英雄伝説〜光と闇の軌跡〜 外伝〜白隼(リベール)の決断〜前篇
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〜数日後・リベール王国・グランセル城〜

 

「なっ………!?メンフィル軍のヴォルフ砦とハーケン門の通行の許可……!?シ、シルヴァン陛下……!ま、まさかメンフィル帝国は本気で………!」

「………数日前の宣言通り”クロスベル帝国”と共にエレボニアとカルバードの侵略を始める……という事ですか………」

話を聞かされたクローディア姫は信じられない表情をし、アリシア女王は厳しい表情で言った。

「―――その通り。現在のクロスベルはまだ”クロスベル独立国”だが………クーデターが成功し”クロスベル帝国”となり、我が国の盟友となり、二大国に侵略する日も近い。――――今こそ援助をする際の条件の一つ………『後にこちらが出す条件にはどのような条件にも従う』を守って頂こうか。」

一方現メンフィル皇帝シルヴァンは全身に覇気を纏ってで答え

「……万が一その条件を守らなかったどうするおつもりですか?」

エステルとヨシュアの父親であり”剣聖”と名高いリベール王国軍准将カシウスは厳しい表情で尋ねた。

「―――その際は”百日戦役”にてリベールは保身の為に”ハーメル”の民達の犠牲や”百日戦役”で犠牲になった民達の無念を見殺しにしたと世界中に公表させてもらいますわ。」

するとその時ルイーネが部屋に入って来た!

「貴女は………!」

「――――”六銃士”の一人、”微笑みの剣妃”か………」

ルイーネを見たクローディア姫は驚き、カシウス准将は厳しい表情でルイーネを見つめ

「―――初めまして。ルイーネと申します。”剣聖”と名高いカシウス准将や『不戦条約』を提唱された女王陛下にお会いできて光栄ですわ。―――未来の”クロスベル帝国”の皇帝の一人となられるギュランドロス様の妻でもありますので今後ともお見知り置きを。」

見つめられたルイーネは微笑みながら会釈をした。

「………ルイーネ殿。先程”ハーメル”と仰いましたが、何故あの件をご存知なのですか?」

そしてアリシア女王は真剣な表情でルイーネに尋ね

「クロスベルで起こった”教団”事件後、私達がメンフィル帝国に所属するプリネ姫の親衛隊副隊長殿に”ハーメル”の話を聞いた事がありますので。」

「あ……………」

「――――”剣帝”レオン=ハルト殿………貴方が話されたのですか………」

「…………………」

ルイーネの話を聞いたクローディア姫は不安そうな表情でアリシア女王やカシウス准将と共にシルヴァン皇帝の背後にファーミシルス大将軍や数人の親衛隊員達と共に控えているレオン少佐を見つめ

「―――エレボニアからは話さないように脅されていましたが………メンフィルに亡命した今、脅迫に怯える事もないかと判断し、せめて知り合いの者達に”ハーメル”の民達の事を知って頂く事や第二、第三の”ハーメル”を創らないという想いを込めて話させて頂きました。――――リウイ陛下やシルヴァン陛下を含め、”王族”には特に知っていて欲しかったので。」

「「……………」」

見つめられたレオン少佐―――レーヴェは目を細めて答え、アリシア女王達の背後に控えているユリア准佐とアリシア女王は複雑そうな表情で黙り込んでいた。

「――”ハーメル”の件が公にされれば、リベールもせっかく収まっていた混乱が再び起きると予想される。なので、条件を呑まれた方が賢明かと思われるが。第一リベール(貴女方)に負担してもらうような事は一切ないから、そんなに悩む事でもないと思うが。」

その時シルヴァン皇帝は静かな口調で言い

「っ!!シルヴァン陛下!メンフィルとヴァイスさん―――いえ、クロスベルがエレボニアとカルバードとの戦争を開戦すれば、西ゼムリア大陸が大混乱に陥る事は承知されているのですか!?」

シルヴァン皇帝の言葉を聞いたクローディア姫は息を呑んだ後、怒りの表情で怒鳴ったが

「その事についてだが……実質あまり混乱しないと思われるが。既に”我が国”の傘下となった自治州や自由都市も西ゼムリア大陸内でもそれなりに存在する。」

「そして今もクロスベルを支配している暗君ディーターの策略によってクロスベルの傘下となる自由都市や自治州も存在していますので、それらも合わせれば西ゼムリア大陸は”一部”を除いて秩序を保てると思われます。」

「!!」

(ディーター大統領や今のクロスベルの状況をも利用するとは………なんという謀略家……!下手をすればあの”天使”と同じくらいなのではないか………?)

