模型戦士ガンプラビルダーズI・B 第6話 |
「えーっ!!男三人から告白されたぁ!?」
タカコの絶叫が昼休みの教室に響き渡る。直後周りにいた生徒が一斉にこちらを見た。
「誰もそんな事言ってないよ!バトルで宣戦布告受けたって言ってるの!」
慌ててタカコの発言を訂正するアイ、机をあわせてアイ、ナナ、タカコ、ムツミが昼食をとる。いつもの昼休みの風景だ。
アイは先日の日曜日、コンドウ達に挑戦を受けたことを話したわけだ。
「いやゴメンゴメン、確かにアイちゃんバトル強いからね。そうやって挑戦して来るやつって多いとは思ったけど」
「負けちゃったけどね」
「な〜に言ってんのよ。かなり食らいついてたじゃない。次やったら勝つ事だって夢じゃないって!」
バツが悪そうにするアイにナナがフォローを入れる。
「でもチーム『ウルフ』か……。荒らしとか模型部とかと比べて随分本格的な集まりが来たかもね……」
「そう?サークルなわけだし集まりとしては模型部と変わんないと思うけど、
それより可愛いじゃん『ウルフ』なんて名前つけるなんてさ〜」
ムツミが心配そうに言う。反面タカコは楽しそうだ。
「ヤタテェェッ!!」
と、ドタドタと音を立てて一人の男子が教室に入ってくた。額の広い男子、模型部のヤマモト・コウヤだ。
「コンドウさんとガンプラバトルして!さらに『ウルフ』のメンバーに宣戦布告受けたって本当か!!!」
またも教室に叫び声が響く。再び生徒が一斉にアイ達を向く。
「いや唐突な上にアンタ声大きすぎ」
冒頭のタカコより大きい声だった。アイ達が耳を抑えナナはそのまま呆れた反応で返す。
「とりあえず挑戦は受けたけど、コンドウさんとアサダって子と後……誰だっけ?」
「あ、確かツチヤって言ってた。眼鏡かけてた」
「いやお前ら……コンドウさん達に直接挑戦されたんだぞ!どれだけの事かわかってるのか!」
「アンタがそう言うなんてそんなにあのオッサン有名だったワケ?」
「そりゃ確かに技術は高いし強い人だったけど」
「オッサンて……知んないのかよ?!あの辺じゃ最も強いガンプラビルダーの集まりだってのに」
ナナはともかく全く今の状況を理解してないアイにコウヤはただ呆れるばかりだった。
「あの辺で最強って、地域ごとにそういうのいるの……?」
ムツミが聞く。
「ん?その通り。コンドウさん達はあの辺では一番強いチームなんだ。反面強いビルダーって事でよく挑戦者やその座を奪おうとしている奴もいるんだよ。
前ヤタテが倒した荒らしのケイ三兄弟もズルい手でコンドウさん達を座を奪おうとしてたってワケ」
「へぇ、あの三兄弟も」
アイは以前荒らしや卑怯な手を使ったケイ三兄弟を思い出す。
「そういえばプロショップに作らせたジ・Oを『お前ら三人を倒すために作らせた』って言ってたっけ」
あのジ・Oは元々対ウルフ用だったのだろうとアイは考えた。コンドウのゼクにアッサリやられたが。
「あれだけ強いとなると、あのオッサンもビルダーとしては相当なモンってわけね」
「へ〜いわばガンプラビルダーの番長って事ね。可愛い男の子いるんだったら取材したいな〜」
「オイオイ……模型部だって『打倒ウルフ!』を掲げて頑張って来たってのに引っ越してきて一カ月も経ってないヤタテがこんな早く目をつけられるなんて。よよよ……」
「え?模型部ってそんな目標あったんだ。前取材した時そんなのなかったよ?」
「あったよ!いずれ催されるであろうガリア大陸『ガンプラバトル大会』でウルフを下すのが俺の!いや俺達の目標だったんだぞ!」
――そっか……アイって結構凄い状況なんだよね。今聞くのって不味いかな――
熱弁するコウヤ。それを聞き流しながら誰にも聞こえない小さな声でナナは呟いた。
「でもアイちゃんそんな凄い相手に眼をつけられたとはね……正直怖くない?」
「全然?それより嬉しい位だよ。様は認めてくれる相手がいるって事だもん。全力で答えなきゃ!」
