平和を守る鳥たち |
環太平洋戦争。別名ベルカの事変が終戦後、オーシア、ユークトバニアの両国はすぐに戦後の復興に動き出した。
今回の戦争の情報はアップルルース副大統領などの好戦派の暴走などの情報は全て今回しているが、その好戦派を理由していた、旧ベルカ軍とその首謀者の灰色の男達。そして、悪魔、亡霊、最後には英雄になった謎多き航空部隊、ラーズグリーズ隊などの情報公開しなかった。このことについてはオーシア連邦第48代大統領ビンセント・ハーリング大統領は、ベルカ事変に関係する全報告を2020年に公開することを昨年の連邦最高議会において発表した。情報公開表明に伴う宣言の中で次のように述べる。
「この事変を総括するには残念ながら私たちは時を待たねばならない。しかし、世界は新たな時代へと既に向かい始めている。闇を照らす炎が消えぬ限り、この道は続くだろう」っと。一方、軍も戦後すぐに失われた戦力の回復と再編成が行われた。
両国共に今回の戦争で陸、海、空どの戦力も大きなダメージを受け、自国を守るには戦力が不足していた。
もともと、両国は軍縮をしていて、自国を守る最低限の戦力だけにしていたため、今回の戦争で好戦派がその最低限の戦力を限界ギリギリまで動かせたせいで余計戦力が不足していた。
中でも一番深刻なのは海軍だった。
今回の戦争でオーシア、ユークトバニア両国合わせて100隻以上艦が失われ、開戦前の戦力に戻すには10年以上の長い時間が必要だった。
そこで、ハーリング大統領とニカノール首相は海軍の戦力回復と両国の絆をさらに深めるためオーシア、ユークトバニアの混成艦隊の編成することを決定。これに合わせて両国の参謀本部も統一し、オーシア、ユークトバニア統一参謀本部が創立。
また、新造艦も両国共同プロジェクトとして行われた。
既にこの共同プロジェクトで2隻の空母が完成していた。
レイヴン級一番艦レイヴンとレイヴン艦2番艦ミグラントである。
この2隻は混成艦隊の旗艦となり、空母レイヴンを旗艦にするレイヴン艦隊。
空母ミグラントを旗艦にするミグラント艦隊が創立された。
また、現在建造中であるレイヴン級空母3番艦リンクスはレイヴン艦隊へ。
レイヴン級空母4番艦ストレンドはミグラント艦隊に1年後に配備される予定である。
他にも、イージス艦、駆逐艦をそれぞれ10隻ずつ建造中である。
また、空母レイヴンとミグラントの航空部隊はオーシア、ユークトバニアだけではなくウスティオ、サピン、そしてベルカなどのさまざまの国のパイロットたちが集まっている。この航空部隊は通称バード航空部隊である。この航空部隊も各国との絆を深めるためにハーリング大統領とニカノール首相が提案し、各国、主にベルカ戦争の悲劇を目にした国はその提案受け入れ、その国のエリート隊をバード航空部隊に派遣している。
もちろん、各国からエリートが集まるだけあっていろいろ喧嘩が起きるが、その度にスノー『少佐』が率いるアグレッサ部隊にフルッボコにされ、気付けばスノー少佐を率いるアグレッサ部隊をどう倒すかみんなに相談しだし、終いには仲良くなっているのが大半である。
『イージス艦オルフェウスCIC』
「艦長間もなく時間です」
「早いものだ。あの戦争から5年か…」
「この5年間いろいろありましたね…しかし、この艦がイージス艦になるとは」
「まぁ、元はイージス艦として作られた艦だったからな」
あの環太平洋戦争から5年が流れていた。あの決戦の開戦後オーシア、ユークトバニアの艦船はほとんどドック入りした。もちろん、本艦もドック入りし、大規模な改修も行われた。
この5年間いろいろありましたね…しかし、この艦がイージス艦になるとは」
「まぁ、元はイージス艦として作られた艦だったからな」
その大規模の改修でオルフェウスはイージス艦に改修された。実は言うとオルフェウスは元々イージス艦と設計されていた。
レーダー高性能なのはその名残である。
