魔法戦記リリカルなのはmemories 最終章 新たなる聖王の歴史(メモリー) 本幕【終わり、そして始まりの日】 第百二十四話 |
……まず先に一言。本当にすみませんでした!!!!
言い訳になりますけども、正直この第百二十四話を投稿しているつもりでいました。
投稿していないのにもかかわらず、エピローグを書いてしまって申し訳ございません。
読んでて?となった方もいると思いますので、すみませんでした!!
なのはがはやてに秘密にしながらフェイトと連絡した四日後、なのはとはやてはいつも通りログハウスで暮らしていた。
あれからなのはははやてに対して管理局に戻らないのかという話を避けることにした。話しておく必要もなくなり、一度もその話を振ることはなかった。
現在の時刻は昼で、朝起きてからそれまでの間に、なのはは何かと時計を確認することが多く、はやてもそのことには気づいていた。今はリビングで二人ソファーに並んで座っているのだが、その時もなのはは時計をなんどか確認していたため、はやてはなのはに今日何かあるのかと思い、聞くことにした。
「なのはちゃん? 今日なんかあるのか? さっきから時計確認しておるけど」
「え? 私そんなに見てた?」
「ほとんど無意識に見ていたような感じなのか……」
なのはも自分がそれほど時計を見ていたなんていうことは気付いてなく、ほとんど無意識に視線を時計と向けていたということを、はやてに言われて気付いたようだ。なのはにとって、そんなにいいことがあるのかと思い、なのはが気にする理由がなんなのかなのはに問う。
「なのはちゃん、一体今日は何があるんや?」
「ん? まぁ、あると言っちゃうとあるけど、多分はやてちゃんにとっては面白くないかもしれないよ」
「それはどういう……」
なのはに聞き返そうとしたとき、突然と玄関をノックする音が聞こえてきた。
そのノック音を聞いたとき、なのははすぐに誰が来たのか理解していた。なのはが無意識に時計を見ていた理由でもあり、待っていた人物だった。
突然のノック音にはやては一体誰だろうと立ち上がり、すぐに玄関へと向かう。なのはが自分が出るとはやてに言おうと思ったが、このままはやてにドアを開かせて合わせるのもありではないかと思い、はやてに任せることにした。
「はーい、どちら…さ……ま」
こんな木々の中に一体誰なのかと思ってはやては玄関のドアを開けたが、ドアを開けた瞬間に見えた人物を見て、はやては驚いた。なにしろ、はやての目の前に居たのはこの場所を知らないはずのフェイトで、その後ろにはヴィータもいた。
フェイト達が来ることを知っていたなのはははやてがドアを開けた音を聞いて、すぐにソファーから立ち上がって玄関へと向かうことにして、はやての後ろに立つことにした。
「……久しぶりだね。はやて」
「ど、どうして……ここに居ると分かったんや?」
「なのはに、教えてもらったから」
フェイトからその言葉を聞くと、はやてはすぐに後ろに居たなのはの方を向いて、睨みつけた。どうしてこの場所を教えることをしたのかというような視線を送っていたため、なのはははやてにその理由について言おうとした。
「どうして、こんなことをしたのかというのは――」
「私を管理局に戻すため……そうやろ?」
「う、うん。はやてちゃんをこうさせてしまったのは――」
「何度も言ってるやろっ!! 私は管理局に戻りたくないって!! どうしてこんなことをするかな!!」
なのはの言葉を遮り、はやては思わず声を上げていた。はやてが怒るだろうという事をなのはは何となく分かっていたが、やはりそれでも辛かった。しかしこんなことで負けてしまっては意味がないため、なのはははやての言葉に対して言葉を返した。
「私は、はやてちゃんのためだと思って――」
「私のためだと思って? だったらこんなことをしないでくれんか!! 何度も何度も管理局に戻らないかと繰り返し聞いてきて、私の事を考えてるならもう一人に――」
「……はやて」
「なんやっ!? 私はなのはちゃんとの話がまだ終わって――」
ヴィータに呼びかけられ、はやてはすぐにヴィータの方へと顔を向けるが、はやての言葉を言い終える前にヴィータがはやての頬を叩いていた。ヴィータがはやてに対して叩いたことなんて今までなく、そのヴィータの行動ははやてはもちろん、なのはや様子を見ていたフェイトも驚いていた。