嬉しそうにアイは答えた。
「お〜ポジティブ」
「ちょうど新しいガンプラもあるしね。学校が終わったらすぐにでも試してみたくて……」
「それは出来ないよヤタテさん」
「え?」
アイが振り向く。後ろにいたのは一人の男子生徒、アイのクラスの委員長だった。
「今日は僕のかわりに生徒会手伝うって約束しただろう?」
「あ、そうだった。頼まれてたの忘れてた。」
アイは思い出した。少し前に委員長が家の用事で生徒会に出席できない為、何人か代理で生徒会の手伝いをすると、アイもその中に含まれていた。
なおタカコとムツミは部活に入っていた為除外、帰宅部だった事がアイの選ばれた理由だった。
「学校にガンプラ持ってきたのは黙っててあげるからちゃんと出席してよね」
「う、解ってます……」
そのまま委員長は立ち去る。黙っててくれるんじゃサボるわけにはいかないだろう。
「大丈夫?アイ、なんならアタシも手伝おうか?」
「有難うナナちゃん、でも私ひとりで大丈夫だよ。ナナちゃんは先帰ってていいから」
放課後
生徒会の手伝いも終わり、模型店『ガリア大陸』に向かうアイ。昼の会話で出てきた新作をガンプラバトルで試す為にだ。
帰路につく人達をかきわけながらアイはガリア大陸に入った。
「あ、アイ、来たんだ」
「!?ナナちゃん?!」
丁度カウンターで会計を済ませたナナがアイを出迎えてくれた。ナナの片手には白い袋が見えた。
袋の角張具合からして中にガンプラが入ってるのは想像に難くなかった。
「ナナちゃん、もしかしてガンプラ買ったの!?」
「……うん。アイがやってたの見てて凄く楽しそうだったからさ。本当は一緒に選んでほしかったんだけど我慢出来なくて買っちゃった」
初めて踏み込んだ世界にやや恥ずかしそうにナナが答える。反面アイはガンプラ仲間が増えるかもと内心大喜びだ。
「やぁアイちゃん。今日も来てくれたんだね」
カウンターのくたびれた中年男性がアイに声をかける。無精髭の丸眼鏡、やとわれ店員のハセベ・シロウだ。
「あ、こんにちはハセベさん」
「今日もガンプラバトルかい?」
「はい。試したい新作がありまして」
「だったらうってつけの相手が今いるよ」
ハセベは待ってましたと言わんばかりの笑みを浮かべた。
「?誰だろ?」
「俺さ」
背後から声が若い男の声がした。アイはその声に聞き覚えがあった。
「あなたは……ツチヤ・サブロウタさん」
そう、コンドウと一緒にいた眼鏡の長身の青年。ツチヤだった。
「覚えておいてくれて嬉しい。コンドウさんが『ウルフ』のリーダーなら俺はサブリーダーってとこさ」
「サブリーダーって事はオッサンの次に強いってわけね」
「強さが次点からサブリーダーってパターンじゃないんだけどね、ただ俺の場合はその通りだけど」
ナナの発言に青年はニッと笑いながら答えた。
「まぁ挨拶もそこそこに、俺と戦ってくれないか?」
「もちろん、断る理由はありません!」
アイの顔はワクワクしてるという心情が伝わってくる。ナナはその二人の空気に入り込めずにいた。
今回のバトルフィールドはフォートセバーン、ガンダムXに登場した雪に覆われた地で1クール目のクライマックス、
ガンダムXのパワーアップ、強敵の出現と主人公の精神的成長と、見どころ満載の場だ。
アイの乗るレジェンドBB、武者頑駄無は改造した支援機に乗り飛んでいた。
レジェンドBB、ガンダムAGE1ウェア専用キャリア『アメンボ』だ。ウェアとは手足の換装装備、
通常のアメンボにBB戦士の雷丸のライフルをアメンボの先端に装着に更に後ろに雷丸のブースターのついた脚部を取り付けていた。
「へぇ、ああいう体系のもあるんだ」
観戦用モニターに映る見慣れない体系のガンダムを見ながらナナは呟いた。
相手はどこ?とアイが警戒する。周囲には木々は見えず雪の積もった丘が続いていた。
と、突然前方からビームが武者を襲う。距離が離れてる所為か簡単に避けることが出来た。
