IS‐インフィニット・ストラトス‐黒獅子と駆ける者‐ |
episode226 合流
(まさかあの者が居たとはな)
緊張味のある声でノルンが頭の中で呟く。
(無事だったのか、ノルン)
(意思はお前の方に移動していたのでな。コアが破壊されても意思の消滅は免れた)
(そうか。それで、あいつを知っているのか?)
(あぁ。やつの言う通り、あれは文明を滅ぼす・・・・いや、全てを滅ぼす力を持っている)
(・・・・)
(やつの放つ虹色の光には決して触れるな。いくらお前の身体があらゆるエネルギーを吸収する能力があっても、危険なエネルギーである事に変わりはない)
(・・・・)
隼人は息を呑むと、マスターブレイカーの柄を握り締める。
ターンエーは背中の翅を仕舞うと、右手にビームライフルを展開し、身構えた直後に突然姿を消す。
「っ!?」
隼人はすぐに周囲を見回すと、とっさに急上昇した瞬間にさっきまで居た場所を太いビームが通り過ぎる。
すると隼人の左側に突然ターンエーが出現すると、手にしているビームライフルを放ってくる。
「くっ!」
とっさにマスターブレイカーを振るってビームを切り裂くが、その直後ターンエーが隼人の背後に突然現れる。
「なっ!?」
ターンエーは背中より白い棒を抜き放ってビームサーベルを出すとSエクセリオン・ゼロの背面を切り付ける。
「がっ!?」
物凄い勢いで隼人は壁に叩きつけられる。
「・・・・!」
意識が飛びそうになるも、隼人は本能に従うようにそこから飛び上がると、ターンエーがさっきまで居た場所にビームサーベルを突き刺す。
隼人はとっさにマスターブレイカーを後ろに向けて振るうと、ターンエーが後ろに突然姿を現すが、マスターブレイカーの刃をビームサーベルを受け止める。
「こいつテレポート能力があるのか!それに、何だこのデタラメなパワーは!?」
隼人は文句を口走っている間にもターンエーは隼人を押し返して再度飛び出してビームサーベルを振るってマスターブレイカーに叩き付ける。
「くそぉっ!!」
強引にターンエーを押し返してマスターブレイカーより光波を放つが、ターンエーはビームサーベルを振り下ろして光波を真っ二つに切り裂く。
《インイニティー!!》
隼人は一瞬の速さで飛び出すも、ターンエーは突然姿を消し、両者は転々と姿を現しては刃を交える。
マスターブレイカーを横に薙ぎ払うように振るうも、ビームサーベルを振るって刃を交えた瞬間に隼人を押し飛ばす。
直後に左手にビームライフルを展開して隼人に向けると、隼人もとっさにマスターブレイカーを振るい、高密度の光波を放つと同時にターンエーもビームライフルを放つ。
光波とビームが衝突すると大爆発を起こし、隼人は爆風に吹き飛ばされながらも何とか体勢を保つ。
「信じられん!?この状態で追いつくとは!?」
『ありえない。これが・・・・文明を滅ぼした者の実力だと言うのか・・・・』
リインフォースも驚きを隠せれなかった。
「どうだ。『システム∀』の力は」
レイはゆっくりと浮かび上がると、円形のある場所に来る。
「今はまだ完全には目覚めていない不完全な状態だ。それでこれでは、どうなる」
「くっ・・・・」
「だからこそ、こいつを操れる事が出来るのは今の内」
と、レイが手招きをすると、ターンエーはレイの近くまでやって来る。
「まさか、意のままに操れるのか!?」
「今の内ではな。そして、見せてやるよ」
と、レイを中心に、その円形の外側が光り出すと、筒にエネルギーが充填されていく。
「何をする気だ!」
「見れば分かる」
と、レイとターンエーが居る場所が上へと上昇する。
「っ!」
隼人はとっさにそこに向かい、一緒に上へと上がる。
――――――――――――――――――――
