英雄伝説〜光と闇の軌跡〜 808 |
〜マインツ山道〜
「それでは、私達はこれで失礼します。」
「はい、今後もよろしくお願いします。」
エルミナの言葉にロイドは頷き、そして警備隊は次々と山間部の中に入って行った。
「ミレイユ!」
その時キーアがミレイユに走って近づき
「?どうしたのかしら、キーアちゃん。」
近づいてきたキーアをミレイユは不思議そうな表情で見つめたその時
「あのね………(未来のランディの奥さんはミレイユだよ♪それとさっきは言わなかったけど、子供もいるよ♪)」
キーアはミレイユに小声で耳打ちをし
「!!!??〜〜〜〜〜!!??」
耳打ちをされたミレイユは顔を真っ赤にして混乱し
「えへへ………ミレイユが大好きな人へのアプローチ、頑張ってね!そうすればきっと、さっきキーアが教えた通りになるよ♪」
キーアは無邪気な笑顔を浮かべてミレイユを見つめて言った後ロイド達の元に戻り
「…………………」
ミレイユは顔を真っ赤にして固まっていた。
「ミレイユ?どうしたのですか?」
その時ミレイユがついてきていない事に気付いたエルミナが足を止め、ミレイユに近づいて話しかけ
「!!い、いえ!何でもありません!それより私達も急ぎましょう!」
話しかけられたミレイユは我に返って真剣な表情で言い
「?ええ。」
ミレイユの様子をエルミナは不思議そうな表情で見つめながら頷いた後、山間部の中へ入って行った。
「キー坊?ミレイユに何を言ったんだ?」
一方戻ってきたキーアにランディは不思議そうな表情をし
「えへへー、秘密だよ♪」
キーアは無邪気な笑顔を浮かべて答え
(もしかしてまた、未来を遠回しに教えたんじゃないですか……?)
(あ、ありえそうだな………)
ティオはジト目でキーアを見つめ、ロイドは苦笑しながら頷いた。
〜メルカバ玖号機・ブリッジ〜
「うっわ〜………ホント、すごい飛行艇ねぇ!まさか七耀教会がこんな船を持ってたなんて!」
「一体いつから持っていたのかしらねえ?」
「さあ?わりと昔からあるらしいけど、詳しい事は忘れたよ。そんな下らない事を覚えるの、面倒だったし。」
”メルカバ”のブリッジまで来たグレイスは興味深そうな表情をし、カーリアンは口元に笑みを浮かべてワジを見つめ、見つめられたワジは静かな笑みを浮かべて言った。
「……繰り返すがくれぐれも他言無用に願うぞ。記事にでもしたら今後、教会の一切の庇護を受けられぬと覚悟してもらおう。」
その時アッバスが真剣な表情でグレイスに忠告し
「ハハ、まあ記事にしたところでヨタ話のたぐいにしか思われないかもしれないけど。”結社”やウチの総長あたりと同じように。」
ワジは笑顔で笑った後口元に笑みを浮かべた。
「ワジ……!」
ワジの言葉を聞いたアッバスは怒鳴り
「心配せずとも約束は守りますって。そっちのキーアちゃんが未来のキーアちゃんで、しかもイーリュン教の”聖女”の一人っていうのもね!」
グレイスは静かな笑みを浮かべて頷いた後キーアを見つめ
「お願いだから、キーアの事はみんなに教えないでよ〜。」
見つめれたキーアは疲れた表情で言った。
「その代わりとは言わないけどキーアちゃんが”聖女”になった時、独占取材をさせてもらってもいいかな!?」
そしてグレイスは興味深そうな表情でキーアを見つめながら叫び
「え、えっと、それは………”今の時代”のキーアと交渉してー。」
グレイスに見つめられたキーアは冷や汗をかいて苦笑しながら言った。
(なあロイド……本当に連れてきちまってもよかったのか?)
グレイスたちの会話を聞いていたランディは溜息を吐いた後真剣な表情でロイドに尋ね
(ま、まあ一応、約束は守る人だと思うし。)
尋ねられたロイドは苦笑しながら答えた。
「クロスベル西部に新たな”隙間”を感知しました。」
その時ブリッジ内の端末を操作していたティオが報告し
「正確な座標を特定。西クロスベル街道、中間………警察学校や拘置所方面への分岐地点の付近です。」
ティオに続くようにフランが報告した。
「そうか………」
報告を聞いたロイドは真剣な表情になり
「たしか拘置所を脱出する時、ガルシアのオッサンとアーネストの野郎に助けてもらったんだったか?」
ランディは真剣な表情でロイドに尋ねた。
「ああ……何だかんだ言って力になってくれたよ。アーネストさんの方はルファ姉が煽ったようなものだけど………あれからどうなったのか気になっているんだけど……」
尋ねられたロイドは頷いた後考え込み
「でも、警察学校方面に行ってみるのは得策じゃないね。君が脱出したことで警備も強化されているだろうし。」
「かと言って他に行けるとしたら国防軍がいるベルガード門だけ……ちょっと困ったわね。」
ワジとエオリアはそれぞれ真剣な表情で言い
「まあ、ノコノコ訪ねたら捕まるのは確実でしょうね。」
「…………………………」
グレイスは目を伏せて忠告し、フランは複雑そうな表情で黙り込んでいた。
「……とにかく降りるだけ降りてみよう。どの程度、国防軍が警戒しているか確かめたいし、幻獣の徘徊具合も気になる。」
「了解です。」
「鉱山町の前にも”法陣”が設置された。いつでも降りられるので必要なら声をかけるがいい。」
その後時間も既に夕方となっていたので、休息をしたロイド達は翌日、西クロスベル街道に降り立った…………………
説明 | ||
第808話 | ||
総閲覧数 | 閲覧ユーザー | 支援 |
1031 | 961 | 2 |
コメント | ||
感想ありがとうございます 本郷 刃様 ミレイユにとっては嬉しい情報だったでしょうねww(sorano) ミレイユはアプローチあるのみですねw(本郷 刃) |
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