英雄伝説〜光と闇の軌跡〜 外伝〜”光の剣匠”ヴィクター・S・アルゼイド〜後篇 |
〜アルゼイド流・練武場〜
「しょ、勝負あり!勝者――――リアンヌ・ルーハンス・サンドロット卿!」
戦いの様子を見守っていたクラウスは信じられない表情で号令をかけ
「し、子爵!」
「大丈夫ですか!?」
門下生達やトヴァルは慌てた様子で倒れているヴィクターにかけよった。
「急所は外してありますから安心して下さい。」
その様子を見たリアンヌは静かな口調で呟き
「あ、あれ程の戦いでそこまでできるとは………!」
「さ、さすがは”槍の聖女”………!」
「凄い……!まさに本物だ……!こりゃ町中の皆に知らせたら大喜びするぞ……!」
リアンヌの答えを聞いたクラウスは信じられない表情をし、門下生達は尊敬の眼差しでリアンヌを見つめ
「ったく、大昔の英雄が何で今も生きているんだよ………――――ティアオル!!」
トヴァルは疲れた表情で溜息を吐いた後治癒アーツでヴィクターの傷を治療し始めた。
「フフ……………まさか伝説の”槍の聖女”と手合わせをする事ができるとは………夢のような出来事でした。」
そしてリアンヌは自身の傷をアーツで回復し、さらにトヴァルが治療を終えると静かな笑みを浮かべたヴィクターは立ち上がり
「だ、旦那様!まだ立ち上がっては……!」
それを見たクラウスは慌てたが
「心配するな。傷はトヴァル殿に癒してもらったから大丈夫だ。」
ヴィクターは片手で制した。
「見事な剣でした。我が鎧を貫くとは。」
「フフ、貴女にそう言って頂けるとは光栄です。」
リアンヌに微笑まれたヴィクターは静かな笑みを浮かべた後その場で跪き
「これより我がアルゼイド家はメンフィル帝国に降る事を改めて宣言致します。それと………できれば”アルゼイド流”筆頭伝承者であるこの私、ヴィクター・S・アルゼイドはかつての”獅子戦役”の我が先祖のように貴女を主と仰ぎ、この剣を奉げたい………もしよければどうか我が剣に騎士の祝福を………!」
静かな口調で呟いた後自分の武器――――鞘に収めた”宝剣ガランシャール”をリアンヌに差し出した。
「――――”光の剣匠”ヴィクター・S・アルゼイドの誓いの剣、確かにお受けしました。」
そしてリアンヌは差し出された大剣の鞘に口付けをしてヴィクターに返した。
「―――皆。プリネ姫達が来るまでにできる限りの歓迎の準備を。クラウス、リアンヌ様は我が家の客人の中でも歴代最高の客人だ。できる限り最高のもてなしを頼む。」
立ち上がったヴィクターはその場にいる全員に言い
「はいっ!!」
「かしこまりました!」
門下生達やクラウスは大声で答えた。その後プリネ達はレグラムの町に入り、軍が出撃の準備を整えている中、プリネ達はヴィクターと面会し、事情をリアンヌと共に聞いた。
〜アルゼイド子爵邸〜
「ええっ!?リ、リアンヌさんとアルゼイド子爵の一騎打ち!?しかも本気のリアンヌさんが一撃を入れられた!?」
「フッ………どのような一騎打ちだったのかできればこの目で見たかったものだ……」
事情を聞いたツーヤは驚き、レーヴェは静かな笑みを浮かべ
「へ〜………かなりできるね。」
エヴリーヌは興味深そうな表情でヴィクターを見つめ
「フフ、騎士道を大切にしているお二人らしいですね。――――それではアルゼイド子爵。これからよろしくお願いしますね。”光の剣匠”と称えられ……かの”剣聖”と並ぶと噂されるほどの貴方の剣の腕………期待していますね。」
プリネは微笑んだ後静かな笑みを浮かべてヴィクターを見つめた。
「新たな国に忠誠を見せる為、我が剣、とくと震わさせて頂きます。……それでプリネ姫。今後の行軍はどうなさるおつもりですか?やはりレグラムの町を拠点にしてバリアハートに向かうのでしょうか?」
プリネに見つめられたヴィクターは会釈をした後尋ねた。
「いえ、バリアハートはクロスベル帝国と共に挟撃をしかけるのですぐには向かいません。―――私達主力部隊はこの後すぐにトリスタに向かい、”帝国解放戦線”並びに領邦軍を殲滅、そしてトリスタを制圧する予定となっております。」
「トリスタに……ですか?し、しかしレグラムから向かうには山を越えねばなりませんし………山での行軍は時間がかかる為、バリアハートを取っての道が一番近いと思いますが。」
プリネの話を聞いたヴィクターは戸惑った様子で言った。
「確かに陸路で行けばそうですね。ですが空ならどうですか?」
「!!なるほど………しかし何故トリスタをそんなにも早く制圧する事にしているのですか?バリアハートやケルディックと比べるとトリスタを制圧する意味などあまりないと思われるのですが………」
プリネの言葉を聞いたヴィクターは驚いた後真剣な表情で尋ねた。
