英雄伝説〜光と闇の軌跡〜 854
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〜オルキスタワー〜

 

「しかし”風の剣聖”を連れ戻す話はともかく……大統領の関係者達はどこに消えたのだろうな?」

部屋を出たリィンはロイド達を見回して呟き

「やはりキーアさんもいないみたいですし……」

エリゼは考え込んでいた。

「そうだな……」

「……伝言を残したという事はひょっとしてタワーには――――」

そしてエリィが呟いたその時、ロイドのエニグマが鳴りはじめた。

「おっと……(スピーカーモードにするか。)」

鳴りはじめたエニグマに気付いたロイドは通信を開始した。

「ああ、ロイド君達!直通エレベーターのセキュリティ、やっと解除できたよ〜!」

「本当ですか!?」

「よかった、これで……」

ロバーツの話を聞いたロイドは声を上げ、エリィは静かな笑みを浮かべた。

「ただ、どうも他のフロアにはほとんど人が残っていないんだ。こちらのサーチから逃れて隠れているとも思えないし。」

「それは……」

「おいおい、そんじゃあキー坊たちは一体どこに……」

「……………」

ロバーツの意外な情報を聞いたティオは真剣な表情になり、ランディは目を細め、キーアは複雑そうな表情で黙り込んだ。

「ただ一箇所……オルキスタワーの屋上に”誰か”いるみたいだね。あの白い人形と一緒に。」

「……!」

「ほう?たった一人で俺達を待ち受けているとはいい度胸じゃねえか?」

ロバーツの話を聞いたロイドは真剣な表情になり、ギュランドロスは好戦的な笑みを浮かべ

「……エレベーターで屋上に行く事は可能か?」

ヴァイスは真剣な表情で尋ねた。

 

「ああ、ロックは解除したからそのまま上がれるはずだ。行くのであれば気を付けて!」

「了解です。」

「それでは失礼します。」

そしてロイドは通信を止めた。

「”結社”の博士か、それとも……」

「わからん……行ってみるしかねえだろ。」

「近くにある直通エレベーターが使用可能になっているはずです。必要なら1Fまで戻って準備を整えておきましょう。」

「ああ……!」

ロイド達が先に進もうとしたその時、またロイドの通信が鳴りはじめ

「おっと、またか……………(今度もスピーカーモードにするか。)」

ロイドは再び通信を開始した。

「ロイド君か?オレや。今、大丈夫か?」

「ケビン神父……!はい、大丈夫です。もしかしてそちらでは”神機”を……?」

「ああ、何とか破壊できたわ。―――それよりエイドスさんがロイド君達に聞きたい事があるらしくてな、今代わるわ。」

「空の女神(エイドス)が俺達に……?」

「一体何なのかしら……?」

ケビンの言葉を聞いたロイドとエリィは不思議そうな表情をした。

「皆さん、ご無事で何よりです。」

するとその時ロイドのエニグマからエイドスの声が聞こえてきた。

「はい、何とか……!それで俺達に聞きたい事とは一体何ですか?」

「………話を聞くところ私達が戦った”神機”というとてつもない人形兵器と高確率で戦う事になりそうなのですね?」

「……はい。」

「その話を聞いてその”神機”に対抗できる古の人形兵器に心当たりがあり、その事を皆さんに教えておこうと思いまして。その兵器なら”神機”とまともにぶつかり合え、互角……いえ、ひょっとしたら互角以上に戦えるでしょう。」

「ほ、本当ですか!?」

「ほう?」

「一体どんな兵器なのか気になるな……」

エイドスの話を聞いたロイドは信じられない表情で声を上げ、ギュランドロスとヴァイスは興味深そうな表情をした。

「唯難点が一つありまして……”起動者(ライザー)”がいなければ、その兵器を動かす事はできないのです。」

「”起動者(ライザー)”………?」

「言い方からして、操縦者みたいですけど………その兵器を動かせるのはその”起動者(ライザー)”とか呼ばれている人でないと無理なんですか?」

エイドスの話を聞いたロイドは不思議そうな表情をし、ティオは考え込んだ後尋ねた。

「……………!?」

するとその時、身体の痣がある部分がドクンドクンと鳴りはじめた事に気付いたリィンは驚いた後痣がある部分を押さえ

「兄様……?」

リィンの様子を見たエリゼは不思議そうな表情をした。

「ティオさんの言う通り、その”起動者(ライザー)”と呼ばれる一族の者でしか古の人形兵器――――”騎神”は操縦できません。私の力で本来なら”試練”を超えて”封印”が解けるはずの”騎神”を近くまで召喚する事は可能なのですが…………”起動者(ライザー)”が”騎神”の名を呼ばなければ”騎神”は応えないのです。」