リアスはレールキャノンを放ってシスターの両腕を吹き飛ばすが、すぐに白く発光して再生する。
「ちっ!しつこい再生能力だ!」
直後に背中のキャノンを放ってくるも、とっさに後ろに飛んでかわし、その直後にノーヴェが右腕のアンカーを射出してシスターの胴体を掴むとそのまま勢いよく横に振るい、龍型と人型無人機にぶつけ、更に左手に右腕のアンカーの基部にあるビームブーメランを抜き放ち、勢いよく投擲して右側のキャノンを切り裂くも、直後に再生する。
「さすがにこれ以上シス姉を痛めつけるのは少し気が引けるっすけど、もうシス姉じゃないから」
と、ウェンディはアローフォームのタクティクスアームズより矢状のビームを放ち、シスターの右胸を貫くも、中にあるコアが一瞬見えてすぐに再生する。
「だが、次で決めるぞ!」
「了解!」
「了解っす!」
「・・・・了解」
と、右手に持つ対艦刀を振るうと、リアスはシスターに向かって飛び出す。
シスターは胸部のビームキャノンを放つとすぐに背中のキャノンと右手のビームガトリングを放つも、リアスは機体各所にビームが擦れるも何とかかわし、左手に左腰のビームガンを抜き放つと同時にシスターに向けて放り投げる。
すぐに左掌よりビームサーベルを出してビームガンを切り裂くと、その瞬間に爆発して視界を遮る。
その直後にノインがアグニを放って左腕をビームで飲み込むと同時にノーヴェが左腕のアンカーを射出してシスターにぶつけ、そのまま壁に叩き付ける。
すぐに左腕が再生するが、その直後にリアスは対艦刀を勢いよく投擲し、一直線に対艦刀はシスターの胸部中心に突き刺さると貫き、そのまま衝撃で後ろに吹き飛ばされ、貫いた剣先が壁に突き刺さる。
壁にぶら下がったシスターはプルプルと震えると、バイザーのライン状の光が消えて頭が力無くしてうな垂れると、その瞬間に彼女のネウロイ化が解ける。
「野望を持ち過ぎた輩の最期、か」
リアスは事切れたシスターに近付くと対艦刀を引き抜くと、シスターの遺体はそのまま下へと落ちて横に倒れる。
「元同胞でも、感じが悪いな」
対艦刀をウイングに仕舞うと、シスターの遺体を持ち上げてウェンディ達と共にネェル・アーガマに戻る。
「くっ・・・・」
ラウラはGNバズーカUを放って接近してくるレギナを撃ち抜くが、爆風の衝撃で吹き飛ばされ、倒れそうになる。
(いか、ん。指先の感覚が・・・・それに頭痛と酸欠で視界が・・・・)
砲撃と様々な処理に反応が鈍り出し、酸欠によって視界がぶれ始めていた。
しかしそれでに前にはまだ大量のレギナと龍型、人型無人機がこちらに近付いてくる。
(エリーナとシャーリーがリタイアし、セシリアも何とか外で奮闘しているが、私以上に体力の消耗が激しいはず。持っても数分か。
山田先生も弾薬が尽きて、教官も戦闘続行不能)
後ずさりしながらGNキャノンUを放ってレギナや龍型、人型無人機を撃破していく。
するとレギナや龍型、人型無人機の群れの後ろが大爆発する。
「っ!?」
ラウラは爆発がした方を見ると、ネウロイ化した機体達を蹴散らしながら一夏達がこちらにやってくる。
「大丈夫か、ラウラ!」
「一夏か・・・・。助かった・・・・」
その直後にラウラは一瞬気が抜けたのか、バランスを崩して倒れそうになる。
しかし後ろから戻ってきた颯が支える。
「一夏さん達、無事だったんですね!」
「何とかな」
その間に機能を停止した赤いレギルスを纏ったままのドクターアルベルトを抱えて箒とシャルロットがネェル・アーガマに戻る。
「よく生き延びたものだな」
と、周囲に配置したドラグーンを一斉射して大量のレギナと人型無人機を撃破していく。
「・・・・まぁ、当然か。姉さんの弟なら、あいつが認めた男なら、な」
鼻で笑うと、一夏達の前に下り立ってドラグーンを更に一斉射する。
「時間は稼ぐ。急げ」
