恋姫無双 〜〜紅と蒼の悪魔〜〜 3−17話
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 注、この作品は「DMCシリーズ」「真・恋姫無双」を私の個人的妄想により都合よく改変しております。

詳しくは1話を参照してください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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ソレは、目覚めた。

 

ソレは、自分がナニモノなのか分かっていなかった。

 

けれど、ソレは知っていた。

 

自分がナニをしなければならなかいのか。

 

ソレは知っていた。

 

自分がナンノためにウミダサレたのか。

 

 

 

 

 

「………スベテは………のタメに………」

 

そして、また一つアカイハナがサク。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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始まったときは晴れていた空は、まるで会場の空気を写したかの如くどんよりとした雲に覆われ、今にも雨が降り出しそうだった。

 

開始の合図があったにもかかわらず二人は特に構えようとはしていなかった。

しかし、誰もそこに口を出すことは出来なかった。

 

「しっかし、あれだな。こんなに観客がいる中でまさかあんたと勝負することになるとはな」

 

長い沈黙を破ってダンテが言葉を発した。

 

「…そうだな、共闘ならここでもしたが、手合わせはそうしたことがないな」

 

思い出したかのようにバージルも返答した。

 

「普段、あんまり気が合うほうじゃねぇんだがな」

「…仕方なかろう、こちらとて乗り気ではないんだが」

「違いねぇ」

 

そういってお互いに薄く笑うと

 

「ま、ここらでどっちが上かはっきりさせるってのもいいか」

「ああ、ここなら周りの眼もある」

 

初めてダンテは背中の剣に手を掛け、バージルは柄に手を添えて半身になった。

 

そして再び訪れる沈黙。

 

 

 

 

 

 

 

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一陣の風が吹き、木の葉がどこからともなく飛んできた。

 

 

 

そして、葉がまるで図ったかのように二人の中間に落ちたとき。

 

激しい金属音が響いた。

 

 

魏 陣営

 

「………」

 

誰も言葉を発せなかった。

全員の眼前でとんでもない光景が繰り広げられていたからだ。

 

二人は、同時に中央へ一瞬で移動すると、眼にも留まらぬ速さで剣戟を始めた。

魏に限らず、三国の将たちはほとんどの者がその軌道が追えなかった。

ただ、響く音で二人が打ち合っているということを把握していただけだった。

 

「…違う」

 

そんな中、春蘭が呟いていた。

 

「…どうした?姉者?」

 

近くにいた妹の疑問に対し、

 

「これは、まだ本気じゃ、ない…」

 

そう答えるばかりだった。

 

 

 

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蜀 陣営

 

「これが、本気じゃない、だと?」

「ああ」

 

同じことを翠が言っていた。

 

「どういうことだ?」

「…雰囲気が違う。もっとこう重い雰囲気になるんだ」

 

星の質問に対し、そう答える翠。

 

「…確かに、あの妙な色のついた気配は感じられぬな…」

 

愛紗は改めて二人を見て気がついた。

 

 

 

 

中央でかなりの数の剣戟の後、スティンガーと疾走居合いでお互いに反対方向へ距離を離した二人。

 

「フン…」

 

直後、バージルの手元がわずかにぶれると同時、複数の斬撃がダンテを追うように出現する。

 

「おいおい、この程度か?」

 

しかし、ダンテはまったく止まることなくその追撃を振り切ると、腰から引き抜いたエボニー&アイボリーで激しい銃撃をお見舞いした。

 

「フン、退屈だな…」

 

バージルはその反撃にも全く動じることなく閻魔刀で銃弾を全てはじき落としてしまった。

 

「今度はこっちから行くぜ!」

 

ダンテは銃撃がはじかれた瞬間から即座にリベリオンに持ち替え、気合とともに振りぬくと紅い剣閃を打ち出した。

 

「…頭が留守だな」

 

刹那、頭上からの声にダンテは即応、振りぬいた勢いのままリベリオンを頭上へ振り上げた。

そこには、いつの間に移動したのか、まさに切り下ろしていたバージルの姿があった。

 

「ハッ!相変わらずお早いこって!」

 

バージルを勢いで弾き飛ばし、反動で後ろへ飛んで距離をとるダンテ。

一方のバージルも空中で体を捻ると音もなく着地した。

 

 

 

 

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「…チッ。埒があかねぇな」

「…それはこちらの台詞だ」

 

あれだけ激しい応酬をしたのに全く息を切らす様子もなく憎まれ口を利く余裕もある。

 

「…そろそろ、いいか?」

「…ああ。お互い温まっただろう」

 

