
「みんな聞いて、アマルナを倒す方法を見つけたかもしれない」
「ティアナ、それは本当?」
「はい。リィナの魔法ならば気づかれず破壊できるのではないかと」
「そっか。ティアみたいに相手の顔を見なければ避けられることはなかったからね!!」
リィナの魔法について姉のデュナはもちろん、リィナの魔法で攻撃を受け、避けるのにかなりの苦労したスバルとティアナも、リィナの魔法ならアマルナを倒せるかもしれないと思っていた。
リィナの魔法は見えないだけじゃなくて気配すら感じられない。それならばアマルナに気付かれずピアスを破壊することも可能ではないかと三人はすぐに思った。
「……本当に、リィナに任せていいのね?」
「はい。その代りなんですが、私の邪魔をしてこないようにしてもらうと助かります」
「分かってるよ。フェイト達もいいよね?」
「うん、それで何とかなるならそれに賭けよう!!」
「いくよっ!! みん――」
「バースト・ブレイカー――」
リィナが考えてた作戦を実行しようとした刹那、アマルナの方からフェイトやアリシア達に向けて広範囲な砲撃が放たれた。
突然のことに全員が驚きフェイト、アリシア、シグナム、ヴィータは避けられ、範囲の外側に居たティアナ、シルフィア姉妹も回避することができた。しかし、残りのスバル、トーマ、キャロ、エリオの四人は避けることが間に合わずアマルナの攻撃をもろに直撃することとなった。
「スバル!!」
「なんつぅー魔法だよ!! こんな物を隠し持っていたのか!!」
物理的な魔法攻撃をしてこなかったアマルナだったために、突然の砲撃魔法は誰もが驚かされた。
しかし、あんなに広範囲な砲撃魔法を放てば、自分が受ける反発力も強くなる。それだというのにもかかわらず、何も気にせずにアマルナは魔法を放ってきており、本当に自分の体を気にせずに魔法を放ってきているのだろうと全員が察した。
「スバル達の事が気になるが、今はそんな場合じゃない。とにかく、リィナ・シルフィアを守りながら作戦を実行するわよ!!」
スバル達の心配にはなるが、そんな暇をアマルナが与えてくれるはずがないだろう。幸いにも作戦のかなめであるリィナ・シルフィアが避けることに成功したため、フェイト達はティアナの言葉を皮切りに、予定通り作戦通りに進めることにした。
まず先に動いたのはヴィータで先ほどと同じようにラケーテン・ハンマーでアマルナへと攻撃を仕掛ける。
「ラケーテン――ハンマーっ!!!!」
しかし、そう何度も同じような攻撃を当たるわけがない。アマルナは自分の周りに防御魔法を展開させ、ヴィータの攻撃を防いだ――だが、そこまではヴィータも予想していた範囲ではあった。
「なっ、なんだこれっ!?」
アマルナの防御魔法にヴィータの攻撃が当たったところまではよかった。しかし、アマルナの防御魔法に衝突してから予想していなかったことが目の前で起き、さすがのヴィータも驚かされた。
――抜けなくなっていた。まるで接着剤のようにくっついてしまったらなかなか取れなくなってしまうように、ヴィータのデバイスがアマルナの防御魔法にくっ付いたように動かなくなってしまっていた。このままではほとんどゼロ距離で攻撃される可能性があり、なんとしてでもこの状況を打破する方法をすぐに模索した。
しかし、そんな時間を与えてくれるわけがない。アマルナはすぐさまヴィータに向けて、先ほどとは別の砲撃魔法を放った――
「アドヒーシブ・ブレイカー――」
「なっ――」
「ヴィータっ!!」
ゼロ距離からの砲撃魔法をよけられるはずもなく、ヴィータはもろにアマルナの砲撃を受けることとなり、そのままユニゾンが解除されてリインと共に地面へと落下していった。
アマルナが放ったアドヒーシブ・ブレイカーは正確には砲撃魔法というわけではなく、防御・砲撃魔法と言うべきものだ。元々アマルナが使っていた魔法で、まず自分自身を全体から防御し、そのままデバイスを動かなくさせ、その直後にゼロ距離の砲撃を放つという魔法だった。
バリア貫通能力ですら通じることがなく、相手が近接魔法を得意とする魔導師ならばかなりの相性が悪い相手だともいえた。
