北郷軍右翼

　桂花「構わず矢を射かけなさい。訓練用の矢をとにかく打ち続けなさい！！誰ひとり殺しては駄目よ！！」

　荀�ｹ隊「ほあ！ほあ！ほあああ！！」

　桂花「それにしても・・・中央がちょっと騒がしい・・・な！？また“奴等”なの！？于吉・・・あなた本当に空気読みなさいよ！！」

　荀�ｹ隊兵「申し上げます。全方孫尚香隊の近くに“奴等”が出現した模様です。」

　桂花「ならそいつらには“本物”を射かけなさい。」

　荀�ｹ隊兵「御意！！」

　桂花「各隊に通達。前線にも“奴等”が現れ始めたわ。各々臨機応変に“訓練用と本物”を使い分けなさい！！」

　全員『御意！！』

　桂花「誰かある！！」

　荀�ｹ隊兵「はは！」

　桂花「孫尚香隊に伝令！我らこれより人外と戦闘を開始する。死にたくなければ守りを固め我等に手を出すな、と伝えなさい！！」

　荀�ｹ隊兵「御意！！」

　桂花「・・・あら？中央に見覚えのある・・・一刀！？帰って来たのね・・・なら、無様な真似は出来ないわ！全体聞きなさい！！我等が主北郷一刀が帰還した！これ以上無様な戦は出来ない。それぞれ奮闘せよ！！」

　荀�ｹ隊「ほわあああああああああああああああああ！！」

　北郷軍左翼

　紫苑「まさか“奴等”がこんなところにも表れるなんて・・・各員“本物”を番えなさい、放て！！」

　ヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュヒュ

　黄忠隊兵「黄忠様、前方の呂蒙隊、黄蓋隊にも奴等が現れたようです。混戦状態で援護しきれません！！」

　紫苑「くぅ！！」

　華琳「紫苑！向こうは私に任せなさい！！」

　紫苑「華琳さん！？そう、戻ってきたんですね。ならお任せします。全体我等の前方の人外どもに集中なさい。我等はこのまま孫呉の部隊に“奴等”を行かせないように足止めをします！」

