恋姫婆娑羅
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「史実の筆頭はハイセンス」

 

 

 

 

 

 

「・・・暇だな・・・」

 

政宗は現在、街を特に目的も無くブラブラしていた。兵の調練も終わったし、政務も小十郎に監視されていたためサボる事も出来ず仕方なしに全て終わらせた。その後、仕事は無いのだから街で何かしようと出てきたのだが、いざ何かしようとすると何も出てこない、サボっている時は色々と思い浮かぶのだが。そんな時に突然、政宗は声を掛けられるのだった。

 

「おい、伊達。貴様ここで何をしている?」

 

振り向いた先にいたのは、華琳に春蘭、秋蘭であった。

 

「Ah?何って・・・俺が街にいたらおかしいのか?」

 

「い、いや・・・別にそう言う訳では無いのだが、また仕事をサボっているのかと・・・」

 

どうやら、春蘭は政宗が仕事をサボって遊んでいたのではと思っていたらしい。政宗からしたら、春蘭には言われたくないだろうが。

 

「No problem 仕事なら昼前に全部、終わらせた・・・だからサボってる訳じゃねぇよ」

 

「あら、珍しいこともあるのね?あなたが政務までしっかり終わらせるなんて・・」

 

「そうですね・・・大方、片倉に見張られて、仕方なく終わらせたのではないでしょうか」

 

図星を突かれながらも、そこまで言うかとジト目で二人を見る政宗に、華琳が何かを閃いたように手を叩く

 

「ねぇ、政宗。これからの予定は?」

 

「・・・特に何も無いが・・・」

 

微笑を浮かべながら訪ねてくる華琳に何やら嫌な予感を感じつつも、正直に答える。

 

「そう・・・なら、私たちの買い物に付き合いなさい」

 

「へっ、Give me a break 冗談だろ?」

 

「どうせ暇なんでしょ?それとも私の頼みよりも重要な用事でも思い出したの?」

 

「・・・・・・・」

 

面倒事を感じ取った政宗は、即座に断ろうとするが、華琳の言葉に何も言えなくなる。実際の所、本当にやることが無くて、馬で何処かに出かけようとも考えていた程だ。

 

「良いじゃないか、伊達よ。たまには華琳様に付き合っても」

 

「う〜伊達!お前は来なくても良いぞ!華琳様は私達と買い物に行くんだ!」

 

言ってる事が正反対の姉妹にツッコむのは無駄だと判断し、とりあえず、秋蘭の言葉に従う事にした。

 

「All right 今回だけだからな・・・」

 

「素直じゃ無いわね・・・あなた・・」

 

「ふふ、すまないな」

 

「来なくて良いと言っただろ!?」

 

この了承に三者三様の反応を示す華琳たちに、政宗は一つ訊ねる。

 

「・・・ところで、何を買うんだ?」

 

「それは、着いてからのお楽しみよ」

 

華琳の答えに、やはり失敗だったかと思う政宗だった。

 

 

 

 

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さて、ここは、街のとある服屋なのだが、ただの服屋ではない。所謂、下着屋というやつだ。政宗の顔は引きつっているが、華琳も何故か機嫌が悪い、春蘭と秋蘭が少しばかり居心地の悪そうな顔をしている。

 

この事態の原因は、この店に来る道中の出来事だった。

 

「あの〜、伊達様ですよね?」

 

「Ah?そうだが、何か用か?」

 

若い娘たちが政宗におずおずと声を掛けてくる。返事を返すと黄色い声が上がり、なんとも賑やかなものだ。

 

「あ、あの・・これ受け取ってください!」

 

「お、おう・・Thanks 貰っとくぜ」

 

「・・・・・・・・」

 

「「か、華琳様・・・?」」

 

 

政宗に渡した物はどうやら手作りのお菓子のようだ、キャーキャー言いつつ去っていく彼女らに気さくに手を振っている政宗に華琳が詰め寄る

 

「政宗・・・今のは何?」

 

「Ah~ 最近多くなってきたんだが・・・まぁ、俺のFanってやつなんじゃねぇか?」

 

