IS‐インフィニット・ストラトス‐黒獅子と駆ける者‐ |
episode225 文明を滅ぼす者
「・・・・・・どういう事だ。ファイナルGシステムを動かす『Gエナジー』に落ちて助かるはずが無い」
「・・・・」
「まさか、Gエナジーを取り込んだと言うのか!?」
「あぁ」
「ありえない。そんな事があって―――」
「これが、グリッターが遺した力だ」
「何?」
レイは思わず怪訝な声を出す。
『全てのエネルギーを自らの力に変換できる力。例えそれが手に負えないエネルギーだったとしても、だ』
「それがグリッターが遺した・・・希望の光だ」
「くっ!こんな厄介な力を遺していたのか!」
「決着をつけるぞ!」
隼人は勢いよく飛び出してマスターブレイカーを横に振るう。
「くっ!」
とっさにGブレイドを振るうが、刃が衝突した直後に勢いよく押し返される。
「なに!?」
その瞬間隼人は後ろに回り込むとマスターブレイカーを振り上げて背面を切り付ける。
「ぐぅっ!」
とっさに振り向き際にGブレイドを横に振るうも、一瞬にして隼人は後ろに下がって攻撃をかわす。
《インフィニティー!!》
と、Sエクセリオン・ゼロが一瞬輝きを増すと、目に見えない速さで飛び出してレイを切り付ける。
「っ!?」
レイは目で追いかけようとするが、それよりも早く隼人は動いて次々とマスターブレイカーでダークネスカイザーを切り付けていく。
「馬鹿な!?俺の目ですら追いつけない速さだと!?」
反撃しようにも反撃が出来ず、胴体に重い一撃を受けると、直後に背中の片方のウイング二基が切り裂かれる。
その瞬間に更に胴体に重い一撃を受けて、思い切って吹き飛ばされて壁に叩きつけられる。
「ぐぅ!?」
壁がめり込むぐらいに叩きつけられ、更にマスターブレイカーの剣先より球体状にエネルギーを出すと勢いよく振るうと同時に飛ばし、レイにぶつけて大爆発を起こす。
「・・・・く、くそぉ」
レイはゆっくりと顔を上げる。
「俺の目ですらお前を捉えきれない速さなど、いくら機能強化を使っても出来るものでは――――」
と、レイはハッとある事に気付く。
「いや違う。お前自身が速いんじゃなく、時間に干渉して速く動けているのか」
「・・・・」
「・・・・そうか。お前も神に近い存在に進化したと言うのだな」
めり込んだ壁から這い出てくると、ゆっくりと浮かぶ。
「侮っていた。ただの転生者が、ここまでの高みへと上がれるのだと」
「・・・・」
隼人はマスターブレイカーの剣先を向ける。
「だが、それでもお前は俺には勝てん」
「なに?」
すると左から妖しい光が放たれる。
「っ!」
隼人はとっさにそちらを向くと、楕円形の何かが紫色に妖しく発光している。
「ようやくお目覚めのようだな。どうやら俺とお前の戦いで生じた膨大なエネルギーが覚醒に必要だったみたいだ」
「お目覚め?何のだ?」
「教えてやろう。あれは文明を滅ぼす破壊の申し子だ」
「文明を滅ぼす・・・・?」
「かつてその者は一つの強大な文明を滅ぼした。ある時はかつて巨大な帝国として栄えた文明を滅ぼした」
徐々に光は強さを増していくと、細かい亀裂が入っていく。
「そしてそれによって滅ぼされた世界をこう呼ぶ―――――
―――――『黒歴史』とな」
「・・・・まさか!?」
隼人はとっさにそれを見ると、楕円形の上が盛り上がって、中より何かが出てくる。
するとそれから虹色に輝くエネルギーが放たれると、人型の何かが現れる。
妖しく光る紫の光を纏い、薄っすらと白をメインに青や赤、黄色など、トリコロールカラーをしており、形状的にもシンプルであるが、最も特徴的なのは口元にある湾曲したひげであった。
そしてそれは赤いツインアイを発光させると、身体をこちらに向けると、背中に虹色に輝く蝶の様な翅を生やす。
「『∀ガンダム』・・・・!?」
隼人は最凶のガンダムの名を口にする。
――――――――――――――――――――
ユニコーンはエクサランスカノンを放ってネウロイ化した蜘蛛足型を撃ち抜くと、コンテナを展開してミサイルを放ち、レギナと龍型を撃破する。
《ソニックフォーム!!》
バンシィは光の速さの如く飛び出し、ネウロイ化したデストロイに何度も切り付けると二本のライオットブレードを連結してライオットザンバーを形成し、振り被りながら上昇すると一気に振り下ろしながら降下して縦に真っ二つに切り裂く。