「いきなりやぶれかぶれ!?」
「甘いぜ」
ツチヤの発言にハッとするアイ、同時にツチヤの機体が分かる。
「バウ・アタッカー!?てことは!」
ツチヤの機体はバウ・アタッカーと呼ばれる戦闘機だ。登場作品はガンダムZZ、ネオジオンの量産機で試作型と量産型が存在し、それぞれ色が違う。
一見シルエットは通常のバウ・アタッカーと変わらない。(下部にソードインパルスのフラッシュエッジがついていたが)
だが目を引くのはそのカラーリングだ。
胴体の半身は鮮やかなオレンジ、もう半身は落ち着いたグリーン。試作型と量産型、二つのカラーリングが機体中心を境目に分かれているのだ。
と、アイが機体を見るやGポッドに警告音が響く、後方から何かが高速で武者頑駄無に突っ込んできたのだ。
「くぅッ!!」
後ろからの突撃をすんでのところで避けるアイ、
「まだ安心するなよ!」
追い打ちをかける様にバウ・アタッカーの両翼からミサイルが飛んでくる。数は全部で六発。
「しまった!」
どうにか回避しようとするも数発避けきれず爆発を受けてしまう。その拍子にバランスを崩しアメンボから落下。
「なっ!なんのぉ!」
バーニアをふかし、着地する武者頑駄無
「綺麗にとはいかないがうまく凌いだじゃないか!」
「くっ!アメンボは!?」
アイは武者の頭を動かし上を見る。丁度空に残ったアメンボがバウ・アタッカーのビームライフルを後方部のバーニアに受ける所が見えた。
「あっ!」
「これでもう飛べないだろう!」
黒煙をあげたアメンボはコントロールを失いヨロヨロと落ちていく。アイはアメンボが気になる所だが目の前に敵がいるとなるとそうはいかない。
そのまま見る対象を変える。アイを後方から襲った物体はまだ空にいた。その正体はバウ・ナッターと呼ばれる戦闘機だった。
バウ・アタッカー同様、シンメトリーの様なカラーリングをしており、
装備の違いは機体前部の両サイドにインパルスのエクスカリバーを突き出すように備えていたところか、
「くっ!やっぱり、バウ・ナッター!」
その不気味なシンメトリーの機体はエクスカリバーでアイの武者を切り裂こうと襲ってきた、
「その通り!」
Gポッド内でツチヤは合体の操作を行う。グレーのパイロットスーツを着たツチヤはコンドウと同じ様にグレーの陣羽織を羽織っていた。
どうやらこれが『ウルフ』のユニフォームの様だ。
直後、バウ・ナッターがバウ・アタッカーへと突っ込む、バウ・アタッカーは下部を開きバウ・ナッターの先端部を納めた。
バウは上半身と下半身で分離が可能な機体だ、両方が合体する事で真の姿、バウへと変わる。
「なんて派手派手しいバウ!?」
尖った頭と肩、そして左腰のフロントアーマーに描かれた『龍飛』の文字、
だが目を引くのはやはりそのカラーリングだ。その機体はやはり中心を境にオレンジと緑、二つのカラーリングで別れていた。
「折角のガンプラの喧嘩だ、楽しもうじゃないか!俺のバウ・ハーフと!」
ツチヤのバウ・ハーフ(以下H)はアイの武者を追いつめようとビームライフルを乱射していた。さっきとは違い正確にこちらを狙ってる。
アイは両肩の鎧で受け止めつつ種子島雷威銃(タネガシマライフル)で撃ちかえしながら凌いでいた。
「防戦一方か!つまらないぞ!!」
「油断してると足元すくわれますよ!」
すかさずアイはタネガシマライフルを二発発射。銃弾はバウ・Hのライフルを破壊、もう一方の弾丸は顔目掛けて撃つが弾はバウの顔を掠めただけだった。
「おっと!やってくれるじゃないか!なら!」
ツチヤのバウはシールドに装備されていた二等辺三角形状の武器、フラッシュエッジを取り出す。
フラッシュエッジからビームサーベルが発生、ブーメランの様な、否ビームブーメランとなる。
「くらえ!」
大きく振りかぶり武者に投げる、
「チッ!」
フラッシュエッジをかわすアイだがすかさずバウが迫ってくるのに気づく、アイは武者の刀『武久丸(ブキュウマル)』を抜き身構える。
