Break! GO!
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「おい、コータ!何やってる?」

 

「あ、あそこで、女の子が・・・・・小室が助けに行くって。」

 

不機嫌丸出しの俺を見て歯切れ悪そうに言うコータ。つーか、そのミリタリージャケット、俺のだぞ。しかもそのシャツ、どこから引っ張りだして来たんだよ?今時『八つ墓Village』のプリントが入ったシャツなんか着てたら奇人扱いされるぞ?

 

話が逸れたな。双眼鏡を覗くと、確かに小学生位の子供が泣いているのが見える。倒れているのは保護者だろうな、可哀想に。

 

「助けに行く?どうやって?言っておくが、今の一発で予定が大幅に変わってしまったんだぞ。明日早朝で河の向こう側に渡ろうと思っていたのに・・・・あーまあ、やっちまった事はしかたねーか。」

 

「すいません、どうもこう言う性格で。」

 

下に降りると、出る準備をしている孝が苦笑していた。全くどいつもこいつも。俺は溜め息をつくと、鳩尾に拳を叩き込んだ。そこまで強くはやらなかったが、息が詰まる位の威力はある。軽く咳き込んでいた。

 

「 謝らなくても良い。だが、二度とこんなふざけた真似をするな。やるんだったらお前が一人でやれ。仮にお前がしくじっても、俺はお前を助けには行かねーぞ。そもそもどうやって向こう側まで渡って戻るつもりだ?<奴ら>を一人ずつ倒していては・・・・」

 

そこで俺は口を噤むと、ニヤリと笑った。アレがあったじゃねえか。

 

「ちょっと待ってろ。」

 

俺は玄関先の下駄箱の上に立てかけてあるコルクボードにかかってる防犯ブザーを外して孝に渡した。随分前に何かの集会で配っていたのを貰った覚えがあるが、こんな所で役に立つとはな。

 

「孝、せめてこれ持って行って。」

 

麗がエアーウェイトを孝に渡す。俺はそのまま上に戻ってダネルMGLの弾を込めると、狙いをつけて最も<奴ら>が密集している所に丁寧にグレネード弾を発射した。効果範囲は俺が思っていたよりもかなり広く、二発位で<奴ら>ごと壁の一角を吹き飛ばした。孝は乗り捨ててあったマウンテンバイクでそのまま先を急ぐ。コータの狙撃と俺の擲弾による爆撃で道はかなり開いたらしく、その子を乗せて急いで取って返して来た。後ろから垂れ耳のワンコが全速力で付いて来てるのが見える。そして戻りながらも、後ろに向かって電源を入れた防犯ブザーを全力でぶん投げた。けたたましいアラーム音は当然奴らを引きつけ、狙い通り<奴ら>を孝とマンションから引き離した。

 

「やった!」

 

「ああ。コータ、ナイスシューティングだ。もう暫くここに残れ、念の為に。」

 

装填したグレネードの最後の一発を撃つと、再装填を済ませて俺は中に戻った。

 

「静香!女子全員と荷物をハンヴィーと俺のジープに積み込んでくれ!積み終わったらコータに合図だ!予定が狂ったからさっさとここを出るぞ!」

 

「わ、分かった!」

 

俺は自分で作った荷物を持ち、下に降りた。とりあえずそれを運転席に放り込むと、丁度孝が戻って来た。

 

「お前、やるな。」

 

「どうも・・・・」

 

「彼女も乗せろ。数は粗方減った。ハンヴィーで突破しても問題は無さそうだし。」

 

下に降りると、沙耶が懐中電灯でコータの顔を照らす。ハンヴィーの方には俺以外の全員が乗った。

 

「静香!突っ切れ!」

 

アクセルを踏み込み、俺達は大量の<奴ら>を轢殺しながらマンションを後にした。

 

行き先は、勿論沙耶の実家・・・・一心会の本拠地だ。

 

俺の先導に従ってハンヴィーが後ろから来ている。床主大橋も御別橋も使えないとなると、河がまだ比較的に浅い所を通るしか無い。一旦止まると、ルーフを開けて行く方向を示した。渡る事自体は比較的簡単だが、地面を走るより少し遅いと言う位だ。

 

「Shoot, shoot, shoot your gun, kill them all now?♪」

 

何かマザーグース調の物騒極まる替え歌が聞こえて来るが、まあ、気にしないでおこう。双眼鏡片手に見張りをやってる沙耶が直ぐに止めた。それを聞きながら携帯を引っ張りだすが、やはり圏外だ。面倒だな、まだ連絡がつかないなんて。向こう岸に着くと、まずは敵影の有無を確認。無しと。全員が下車した。

 

「さてと。」

 

俺は自分の荷物を持って背筋を伸ばしながらハンヴィーの方に近付いてトランクを開けた。ジークが俺の臑にに前足を置いて、俺の顔を見上げる。俺が気に入ったのか?まあ、とりあえず頭とか耳の後ろ、顎を撫でると、甘えて来た。尻尾も凄い勢いで振ってる。