「エクサランス・・・バスター!!」
エクサランスカノンとブラスタービットを展開し、一斉射撃を行って大量にレギナと龍型を撃ち抜いて撃破する。
《ジェットザンバー!!》
デストロイを真っ二つに切り裂いた直後にライオットザンバーを振り被り、刀身に雷を纏わせたエネルギーを増幅させ、勢いよく振り下ろして巨大な光波をリフレクターを展開したデストロイに放ち、リフレクターを破壊してデストロイを真っ二つに切り裂いて撃破する。
「・・・さすがに、この数には気が滅入るね」
「うん」
二人は背中合わせになって周囲を警戒する。
「・・・・気付いてる?」
「ユニコーンほど索敵能力に長けてないけど、少しは」
ユニコーンの問いにバンシィは軽く頷く。
「一瞬だけど、何か強力なエネルギーがニューロ内部から発せられた」
「うん。しかもその後に更に強力なエネルギーが放たれた」
「まさかと思うけど、あれが目覚めたってわけないよね」
バンシィの脳裏には、ドイツが隠し持っていた例のあれである。
「私もそう思いたくはない。隼人君が亡き今じゃ、あいつにはどうする事も出来ない」
「・・・・」
「とにかく、ここに居てもエネルギーを消耗するだけ。みんなと合流した方がいい」
「そうだね」
二人はそこから飛び出すと、レギナや人型無人機を撃破しながらネェル・アーガマへと向かう。
颯はCファンネルを扇状に飛ばすも、シスターはガトリングガンよりビームサーベルを出して振るい、Cファンネルを打ち砕く。
「くっ!」
スタングルライフルを連射するも、シスターは左掌よりビームサーベルを出してビームを切り裂いていくと、一気にその場から飛び出して颯に襲い掛かる。
とっさにスタングルライフルを前に放り投げて、シスターはスタングルライフルを切り裂くも、直後に颯は右腕のビームサーベルを出して振り上げ、シスターの左腕を切り裂く。
切り裂かれた左腕は宙を舞うが、その直後に切り落とされた箇所より白い光の粒子が形を形成すると元の形状に戻る。
「こんなに早く再生するなんて!?」
驚きを隠せれなかったが、シスターはお構い無しに背中のキャノンを放ち、とっさに横にかわすと後ろに居た龍型が撃ち抜かれて撃破される。
「とことん堕ちたな、シスター」
その後ろよりリアスが対艦刀を振るうも、シスターは後ろを振り向き際に左掌のビームサーベルを振るって刃を交える。
そのまま押し飛ばすと背中のビームキャノンを放つも、ノインがアグニを放ってキャノンを焼滅させるも、すぐに再生する。
直後にウェンディがアローフォームのタクティクスアームズより矢状のビームを放って腹部を貫くと、更にノーヴェが対艦刀を振り被ってスラスターを噴射して飛び出し、対艦刀を振り下ろして右腕を切り落とすも、すぐに再生する。
「せめてもの手向けだ」
掌よりアンカーを射出し、胴体に突き刺すとそのまま右へと放り投げてレギナと人型にぶつける。
その直後にレールキャノンを放ってレギナと人型を撃ち抜くと爆発を起こしてシスターを巻き込む。
しかし爆発の中からシスターが飛び出してきてリアスにビームサーベルを振るおうとするも、颯がとっさに飛び出して右腕のビームサーベルを振るって右腕を切り落とすと、すぐにシスターを蹴り飛ばす。
すると右腕が再生し、体勢を立て直すと同時に飛び出して左手を真っ直ぐにして手刀のように突き出す。
「っ!」
颯はとっさにかわそうとするが、その瞬間横からジェスタ・キャノンを纏うシノンから突き飛ばされる。
「っ!?」
シノンは左腕で攻撃を受け流すと、右手にしていたビームサーベルをシスターの腹部に突き刺すと、横に振るって切り裂く。
「姉さん!!」
颯はすぐにシノンを回収し、腹部が再生するシスターはシノンの方を向いてキャノンを放とうとしたが、リアスは対艦刀を投擲して背後から腹部に突き刺す。
「くっ・・・・!」
すると攻撃を受けた左腕が少しずつ黒くネウロイ化し始めていた。
「っ!?」
颯は目を見開くが、その直後にシノンは右手に持つビームサーベルで自分の左腕の関節の上辺りから切り落とす。
「ぐぅっ!」
激痛が走るも、これによってネウロイ化した箇所と遮断されてシノン自身がネウロイ化する事は無い。
「姉さん!?何でそんな事を!?」
当然自分の腕を切り落としたシノンの行動に颯は驚く。
「お前は見てないのか。bO4の様に連中の量産機が変貌した原因とその過程を」