対するツチヤはバウ・Hが腰に装備されていたエクスカリバーの底部を連結させ、一気に武者に迫る。
「はぁあっっ!!」
「ぅおぉっっ!!!」
エクスカリバーを受け止める武者、お互いバーニアをふかし押し合う。二頭身のSDはバウの半分程度の身長しかなかった。
「くっ!なりは小さくとも!パワーなら負けちゃいませんよ!」
アイが喋るたびに武者のマスクがもごもご動く、SDガンダムの中にはこの外見で生物という設定がある為こういった演出がある。
「パワーだけならな!だが前だけ見てていいのかな?!」
「!?しまった!」
アイが後ろに気付くとさっき投げたフラッシュエッジが武者に後ろから迫ってきた。気づくのが遅かった。
アイは左肩鎧でフラッシュエッジを受け止める。深々とビームの刃が肩鎧に突き刺さった。
「クッ!!まだ腕は切られてはいない!!」
「だったら今切り落としてやる!」
「!?」
さっきの不意打ちでアイの意識がフラッシュエッジに集中した。ツチヤはその隙を逃さずエクスカリバーを二刀流に分割。
左のエクスカリバーは武久丸と鍔迫り合ったまま、右のエクスカリバーで武者の胸を貫こうとした。
「クッ!!」
アイは回避しようとする。直後、武久丸を握った右腕が宙を舞った。
右腕の付け根をエクスカリバーが切り落としたのだ。
「う!うアァッ!」
そのまま雪原に倒れ込む武者。
「あんまりいい気分じゃないな……SDだと乗り込むわけじゃなくて生き物の設定だからか……」
「随分と嫌らしい攻撃するじゃないですか!」
「コンドウさんとは違って確実な手で追いこむのが俺の信条なんでね!相手が君なら尚更慎重にやる必要があるだろ!?」
「支援機から落としたのもそれが狙いですか!」
「油断はしない性分なんでね!」
ツチヤはこういった分離を活かしてかく乱させ、確実に追いつめる戦法を得意としていた。
アメンボから武者を落としたのも、十中八九換装装備を積んでると判断したからだ。
普通飛ぶならサブフライトシステム(SFS)と呼ばれる飛行ユニットを使う為だ。
「男らしくない!」
「慎重といってもらいたいね!悪いがその寸詰まりの体。真っ二つにさせてもらうぜ!」
再びエクスカリバーを連結させ迫るバウ・H。アイはどうするか……と考えていた。
と自分の周囲を見る、と、丘の向こうから黒煙が上がってるのが見えた。
恐らく先ほどのアメンボだろう。
「……見てみるか」
アイはモニターの端にステージマップを表示させる。地形と味方機の確認用のマップだ、一つアイコンがそんなに遠くない位置で見えた。
「まだ落ちてない……いけるかも!」
アイはGポッド内でニッっと笑うと武者の兜を脱ぎすてる。
「!?」
その行動を理解できないツチヤのバウに背を向け、アイは武者のバーニアを全力で吹かした。
「オマエッ!逃げる気か!」
追いかけるバウH。だが意表をつかれた行動のためか出遅れてしまった。
「見えた!」
黒煙を目印にした為わりとアッサリ雪原に墜落したアメンボが見つかった。サッと目で確認する。
「壊れてるのは後方部のバーニアだけ……いける!」
だが後ろからツチヤのバウが迫っていた。
「チッ!換装する気か!そうはいかない!」
エクスカリバーを構えるツチヤのバウ、
「まさか!私の狙いはこれ!」
直後振り向いた武者がバウ目掛けて突撃してきた。それもアメンボを直に片手に持って。
「何!?支援機を振り回す!?」
すかさず盾を構えるバウ、しかし武者の未確認の武器、まるでハンマーの様な武器は盾を腕ごと薙ぎ払う。
「タイタスか!?いや違う!こいつは!一体!?」
その姿はなんとも奇怪だ。両足は武者のまま、破壊された右腕はタイタスに換装してるのだが左腕の位置がアメンボの中央に付いており
まるでハンマーの様な形になっていた。そう、アメンボが巨大なハンマーになっていた。
