九番目の熾天使・外伝〜マーセナリーズ・クリード〜
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第6話

 

「で?どうやって帰るんだよ。まさか歩いてとか言わねえよな」

 

魔導士を始末するとD3が聞いてきた。

 

「こうする」

「?っておわっ!」

 

岡島が答えると同時に二人の足元にワームホールが展開。二人はその中に落ちてゆく。そして転送された先は―――――

 

「隊長!D3!ご無事でしたか!」

 

ヘリのキャビンの中、D2が二人の安否を確認する。

 

「おお!この手があったか!って隊長?どうした?」

「グッ・・・ガハッ・・・」

 

D3が見ると岡島は自分の胸を抑え苦しんでいた。D2が駆け寄る。

 

「隊長!?大丈夫ですか!?」

「大丈夫だ・・・すぐに治る・・・」

 

これが転送の欠点。自分自身を完全に転送するとほんのわずかな間だが自分の心臓が止まる。5mくらいなら問題ないが、長距離を跳ぶとその分だけ止まる時間が長くなり、体への負担も大きくなる。しかし、それでも岡島は死なない、体内のナノマシンの影響で不死身に近い体であるためそれくらいでは死なないのだ。

 

「もう大丈夫だ。問題ない」

 

数秒間苦しんだ後、岡島はケロッとした顔で立ち上がった。そこに通信、全体無線から通信が入る。

 

『各隊、現状報告せよ』

 

どうやら司令官(ハゲ)からのようだ。

 

『A(アルファ)チーム現在撤収中。負傷者無し』

『B(ブラボー)チーム撤収中。軽症者2名、重症1名、医療班の用意をお願いします』

「D(デルタ)チーム死傷者無し。対象を確保し撤収中」

『こちらE(エコー)我々も同じだ』

『・・・C(チャーリー)チーム・・・隊長始め突入した4名が戦死、死体は回収不可能。現在D、Eチームと共に撤収中』

 

Cチームの中で生き残った二人の内の一人C3が報告すると、司令官が無線越しに息を呑むのが聞こえた。

 

『了解した。帰還後、詳く聞こう。作戦は成功だ、総員帰還しろ。D1、話がある。それ以外のものは通信を切れ』

 

了解、という声が無線機から聞こえ他の隊が通信を切る。さて、と前置きを置いて司令官が話し始めた。

 

『D1、お前は奴らと合ったことがあると言っていたな』

「ええ」

『詳しく聞きたい』

「・・・いいですよと言っても直接合った訳じゃないんですけど・・・」

 

そう言って岡島は話し始めた。かつてテロに巻き込まれたこと。そのテロで家族を失ったこと。そしてそのテロの首謀者こそが奴らだったことも。

 

『そうか・・・だからあの時すぐに名前が出てきたのか』

「まぁそんなとこです」

「じゃあ隊長が傭兵になった理由って・・・」

「ああ、復讐だよD2、まぁやっと今回一人目を殺ったけどな」

「じゃあもしかして・・・」

 

D3の言葉に岡島は首肯し続ける。

 

「ああ、あの空戦魔導士が実行犯だ、まだいるけどな」

 

そう言うと岡島は口をつぐむ。少しの沈黙の後、司令官が口を開いた。

 

『そうか・・・よく解ったD1帰還しろ』

「了解、交信終了(アウト)」

 

通信を切った岡島はキャビンの隅に座るタイラーに目を向けた。どうやらタイラーは入手したデータを確認しているようだ。その中の一つに岡島は興味を持った。

 

「これは?ロボットみたいだが・・・」

「ああ、それは・・・」

 

答えは意外な所から帰ってきた。

 

「おっ、ネクストか?」

「知ってるのかD3?」

「ああ、俺も一応リンクスだからな」

「リンクス?」

 

そして岡島はネクストと呼ばれる兵器と、それを駆るリンクスと呼ばれる傭兵について帰還するまでD3の話を聞いていた。―――――――――――――――――

 

 

 

 

 

         ――――――一週間後――――――

 

「本当に行くのか?」

「ああ、手に入れば戦力になりそうだし、何より面白そうだしな!それに俺なら汚染も問題ないし」

「やっぱナノマシンってチートだろ」

 

次元港で話をする二人。岡島とD3だ。あの後二人は契約を打ち切り次の世界へ行くことにしたのだ。岡島はネクストのある世界へ、D3はまた別の世界へ。

 

「楽しみだな、どんな世界か」

「俺はもう少し別の世界を回るけどあんたは直接行くのか?」

「ああ、船も用意した」

「そうか・・・じゃあここでお別れだな」

「ああ、縁があればまた会おう」

「おう、じゃあな。あんたの料理、なかなかうまかったぜ」

 

そう言って二人は別々の方向に歩き出した。――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――――――――――岡島が完全に見えなくなるとD3は通信機を取り出した。この世界のものではない高度な技術で作られたものだ。彼は素早く操作すると通信相手に話し始めた。

 

「俺だ、実は面白そうな奴を見つけた。そいつもメンバーに入れようぜ・・・大丈夫だ、実力はこの目で確かめた。・・・ああ、それとリンクスになるつもりらしいからそっちに行くと思う。最後の判断はあんたに任せるよ。まぁ大丈夫だろう、なんせ――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―――――――――――――このデルタのお墨付きだぜ?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あとがき

 

というわけで出演いただいてたのはデルタさんでした。ありがとうございます。途中でバレてたと思いますが・・・引っ張りすぎた・・・次回からACfaの世界です。

 

説明
第六話です。今度こそメンバーが判明します。次回からACfaの世界です。
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コメント
ACFAだと俺もリンクス(モドキ)なんだけどな…ライダーの能力を使いまくってるけど(支配人)
出ますよ〜・・・多分(okaka)
上手いな、掛け方が。俺が出るのか!?(キリヤ)
実は数字は後で気づきましたwwwデルタさんにはもう一回登場していただく予定ですw・・・誤字報告ありがとうございます。修正しました。(okaka)
あと、更新終了ではなく、交信終了・・・・・・もしくは通信終了かと思います(デルタ)
やっぱりD3は俺だったか・・・・・・D3=デルタさん・・・・・・まさにその通りでしたか(苦笑(デルタ)
その予定です(okaka)
やはりデルタさんでしたか。次はキリヤさんが出て来るのでしょうか?(竜神丸)
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