「――――トリスタには”騎神”なる兵器が存在し……普通の”機甲兵”より手強いと聞きます。そのような兵器が我々の襲撃を知って反撃を開始し、我が軍やクロスベル帝国軍に被害をもたらす可能性が高いと思われますので真っ先に破壊しておく必要があります。そして……トリスタを拠点にし、帝都ヘイムダルにいる”身喰らう蛇(ウロボロス)”の”蛇の使徒”―――――第二柱”深淵”のクロチルダを討ち取る準備をする必要もありますので。」
「なっ!?”結社”……それも”蛇の使徒”だとっ!?」
プリネの説明を聞いたトヴァルは厳しい表情で声を上げ
「”クロチルダ”………まさか。帝都ヘイムダルの歌劇場の歌姫――――”蒼の歌姫(ディーバ)”のヴィータ・クロチルダですか?」
ヴィクターは考え込んだ後驚きの表情で尋ねた。
「―――そうだ。俺はかつて”蛇の使徒”全員とは顔を合わせている。”蒼の歌姫(ディーバ)”もその一人だ。」
「なるほどな……元”執行者”である”剣帝”のあんたが言うなら信憑性はあるな………」
レーヴェの答えを聞いたトヴァルは頷いた後真剣な表情でレーヴェを見つめた。
「さらに今日中にクロスベルでは”第六柱”と”第四柱”を滅する予定になっております。」
「なっ!?おいおいおい……!クロスベルに”蛇の使徒”が二人もいるのかよ!?しかもその二人も討伐って………とんでもない速さで”蛇の使徒”達が討伐されようとしているな……下手をしたら”盟主”とやらも滅されるんじゃねえか?」
ツーヤの説明を聞いたトヴァルは驚いた後厳しい表情をした。
「”結社”の”盟主”でしたら昨日父―――リウイ陛下率いる精鋭のメンバーで挑み、討伐を終えましたよ。」
「なっ!?」
「何っ!?”結社”の”盟主”が討伐済みだと!?」
プリネの話を聞いたヴィクターは驚き、トヴァルは声を上げて信じられない表情をした。その時プリネのエニグマが鳴りはじめた。
「―――私です。はい、はい……わかりました。――――ではアルゼイド子爵。行きましょうか。飛行艇並びに戦艦の出撃準備が整いましたので。」
通信を終えたプリネはヴィクターを見つめて呟き
「………承知しました。クラウス。しばらくの間、留守をする。町の事は頼む。トヴァル殿もできればご協力をお願いしたい。」
プリネに会釈をしたヴィクターはクラウスとトヴァルを見つめて言った。
「かしこまりました。ご武運を。」
「………こちらも遊撃士としてできるだけ協力させて頂きます。(まさか”結社”のトップが既に殺害されているなんて………こりゃ本部に知らせないとな………)」
そしてヴィクターを連れたプリネ達は屋敷を出て港に向かった。
〜港〜
「プリネ姫、何故港で飛行艇や戦艦を待つのでしょうか?ここには船しかありませんが………」
港に到着したヴィクターは困惑した様子で尋ね
「キャハッ♪空を飛ぶ手段はもう目の前にあるよ♪」
「何………?」
口元に笑みを浮かべて呟いたエヴリーヌの言葉を聞いたヴィクターが眉を顰めたその時、湖に浮かんでいる戦艦が次々と空へと上昇して行った!
「なっ……!?」
それを見たヴィクターは信じられない表情をし
「フフ………――――それでは行きましょうか、トリスタへ。」
ヴィクターの様子を見たプリネは微笑みながら言った。
こうして………ゼムリア大陸中にその名を轟かせる”光の剣匠”――――ヴィクター・S・アルゼイドを仲間に加えたプリネ率いるメンフィルの飛行艦隊はトリスタに向かって行った……………
という訳で”光の剣匠”までメンフィル陣営に加入というただでさえ強いメンフィル陣営がとんでもない戦力が次々と増えて行くという敵対する側にとってはエゲツなさすぎる状況になっていますwwそして今回の話で、あるキャラクター達の死亡が確定した事がわかったと思いますwwロボットがあるとはいえ、最強装備、とんでもないレベルのプリネ達に加えて剣帝、槍の聖女、光の剣匠という超反則メンバーに勝てるとでも?フハハハハハハハ!このメンバーならロボット相手でも圧倒できると思いますwwなんせ、士官学院の教官達でも生身で戦車を破壊した挙句、ロボットと互角に戦っていた化物教官達なのですからww彼らを軽く超える槍の聖女達が戦えばどうなるかもうわかったようなものかとww…………感想お待ちしております
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外伝〜”光の剣匠”ヴィクター・S・アルゼイド〜後篇 | ||
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コメント | ||
感想ありがとうございます 本郷 刃様 ま、この軍団と戦えば相手はどうなるかわかりきっていますものねえ?(sorano) 鬼畜軍団が侵攻を再開しましたか・・・帝国解放戦線並びに領邦軍、南無〜ww(本郷 刃) |
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