学園黙示録?転生者はプロの傭兵 プロローグ |
『人間、一度しか死ぬ事は出来ない。命は神様からの借り物だ。』
????シェイクスピア(1564-1616)
爆発、爆発、叫び声、また爆発。残りは後何人だろうか?物陰に身を潜めた俺は、奇襲を仕掛けて来た武装集団の男の一人からライフルを取り上げ、マガジンも拝借した。左肩からは血が溢れていた。銃弾が貫いた。相変わらず鈍痛が響く。
言い忘れていたが、俺はとある民間軍事会社 所属の傭兵だ。どこかは守秘義務の為に明かせない。で、現在キューバにいる。最近多発している武装集団の襲撃事件に俺のチームが派遣された。だが奴らは予想以上の兵器を持っていた。
「動け、畜生め。」
壁を背にして悲鳴を上げる体に鞭打ってどうにか立ち上がると、そこからチラリと向こう側の様子を覗く。途端に再び銃声が部屋中に木霊し始めた。死体となって横たわっている男が肩にかけているベルトから手榴弾二つを抜き取り、見当をつけて放った。数秒程すると立て続けに爆発が起こり、断末魔の叫び声が幾つか聞こえた。これで何人かは無力化されただろう。
ライフルのセーフティーを外すと、俺はそのままゆっくりと前進した。後衛もバックアップもいない以上、細心の注意を尚更払う必要がある。
「こちらアルファリーダー。ブラボーユニット、応答してくれ。誰でも良い。」
再三再四無線で呼び掛けたが、返事が無い。仲間が何人残っているかは分からないが、無線での連絡が無い所を考えると無線が破壊されたのか、全滅したのだろう。向こうから通信が途絶した以上、無事を祈るだけ無駄な事か。
このフロアをざっと見て回ったが、誰もいない。俺はそのまま階段を使ってゆっくりと下に降りた。途中で見張りを何人か始末して行った。奴らの無線での会話を聞いている様子では、俺の予想通り戦力が下に集結しているらしい。ようやく地上階に降りる事に成功したが、ライフルの弾が尽きた。手近に使える物も無い。ある物と言えば愛用のシグサウエルP226X6と、FN ファイブセブンだけだ。
「どうにでもなれ。」
俺は残りの手榴弾を全てそこら中に投げ込むと、まずはファイブセブンで怯んだ奴らを撃ち始めた。この銃から撃ち出されるライフルの弾に似た銃弾は、200メートル先のケブラーヘルメットすら貫通し、被弾すれば銃弾の回転によって傷口を広げる。装弾数も薬室を加えて二十一発、 そしてえげつない威力を併せ持つ、持ち主次第では敵に回せば恐ろしい銃だ。
一頻り撃つと、物陰に身を潜めて相手が動くのを待った。あの喧騒の中で四、五人は仕留めた筈だが、油断は出来ない。バシュッと、ガスが抜ける様な大きな音が俺の耳に入った。本能的に俺はその場から逃げ出そうとしたが、遅かった。俺は爆発に巻き込まれて、視界が暗転した。
爆発の後、どれ位の時間が経ったか分からないが、俺の目が再び開いた時、俺は蛍光灯を設置した白い天井を見上げていた。グレネード弾の一撃をまともに食らっても、奇跡的に五体満足で生き残っているらしい。何とか喋ろうとしたが、口が回らない。自分の手足を見ると、見知っているゴツゴツした物ではなかった。それは、まるでと言うより、赤ん坊の手足その物だった。俺は二十六だぞ?誰がどう見てもガキに見間違えられる様な年齢じゃない。何が起こっている?
「おめでとうございます。元気な男の子ですよ。」
不明瞭だったが、どうにか聞き取る事に成功した。いや、待て・・・『男の子』だと?
説明 | ||
とある民間軍事会社に勤めていた傭兵は、僅か二十六でその生涯に幕を閉じたが、次に目を開けた時には、赤ん坊として生まれ変わっていた! チートな特撮の武器も『神の介入』と言う事で出します。 IF編もあります。 |
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