英雄伝説〜光と闇の軌跡〜 807
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〜鉱山町・マインツ・宿酒場”赤レンガ亭”〜

 

「フフ……………さてと。それじゃあ、あたしもあなた達に同行させてもらおっかな?」

ロイド達の会話の様子を笑いながら見ていたグレイスは口元に笑みを浮かべてロイド達を見回し

「へ……!?」

「いきなり何を……」

グレイスの言葉を聞いたロイドは驚き、ティオはジト目でグレイスを見つめた。

「だって今後の動きの中心はあなた達になりそうだし。ジャーナリストとしてはちょっと見過ごせないわね!」

「いや、でも……」

グレイスの話を聞いたロイドは苦笑し

「うーん、僕は別に構わないけど。マスコミの人間を乗せたらアッバスがうるさいだろうねぇ。」

「キーアも記事にされたら、困るよ……………」

ワジは考え込んだ後口元に笑みを浮かべ、キーアは疲れた表情で言い

「あー、心配しないで。記事にしたいのは山々だけど今はそんな状況じゃないしね。今のあたしは、クロスベル独立国がどうなるかだけが知りたいの。この欺瞞に満ちた新体制が果たして”歴史に選ばれるのか”をね。」

二人の言葉を聞いたグレイスは真剣な表情で言った。

 

「歴史に選ばれる……?」

グレイスの言葉を聞いたロイドは不思議そうな表情をし

「こう言っちゃなんだけど大陸全土の混乱はかなりのものよ。その一因が、ディーター大統領にあることは否定できないけど……彼が退いたからといって、この危機が乗り越えられるかしら?」

「………それは…………………―――――恐らく局長達――――”六銃士”がクロスベルを支配し、危機を乗り越えると思っています。」

「実際、ヴァイスさん達はメンフィル帝国と既に同盟を結んでいる形ですし………あのメンフィル帝国が味方になれば、恐いものなしかと。」

「IBCで”覇王”も認めていたしな……」

グレイスの言葉を聞いたロイドは複雑そうな表情で考え込んだ後真剣な表情で答え、ティオは静かな表情で言い、ランディは溜息を吐いて言い

「マジ?カーリアンさんがいるのは”ラギール商会”の思惑かと思っていたんだけど………」

二人の答えを聞いたグレイスは信じられない表情をしてエルミナを見つめ

「………ええ。既に我々”六銃士”による革命が成功した際、正式にメンフィルと同盟を結ぶ形となり、新たなクロスベル――――『クロスベル帝国』を建国すると同時にメンフィル軍と共にエレボニア、カルバードの同時侵略の開始を予定しています。」

「………………………」

見つめられたエルミナは静かな表情で答え、ミレイユは複雑そうな表情で黙り込み

「なっ!?」

「既にそこまで具体的な計画もできているなんて…………」

「…………………」

「前代未聞の歴史が創られそうだな………」

「こりゃ、ゼムリア大陸にさらに混乱が訪れるのは確定だね……」

「一体ゼムリアはどうなるのかしらね……」

「………………………」

エルミナの答えを聞いたロイドとティオは驚き、ランディは目を細めて黙り込み、ツァイトは厳しい表情で呟き、ワジとエオリアは真剣な表情で呟き、キーアは辛そうな表情で黙り込み

「なるほどね……………――――だったら、なおさらあたしは確かめたいわ。今後のクロスベルがどんな道を歩むか。そしてその選択が、歴史にどう伝えられるのか。あなた達について行ったらそれが見られる気がするのよね〜。」

グレイスは真剣な表情で頷いた後笑顔でロイド達を見つめた。

 

「……グレイスさん。」

「なんつーか……そこまで考えてたとはねぇ。」

「何だかシリアスすぎて別人みたいですが……」

「あはは、まあ一番の理由は面白そうだからなんだけど。それに通信社の方にパイプは残してあるからね。ひょっとしたら市内の情報なんかも提供できるかもしれないわよ?」

「―――わかりました。俺達は異存ありません。ワジ、キーア。そちらは構わないか?」

そしてグレイスの話を聞き終えたロイドは頷いた後ワジとキーアに尋ね

「キーアは、キーアの事を記事にしないのならいいよー。」

「フフ、僕も構わないよ。まあアッバスを説得するのは一苦労かもしれないけど。」

尋ねられた二人はそれぞれ頷いた。

「サンクス、恩に着るわ!よーし、みんなで気合いを入れてフェーリッツァ賞を狙いましょ!」

「いや、別にグレイスさんの手伝いをするわけじゃ……」

「まあ、グレイスさんですから。」

そして嬉しそうな表情で言ったグレイスの言葉を聞いたロイドは脱力した後苦笑し、ティオはジト目で言った。

「フフ………それじゃあ私も貴方達についていくわ♪」

するとその時カーリアンが口元に笑みを浮かべて意外な提案をし

「へっ!?」

「マジですか……!?」

「なんでまた俺達に……」

申し出を聞いたロイドやティオ、ランディは驚き

「その方が面白いと思っただけよ♪エステル達に出会って以降面白い体験をたくさんさせられたしね〜。」

カーリアンは口元に笑みを浮かべて答えた。

「わたし達をエステルさん達と一緒にしないでほしいのですが。」

カーリアンの答えを聞いたティオはジト目で突込み

「ハ、ハハ……―――でも、とても心強いです。これからお願いします、カーリアンさん。」

ロイドは苦笑した後、静かな笑みを浮かべてカーリアンを見つめ

「ええ、よろしくね♪」

見つめられたカーリアンはウインクをした。その後、ロイド達はエルミナ達に密かに協力しているマインツの町長に挨拶した後……今後の段取りを話し合ってから山間部の拠点(ベース)に戻るエルミナ達に別れを告げるのだった……………

 

 

 

説明
第807話
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コメント
感想ありがとうございます 本郷 刃様 確かにww THIS様 ここから以降凄い勢いでとんでもないメンツが集まりますww(sorano)
 どんどん凄いメンツになってきたぞ?(THIS)
カーリアンがいればもう恐いもの無しですねww(本郷 刃)
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