 

『クゥン・・・・ワゥ、ワゥ!』

 

それは兎も角。

 

「コータ。銃はどうする?流石に腕は二つしか無い。俺とお前じゃ全部の面倒は見切れない。只の重荷にしかならないぞ。かと言って使わずにいるのは宝の持ち腐れだ。」

 

「じゃあ・・・・んーっと・・・・小室、宮本さん、ちょっと。」

 

「何?」

 

「どうした、平野?」

 

「お前らに銃を貸してやる。ありがたく思え。」

 

孝にはM-37ライオット、麗にはM1A1を渡した。

 

「さてと。このグループ内では俺とコータ以外、プロの指導の元で銃を扱った経験は皆無だ。正直言うと、お前らに銃を渡すのは気が引ける、絶対弾がいくらか無駄になる。」

 

「ああでも、小室は兎も角、宮本さんなら銃剣機能付きのM1A1を槍に見立てて使えますから。」

 

「う・・・・」

 

お、何か心にダメージを負ったな、孝。いと哀れ、と、言ってやりたい所だが事実である以上何も言えまい。

 

「そう言えばモップを槍みたいに使ってたのはそう言う訳か。知らなかったなあ。」

 

「はい、父が警察の公安で働いてて銃剣術を教わってたんです。」

 

得意気に胸を張る麗。今更ながら疑問になって来たが、何で内のグループの女はこうも悩殺ボディーの持ち主が多いんだ?まあ、静香には勝てないだろうが。

 

「そうか。なら、たとえ撃てなくてもまあ自分の身は守れるって事だな。よし。コータ、ライフルに銃剣付けてやれ。後、念の為撃ち方もレクチャー頼む。」

 

「はい!」

 

手荷物からナイフを引っ張りだしてシース後と投げ渡すと、孝に向き直った。

 

「 孝、 俺は説明が嫌いだ、一度しか言わないから良く聞け。ショットガンは散弾を散撒ける、近距離では威力が高い銃だ。この銃身の下の動く部分、フォアエンドを一往復させると、散弾が送り込まれる。やってみ。」

 

実際に持たせてやらせてみた。

 

「これで、弾が入ってる場合撃てる状態になる。狙いをつけて<奴ら>を撃て。一回構えて見せろ。」

 

左手はフォアエンド、右手はグリップ、基本的な持ち方は間違っちゃいないが、まだ甘いな。所々が雑だ。

 

「反動が強いからそんな構えじゃ肩が外れるぞ。もっと脇を閉めて上半身を突き出せ。後、いくら構えが良くても撃った時の反動の強さは変わらない。特に素人のお前は照準がブレるだろうからな、スコープのドットが胸辺りまで来たら撃て。密集してれば三、四人は吹き飛ぶ。弾を込める時はトリガーの手前にある、この部分に弾を押し込め。だが薬室を加えて五発しか入らないから手近にいる奴らだけを狙えよ?弾切れならその金属バットを使う事を推奨する。絶対に銃を棍棒代わりに使うな。」

 

銃ってのは女や車と同じで、しっかり丁寧に扱えば向こうもそれ相応に応対してくれると言うのが俺の持論だ。意志を持たぬ物とは言え、自分の身を守ってくれる武器だからな、それ位の敬意は最低限払うべきだ。

 

「は、はい・・・・」

 

この様子じゃ全然分かってねえな。ま、後でしっかり指導してやるか。その内嫌と言う程馴れる事になるだろうし。

 

「男二人!ハンヴィーとジープ上げるから、安全確保!」

 

「イエス、マァム!」

 

相変わらずだな、あいつは。俺はジープに戻って行ったが、犬が付いて来た。確か、ジークって名前付けたんだっけか?ゼロ戦にちなんで。助手席に行儀良く座ってる。二人が上に上がり、再び敵影の有無を確認した。

 

「クリア。」

 

「良いぞー!」

 

まず俺が四輪駆動に切り替えて坂を登った。途中コータの悲鳴が聞こえたな。ラットパトロールがどうとか。一応避けはしたがな。

 

「チュニジアにいるのかな、俺・・・・」

 

それを聞いた俺は思いっきり笑ってしまった。その歳でラットパトロールとかチュニジアとか・・・・・あーやべえ、久々に爆笑したぜ。

 

説明
とある民間軍事会社に勤めていた傭兵は、僅か二十六でその生涯に幕を閉じたが、次に目を開けた時には、赤ん坊として生まれ変わっていた!

チートな特撮の武器も『神の介入』と言う事で出します。
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R-15 オリ主 神様転生 残酷な描写 特撮武器登場 ヒロインは大人組 オリ主視点 ご都合主義・・・・かな? 

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