真・恋姫無双〜虎と狐の三国演義〜 |
序之二 『幼き日の約束〜再会〜』
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「あなた、名前はなんていうの?」
・・・昔々とまではいかないけど、僕がまだ幼かった頃一人の女の子にそんな事を聞かれた事があった。けど、その頃は((他人|ひと))に名乗る名前など無く考えた末に、
「・・・((狐燐|こりん))。」
とだけ名乗った。それを聞いた彼女はただ、
「なんか女の子みたいな名前だね。」
そう言って笑っていた。
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東の空から日の光が差し始め辺りが少し明るくなり始めた頃、((頭巾|フード))で顔を隠すかの様に外套を着込んだ青年が一人森の中の獣道を進んでいた。特に意味があるわけではなく、ただなんとなく道なき道というのが好きだった。
「さて、何処から廻ろうかな。」
目的はあるがアテがない、それ故に口に出た言葉だった。だからだろうか、頬を撫でる一陣の風の中にふと、懐かしさ感じ取った。
「・・・行ってみるかな。」
もしかしたら只の気のせいかもしれないとは思いつつも、もともと何のアテも無かったからこそ、懐かしい風を道標に進み始めた。
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森の中、川の傍の少し開けた場所で雪連は小さな石碑の前で手を合わせていた。それは、彼女の母である孫堅の眠る墓標であった。
「ふぅ、思ったより大分時間がかかっちゃったわね。」
此処に着いた時はまだほの暗い時間だったが、墓の周りを掃除をしたりしているうちに気づけばすっかり明るくなっていた。帰り着いた頃には朝食の時間位かもしれない。
「あ〜、冥琳に怒られちゃうかなぁ。」
普段、仕事をサボる度に叱ってくる黒髪の彼女の顔が頭に浮かんで苦笑いする。
そろそろ帰ろうかと思い始めたとき、誰かが近づいてくる気配がして辺りを見回す、だが、視界に捉える限り人影はない。普通の人間ならそれを気のせいで済ませるだろうが彼女の勘がそうでない事を告げている。彼女の勘の良さは彼女をよく知る人物、そしてなにより彼女自身が一番よく知っていた。だからこそ警戒を解かない。そして、道から外れた茂みの中に一人の人影を見つける。((頭巾|フード))を被っているせいで顔は見えないが背丈は自分とあまり変わらない様に見える。観察しているうちに一歩また一歩と距離は縮まり、その人影の羽織る外套の隙間から一瞬だけ剣の柄が見えた。その瞬間、私は腰に提げた
『南海覇王』を抜き放ち、人影に飛び掛った。
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風に誘われるかの様に歩を進める内にその先に何があるかを思い出す。それは幼い頃に彼女を初めて見た場所。その時は遠めに見つめていただけだったが、ずっと視線が外せなかった。そんな自分にとっては特別な場所のひとつである。そんな思い出に浸りながら進むうちにある気配を感じて我に返る。そして、自分の向かう先に目を留める。そこには約束を果たすべき((彼女|ひと))がたしかにいた。あの頃と変わらない綺麗な桃色の髪に褐色の肌。素直に嬉しかったし驚いた。ただ何て声を掛ければいいかと考えていると、
「・・・あれ?」
首筋に剣が突きつけられていた。
「あなた、何者?何しに来たの?」
そんな彼女の言葉が聞こえてくる。だから・・・
「旅人だよ。ただ、此処には約束の為にね。」
そういって、((頭巾|フード))を下ろす。
「もしかして、狐燐!?」
今度は彼女が驚く番だった。
あとがき
序章だけで2話も使ってしまった。大して長くもないのにorz
今後がっつり話を広げてまいります。
ついでに次回はいろいろ説明も入れてまいります。どの辺がオマージュなんだ?ってのも
全部次回で。
ではでは。
説明 | ||
短いのに序章だけで2話・・・だと。 申し訳ない 注意:オリ主作品です |
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コメント | ||
雪月さん>コメントありがとうございます。狐から連想されたのが虎だったので呉編に即決しました。応援に応えられるようにがんばります!(ツナまん) コメント遅くなりました お久しぶりでございます 元気でお過ごしでいらしたようで良かったです 雪蓮と絡んでいるということは呉編なのでしょうかねぇ 以後の掲載応援しております(雪月) |
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