ヴィータに頬を叩かれた後、はやては頬を叩かれるとは思ってなかったために驚いて口が動かず、頬を叩くところを見ていたなのは達も誰もが口を出さず、ヴィータの言葉を待っていた。
「……はやて、なのはがどうしてはやてを管理局に戻そうと一人で頑張っていたか分かるか?」
「それは……」
「ミルティオル・ベスカをはやてが殺し、はやての精神が耐えられなくなったのを見て、自分がそのように仕向けたのだという責任を感じたからだ。はやてのためにすべてを尽くし、はやてを管理局に戻させようとした」
「そんなこと、私は望んで――」
「話は最後まで聞け。なのはははやてをどうにかしてでも、管理局へと戻そうとした。たった一人で、しかも自分がはやてに人を殺める様にさせたなのはが、はやてのためだと思って半年間もずっと頑張っていたんだぞ!! なのはの言葉ではどうしても説得力が足りなかったという事が分かっていたというのにもかかわらず、諦めずにずっと頑張り続けてたんだ!! けどなのは一人だけじゃどうしようもないと思い、はやてには悪いと思いながらも、苦肉の策としてフェイトに連絡したんだ!! 少しぐらい、なのはの気持ちを考えろよっ!!」
……はやては、ヴィータの言葉に何も反論しなかった。この半年間、なのはが思っていることなんて一度も考えたことがなかったからだ。
なのははヴィータの言った通り、何度もはやてに断られようが諦めることはしなかった。それほどなのはは自分がはやてにやってしまったことに責任を感じていて、半年間もはやてを支えていたのはなんとしてでもはやてを管理局に戻すという思いがあったからだった。どうやったらはやてを管理局に戻せるかという事を何度も考え、悩んだこともたくさんあった。それほどまでにはやてを何とかしたいとなのはは思っていた。
はやては、ヴィータに言われてようやく気付いた。確かになのははこの半年間自分のために、何でもしてくれたということを。なのはにはまだやるべき事もたくさんあっただろうにも関わらず、半年間はやてのためにすべてを後回しにくれたという事を―― 考えれば考えるだけでなのはに苦労をさせていたのだとはやては気付かされた。
そして、最後になのはははやてに対してある言葉を言った。
「ねぇ、はやてちゃん。私以外にもはやてちゃんを心配してくれる人はいるんだよ。それでも、はやてちゃんは心配させるの?」
「……そんなの、卑怯や」
「卑怯でもいいよ。こうさせてしまったのはすべて私の責任だし、何としてでも元のはやてちゃんに戻したかった。そのためならば卑怯な手を使ってやるって」
「……ほんま、なのはちゃんには勝てへんな。分かった、なのはちゃんに言われた通り管理局に戻ってやる。これでええんやろ?」
はやてはなのはの方を向けて、笑みを浮かべていた。正直このままフェイト達に連絡しなければこんなことにはならなかっただろう。自分一人ではどうしようもないのだと、なのはは改めて実感した。
「さて、そうと決まれば戻ろうか。はやてはまだ管理局から除籍されてはいないから」
「そっか、ならよかった」
「あ、なのはも管理局に戻れるよ。フィルノが準備してくれたから……けど、階級は変えられないと思って」
「え? 階級が変えられないって、どういうこと? というより、私の階級って?」
一体どういう事なんだろうかと思っていると、なぜかヴィータが苦笑いをしていた。ヴィータの苦笑いからしてなのはは嫌な予感をするが、その予感はフェイトによって的中することになる。
「なのは……あなたは今まで一度も席がなかった階級――元帥だってさ」
「……え、ええええええええええええええええええええええええええええええええええええええええ!!!!!!??」
あまりにも予想外な階級になのははつい声を上げてしまった――
説明 | ||
J・S事件から八年後、高町なのははある青年に会った。 その青年はなのはに関わりがある人物だった。 だがなのはにはその記憶が消されていた。 消されていた記憶とは、なのはと青年の思い出であった。 二人が会ったことにより物語は始まり、そしてその二人によって管理局の歴史を大きく変える事件が起こる事になる。 それは、管理局の実態を知ったなのはと、親の復讐のために動いていた青年の二人が望んだことであった。 魔法戦記リリカルなのはmemories ?幼馴染と聖王の末裔?。始まります。 |
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