九番目の熾天使・外伝〜マーセナリーズ・クリード〜 |
第5話
―――――――――貴様らはここで死ぬからだ。管理局の魔導士」
その言葉と同時に、岡島の背後にいたD3が事前に岡島から受け取ったカード型のスタングレネードを三枚敵に向けて投擲。事前に作動させていたため敵の眼前で起爆、凄まじい爆音と共に強烈な閃光が生じ辺りを照らす。同時に岡島はもう一つの能力を発動、自分の眼前にワームホールを形成し、全隊通信用無線機に叫ぶ。
「撃て!」
合図と同時に窓の外からヘリのドアガンであるM134ミニガンが轟音と共に室内に銃弾のシャワーを浴びせる。そして岡島が発生させたワームホールからE(エコー)チームとDチーム、そしてCチームの生き残りが撃った銃弾が浴びせられた。これが岡島のもう一つの能力でありナノマシンの副作用の一つ、ワームホールを利用した限定的な空間転移である。空間にワームホールの出入口を形成し、離れた場所の物を取り出したり、相手の攻撃をそのまま送り返す等多様性に富んだ能力であり、今回のように出口を一点に集中させることで飽和攻撃を行うことも可能である。この能力を用い敵に一点集中させた圧倒的な火力で一気に殲滅させるのが岡島の作戦だった。
「うわぁ・・・ミンチよりひでぇや・・・」
思わず岡島の後ろにいたD3がつぶやく。敵の魔導士と思われる二人は一瞬だけ元の姿に戻ると同時にヘリと岡島の2方向からのAMP弾による飽和攻撃により声を上げることもなく一瞬で原型をとどめないほどにズタズタに引き裂かれていた。
岡島は射撃終了と同時に能力を解除。自分達も離脱のために邸宅を出る。超低空でホバリングするヘリを見ると既に全員が乗り込み、あとは自分達だけだった。急いで乗り込もうとすると空に違和感を感じ空を見上げる。“鷹の目”が敵の空戦魔導士を捉えた。飛んできた方向を察するにおそらくBチームを襲った奴だろう。
「上空!敵だ!」
言うなり岡島は空に向け発砲、敵を牽制する。すると同時に茂みの中からもう一人、陸戦魔導士と思しき敵が日本刀型のデバイスを振りかざし突撃してきた。すかさずD3が反応し、牽制射を行う。岡島の判断は早かった。
「離脱しろ、後で追いつく。」
その言葉にヘリが上昇を始める。敵がなんとか妨害を試みるが岡島とD3に阻まれ思うように動けずにいる。ヘリは推進用ジェットエンジンと緊急離脱用に増設されたロケットブースターを点火、すぐに追いつけない距離まで遠ざかった。これでこちらの任務は成功、あとはどう帰還するかだ。
「おい隊長、ちゃんと帰還手段はあるんだろうな」
D3が半目でこちらを睨みながら問う。
「大丈夫だ、考えてある」
岡島が即答する。すると上空から別の声が飛んできた。
「俺達を無視して帰る算段か?いい気になるなよ小僧ども」
続いて刀を構えた敵が言う。
「俺達の仲間を殺したんだ。絶対に許さねぇ」
どうやら仲間を殺されて怒っているようだ。
「はっ、今まで散々殺しておいてよく言ったもんだ。それとも自分達の殺しは正統な人殺しだとでも言う気か?」
D3がそう言って相手を挑発する。すると敵も乗ってきた。
「当たり前だろ。俺たちゃ時空管理局だぞ?正義のためなら多少の犠牲なんて些細なもんだ」
その言葉に岡島がキレた。
「だったら貴様らがその犠牲になってくれませんかねぇ。散々正義の味方面してやってることはそこらへんのテロリストと同じ、てめぇらこそ死ぬべきだろうがこのゲスが。D3、俺は上をもらう。下のやつはくれてやる、好きにしていいぞ」
「おっ、マジか!じゃあ下は俺の獲物な!」
なんだかんだで戦闘狂の気があるD3、嬉しそうに答える。それに対し魔導士達はさらに額に青筋を浮かべながら拳を震わせる。
「魔法すら使えないくせに・・・とことん舐めやがって・・・いいぜ!ぶっ殺してやる!」
陸戦魔導士はそう叫ぶとD3に突っ込んだ。
「おっ、活きがいいねぇ・・・楽しませてくれよ!」
D3も軍刀とM9銃剣を抜き、それに応える。二人の持つ刀が火花を散らした。―――
――――「じゃあこっちも始めるか」
岡島はヒップホルスターから拳銃を二丁抜くと両手に構えた。M1911を改造したオリジナルモデルで銃身の下に増設されたレールにS-30V合金製の銃剣が取り付けられている。岡島はその銃剣を空戦魔導士に向けた。
「ふん、飛べもしないくせにどうやって戦う気だ。そのままなぶり殺してやる!」
そう言うと敵は岡島に向けて攻撃魔法を連射した。その全てが岡島に当たる瞬間、岡島は体を左側にひねりながらジャンプ、すべての魔力弾のわずかな隙間に体をねじ込んで回避した。そして着地と同時に敵に銃を向け二発発砲。そのうちの一発がシールドを貫通し、敵の左肩に当たる。