「これが私の切り札!タイタスG(グランド)ブレイカー!!」
「アメンボをそのまま武器にした!?アメンボ自体を換装したのか!」
「だぁぁっ!!!」
アメンボに取り付けたタイタスの肩部からビームスパイクが発生大きく振りかぶると一気に全力噴射し、
バウに振り下ろした。
「チィッ!」
分離し、回避するバウH、そのまま一度離れると下半身のバウ・ナッターを武者に向けて最大出力で飛ばした。
バウのコクピットは胸にある為下半身をこのままぶつける戦法がバウ最大の特徴だった。迫るバウ・ナッター、
「甘い!!」
しかしアイの武者はバットの様にGブレイカーを横に振りかぶる。そしてバウ・ナッターを野球のボールの様に打った。
「なっ!?」
打たれたバウ・ナッターがバウ・アタッカーめがけて飛んできた。
「無茶苦茶だ!!」
慌ててかわすバウ・アタッカー、しかしアイはその隙を逃さずGブレイカーを振りかぶったままバウに飛び、そのままバウ目掛けて振り下ろした。
「ふっとべぇぇっ!!!」
「飛行を封じるだけじゃなく!!完全に破壊するべきだったかあぁぁぁっ!!!」
そのパワーにバウは一溜まりもなく押しつぶされ爆発した。
「やっぱ、凄いよ……」
観戦モニターでアイの活躍を見ながらナナは呟いた。
「あーあ、俺の負けか。ま、いい勝負が出来たよ。なるほどコンドウさんが目をつけるわけだ」
「凄いよアイ、こんな強敵にも勝つなんて、やっぱアンタ才能あるよ」
「そんな事ないよ。ただ必死だっただけ」
「そう?」
「才能っていうより、好きって気持ちかな」
アイの発言にナナは首を傾げる。
「あの三兄弟の時もそう言ってたよね」
「正直あの状況じゃやられるかもって気持ちで一杯だったよ。でも好きって気持ちがあったから自分の作ったガンプラを信じられたし、
支援機の装備なんてアイディアも浮かんだしね」
「そりゃあ嫌々作ってらあんなのは浮かばないな」
「好き、か……アタシも好きになれたら、ガンプラうまくなれるかな?」
買ったガンプラの袋を両手で抱きしめながらナナはアイに聞く。
「当然だよナナちゃん。もしかしてうまく作れるか不安?」
「……うん。こういうのって経験ないし」
「大丈夫。解らない所あったら私が教えてあげるから、だから……一緒に作ろうよ」
手を差し伸べるアイ、アイは内心嬉しさで一杯だった。友達がガンプラに興味を持ってくれる事が、
「アイ……うん!」
安心するかのようにそれを掴むナナ、ツチヤはその二人が下へ降りていくのを見守っていた。
――コンドウさん、新しい風がまた吹いたみたいだぜ……――
若さが熱を生み、熱が風を生む。今ここに新しいガンプラビルダーが誕生しようとしていた……
おまけ
「ところでなんのガンプラ買ったの?」
「あ、うん、これなんだけど」
ナナは袋からガンプラを取り出した。HGエールストライクガンダムだった。
「え……ナナちゃん、これって」
「ちっちゃい時見てたからアタシも知ってる奴選んだんだけどね」
「いや……これもうすぐリニューアル版出るよ……?」
「……嘘ォ!!」
―HGCE版エールストライクガンダム、二月発売予定―
説明 | ||
第6話 「狼達の挑戦」 前回コンドウに敗れたアイ、だがその戦いぶりは彼のチーム「ウルフ」を強く触発させた。 ウルフ全員から宣戦布告を受けるアイであった。 |
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コメント | ||
mokiti1976-2010さん 早速のコメント有難うございます!初めて作ったガンプラですので暫くはノーマルで行くつもりです。今のところは…(コマネチ) ほう…遂にナナも参戦ですね。エールストライクも何かしらの改造があるのでしょうか?(mokiti1976-2010) |
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