何かが来る…………

それは今の空気でわかる

ただ他にも分かることがある

危険な臭いが咽るほどすることだ

　　　四節　?死の鎌鼬?

響窃「『幻龍破』!!」

ｺﾞｳｯ!!!

卑弥呼「なに！響窃、お主『アレ』をするのではなかったのか？」

響窃「『あの技』は取って置きのうちの一つだ………

まだ貴様等にはもったいないわ……」

『幻龍破』は真っ直ぐ凪の元へ向かっていった

凪「『吸気』！何度やっても無駄だ！」

ｷﾞｭｫｫ！

響窃「だろうな………だから！」

ﾋﾟｭﾝ!!

凪「なっ！？」

っ!!?そうか………『幻龍破』の中に『死の閃光』を混ぜて放出したのか！

真桜「大丈夫か!?凪！」

沙和「凪ちゃん！」

凪「だ、大丈夫だ、か、掠っただけだ……」

凪はそういうが血が止まらなく出ている

真桜「掠っただけでそないにに血が出るかいな！」

沙和「華佗さん、お願いなの！」

華佗「分かった！霞殿、もう大丈夫だぞ！」

そこには傷が回復した霞が立っていた

霞「了解や！

響窃！ウチはもう怒ったでぇ!!」

霞は完全に怒っている

響窃「貴様如きの怒りだけでどうこうなる響窃ではない………」

雪蓮「私達だってとっくのとうに怒ってるわよ!!」

響窃「ふっ…………」

雪蓮「鼻で笑ってんじゃないわよ!!」

華雄「一刀を返せ！」

ﾌﾞｫﾝ!!　

響窃「おっと…………

いきなり斬りかかるとは、危ないではないか…………」

華雄「戦場でそんな弱音を言うのか!?馬鹿か貴様は！」

詠「…………華雄に言われちゃったわね………」

音々音「というよりこのやり取り、

翠と鈴々の時にやったのですよ」

響窃「それもそうだな………」

華雄「一刀は私に生きる道を示してくれたんだ!!

だから私はあいつに恩返しをしなければならないのだ!!

行くぞ!!響窃！我が得物の錆びとなれ!!」

響窃「死を味わえ！」

華雄「『斧無双(おのむそう)』!!」

『斧無双』は斧を回転させ円盤型の斬撃をとばす技………と華雄から聞いている

響窃「『死の光波』!!」

ﾌﾞｫﾝ!!

ﾋﾟｭﾋﾟｭﾋﾟｭﾋﾟｭﾋﾟｭﾋﾟｭﾋﾟｭﾝ!!

華雄「ぐぁっ！？」

響窃「ぬぐぅっ！」

華雄が放った『斧無双』は響窃に直撃したが、響窃が放った『死の光波』もまた華雄に全弾直撃してしまった

紫苑「やられたら………」

響窃「むっ………？」

紫苑「やり返すわ！」

ｶｧﾝｯ!!

紫苑が放った矢は螺旋を描き、回転しながら響窃に向かって飛んでいった

響窃「それ位の速さなら………」

響窃は矢を躱した……のだが………

ｻﾞｼｭｯ!!

響窃「なに？斬れただと？」

矢は響窃に掠ってもいないのに響窃の身体を切り裂いていた

紫苑「どうかしら？私の『切渦射(せつうずしゃ)』の威力は……」

祭「儂と桔梗、紫苑、そして、秋蘭の大陸弓兵隊で考えた技じゃ」

秋蘭「気の力を利用して回りの空気を取り込み、『鎌鼬』として纏う技なのだ

弓矢の短所、『攻撃範囲が狭い』というのに対応することができる」

響窃「なる程……考えたものだな………

そうか……『鎌鼬』か………」

桔梗「むっ？」

響窃「ならば私も……」

ｷﾞｭｫｫ！

響窃はそう言うと気を溜め始めた

蒲公英「なんか嫌な予感しかしないんだけど……」

稟「私もそう思います」

愛紗「桃香様、お下がりください

危険な予感がします」

桃香「う、うん…………」

響窃「鎌鼬をやってみようかな？」

雪蓮「っ!!?」

そう言うと響窃は手を飲食店の定員がお皿を運ぶような感じに挙げた

すると………

ｷﾞｭﾙｷﾞﾕﾙｷﾞｭﾙｯ!!