「おいおい。それじゃあ宝の持ち腐れじゃねえか………」

「私達の中にその”起動者(ライザー)”という一族の人がいるとはとても思えないし……………」

エイドスの説明を聞いたランディは疲れた表情で溜息を吐き、エリィは考え込み

「………その”起動者(ライザー)”という一族には何か特徴みたいなものはないのですか?」

ロイドは考え込んだ後真剣な表情で尋ねた。

「……そうですね……………”起動者(ライザー)”の一族の者は皆、人が持つ”力”とはとても思えない超越した力を持っているのですが………後はとてつもない禍々しい”気”をさらけ出し………”魔人”と似た風貌―――――銀髪と紅い瞳が特徴ですね。」

「へ……………」

「そ、それって………」

エイドスの説明を聞いたロイドは呆け、ティオは信じられない表情で仲間達と共にある人物に視線を向け

「に、兄様………」

エリゼはティオ達が見つめる人物――――リィンを心配そうな表情で見つめ

「……………多分、その”起動者(ライザー)”は俺かもしれません。昔から獣じみた”力”が俺の中に眠っていて……”力”を解放すればエイドスが仰ったような風貌になりますし、超越した”力”を震えます。」

リィンは静かな表情で答えた。

「!!!………そうですか。では最後に確認しておきたいのですが、身体のどこかに痣のような部分はありますか?もしあれば特徴を教えて下さい。」

「あ、はい。胸にあるのですが――――」

そしてリィンは自分の胸に刻み込まれてある痣の特徴を説明した。

「………………………その痣の特徴ですと”灰の騎神”ですね。」

「”灰の騎神”?」

エイドスの言葉を聞いたリィンは不思議そうな表情をし

「詳しい説明は今は省きますが”騎神”は数体存在し………”灰の騎神”もその一体です。今から”灰の騎神”を召喚しておきますので、戦になればその名を呼んで下さい――――”灰の騎神”ヴァリマールと。きっと”灰の騎神”自体も”契約者”の資格がある”起動者(ライザー)”が側にいれば呼びかけて来ると思います。」

「……………わかりました。おかげで自分の事が少しだけわかりました。」

「お役に立てたのなら幸いです。――――それではご武運を。」

そしてエイドスは通信を切った。

「兄様……………」

エイドスとの通信が終わるとエリゼは心配そうな表情でリィンを見つめた。

「………大丈夫だ。例え俺が何者であろうとエリゼや父さん達の家族である事は違いない……―――そうだろう?」

「……はい!それに例え兄様が何者であろうと愛し続けます……!」

そして静かな笑みを浮かべて自分を見つめて言ったリィンにエリゼは頷いて微笑んだ。

「ハハ………」

「リィンとエリゼ、ラブラブだね♪」

「こんな所でイチャつくんじゃねえ!!」

その様子を見ていたロイドは苦笑し、キーアは無邪気な笑顔を浮かべ、ランディは悔しそうな表情で二人を睨み

「ほう?いつの間にそんな関係になるとは………やるじゃないか。」

ヴァイスは感心した。その後ロイド達はエレベーターに乗って屋上に向かい始めた……………

 

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今回の話で気付いたと思いますが、閃をやった人ならわかると思いますがまさかの展開が待っています!なのでアイオーン戦はとんでもない事になるのは確実かと。フハハハハハハハ!え?”試練”も超えていないのにいいのかって?エイドスがいるから何でもありでいいんじゃないですかww後、この小説の18禁版を試しに作ってアルカディアとハーメルンの18禁の所に投稿しました。よければ見て行って下さい。…………感想お待ちしております

説明
第854話
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コメント
感想ありがとうございます 本郷 刃様 ついにご期待の”彼”が来ますww Kyogo2012様 ホントもうすぐ決戦だってのに何をやってんでしょうねえ!?(sorano)
リィィィィィィィィンーーーーーーーーー。最上階に着くまで正座していればいい。ヴァイスはヴァイスで、なんか感覚が狂ってきてるのか?そこは感心するところじゃないから!!!!!!!(Kyogo2012)
おぉ、ヴァリマールがくるんですか、それは楽しみですね! そしてヴァイス、そこは感心するところじゃない!(本郷 刃)
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