真・恋姫†無双 巡る外史と仮面の魔神 四話
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大陸の人間全てを驚愕させる事件。

 

“皇帝崩御”

 

ただ一人の人間が死んだことにより、大陸全土で混乱が起こるであろう。

官軍は機能せず、各地の諸侯が沈静に力を入れている。

 

その後何進大将軍が董卓と言う人物を落陽に召集。

宦官十常侍を排除し、落陽を復興させる為にそうしたのだろう。

誰もが事態が落ち着くと思った…だが数週間後、各諸侯に名家(自称)の袁紹からやたら長い自慢話が書いてある檄文が届いた。

その内容は…

 

『董卓が皇帝を操り、暴政をしている』

 

『袁本初の名の元に、反董卓連合を結成する』

 

との事だ。

現在の落陽の様子は確認出来ず、信憑性が無いがこの反董卓連合に参加しなければならないだろう。

それは何故か?

袁紹は司隷校尉…漢王朝の中でもかなり位が高い人物だ。

断りでもすれば、彼女によって何らかの罰が下されるだろう。

故に選択権は、参加するしかないのだ。

 

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そして迎えた連合の第一回の会議。

袁紹はずらずらと自らの自慢話をし、集まった各諸侯は次第に嫌気が差してきた。

しかも、それが終れば連合の総大将を誰がやるか話し合うことに。

袁紹本人は総大将をやりたそうな口調、雰囲気を出していた為なかなか決まらない。

そこに痺れを切らした劉備が袁紹に総大将をやることを進める。

袁紹としてはやりたい総大将になれたので喜んだが、その勢いで最初に攻めるのは劉備となってしまった。

軍師である諸葛亮が袁紹から幾らかの兵を貸してもらえるようになったものの、これでは死にに行けと言っているのと同じだ。

だがその後、孫策と協力体勢を取ることとなり、まだ首の皮一枚繋がった所まで持ちこたえることとなった。 さらに互いに魔神と接触していた事もあり、驚いたのだった。

 

 

そして泥水関前…

 

 

「華雄よ!!貴様はこの石の壁から出てこない臆病者か!!武将としての誇りがあるのならば、この関羽と戦うがいい!!」

 

 

「離せ、張遼!!あやつは私の武を〜〜〜〜!!」

 

「落ち着かんかい、バ華雄!!あんな見栄すいた罠に引っ掛かるなや!!」

 

 

関羽が華雄を挑発し、外で一騎討ちをする作戦を実行する。

自らの武を馬鹿にされた華雄は羽交い締めにしている張遼の腕を引きはなそうと奮闘中。

罠に掛かるなと言いたそうな張遼はなんとも不憫だ。

さらに不幸なことに、挑発に孫策も加わる。

 

「泥水関を守る華雄よ!!貴様は我が母、孫堅に破れたそうだな!落ちぶれた貴様は臆病者の負け犬だ!!」

 

 

「うがぁぁあああああっっ!!もう我慢できん!!今すぐ下にぃ!!」

 

「あ、待てコラ華雄!!月が…」

 

過去の事を引き合いに出され、とうとう華雄は泥水関から飛び出す。

張遼は何かをいいかけるが、その前に扉は閉まった。

 

そして始まる関羽と華雄の一騎討ち。

頭に血が昇った華雄の太刀筋はかなり単調で簡単に避けられる。

数回華雄が攻撃したあと、関羽は一気に攻め立て華雄を圧倒。

終いには、その大斧を弾き飛ばした。

 

 

「ぐっ…!?」

 

「これで貴様の得物は無くなった。降参するがいい!」

 

「…まだだ、まだ私は!」

 

関羽は華雄の手から大斧が無くなり、もう抵抗出来ないと判断して降伏を勧める。

しかし、当の本人は往生際が悪く、大斧を拾おうとした。

だが…

 

 

『いや、終わりだな』

 

「「「!?」」」

 

「…!?か…は…!?」

 

そこに居たのは先程まで居なかった筈の魔神。

何故今まで気付かなかったのか…連合の兵、董卓軍の兵、各武将達は驚く。

一方、目の前にいた華雄は距離を置こうとするが、その前に両手にグローブをはめた魔神に鳩尾を殴られそのまま気絶した。

魔神は自分のマントで華雄を覆う。

そして次の瞬間、マントを払うとそこにいた筈の華雄の姿が消えた。

 

「華雄っ!!…おい、おどれは何者や!!」

 

『魔の神…魔神だ。』

 