切り落とした腕から多少の出血はあるも、すぐにISの機能で止血される。
「え?」
颯は切り落とされてネウロイ化して動いている腕を見る。
直後にシノンが背中のビームキャノンを放って腕を吹き飛ばす。
「やつらの直接攻撃を受けたら、その箇所からあの様な姿になる何らかのものが侵食し、やがてはbO4のような姿になると、推測した」
「・・・・だから、自分の腕を侵食が進む前に切り落としたって言うの?」
「狂気な考えだろうが、これしか侵食を防ぐ術は無い」
「・・・・」
確かに普通じゃ考えられないような方法だが、有効な方法であるのは皮肉な事に事実だ。
「私は戦闘機人だ。腕は後で直せる」
「・・・・」
颯はシノンを抱えるとネェル・アーガマへと戻る。
――――――――――――――――――――
「これで・・・・よし!」
ハルファスは実行を押すと、モニターにカウントダウンが表示される。
「これでニューロはどんどん上昇する。爆破はこの地球に影響がない様に大気圏外へと出し、そこで全速で飛ばして太陽系の上へと飛ばす」
「うまく行けばいいけど・・・・・・」
「うん。私達も行こう。ゼルノグラードをお願い」
「分かった」
フェニックスは気を失い、応急処置がされたティアを抱えてコントロールルームより脱出する。
――――――――――――――――――――
「バァァァァァァニング・・・・ソォォォォォォォドッ!!!」
マスターフェニックスは巨大なエネルギー刃を薙ぎ払うように横に振るい、レギナや龍型、人型無人機を焼滅させていく。
「ぬおぉぉぉぉぉぉぉっ!!」
そのままクロスバインダーソードを振るって周囲に居るレギナや龍型、人型無人機を切り裂いていく。
フェニックスゼロはバインダーキャノンを放ってレギナと龍型を撃ち抜いていくが、後方よりレギナがビームファンを手にして切りかかってくるが、とっさに後ろに振り返ってビームライフルを向けてビームを放ち、レギナを撃ち抜く。
「さすがにこれは・・・・」
周囲を見ても大量のネウロイ化したレギナや龍型、人型無人機が大量にいる。
しかもその数はどんどん増えていっている。
「・・・・」
すぐにその場から飛び出してビームライフルを横に向けて連続で放ち、レギナと龍型無人機を撃ち抜いていく。
「っ!?」
しかし直後に背中に赤いビームの直撃を受け、バランスを崩す。
更にレギナが背中のバインダーライフルを向けて赤いビームを放ってきてバインダーを四基全てを撃ち抜く。
龍型が数体接近してくると頭部の顎が開き、フェニックスゼロの各所に噛み付く。
「ぐぅ!?]
噛み付かれた箇所より黒くネウロイ化し始める。
「・・・・くっ!こうなったら!!・・・・『コードATA』・・・・発動!!」
意識が途切れる前にフェニックスゼロはそう叫ぶと、機体の各関節より光が漏れる。
「フェニックスゼロ!!」
「どうやら私はここまでのようです」
ほとんどネウロイ化するも、フェニックスゼロは必死に意識を留める。
「乱暴者ではありましたが、あなたと共に戦えた事を光栄に思います」
「・・・・!」
「・・・いつかどこかで」
そしてフェニックスゼロは光を放つと、大爆発を起こして取り付いていた龍型と周囲に居たレギナと人型を巻き込む。
「くそっ!!」
マスターフェニックスはクロスバインダーソードを周囲に振りまくってレギナと龍型、人型無人機を連続で切り裂いていく。
更にクロスバインダーソードより高出力ビームを放って龍型、人型無人機を飲み込んで撃破する。
「残ったのは・・・・俺だけか」
目の前には未だに増え続けているレギナ、龍型、人型無人機が増え続けており、その筆頭にクイーンが居る。
「・・・・良いだろう。どこまでも抗ってやる!!」
クロスバインダーソードを振るい、その場から一気に飛び出す。
説明 | ||
トラックに轢かれそうになった女の子を助けて俺はお陀仏になった・・・。・・・って!それが本来の死じゃなくて、神様のミスで!?呆れている俺に、その神様がお詫びとして他の世界に転生させてくれると言うことらしい・・・。そして俺は『インフィニットストラトス』の世界に転生し、黒獅子と呼ばれるISと共にその世界で戦うぜ! | ||
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