しかし、ハーリング大統領が軍縮を決定し、イージス艦の配備数を縮小され、オルフェウスもその縮小で建造が中止された。
しかし、すでに80%以上できあがっており、また、廃棄にも金がかかるため、フリゲート艦に魔改造することに決定。
垂直ミサイル発射口を建造を中止し、ミサイル発射台に変更。また、すでに完成していた垂直ミサイル収納庫は魔改造にし、弾薬庫に変更し、こうして魔改造フリゲート艦オルフェウスが完成したのであった。
これは、オルフェウスだけではなく他にもこのような艦がいる
今回の戦争で多数のイージス艦が失われたため、イージス艦の配備数が不足。
そこで、オルフェウスと同じ事情を持っている艦を本来の姿であるイージス艦に戻すことに決定。
ミサイル発射台を撤去し、本来の建造計画通りに垂直ミサイル発射口に。
また、弾薬庫も別の場所に変更し、垂直ミサイル収納庫に戻し、イジースシステムを搭載すると言う大改修がオルフェウスを中心に10隻の艦に行われた。
そして、それらの艦はドック入れから1年掛けて、本来の姿を取り戻し海へと帰って来た。
既にオルフェウス大改修が終わり、本来の姿であるイジース艦になり。
そして、第三艦隊所属からレイヴン艦隊に転属され、現在は空母レイヴンを守る盾として活動していた。
「しかし、穏やかな海だ…この海であんな大規模な海戦していたとは信じられんな…」
現在、レイヴン艦隊とミグラント艦隊はあの最後の海戦で散っていった兵たちの追悼式をするため最後の海戦が行われた海域にきていた。
現在の時刻は12月31日23時25分。
もうじき、あの海戦が終わる時刻である。
「結局、全員で平和の陸の下に会うことは出来なかったな…」
あの最後の海戦後、海戦前にアンダーセン艦長が言った「平和の陸の下で会おう」言葉通りできた。
あの海戦後、近くの各軍港に入港した。
入港した時には既にSOLGはラーズグリーズ隊によって破壊されていた。
その後、あの海戦に参戦していた、全員がハーリング大統領とニカノール首相に呼ばれ大統領府に移動し、大統領府に着いて目に入ったのは、宴会会場であった。
どうやら、平和ために戦ってくれた兵士たちのお礼にハーリング大統領とニカノール首相が大統領府宴会会場にしてくれたらしい。
また、大統領府だけではなくクルイーク要塞や、グランダーI.G社の実験場なども宴会会場になっていったらしい。それを知った俺たちは全員喜び上がり一瞬にしてドンチャン騒ぎになり、途中から市民も参加しだし、完全に祭り状態になっていた。
ちなみに、この宴会騒動のおかげで、最後の海戦前に乗組員全員で飲みに行く約束はこの宴会おかげでなくなり、おかげで財布の中が冬になることはなかった。
しかし、あの最後の海戦に参加していた兵たちは忘れてはいなかった。
あの最後の海戦で散って行った兵たちのことを。
あの海戦で12隻の艦が撃沈。
700人以上が戦死またはMIAになっている。
《オーシア、ユークトバニアの両国の平和を願い。この海で戦いそして、散って行った戦士たちに敬礼!》
レイヴン艦隊の艦隊司令官の号令のもとに全員が敬礼する。
そして、上空ではあの最後の海戦に参戦していた航空部隊、スナイパー隊、ストーム隊、バーラット隊、レーゲン隊そしてウスティオ、サピン軍機が通り過ぎていく。
《敬礼やめ!》
再び艦隊司令官の号令で敬礼をやめる。
《これにて最後の海戦の追悼式を閉幕。全艦通常任務戻れ》
甲板に出ていた乗組員たちは艦の中に戻り自分たちの持ち場に戻っていく。
「艦長、次の任務は確かISAFとユージア大陸で軍事演習でしたっけ?」
「あぁ、ISAFとの軍事演習だ。これも、例の件がわかって、急にスケジュールに入った演習だからな」
「例の件と言うのはエストバキアとエメリア戦争に灰色の男達が関与している件ですか?」
「その通りだ。あれほど、戦力無くしたと言うの、また何かやろうとしている」
この追悼式後、レイヴン、ミグラント両艦隊はISAFとの軍事演習の予定が入っていた。