「魔神んぅ…?なんか怪しいことするっちゅー、魔神か。そんなことより華雄をどこへやった!!」

 

『心配するな張遼。どこへやったかは教えられんが、危害は加えない。神隠しにでもあったと思っておいた方がいい』

 

「そんなん信用できるか!!」

 

『そうか…だが、俺は危害は加えない。もしこの事を破ったのなら、俺の首を差し出そう』

 

魔神と張遼の会話。

殺気を放つ張遼に対し、魔神は冷静に対処する。

 

「…まあええ。今からおどれを叩きのめして、華雄の居場所をつきとめたる!!」

 

『いいのか、そんなことをして。今のお前には、そんな余裕はないはずだ。大切な者を守る為にも…な』

 

「!?…何を…何で知ってる…」

 

『全部だ。俺としては時間を稼ぐのと同時に、縮めなければならないんでな。だから…』

 

そう言って魔神はグローブをハンマーに変化させ、泥水関の扉の前まで走り出す。

その際、被っているフードを深く被り、その奥で仮面を外した。

そして――

 

 

 

「オオオオオォォォッォォォオオオオオオッッオオオオオオオオオオオオオォォオオオオオオオオッッッ!!!」

 

 

 

泥水関の扉を、手に持っていたハンマーで叩きつける。

するとどうだろうか。

石造りの扉は叩きつけた部分からピシピシと音をたててひび割れる。

それは次第に全体に広がり……扉は、たった一人の一回の攻撃で、崩れ去った。

 

 

 

 

「んなっ!?」

 

「ちょ、張遼様!このままでは連合が攻めて…!」

 

「くっ…………、しゃあない。退くで、お前ら!!」

 

張遼はあまりの出来事に口をあんぐり開く。

そして横から兵の一人が指示を出してくれと言わんばかりの目で見ていた。

しばらく考えた後、張遼は兵達に撤退を命令。

苦々しい顔をしながらも、撤退していった。

 

 

(くそ……ごめんな、月…詠…。辛抱な…)

 

 

 

 

 

「…はっ!?撤退し始めた!今が攻め時…行くわよ、関羽!」

「あ、ああ…わかった!」

 

 

一方、連合側では目の前の光景に信じられないと思いながら、意識を飛ばしていた。

だが、孫策が董卓軍が撤退し始めているのを見て、意識を覚醒。

横にいる関羽に声をかけ、戦闘体勢に入る。

 

 

「…やれやれ、やっぱ攻めんのか…」

 

 

瓦礫の山となった扉の前で魔神は呟く。

その口調は何時もと違い、軽めだ。

そして、仮面を再び付け、ハンマーを大剣の形に変える。

 

 

『時間稼ぎするか…』

 

「「「ぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッッッッ!!!!!」」」

 

『万象一切…灰燼と為せ…』

 

 

 

 

 

『――――流刃若火…ッ!』

 

 

 

 

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瞬間…魔神の持つ大剣から炎…いや、炎にしては大規模すぎる…紅蓮の業火があふれでた。

それは瞬く間に魔神と連合軍の間に燃え広がる。

その事に兵達は怯えだし、馬に乗る者達に至っては馬が怯えだした。

 

「なっ!?何よこれぇ!?」

 

『城郭炎上!』

 

孫策は驚きのあまり絶叫。

魔神は大剣を壊れた扉に向けると、炎は空いた部分に集まり出す。

そして、そこには炎の壁ができたのだ。

 

『…悪いな、ここを通す訳にはいかなくなった』

 

「魔神、あなた董卓の味方になったの!?」

 

『違うな、俺は董卓のもとへ行った訳でもない。俺は、この戦に参加している者の…敵だ』

 

魔神は燃え盛る炎を地面に突き刺し、遠くにいる孫策と関羽のもとへ行く。

 

『さあ選べ。臆病者としてここで大人しく時が経つのを待つか、それとも勇敢に炎の壁に飛び込み、灰になって無駄な死を遂げるかをな』

 

「魔神、貴様はいったい何をしたいのだ!?何のためにこんなことを…」

 

『貴様が知ることではない』

 

「ふーん。でもまあ、選択肢が二つだけじゃないわよね?貴方を倒して先に進む、三番目の選択肢があるじゃない」

 

『以前、俺に勝てなかった者が今度は勝つと?』

 

「まあね♪だって貴方、武器を持って無いじゃない」

 

「確かに…今が絶好の機会!」

 