「お、おう!」
一夏達はすぐにネェル・アーガマの格納庫へと向かう。
「で、でも、兄さんは!」
当然一夏達の中に隼人が居ない事に気付き、颯は輝春に聞く。
「隼人ならまだ中だ」
「そんな!?どうして兄さんだけを!」
「あいつが言ったんだ。駆動炉を破壊して、これ以上あの場に留まっているのは危険がある」
「・・・・」
『隼人さんなら、絶対戻ってきます!』
そんな様子の颯にツヴァイが声を掛ける。
「リイン・・・・」
『信じてください』
「・・・・」
颯は後ろを一瞬一瞥するとネェル・アーガマへと戻ると、簪も後ろを一瞥する。
「・・・・」
ビームキャノンを放って龍型無人機を撃ち抜くと、ネェル・アーガマの格納庫に戻る。
「全員戻った!すぐにネェル・アーガマを発進させろ!」
格納庫に一夏達が戻った事を確認し、アーロンが束に通信する。
『で、でも!まだはっくんが戻って無いよ!』
「あいつなら別ルートから脱出するはずだ!早く!」
『でも!』
「時間が無い!急げ!」
『・・・・』
束は戸惑うも、すぐにパネルを操作するとネェル・アーガマはゆっくりと突入したドッグより後退して抜け出す。
「ネェル・アーガマが!」
「何とか目的は達せた見たいだね」
ユニコーンとバンシィはデストロイと蜘蛛足型を撃破すると、ドッグより脱出したネェル・アーガマを見る。
「「っ!」」
するとニューロの甲板の中央が重々しく開いていくと、そこから円形状にその外側が光り輝き、一定間隔に透明なエネルギータンクが姿を現す。
「まさかあれは・・・・ファイナルGシステム!?」
「そんな!なぜあれが――――」
と、バンシィはある事に気付いて目を見開く。
その中央にはダークネスカイザーが立ち、その隣にはターンエーが浮かんでいる。
「やっぱりあの反応は・・・・」
「ついに目覚めてしまったんだね。文明を滅ぼす申し子が」
ユニコーンの表情も深刻なものになっていた。
そしてレイが居る円形状の場所の近くに突然四角に斬撃が走ると四角状に穴が開き、そこからSエクセリオン・ゼロが現れる。
「「隼人(君)!?」」
思わず二人は声を上げる。
「どうして隼人が!?確かにあの時・・・」
バンシィは隼人の反応が消失した時を思い出す。
「一体どうなっているの。それに、あの姿は・・・」
ユニコーンも状況が理解出来なかったが、その間に隼人は二人の元にやってくる。
「どうやら無事だったようだな、二人共」
「う、うん」
「・・・・どうした?」
「い、いや!どうした?じゃないよ!!」
と、ユニコーンはあまりにも鈍感な隼人に声を上げる。
「その姿もあるけど、でも隼人君はあの時確かに・・・!」
「死んだ、か?」
「・・・・」
ユニコーンは頷く。
「確かに俺は一度死んだ。って、これで二度目だな」
「・・・・」
バンシィは呆れてため息を付く。
「だが、ノアとグリッターのお陰で、二度目の転生を受けたんだ」
「あの二体のお陰で転生したの?」
「それじゃぁ反応が無いのは当然、か」
「それより、あれは・・・・」
「あぁ。一体何をするつもりなんだ」
隼人は後ろを向き、ニューロの甲板に現れたレイとターンエーを見る。
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トラックに轢かれそうになった女の子を助けて俺はお陀仏になった・・・。・・・って!それが本来の死じゃなくて、神様のミスで!?呆れている俺に、その神様がお詫びとして他の世界に転生させてくれると言うことらしい・・・。そして俺は『インフィニットストラトス』の世界に転生し、黒獅子と呼ばれるISと共にその世界で戦うぜ! | ||
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