そもそも、この軍事演習はスケジュールには入っていなかったが、あることが判明し、急に入った軍事演習である。
その理由は環太平洋戦争終戦直後まで戻る。
環太平洋戦争終戦後多数の旧ベルカ軍人を逮捕したが、その指導者である、灰色の男たちの逮捕できず、諜報部が全力で灰色の男たちの捜索開始。
また、諜報部の調査で灰色の男たちは1996年ユージア大陸で発生したクーデターのクーデータ側とエストバキアと現在内戦中のレサスなどの国と交流を持ち技術提供及び兵器を提供していることが判明。
現在わかっている時点でクーデター軍にはADF-01ファルケンのプロトタイプ1機と学習型戦闘AIZ.O.Eを提供。
エストバキア、レサスにはXB-0フレスベルクに使われていた技術を提供している。
既にエストバキアはXB-0フレスベルク技術で重巡航管制機P-1112 アイガイオン、電子支援プラットフォームP-1113 コットス級が2隻 、航空火力プラットフォームP-1114 ギュゲス級が2隻を完成しており、そして、今年の8月30日に環太平洋戦争と同じようにエメリア共和国首都グレースメリアに宣戦布告同時攻撃を決行。
始めのうちはエメリア軍はグレースメリアの全戦力を使い防衛線を維持していたがエストバキアは増援としてアイガイオン旗艦とした空中艦隊を投入。
それと同時に新型空間制圧巡航ミサイル『ニンバス』も投入。
これにより、グレースメリア防衛線は崩壊。
そして、エメリア軍は首都グレースメリアを放棄し、大陸西部まで撤退を開始する。
エストバキアは追撃戦に入り、エストバキアは次々と大陸を制圧し、大陸全土も制圧に成功。
エメリア軍は大陸西部にあるゲセト島まで撤退していた。
一時期はゲセト島の西部までエストバキアが制圧していたが、エメリア軍の決死の反撃に合い、エストバキアはゲセト島から全軍撤退した。
現在はエメリア軍は大陸および首都グレースメリア解放のため軍を再編成中。
エストバキアはエメリア軍の反攻作戦に備え、防衛線を構築している。
また、諜報部の調査でこの戦争の裏に灰色の男たちが関わっていることが判明した。
既に灰色の男たちはエストバキア政治と軍上層部を自由に動かせることが出来るまで根を張っているらしく、その事実にエストバキア軍の総司令部、エストバキアの首相と灰色の男たちが食事をしている写真も撮れている。
そのため、エストバキアが勝利した場合、灰色の男たちがエストバキアを使いユークトバニア、オーシアに戦争を仕掛けてくる可能性が極めて高い。
また、事情を知っているISAFもその事態を恐れているため、今回のISAFとレイヴン、ミグラント艦隊の合同軍事演習を行うことになった。
一方、レサスについてはあまりわかっていない。
わかっている情報は灰色の男たちと関係を持っているのは軍総司令部のディエゴ・ギャスパー・ナバロ。
そして、XB-0フレスベルクの技術を使い新型の空中要塞を開発中だけだ。
どのみにしても、旧ベルカ軍。
いや、灰色の男たちの脅威が完全に世界から消えたわけではない。
今、この時も灰色の男たちのオーシア、ユークトバニアに復讐を果たすためにこの世界のどこかで暗黙しているだろう…
だが。
《全艦へ。これより、我レイヴン艦隊とミグラント艦隊はISAFとの軍事演習を行うため、ユージア大陸に向かう。この軍事演習の目的は、現在戦争中のエ・エ戦争が万が一に備えISAFと連携できるようにするためである。各自ISAFにみっともない姿を見せないように努力せよ!全艦!進路をユージア大陸向け!》
「全員!聞いての通りだ!本艦隊はISAFとの軍事演習を行うために向かう。艦の進路ユージア向けろ!」
「「「「了解」」」」
鳥たちがいる限り灰色の男たちの好き勝手にさせないだろう。
俺はそう思い、艦橋から海を見渡すのであった。
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