そういうと、二人は持っていた武器を納めた。

 

 

呉 陣営

 

「…何をしているのだ?あの二人は?」

「ん〜、そろそろかしら?」

「何がだ」

 

冥琳の疑問に対し、雪蓮は

 

「あら?気づいてなかったの?あの二人。まだ本気じゃないわよ?」

 

と答えた。

 

「それは雰囲気で何となく気づいていたが」

「だから、そろそろ本気出すのかな〜って…あ」

「なん………!?」

 

答えかけた雪蓮が突然言葉を切ったことに、怪訝な様子で聞き返そうとした冥琳が絶句した。

 

「…ちょっと、これはシャレにならないわね…」

 

飄々としていた雪蓮も冷や汗をかいている。

二人から出るとんでもないほどの威圧感に当てられたからだ。

自陣を見ると、祭は雪蓮と同じく汗をかく程度だが、蓮華は顔面蒼白。

思春と明命は持っていた武器を思わず抜きそうになっていた。

小蓮は祭にしがみついてしまっているし、残りの軍師二人はどうやら半分気絶したかのように呆けた顔をしている。

 

「おい、これは…」

「そうね。ここからが本番ってことかしら?」

 

苦しそうに言葉を発する冥琳を支えつつ雪蓮が言った。

 

 

二人の発する気配は以前同様色がついて見えていた。

戦い慣れている武人達からしても、気配を感じる事はあっても、視認するなんて事は初めてだった。

やがて勢いが収縮し、再び二人に注目したとき、会場中が目を疑った。

 

 

 

 

 

 

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なぜなら、二人の姿が明らかに変わっていたからだ。

 

二人に共通しているのが、頭に生えている(ように見える)一対の角。

また、今まで見えていた肌の色は黒くなっており、その他おおよそ全うな人間とは呼べぬ姿になっていた。

 

古くから歴史ある国で、さまざまな伝承や言い伝えなども存在するが、そのどれにも当てはまることない二人の存在を、しかし誰一人としてそのことを指摘しようとはしなかった。

 

見ているだけで恐怖を煽る姿ではあったものの、それ以上にここからの戦いが今までとは違うものになるということを、全員が察していたからであり、そしてそれを見たかったからである。

 

「…フッ、もう少し何かあると思っていたが。かえって拍子抜けだな」

「おいおい、水刺されないだけよかったと思ってるくせに」

 

二人の声も少し残響がかって聞こえている。

 

「さて、あっという間にくたばらないでくれよ?せっかく引っ張り出したんだからよ」

「…貴様こそ、無様な姿を晒さぬようにな」

 

そういうと、二人は動き出した。

 

先手はバージル。

再び、次元斬でダンテを狙った。

しかし、ダンテは

 

「Are you ready?」

 

という掛け声とともに、上空へジャンプ。

ただ、斬撃もしっかりと追尾しているため誰もが愚策だと思った。

 

ところが、次の瞬間

 

「HA!」

 

ダンテは何かを蹴ったかと思うと突然バージルの方へ突進をした。

(何人かは、突如現れた紅い円盤のようなものに気づいていたが)

 

そして、一気にバージルの頭上に到達すると、

上空で逆さ立ちのような姿勢から、一気に銃撃を始め、そのまま高速で落下した。

 

「………」

 

しかし、バージルはその動きをしっかり視認していた。

ダンテが空中で逆さまになった時にはすでに納刀しており、少し屈んだと思うと思い切り飛び上がりつつ、足を振り上げて迎撃していた。

 

さすがのダンテも少々驚いたようで、わずかに動きが乱れたものの次の瞬間には体勢を元に戻しつつ、振り上げられたバージルの足を払いのけ、反動で先に着地した。

 

バージルも素直に当たると思ってはいなかったようで、空中で狙いを定めるとそのままダンテへ飛び蹴りを敢行した。

 

「!!??」

 

会場には確実に飛び蹴りが当たっていたように見えた。

しかし、実際に跳ね飛ばされたのはバージルだった。

よく見ると、ダンテは妙な構えをしていた。

 

 

 

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魏 陣営

 

「…あれは!」

「どうしたの?凪ちゃん」

 

その様子をみて大声を出した凪を不思議そうな目で沙和が見つめた。

 

「あれは、さっきの試合で私がやられた…!」

「…そういえば、凪ちゃんもダンテさんに攻撃したと思ってたら跳ね飛ばされてたの」

「ああ、確実に当たってたのにこちらが攻撃をされていた…。でも、今見てもあの人はこちらに攻撃なんてしてない…」

 