冥琳「っ!!?」

『死の閃光』や『死の魔光』のような禍々しい紫色をした円盤が両手に一つずつ出現した

真桜「なんや……あれ………」

白蓮「分からない………けど…………

喰らったらヤバそうだな………」

響窃「名付けるのなら『死の鎌鼬(しのかまいたち)』と言ったところか………」

蓮華「『死の鎌鼬』…………」

響窃「この威力、試させてもらうぞ！」

ﾋﾞｭﾝｯ!!

ﾋﾞｭﾝｯ!!

恋「ふっ………！」

翠「うわっ!?」

『死の鎌鼬』投げつけてきた響窃だが二つとも翠と恋が躱したので大きな被害が出なかった

だが後にあった大岩は真っ二つに別れていた

……凄まじい威力だな…………

響窃「もう一度、『死の鎌鼬』!!」

ﾋﾞｭﾝｯ!!

季衣「うわっと！」

一発目は季衣の方向へ

二発目は…………っ!!?

まずい!!桃香様の方向だ!!

ﾋﾞｭﾝｯ!!

桃香「………えっ……？」

愛紗「桃香様!!お逃げください!!」

駄目だ！間に合わない!!

白蓮「桃香!!」

ﾄﾞﾝｯ!!

桃香「きゃあっ!!?」

ｻﾞｼｭﾝｯ!!

ﾎﾞﾄｯ………

全員「「「「っ!!?」」」」

白蓮「ぐあああぁぁぁぁ!!!」

白蓮殿が桃香様を押したお陰で桃香様は助かったが

なんと白蓮殿の左腕が響窃の『死の鎌鼬』によって切断されてしまった!!

愛紗「白蓮殿!!」

桃香「白蓮ちゃん!!」

雪蓮「白蓮!!」

華佗「くっ！白蓮殿!!」

一斉に私達は白蓮殿の元へむかう

響窃「こんな簡単に切断させられるとは………

素晴らしいな…………」

春蘭「響窃!!貴様ぁ!!!」

華佗「大丈夫だ!!白蓮殿!!気をしっかり持て!!」

白蓮殿の左腕からは滝のように血が止まらなく出ていた

このままでは………出血死をしてしまう！

白蓮「ぐぅっ！………うぅぅ……………ぐっ………！」

華佗「はぁぁぁぁぁぁ!!!『超癒療』!!!!」

ｷﾞｭｫｫ！

白蓮殿の出血は止まってきたのだが…………

華佗「駄目だ！腕が…………元に戻らん！」

響窃「当たり前だ…………

『癒療』や貴様の『超癒療』などの回復系の気技は傷を回復させる程度………

切断された部分を繋ぎ合わせる事など、三日程度の修行で会得できる事は不可能だ…………」

秋蘭「何だと!?」

桃香「白蓮ちゃん！」

桃香様は大粒の涙を流しながら白蓮殿の名前を叫び続けていた

だが白蓮殿は桃香様に声を掛けられる状況ではない

星「よくも………白蓮殿を!!」

星からは怒りが溢れ出ていた

いや………星だけではない……

私は勿論、主に蜀の者達から溢れ出ていた

桔梗「許さぬぞ!!響窃！」

翠「堪忍袋の緒が切れたぞ!!」

鈴々「もう怒ったのだ!!」

恋「………お前…………殺す!!!」

響窃「ふっ………私を恨むのは半分正解だが半分間違いだぞ………」

焔耶「何をふざけたことを!!」

響窃「貴様等の太守は自分の身を守ることが出来なかったのだぞ？

それだから公孫賛が身代わりとなり左腕を失った…………

確かにこの響窃が放った『死の鎌鼬』が原因かもしれんが、自分の身を守れなかった劉備にも責任があるのではないか？」

愛紗「ふざけるな!!貴様が元凶だ!!!」

響窃「太守の安全は確かに必要条件第一だ………

だがな、ここは戦場だぞ？

自分の身を守って当たり前の場所に自分の命すら守れない太守は………必要ないのだよ…………

責任全てを私に押し付けるのは不公平だぞ……？

訴えられてもおかしくないことだ」

星「黙れ響窃!!ここを貴様の墓場にしてやる!!覚悟しろ!!!」

霞「その話ノッたでぇ！」

雪蓮「幕引きよ！響窃!!」

響窃「おやおや、恐ろしい…………

仕方あるまい………世間知らずの小娘共には……………

『現実』というものをわからせてやろう……………」

　　　　　　　　　　……終……