シルヴァン皇帝とルイーネの説明を聞いて目を見開いて息を呑み、ユリア准佐は厳しい表情でルイーネを見つめていた。

 

「………アルテリア法国の承認も取れていないのに”帝国”を名乗る”自治州”と同盟を結ぶのもどうかと思われますが。……そもそもメンフィル帝国(あなたがた)の領となった各自治州および自由都市、”クロスベル独立国”の呼びかけに応えた地域に関してはアルテリア法国もまだ承認していなかったはずですよ。」

その時アリシア女王は真剣な表情で尋ね

「フフ………――――逆にお尋ねしますが何故”たかが宗教団体”が統治する”他国”に”国”を名乗る許可が必要なのですか?」

「同じく何故”宗教団体如き”に他国が我が国の傘下となる事に許可を貰う必要がある?」

ルイーネは微笑みながら尋ね、シルヴァン皇帝は”覇気”を纏って尋ねた。

「なっ!?」

「ア、アルテリア法国……いや、”七耀教会”の意見を無視するおつもりか!?」

「…………………貴方方もゼムリア大陸と七耀教会の関係は重々承知していると思われるのですが。」

二人の答えを聞いたクローディア姫は声を上げ、ユリア准佐は信じられない表情で声を上げ、カシウス准将は厳しい表情で尋ねた。

「―――そもそも我が国は貴国と違って七耀教会と”盟約”を結んでいるわけでもないし、七耀教会に気を使う義理はない。むしろこちらが統治している領に宗教活動を無条件で”認めてやっている”上”寄付してやっている”だけでも感謝されるべきだ。」

「それはクロスベルも同じ事。それに各地に散らばっている教会支部は七耀教会の”善意”で支部を建てているだけなのでしょう?第一、混沌の女神(アーライナ)や癒しの女神(イーリュン)と違って”今は存在していない神”を崇める宗教団体如きに国際社会に口を挟む権利等存在しませんわ。」

「なっ!?」

「貴女方もかの”教団”のように”空の女神(エイドス)”の存在を疑っておられるのか……!」

シルヴァン皇帝とルイーネの話を聞いたアリシア女王は驚きの表情で声を上げ、カシウス准将は厳しい表情で二人を見つめ

「……かの”教団”と一緒にしないで頂こう。こちらは”D∴G教団”と違って確かな証拠があって答えているだけなのだから。」

「………”空の女神(エイドス)”が”現在は存在していない”事はクローディア姫やユリア准佐はご存知かと思われるますが?」

シルヴァン皇帝は眉をしかめて答え、レーヴェは不敵な笑みを浮かべてクローディア姫とユリア准佐を見つめて尋ね

「「………………………」」

見つめられた二人は複雑そうな表情で黙り込んだ。

「クローディア………?ユリアさん………?まさか二人共何か知っているのですか?」

「………………………」

二人の様子を見たアリシア女王は驚きの表情で尋ね、カシウス准将は信じられない表情で二人を見つめていた。

「そ、それは………」

「………申し訳ありません……”空の女神(エイドス)”を信仰する信者の一人として、話す事は正直、恐れ多いです………」

アリシア女王に尋ねられたクローディア姫は表情を青褪めさせて口ごもり、ユリア准佐は辛そうな表情で唇を噛みしめて答えた。

「…………………仮に七耀教会の意志を無視する事を置いておくとしまして………『不戦条約』の事をよもや忘れておられるのですか?」

二人の様子を見たアリシア女王は重々しい様子を纏って呟いた後真剣な表情で2人に尋ねた。

「あくまで”できるだけ”という言い方だったはずの上、強制力はないはずだ。しかもカルバードもついに内戦状態に入り………エレボニアには到っては”貴族派”と”帝国解放戦線”の連合と”革命派”の内戦が続いていると聞く………”一応”民の為にテロリストも”国”ごと全て滅ぼし……”我々の秩序”の元でなら、”民”は平和な暮らしができる。無論、支配した地域の民には二大国が支配していた時より栄えさせ、民は決してないがしろにしない事を約束する。」

「それに”不戦条約”が結ばれた当時、”クロスベルは条約を結んでいない”のです。ですので我が国は正直な所、”不戦条約”には一切当てはまりません。」

「そ、それは……………」

「ぼ、暴論すぎる……………!」

「…………………」

シルヴァンとルイーネの説明を聞いたクローディア姫は不安そうな表情になり、ユリア准佐は厳しい表情をし、カシウス准将は目を伏せて黙り込み

「…………………」

アリシア女王は真剣な表情で黙り込んでいた。

「―――だが、こちらとしても同盟を結んでいる身でありながら『不戦条約』を提唱したアリシア女王の意志を無視するような形になるのは申し訳ないと思ってな。せめてもの”お詫び”を用意した。」

「同じくギュランドロス様やヴァイスさんの方でも、”クロスベル問題”を緩和する為に動いておられたアリシア女王やリベール王国に申し訳ないと思い、メンフィル帝国共々ある”お詫び”をする事にしました。」

するとその時シルヴァン皇帝とルイーネは意外な言葉をそれぞれ答えた……………

 

 

 

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フハハハハハ!今回の話でわかったかと思いますがメンフィルとヴァイス達、ついにとんでもない動きを始めました!まさにやりたい放題!!後、今回の話で閃で出てくるキャラ達―――貴族派(勿論帝国解放戦線も)、革命派を含めたほぼ全員にとんでもない死亡フラグがある事に気付いている人達がいると思いますww………感想お待ちしております

説明
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コメント
感想ありがとうございます M.N.F様 一体どこまで行けばいいのでしょうかww 本郷 刃様 確かに暴論ですけど民の為にはなりますよねww(sorano)
暴論かもしれないけど正論なのは違いないですよね(本郷 刃)
もうここまで来たら行くところまで行けば良いんだと思う(遠い目)(M.N.F.)
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