 

 

呉 陣営

 

「…ふむ、わかったかもしれませぬ」

「祭?」

 

こちらでは、祭が何かに気づいた様子で雪蓮と話していた。

 

「ええ、原理はわかりませぬがあやつは攻撃を吸収しているのかもしれませぬ」

「…どういうこと?」

「先ほど、バージル殿の蹴りが当たった瞬間、ダンテ殿の氣が大きくなったように見えたのじゃ。だが、今は元の大きさに戻っておる」

「それが、吸収ってこと?」

「ええ、おそらくはそれを瞬間的に跳ね返しているが故に攻撃した側が跳ね飛ばされているのでしょう。よく見れば、あの構えのときのダンテ殿は体の表面に僅かではあるが氣を流している」

 

 

 

「…ふん、久々すぎて忘れていたが。お前にはその技があったな」

「どーりで、直線的な攻撃をしてくると思った。普段のアンタならあそこまで露骨な飛び蹴りなんざしねえからな」

 

跳ね飛ばされたバージルは空中で姿勢を立て直してきれいに着地していた。

二人が会話したことで、会場中から僅かに力が抜けた。

 

「しっかし、相変わらずの速度なこって。捕まえらんねえったらありゃしねえ」

「…貴様の力技ほどではないがな」

「あんま変わらなくねえか?」

「………」

 

僅かな問答の後、再び二人は構える。

しかし、僅かの後、ダンテが顔をしかめたことに会場中が気づいた。

 

「Don't get so cocky…」

 

というバージルの声とともに、翠との対戦のときにも出現していた蒼い剣が複数バージルの周りを回るように出現していた。

 

「それ、ありか!?」

「前にも出していたんだ。別に不思議でもあるまい」

 

ダンテの叫びにそっけなく返すとバージルはダンテの背後に瞬間移動し、そのまま疾走居合いを繰り出した。

 

「ちっ!」

 

ダンテは僅かに舌打ちをすると大きく跳躍。

上空で真下を通り過ぎたバージルへと銃撃した。

しかし、ことごとくを周りの剣に弾かれてしまう。

どうやら、耐久力自体はそれほどではないようで、数発受けた後砕けてはいたが。

 

残り本数が少なくなったのを見たバージルはダンテの着地に合わせるようにそれらを射出した。

とんでもない速度で飛んでいった剣は、しかしその攻撃を読んでいたダンテが冷静にすべて弾き、そして砕いていった。

 

「いきなりすぎるだろ!少しは何か言えよ!」

「…お前は、対戦相手にわざわざ情報を伝えるのか?」

 

緊迫した中でどこかずれているやり取りをした後、

 

「ならば教えてやろう…」

 

と僅かにバージルが言った。

それを聞いたダンテが再び顔をしかめつつ構えた。

 

「This is the power of the Sparda!」

 

そういってバージルの姿が掻き消えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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 あとがき

 

どうも作者のmorikyouです。

今回はいかがでしたでしょうか。

 

久々に書いたのに、一番の文章量ってどういうことなの…?

しかもまだ終わらないってorz

文章力の無さが光ってますが温かい心でお付き合いくださいませ。

 

一応言い訳をしますと、この二人に戦闘をさせるとなると、やっぱり長くなるんです。

というか、スタイリッシュに書けてるんでしょうか?

伝わっていればいいのですがorz

 

冒頭の書き出しは次回に回収したいところなんですが…。

というわけで、次回をお楽しみに!

 

 

P.S.

祭が見抜いたというロイヤルガードに関してなんですが、ここではそういう解釈になっています。

異論などもあるでしょうがとりあえずこの外史ではそういうものだとして納得していただければ幸いです。

 

 

 

説明
この作品は「DMCシリーズ」「真・恋姫無双」の二次創作です。
作者の妄想成分が過分に含まれているので、ご覧になる際はこのことを頭の片隅にでも置いておいていただけたら幸いです。
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コメント
>スターダストさん 反射だけならもう少しどうとでもなったんですけどね^^; 溜めて動けるとなるとこれくらいしか説明つかないかなと思いまして(morikyou)
まぁ〜攻撃を吸収する・・・中らずと雖も遠からずといったところですかね〜実際にパワーを溜めていることですしw(スターダスト)
>nakuさん 店閉めちゃだめでしょうw って、それは打ち切りフラグwww(morikyou)
>nakuさん それはひどすぎるオチでしょうwww(morikyou)
タグ
真・恋姫無双 バージル ダンテ DMC 

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