「そう、最近多いの・・・女の子に囲まれて・・・」

 

「やれやれ、俺も有名になってきたもんだな」

 

冗談めかして言う政宗にフルフルと震える華琳。そんな様子を見て、怪訝に思ったのだろうか、政宗が訊ねる

 

「どうしたよ、華琳?ご機嫌斜めじゃねぇか?」

 

「・・・なんでもないわよ・・・」

 

そう言いつつスタスタと先に行ってしまう華琳とそれを慌てながら追う春蘭、秋蘭。首を傾げつつも後を追う政宗がいた。

 

そんな事があって今に至るのだが、ここに来て政宗が渋り出した。

 

「おい、下着屋とか聞いてねぇぞ・・・」

 

「そうね、言って無いもの。でも、男に二言は無いはずよね?」

 

華琳の有無を言わせぬ言葉と、言い知れぬ迫力に怯む政宗。

 

「ここまできたんだ。諦めて付き合ってもらおうか」

 

「そうだ、華琳様のお誘いを受けて断るなんて・・」

 

二人の言葉で腹が決まった。独眼竜に二言は無い、華琳の後に続いて店に入る。

 

「では、華琳様、私は姉者の下着を選んでいるので・・・伊達、後は頼んだ」

 

「伊達〜・・・華琳様をいやらしい目で見たら・・・分かっているな!」

 

「・・・分かってるし、そもそもしねぇよ・・」

 

「では、行きましょうか、政宗?」

 

華琳に連れていかれると、そこには、色とりどりの下着が並んでいる。その中から華琳が数点かを持って来て一つ一つ、胸に当て政宗に意見を求める。

 

「どうかしら、政宗?」

 

最初に華琳の取り上げたのは、シンプルなデザインの下着であった

 

「・・・良いんじゃねぇか?」

 

「ふむ、ではこれはこちらに」

 

政宗の答えに頷きつつ、下着をカゴに入れる。どうやら合格のようだ

 

「次はどうかしら・・・?」

 

次に選んだものは青い派手目の下着だった。これ単体で普通に服として使えるくらいだ。

 

「Ah〜・・・、そりゃ駄目だな、似合ってねぇ」

 

「そう、これはダメね」

 

及第点を貰えなかった下着は元の場所に返される。

 

「じゃあ、これは?」

 

今度は黒いセクシーは下着だ、政宗は少し考えると答える

 

「・・・悪くは無いな、似合ってるぜ」

 

「そうでしょうね、さっきまで私が着けていたんですもの」

 

華琳の言葉に唖然とする政宗、恐る恐る聞き返す。

 

「・・・お前、それマジで言ってんのか?」

 

「ふふ、冗談よ」

 

どうやら、御茶目なジョークだったらしい、胸を撫で下ろす政宗を可笑しそうに笑う

 

「ほら、今度のはどうかしら?」

 

「やれやれ・・・、ああ、良いなそれ、今までで一番だ」

 

選んだ下着はさっきの黒とは対照的な白を基調とした下着、シンプルながらも決して地味ではない。可愛らしい物だった。

 

「ふ〜ん、どこが良いのかしら?」

 

「どこって・・・お前は色が白いからな、さっきの黒も映えはするがな。やはり、こんな感じの淡い色の方が似合うだろ? それに、Sexyな下着より、お前はCuteな方が合ってんだよ」

 

「そ、そう・・・」

 

思いがけない、真面目な答えに華琳は頬を染めてしまう

 

(何よ・・・興味の無いようなそぶりで意外と私の事、見てるんじゃない・・・)

 

これまで、好き勝手やって華琳の言うことも無視することも多かった、政宗がここまで真剣に考えてくれるとは思いもしなかった。茶化すつもりが大真面目に返されて照れてしまう。

 

「おい、大丈夫か?」

 

「え、ええ、大丈夫よ。呆けてないで、次のを頂戴」

 

「・・・ほら、これなんてどうだ?」

 

なんやかんやで真面目に考える政宗と、それに照れながらも楽しそうに選んでいる華琳の買い物は続く

 

 

 