　黄忠隊「うおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお！！」

　華琳「ふふふ、いい鬨じゃないの。なら私は黄蓋たちを助けに行きましょうか。」

　　黄蓋隊、呂蒙隊側

　祭「ぬぅ！こう兵との間に入られては！！」

　亞莎「祭様、危ない！！」

　祭「な、しまった！！」

　ズガァン

　祭「な、なんじゃ？」

　華琳「大丈夫かしら？」

　亞莎「そ、空を飛んでます・・・」

　祭「そ、曹操か？」

　華琳「黄蓋、呂蒙。守りを固めなさい。こいつ等の相手は私がするわ。シアンイグニス、ビット射出。高速展開。アクセル、アクセル、アクセル！！」

　ヒュンヒュンヒュン

　祭「な、あの飛んでるものはなんだ？次々と人外どもを貫いて行きおる！！」

　亞莎「す、すごい・・・あ！全体全力防御！！奴らは曹孟徳殿が倒してくださります！！その間の攻撃を何としても防いでください！！」

　黄蓋隊、呂蒙隊「りょ、了解であります！！！」

　華琳「それそれそれ！！さあ、私の指揮の元踊り狂いなさい！！」

　ヒュガガガガガガガガガ！！

　祭「それにしても・・・北郷軍は本当に化け物揃いじゃの・・・」

　亞莎「普通に喧嘩を売る相手ではないですよね・・・」

　祭「じゃの・・・」

　　一刀側

　一刀「さて・・・雪蓮は後方か？しかしこの状況・・・まるで前線は足止めだな・・・まさか！？く、于吉。雪蓮を殺すつもりか！！」

　まずい、向こうに大きな転移反応だ。あれだけの規模なら１０万はいる！！全力で逝けば周囲に被害が・・・なるべく被害の出ない速度で向かうしかない！！

　一刀「間にあってくれよ・・・」

　華琳『一刀、そっちは如何？』

　一刀「ああ、おそらくこっちは足止めだ。狙いは雪蓮にある。」

　華琳『まったく・・・あいつの性格の悪さはどうにかならないのかしら？』

　一刀「ならないだろうね、仕方ないよ。俺は雪蓮を助けに行く。ちょっと無理言うけど華淋は前線をうまく援護してくれ！！」

　華琳『昔なら無理言わないでって言うところだけど・・・こんなのネウロイに比べたら軽い物よ。任せなさい。』

　一刀「ありがとう。」

　間にあってくれよ・・・ブースト！！

　　孫策軍後方

　雪蓮「また増援！？もう、どれだけいるのよ！！」

　紅「雪蓮、無事か！？」

　雪蓮「母さん！ええ、何とか無事よ。母さんこそ生きててよかった！！」

　紅「なに、どこぞの馬鹿の策にまんまと嵌ってしまってな。瀕死だった所を美羽の別荘で匿ってもらっていたんだ。」

　雪蓮「そう・・・美羽が。」

　紅「あの子を攻めるなよ？私が生きてる事を知られれば豪族どもがまたよからぬ事を考えると読んでの事じゃ。」

　雪蓮「え？母さんを嵌めたのはあいつらなの！？」

　紅「そう言う事だ。で、これからどうする？北郷軍に降るか、戦うか。もし戦うなら・・・我等の敵になるという事だが？」

　雪蓮「勘弁してよ。助けてもらった挙句冥琳の策も通用しない。そんな相手に喧嘩吹っ掛けるほど馬鹿じゃないもん。」

　紅「ならば良い。」

　蓮華「お姉様！！」

　思春「雪蓮様、ご無事でしたか。」

　蓮華「お姉様、敵の増援がまた現れました。一度下がり体制を整えましょう。」

　雪蓮「蓮華、思春。そうね、そうしましょう。」

　思春「・・・！？雪蓮様！！」

　雪蓮「？・・しまった！くぅ！！」

　紅「雪蓮！！」

　蓮華「この！はぁ！！」

　ズシャァ

　蓮華「お姉さま大丈夫ですか！？」

　雪蓮「ええ、かすり傷よ。・・・・！？」

　紅「これは・・・明らかにお前を狙っているな。」

　雪蓮「・・・・私モテモテね！！」

　蓮華「お姉さま、ふざけてる場合じゃないですよ？」

　紅「雪蓮、もし生きて帰ったら御説教覚悟しろ？」

　雪蓮「・・・はい」

　一刀「お〜い、大丈夫か〜？」

　思春「北郷！！よかった。行方不明の噂を聞き心配していたんだ。」

　一刀「・・・もしかして思春？記憶があるの？」

　思春「ああ、蓮華様も記憶をお持ちだ。」

　一刀「本当！？蓮・・・・ふぁ？」

　蓮華「・・・・・・」

　思春「あ・・・・」

　一刀「なあ、思春。こんな状況で悪いんだけど・・・」

　思春「ああ・・・・病んでおられる」

　一刀「戦略的ｔ」

　蓮華「カァァァァァァズトォォォォォォォ」

　一刀「うぎゃああああああああああああああああああああああああああああああああ」

　雪蓮「・・・あれ？なんだろう・・・すごく見おぼえがある・・・・」

　紅「ふむ・・・美羽から聞いていたが・・・」