「!?AMP弾か!」
被弾した敵がわずかに驚くも、上を抑えている以上まだ自分は優位だと判断したらしい。高度を上げ同じ攻撃をさらに続けるようだ。しかし―――――
「誰が飛べないって?」
岡島はそう言うと強化された身体能力を利用し、跳躍した。そして足元にワームホールを展開、設定された出口は地面。そこにわずかに足を入れまた跳ぶ。展開、跳躍を繰り返し、魔道士と同じ高度まで到達する。驚く魔導士に接近するためワームホールを横に展開、出口を壁に設定し、壁を蹴って跳ぶ。壁と地面を不規則につなげながら[的]に素早く接近する。
「ヒィィィィィィィィ!来るな!来るなぁ!」
敵は理解の範疇を超え襲い掛かってくる岡島に恐怖し、叫びながら魔法を乱射する。しかし、混乱しているせいか狙いが甘い、魔法はあさっての方向へ飛んでいった。近づいた岡島がさらに追い打ちをかけるように語りかける。
「さぁ、どこを撃たれたい?5秒以内ならリクエストに応えてやる」
「ふっ・・・ふざけるなぁぁぁぁぁぁ!」
魔導士は震えながらも叫ぶと自分の分身を出現させた。数は―――――7体だ。
しかし、岡島は意に介さない。分身の一体の背後に周り右の銃剣を脳幹に突き刺す。
「時間切れだ」
そう言い放ち発砲。続いてもう一体、もう一体と踊るように撃ちながら移動を繰り返し次々と分身を破壊していく。――――――――――――――――――――
――――――――――――――その頃地上では―――――――――――――――
「はっはっはっ!いいねぇお前!なかなかやるじゃん!」
「くっそ!この!」
ゲラゲラ笑いながら右手だけで軍刀を振るうD3に対し押される陸戦魔導士。攻撃の手数で圧倒される形だ。なんとか反撃を試みるも全て別の攻撃で防がれ、左手に持ったM9銃剣でいなされる。D3はさらに挑発する。
「ほらほら!どうした!?こんなもんかよ!」
「くっ・・・舐めるな!」
そう言ってデバイスを振り上げた魔導士。そこにすかさずD3が蹴りを入れ吹き飛ばす。
「グフッ」
陸戦魔導士の肺から息が抜け、咳き込む。そこに空戦魔導士が落ちてきた。
D3が見上げると岡島が足を振り上げていた。どうやら蹴り落としたらしい。
「終わったか?」
岡島が言いながら降りてくる。
「いや、まだトドメさしてねぇ」
「そうか」
D3の返事に軽く答え、岡島はD3の隣に並ぶ。敵を見ると、ちょうど二人共よろよろと立ち上がろうとしているところだ。空戦魔導士が声を搾り出す。
「何なんだよ・・・何なんだよお前ら!」
岡島とD3が静かに言い放つ。
「通りすがりの傭兵だ。覚えておけ」
「ちょっとイレギュラーだけどな!」
言い終わるや否や岡島とD3がそれぞれの獲物へ襲いかかる。そして岡島は空戦魔導士に拳銃の銃剣を突き立て発砲。D3は陸戦魔導士を軍刀で切り裂いた。二人が息絶える直前、最後の力を振り絞り怨嗟の声を上げる。
「「地獄に落ちろ・・・クソ野郎・・・」」
せっかくだから二人は答えてやることにした。
「そいつぁ無理な相談だな」
「ああ、なぜなら」
「「俺達が、地獄だ!」」
あとがき
戦闘すると話が長くなる・・・メンバーは次回こそ判明します。一体誰なのか今しばらくお待ちください。あと、次回でこの世界の話は終わりです。次次回からACfaの世界に移動します。
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第五話になります ※注意!今回はグロい描写があります。苦手な方は最初のあたりを飛ばしたほうが良いかもしれません。 |
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コメント | ||
次回投稿しました(okaka) 二百式さん:ラストで大活躍してもらう予定ですw(okaka) ACfaなら私もー(二百式) キリヤさん:もう少し先になりますがニアミスの予定です。(okaka) シーッ! d( ゚ε゚;)(okaka) ACfaというと…………俺か?(キリヤ) D(デルタ)3(さん)だったら上手いよな(キリヤ) というか、この状況で考えられるのって初期メンバーでしょうね(竜神丸) ひょっとして・・・・・・俺?D3って・・・・・・すでに登場している旅団メンバーって・・・・・・あんまり考えないようにしていたけど(デルタ) |
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