そう、今の魔神の手には武器は無い。

魔神と接触した二人は魔神の強さが武器にあると判断し、今が絶好の機会と判断した。

 

『…ふ、ははは…おめでたい連中だ。俺の武器があれだけだと思ったか?』

 

「へぇ…あれ以外に武器があるのね」

 

「だが、我等とこの軍勢を前にして、かなう筈が無い!」

 

『なら、試してみろ』

 

その瞬間…魔神と関羽、孫策は走りだし、一気に距離を縮める。

あまり短くない距離でもあり、すぐに三人は激突した。

 

 

「…えっ…?」

 

「な…にぃ…!?」

 

 

激突した直後、すれ違った三人は何事の無いようにいるかに思われた。

だが、それは違う。

関羽と孫策の両腕が、次第に重力に従って地面に落ちたのだ。

彼女らが驚いたのは、いつの間にか腕を斬られていたことではない。

斬られたのに、全く痛みを感じなかったのだ。

 

『綺麗にスパッと斬れただろう?俺があの武器で斬った賊は痛みを感じていた。だが、この武器で斬られた者は痛みを感じない。それは何故か?』

 

ゆっくりと魔神のいる背後へ顔を向ける。

そこにいた魔神の手には、この大陸、この時代ではかなり珍しい、細身の剣が。

鏡のように美しい鋼色の刀身…それは一種の芸術と言ってもいいほどだ。

孫策にとっては、自分の部下にも同じような武器を持つ者が居るのでそう驚かなかった。

 

『この刀…刄金(はがね)の切れ味が鋭すぎるからだ。故に痛みを感じぬまま、斬られたことに気づかぬまま斬られる』

 

「刄金…?」

 

『その腕は斬った場所に押し付ければ治るだろう。兵達にでも付けて貰え。もっとも…………俺に戦いを挑んで、返り討ちにされるような兵が居なければ、の話だがな』

 

そう言って魔神はその日本刀…刄金を兵達に向ける。

兵達はどよめき、少し震えた手で武器を構えるが、恐らく勝機は無いだろう。

自分達の将が、王がやられたのだ。

数では圧倒的に勝っても、本能的に目の前の人物には敵わないと思ったのだろう。

 

『……いや、もう程好い時間か。帰らせて貰おう』

 

「なっ!?帰る…だと…!?」

 

「成る程ね……張遼達を逃がす時間は十分稼いだって訳ね…」

 

『そう言う事だ。もうこの場には、用がない』

 

魔神は大剣の刺さる所に戻り、その大剣を抜く。

すると炎の壁が消え、そこには焼き焦げた穴ができた。

当然、そこには董卓軍は居ない。

 

『さて、最後に関羽…貴様に質問だ。貴様は…貴様達は、深い事情を持った者を、救えるか?』

 

「何…?」

 

『答えなくていい。だが、自分の答は胸に閉まっておけ』

 

それだけ言い残すと、魔神は空高く飛び上がり、その姿を消す。

こうして泥水関は孫策・劉備の軍によって突破…いや、空いた泥水関を占拠した。

なんとも、勝ったとは言えない…そんな気持ちで。

ちなみにだが、この事に袁家の約二名はかなり悔しがったそうな。

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XXX「作者と!」

一刀「お前何してんじゃぁぁぁぁ!!」←回し蹴り

XXX「おっと!?後書きコーナー!!」←バリアナウ

 

一刀「おま、何やってんだよ!?魔神何で斬魄刀…てか、始解使えんの!?しかも総隊長の!!」

XXX「まーまー落ち着いて。それについてはネタバレなるから詳しく言えないけど、とりあえずあれは流刃若火だよ、マジもんの」

一刀「…てことは、卍解も?」

XXX「できるけど反動大きいから使わない」

一刀「それと今回、なんか説明文多くね?」

XXX「うん、なんかね…袁家の会話が多くなりそうでやだったから…」

一刀「作者…袁家嫌い?」

XXX「いや、煩いのを除けばけっこう好きだよ?」

一刀「なんか霞が必死そうだったけど…」

XXX「それに関しては次々回ぐらいに種明かしするから。はい、とっとと次回予告するぞ〜が」

 

一刀「強引に終わらせたな…。次回、真・恋姫†無双巡る外史と仮面の魔神五話」

XXX「魔神編 “魔神と鬼神”。…たぶんけっこう驚く人いるかもしれない」

一刀「なんか凄い特定の人物思い出す…」

XXX「次回はけっこう遅れます。ご理解ください。」

 

再見orz

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魔神編

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