「あんな華琳様は初めて見るな・・・」

 

「姉者は本当に華琳様の事となると気が付くのだな・・・羨ましいか?」

 

「う、羨ましくなど・・・うぅ・・」

 

「まぁ、買い物が終われば、茶の時間の一つも取れよう。だから今は、姉者の下着を選ばねばな」

 

「うむ・・」

 

楽しげな華琳たちを羨ましげに見つめる春蘭とそんな姉を慰める秋蘭、

 

「しかし、武人たる私が何故、下着など・・・って良い物があるではないか!」

 

「ほお、何か気に入った物が見つかったか」

 

「うむっ! この三枚まとめ売りの・・・」

 

「・・ッ!! ダメだッ!? 姉者、それはいけない! それを選んだら、姉妹の縁を切る! 切らせて貰う!!」

 

「そ、そうなのか? 縁を切られたら困るな・・・」

 

春蘭が買おうとした、下着は、虎柄の上、天上天下唯我独尊と書かれていた。この破天荒なデザインの下着の購入は秋蘭の力で全力で阻止されたのであった。 

 

 

 

 

 

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それから一体どのくらいの時間が経っただろうか、やっと店から華琳一行が出てきた。

 

「ああ、楽しかった!」

 

「ふむ、最初は渋ったが中々、面白れぇもんだな人の服を選んでやるのも」

 

華琳は言わずもがな、政宗も結構、楽しんでいたようだ。

 

「・・・ねぇ、政宗? また服を買うときは付き合ってくれるかしら?」

 

「良いぜ。まぁ、暇なとき限定だがな・・」

 

「お、おい伊達!あまり調子に乗るなよ!」

 

「落ち着け姉者・・・」

 

和やかに歩く一行だったが、そこに一人の兵士が走ってくる

 

「筆頭ッ!大変です!!」

 

「どうした?」

 

焦ったような兵士を落ち着かせ話を促す

 

「それが・・・小十郎様の畑から葱が盗まれたとかで・・・」

 

「なるほど・・・分かったぜ。すぐに行く」

 

それだけで全てを察した政宗は華琳に一瞥をくれる。それに対して、行きなさいと目線で答えると、政宗は走り去って行ったのだった。

 

「・・・もう少し、付き合って貰おうと思ったのに・・・」

 

「華琳様、何か?」

 

「なんでもないわよ、それじゃお茶でも飲みに行きましょうか!」

 

「「はいっ!」」

 

二人に気付かれないように呟いた華琳だったが、すぐに気を取り直して、茶屋に向かうのであった。

 

 

 

 

 

余談だが、小十郎の畑から葱を盗んだ犯人は、季衣だったようで、小十郎にしこたま怒られ意気消沈していた。

 

 

 

 

 

 

 

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はい、拠点話です。今回は少しイチャコラして貰いましたwwこういったものが苦手な方にはすいませんです。

 

それでは、ここまで読んで頂いた方には最大級の感謝を!

 

 

 

 

 

説明
今回、少しばかりのイチャコラ要素があるのでお気を付けてくださいね

それではどうぞ!
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コメント
naku さん コメありがとうございます なんか皆ふんどし大好きですね・・・俺も好きなんですがねwww(KG)
禁玉⇒金球さん コメありがとうございます 夏候姉妹のふんどし・・・・アリだ・・・ハッ!いやいや!ふんどし好きだけどやりませんよ!フリじゃないからね!!(KG)
naku さん コメありがとうございます  確かにアリなのか・・・?英語分かるのって二人だけだしなぁ・・・(KG)
劉邦柾棟 さん  コメありがとうございます 武田式は真っ赤な赤ふんでしょうねwww虎柄とかももってそうだけど・・・(KG)
三枚一組の何処が悪いっ?、んっ?説明してみなさい、飛ぶように売れてますよ知人の職場で。所で夏候姉妹にふんどしを穿かせてみませんか?作者様もお好きですよね?。(禁玉⇒金球)
何その……幸村君や信玄さんが履いてそうな下着は・・・・・(^_^;)(劉邦柾棟)
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