「近接魔法は……使えないという事か」
「となれば、射撃魔法か砲撃魔法しかこっちも使えないと」
たとえそうだとしても、作戦に支障がないという事は解ったため、予定通りリィナを守りながらアマルナへと攻撃を仕掛けることを最優先した。
「アリシア、遅れてこないでね!!」
「それはこっちのセリフだよフェイト!!」
フェイトとアリシアはアマルナを中心にしてそれぞれ反対側になるように動き、位置についたと同時にアマルナに向けて砲撃を放つ準備を始める。
「そっちの準備は大丈夫!!」
「大丈夫だよアリシア!!」
「それじゃあ、行くよっ!!」
『トライデント――スマッシャー――っ!!』
ほぼ同時にアマルナへと放ち、アマルナはその砲撃をよけることもせずに直撃していた。
避けられるような距離であったというのにもかかわらず、まるで受けても大丈夫のような雰囲気を出していた。その姿をフェイトとアリシアは見ていたが、逆にそのアマルナの余裕がフェイト達を不安にさせる要因となった。そして、その不安は的中する。
「っ!? フェイト後ろ!?」
「えっ――」
アリシアが突然の大声を発し、フェイトが後ろへと振り向いた直後、アマルナの蹴りがフェイトに直撃され、そのまま吹っ飛ばされたまま地面へと次第に近づいて行った。一瞬の出来事にフェイトは状況が理解できず、地面に衝突してようやく何が起こったのか何となく理解した。しかし、地面に衝突した時のダメージがかなり受けてしまい、すぐに立ち上がれるじょつあいではなかった。
しかし、アマルナの猛攻はまだ続く、今度はアリシアの目の前に瞬間に現れた。フェイトが吹っ飛ばされたことにアリシアはすぐさま思考が回転せず、アマルナが目の前に来た瞬時にすぐに危険だと気付くが、そこで咄嗟に近接魔法を使ってしまったことがミスにつながる。
「ハーケンスラ――っ!!」
「……アドヒーシブ・ブレイカー」
アリシアは攻撃を仕掛けてしまった直後に意味がないことに気付くが、すでに遅く、アマルナはヴィータの時と同様、アドヒーシブ・ブレイカーの防御によって防がれ、デバイスが動かなくなる。
そしてすぐさまアドヒーシブ・ブレイカーの砲撃がアリシアへと放たれフェイトと同じ方向へと吹っ飛ばされ、地面へと衝突するのだった。
これで残る数はシグナム、ティアナ、デュナ、そして要のリィナの四人だけ。かなりの大人数居たはずなのに、もう四人しか動ける人がいなかった。これに慌てたデュナはリィナに準備ができたかどうか急いで確認する。
「リィナ!! 準備は!!」
「今できた!! いつでも使えるよ」
「よし!! 今すぐそれを――がっ」
ティアナがリィナに命令をしようとした刹那、アマルナがティアナに向けて一気に近づき、フェイトと同じように蹴っ飛ばした。
このままではリィナが魔法を使うまでやられてしまう。そう思ったシグナムとデュナはアマルナに攻撃を仕掛けようとした――
「……フィールド・バースト」
「なっ!?」
しかし、二人がアマルナへと近付こうとした直後、アマルナの周辺で爆発が発生し、その爆発にシグナムとデュナは受けることとなる。
ついにリィナ一人だけとなり、アマルナは瞬時にリィナへと近づいた。
「間に合ええええええええええええええええええええええええええ!!!!!! スケルトン――――エクスプロードっ――――――――!!!!」
刹那、アマルナの両耳付近で、突然と爆発を起こすのだった――
説明 | ||
J・S事件から八年後、高町なのははある青年に会った。 その青年はなのはに関わりがある人物だった。 だがなのはにはその記憶が消されていた。 消されていた記憶とは、なのはと青年の思い出であった。 二人が会ったことにより物語は始まり、そしてその二人によって管理局の歴史を大きく変える事件が起こる事になる。 それは、管理局の実態を知ったなのはと、親の復讐のために動いていた青年の二人が望んだことであった。 魔法戦記リリカルなのはmemories ?幼馴染と聖王の末裔?。始まります。 |
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