英雄伝説〜光と闇の軌跡〜 809 |
その後、街道に降りたロイド達がまず警察学校方面に向かうと驚くべき光景があった。
〜西クロスベル街道〜
「なっ……!?」
「オイオイ……なんでメンフィル兵がこんな所にいやがるんだ?」
警察学校へと続く道の周辺で立っているメンフィル兵達を見たロイドは驚き、ランディは目を細め
「い、いえ……それよりも……メンフィル兵がここにいるという事は……」
「………ベルガード門もメンフィル帝国の手に落ちたという事だな……」
ティオは不安そうな表情をし、ツァイトは厳しい表情で呟き
「一体どういう状況になっているのかしら?」
「それよりメンフィル兵なら私達も襲われないのでは?第一こちらにはカーリアンさんもいる事ですし。」
エオリアは真剣な表情で呟き、リタは不思議そうな表情で言った後、カーリアンに視線を向け
「……カーリアンさん。事情を聞いて貰っても構いませんか?」
ロイドは真剣な表情でカーリアンに尋ね
「仕方ないわね〜。」
尋ねられたカーリアンは溜息を吐いた後、メンフィル兵達に近づいた。
「何者だ………!―――!?貴女は………カーリアン様!?」
「一体何故こちらに……」
近づいてきたロイド達を見たメンフィル兵達は身構えたが、カーリアンを見て驚いた。
「ちょっと事情があってこの子達と行動を共にしているのよ。この子達は敵じゃないから、武器を収めなさい。」
「ハッ!」
そしてカーリアンの言葉を聞いたメンフィル兵達は敬礼をして武器を収めた。
「で、一体どういう状況かしら?鎧を見た所貴方達、正規軍よね?」
「ハッ!現在我々はファーミシルス様の指示によりこちらの守護を任されております!」
「げっ…………もしかしてこの先にはファーミ―――ファーミシルスがいるのかしら?」
兵士の話を聞いたカーリアンは嫌そうな表情をして尋ね
「はい。」
「そう。リウイ達は?」
「陛下達はベルガード門に現在駐屯しています。」
「ベルガード門にリウイ陛下達――――メンフィル軍が!?」
「「………………………」」
「どうやらベルガード門は完全にメンフィルに占領されたみたいね……」
兵士の話を聞いたロイドは驚き、ランディは厳しい表情で辛そうな表情をしているキーアと共に黙り込み、エオリアは真剣な表情で言った。
「確かベルガード門には”神機”だったかしら?その人形兵器が守っていたけど、それらも破壊したのかしら?」
「ハッ!我等メンフィルの新兵器とリウイ陛下達の御力により2機の破壊に成功しました!」
「……まさか”至宝”の力を受けたあの人形兵器を破壊するなんて………メンフィルや”英雄王”達がここまで”規格外”だったなんてね……」
「多分ペテレーネちゃんやシルフィエッタさんが”神”を召喚したのではないですか?いくら”至宝”といえど、所詮は”創られた存在”。どう考えても本物の”神”の力には敵いません。」
カーリアンの質問に答えた兵士の話を聞いたワジは真剣な表情で呟き、リタは自分の推測を言い
「あ、あの……ノエルさんやソーニャ司令……いえ、国防軍の兵士の方達はどうしたのですか?」
「まさか殺しちまったのか?」
ティオは不安そうな表情で尋ね、ランディは目を細めて尋ねた。
「いえ。国防軍の者達は全員生きて捕えるようにとの厳命が下されておりましたので、全員怪我は追っていますが生存して捕縛してあります。」
「そうですか………」
「ノエル達、生きていて本当に良かったよ〜。」
兵士の話を聞いたロイドとキーアは安堵の溜息を吐き
「しかしなんでまた敵兵全員捕縛なんて、めんどくさい事が厳命されているんだ?」
「初任演説の時、あれだけメンフィルの事を罵倒していたのですから、殺してもおかしくないと思うのですが………」
ランディは不思議そうな表情をし、ティオは考え込み
「………多分、イリーナ様がリウイに頼んだんじゃないかしら?イリーナ様は優しい方だから、故郷に自分の事を罵倒されても気にしないどころか、敵国の民の身も案ずるほどの方だし。」
カーリアンは考え込んだ後言った。
「なるほど………」
「さすがは”聖皇妃”だね。」
「うむ。ひょっとすればウルスラ並みの心優しき娘かもしれぬな。」
カーリアンの話を聞いたロイドは明るい表情をし、ワジは口元に笑みを浮かべ、ツァイトは頷きながら言った。
「しかし国防軍……でしたか?連中、あまりにも弱すぎて拍子抜けしましたね。そのお蔭で捕縛も容易でしたし。あれならまだ、本国で魔物や賊の討伐をしていた方が歯ごたえがありますよ。」
「ええ。あんな殺す価値もなく、実戦経験もロクにないように見える雑兵共を集めただけで我等メンフィルに逆らうとは……まさかあれほどの身の程知らずがこの世に存在していたとは想像もできませんでしたね。あんな連中を討ち取っても、誇りどころか恥になりますよ。」
「「「……………………………」」」
そして嘲笑しながら言ったメンフィル兵達の話を聞いたロイドやティオは複雑そうな表情で黙り込み、ランディは目を伏せて黙り込んだ。
「ま、”神機”の力を頼りに今まで強気でいたようなものだしね。それでもう一度だけ確認するけどリウイやイリーナ様達はベルガード門にいるのね?」
「ハッ!現在はギュランドロス殿率いるクロスベル警備隊と共に今後の方針を模索中との事です!」
カーリアンの疑問に兵士は答え
「ギュランドロスのオッサン達もベルガード門にいるだと!?」
「そういえばヴァイスさん達の話でギュランドロス司令達はリウイ陛下達―――メンフィル軍と共にいるとの話でしたね……」
兵士の話を聞いたランディは驚き、ティオは考え込みながら言った。
「そう………話してくれてありがとう。ロイド、もうここはいいでしょう?」
「そうですね………これ以上ここにいても警備の邪魔なだけですし、失礼しましょう。」
カーリアンに尋ねられたロイドは頷き
「じゃ、私達はもう行くわ。」
「ハッ!」
「お疲れ様です!」
カーリアンに言われた兵士達はそれぞれ敬礼をし、ロイド達は兵士達から離れた
「それで……次はリウイ達と話をするつもりかしら?」
兵士達から離れたカーリアンはロイド達に尋ね
「はい。――――リーシャにどうしても接触したいですし。その……ベルガード門でもリウイ陛下達との面会を頼んでもいいでしょうか……?」
尋ねられたロイドは頷いた後申し訳なさそうな表情で尋ね
「ええ、別にいいわよ。それじゃあさっさと行きましょう。」
ロイドに尋ねられたカーリアンは頷いた後ロイド達を促し、ベルガード門に向かって行った。その後ベルガード門に到着したロイド達はカーリアンが見張りのメンフィル兵達に接触してリウイとの面会を可能にしたので、リウイ達がいる会議室に向かった…………
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第809話 | ||
総閲覧数 | 閲覧ユーザー | 支援 |
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コメント | ||
感想ありがとうございます 本郷 刃様 そりゃあねえ………光の陣営や闇の陣営の軍隊と戦っているメンフィルとしたら弱すぎて話にならなにでしょうねww(sorano) まぁ百戦錬磨のメンフィル帝国軍からすれば、碌な実戦を行っていない国防軍は価値の無い存在なんでしょうね・・・(本郷 刃) |
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