　思春「ああ・・・やはり抑えられませんでしたか・・・」

　雪蓮「・・・・う〜ん・・・・一刀・・・一刀・・・・・・・・・・・あ」

　思春「・・・雪蓮様。もしや・・・」

　雪蓮「ねえ思春。こんな思い出し方ひどいと思わない？」

　思春「・・・・」

　紅「・・・・」

　蓮華「かぁずとぉ♪一刀ぉぉぉ♪」

　一刀「蓮華！敵がいる！！敵がいるからぁ！！！」

　蓮華「一刀がやっつけてくれるんでしょ？なら大丈夫よぉ。」

　一刀「ちっくしょーーー！このぉぉぉぉぉ！！」

　ズガアアアアアアアアアアン、ドゴオオオオオオオオオオン、バギャアアアアアアアアアアアアン

　雪蓮「敵の勢いがなくなってきたわね。」

　紅「敵さんも馬鹿らしくなって来たんじゃないか？」

　思春「かもしれませんね。」

　雪蓮「とにかく、全体、敵の勢いがなくなってきた。ここが踏ん張りどころよ！！掛かれーーーーーーーーーーーーー！！」

　孫策隊「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお！！」

　一刀「蓮華！良いからまずは離れてくれ！戦い辛いぃぃぃぃぃぃ！！！」

　蓮華「嫌よぉおおおおおおおおおおおおおおおおおお！！！！」

　三人「・・・・はぁ」

　一刀が絡むとどうやらしまらないようです。

　　北郷軍右翼

　桂花「周辺状況は・・・どうやら収まりつつあるようね。孫呉もどうやら戦闘続行の意思はないみたいだし。一刀はおそらく孫策の元かしら。はあ、これで一刀の周りには女の子があふれる事になるわけね・・・」

　華琳「桂花。」

　桂花「あ、華琳様。おかえりなさいませ。」

　華琳「ただいま。今一刀から通信、えっと連絡があったのだけど。」

　桂花「大丈夫ですよ。私達も通信機を使ってますんで。」

　華琳「あらそうなの？ならいいわ。無事孫策を保護したらしいわ。袁術、孫文台、孫仲謀も無事見たいよ。」

　桂花「そうですか。姿を消した孫権がいるという事は・・・」

　華琳「おそらく記憶持ちでしょう。本当に倍率が上がるわね。」

　桂花「あ、それと一つ御報告が・・・」

　華琳「何？」

　桂花「風が・・・」

　華琳「風が？まさか風に何かあったの！？」

　桂花「・・・・くぅ！！」

　華琳「ま、まさか・・・」

　桂花「先を越され、懐妊しました！！」

　華琳「・・・・はぁ？」

　桂花「まさか、風が先に一刀の子を成すなんて・・・・」

　華琳「・・・・・そう、そうなの。まあ、めでたいじゃない。喜ばしい事よ？心配して損した感はあるけど・・・・」

　桂花「あ、他にも左慈が“例の条件”三個達成したって言ってました。」

　華琳「それがついでなの！？」

　桂花「そんな事はありませんよ？」

　華琳「まあいいわ、おそらくこれで孫呉もこっちに呑み込めるでしょう。相変わらずグダグダだけど、まあそれが一刀だから仕方無いわね。」

　桂花「そうですね。」

　華琳「それじゃあ、向こうのオチビちゃんと本狂いを連れて本陣に行きましょう。」

　小蓮、穏「扱いがひどい！！」

　桂花「出番がこれだけなんだからいいんじゃない？」

　小蓮、穏「そ、そんなorz」

　華琳（それにしても風が、ねぇ・・・私もうかうかしてられないわね！）

　　北郷軍本陣

　一刀「皆、心配かけてすまない。北郷一刀、曹孟徳、無事別外史から帰還したよ。」

　桂花「おかえりなさい」

　一刀「ただいま」

　桂花「それじゃ、まずは孫呉の将達の処遇を決めましょう。」

　一刀「わかった。それじゃあ、呉王孫策殿。こちらへ。」

　雪蓮「ええ。」

　一刀「俺達の領土に武力進攻した理由をお聞かせ願いたい。」

　雪蓮「それに関しては周辺豪族を黙らせるためよ。私達がどれだけ王を名乗っても周辺豪族の協力なしではままならないのも事実だったから。」

　一刀「なるほど、それで俺達に喧嘩を売ったと？」

　雪蓮「正直な話ちょっと意地を張ってたの。私達の中にはあなた達の怪しい術を使って民を操ってるなんて思う人間もいたのよ。それを抑えるにも情報が足りなかった。あなた達と話し合いをすることもできたけどそれだと負けを認めてるようだったから・・・ごめんなさい。」

　一刀「いや、いいよ。怪しい術だというのは否定できないからね。それじゃあ・・・孫仲謀。君はどうして今になって出てきたんだい？」

　蓮華「私はあなたに敵対する事はしたくないとお姉さまに進言しました。それを否定され、このままだと何れ取り返しのつかない事になると思い兵を秘密裏に集める事にしたんです。その時協力を申し出てくれたのが・・・」

　美羽「妾じゃな。」

　一刀「袁術。君は寿春を捨てた。それはなぜか？」

　美羽「袁家の名声によってくる者どもに疲れてしまったのじゃ・・・本来なら許されることではない。じゃが、妾とて人の子じゃ。どうにもならん事もあるのじゃ。」

　一刀「張勲さんは彼女の苦悩を？」

　七乃「し、知ってました〜。ですが美羽様が大丈夫と言うので・・・いえ、それもいいわけですね・・・・」

　美羽「七乃、よいのじゃ。主様、いや北郷一刀殿、七乃を攻めないでほしいのじゃ。妾が独りよがりなばっかりに・・・」

　一刀「いいよ。寿春は良い治世のまま孫策さんの元、治められていたからね。それじゃあ・・・文台さん、あなたは・・・」

　紅「紅でいい、北郷殿は私の娘二人の思い人らしいじゃないか。事情は後で聞くとしてもいい男であるのは一目見て分かった。武も申し分なしだからなぁ。」

　一刀「ははは・・・では改めて。紅さんはどっちの味方で来たんですか？」

　紅「勿論美羽だ。正直に言おう・・・我が娘らより可愛いからな！！」

　孫家三姉妹「そんな理由！？」

　紅「そうだ。雪蓮は戦狂いの酒好きだし、蓮華は真面目が服を着て歩く堅物だし、シャオは歳と容姿に似合わずマセテいるし・・・可愛くないわけではないが、可愛げがないんだ！！それに比べて美羽はどうだ？懸命に背伸びしながら所々で子供らしく・・・可愛いではないか！！」

　孫家三姉妹「そんな理由・・・・」

　美羽「///////////////////////」

　一刀「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・分かります！！」

　『はぁ？』

　一刀「さすが紅さん！」

　紅「おお、分かるか？北郷殿。」

　一刀「はい！可愛いですよね！！」

　七乃「北郷さんも文台さんもお嬢様の可愛さを御存じなんですね〜」

　一刀、紅「勿論！！」

　三人「やっぱ純粋な子の背伸びは可愛いな〜〜〜〜〜〜〜」

　美羽「は、恥ずかしいのじゃ〜〜〜〜////////////////////」

　全員「本当にグダグダだな・・・・」

　一刀「ごほん・・・・では改めて。纏めると、孫呉は周辺豪族の圧力により武力進攻せざるを得なかった。そこにはちょっとした意地があった。美羽達は水面下で俺に協力するために兵を募っていた。今回の戦でその好機と思い参戦しようとしてあの現場に出くわした。それでいいね？」

　雪蓮「そうよ」

　美羽「そうじゃの」

　一刀「ふむ・・・・まあ、この戦いはウチの勝ちでいいんだよね？」

　雪蓮「ええ、ウチの軍師の策も簡単に破られたんだもの。邪魔が入らなくても負けてたわ。邪魔が入るまでのウチの損害はけが人だけなのも含めて・・・ね。」

　一刀「分かった。それなら孫呉はそのまま俺に忠誠を誓ってもらい、呉を改め呉州として孫策さんを中心に統治していてくれ。これには敗戦国への罰も含まれる。死が償いじゃない事はウチの国では常識なってるから問題は無いはずだよ。美羽達はこのままウチに合流してくれて構わない。後、俺達の事情を知りたい人間はまた別室で話をするから後で・・・桂花、案内してくれるね？」

　桂花「ええ、分かったわ。」

　一刀「そう言う事だから。さて、何か問題があるかい？・・・・無いようだね。ならまずは解散。」

　こうして一刀達は一応の決着を付け大陸統一を果たした事になる。その後別室では一刀の事、記憶の事、それらに関する情報を知りたい人達に説明する『北郷一刀とその取り巻きの事情説明会』を開いていたが、内容は一刀の恥ずかしい事を暴露大会になっていたのは秘密である。

　蓮華「かぁずとぉ♪」

　一刀「し、思春、助けて。」

　思春「すまん北郷。死なない程度に絞られてくれ。後で性の付く物を作って行くからな。」

　一刀「そ、そんな殺生な！！ししゅ〜〜〜〜ん」

　蓮華「フフフ、カ〜ズト〜。逃サナイワヨ〜〜」

　一刀「っあーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」

　一刀はそのまた別室で“こってり”絞られました。