英雄伝説〜光と闇の軌跡〜 860 |
〜オルキスタワー・屋上〜
「!!」
「…………っ…………………」
「ひ、酷い……………」
「殺すにしてもエゲツなさすぎだろ…………!」
「………………………」
無惨な姿となったノバルティスの死体を見たロイドは目を見開いて息を呑み、ティオは辛そうな表情で目を瞑り、エリィは悲痛そうな表情をし、ランディは厳しい表情をし、キーアは辛そうな表情で黙り込み
「う……………」
「エリゼ、見るな!!」
吐き気を感じ、表情を青褪めさせたエリゼに気付いたリィンはエリゼを自分の胸の中へと抱きしめた。
「うふふ………さすがに”こんなの”があったら、みんな気持ち悪くなるからさっさと焼却した方がいいわね♪――――メルカーナの轟炎!!」
ロイド達の様子を見たレンは口元に笑みを浮かべて言った後魔術でノバルティスの死体を焼き尽くした。
「さてと。こっちも始めるか。」
「フン、そうだな。」
その時それぞれの剣を鞘から抜いたヴァイスとギュランドロスはディーターに近づき
「ま、まさか君達は本当にこの私を…………!き、君達は警察と警備隊だろうが!?そんな事をして許されると思っているのか!?」
近づいてきた二人を見たディーターは信じられない表情をした後怒鳴り
「違うな。俺達は”王”だ。」
「”王”の裁きは合法だぜぇ?」
ヴァイスとギュランドロスはそれぞれ不敵な笑みを浮かべて答え
「!!局長!司令!」
「「……………っ………」」
「………………………」
「や、やめて下さい…………!おじさまもベル達に騙された被害者なんですよ!?」
その時ロイドは声を上げ、キーアとティオは目を瞑って黙り込み、ランディは目を伏せ、エリィは悲痛そうな表情で叫んだ。
「例え騙されたとしても今回の件を実行したのはこの男の上”D∴G教団”の黒幕の一人でもある……………この男には被害を受けた者達の為にも責任を取らせる必要がある。―――――この男自身の命と引き換えにな。」
「テメェのくだらねぇ野望のせいで死んで行った警備隊員や市民達、”D∴G教団”の贄となったガキ共にあの世で詫びなあっ!!」
そしてヴァイスとギュランドロスは剣を突きの構えにし
「や、やめ―――――」
ディーターは後ずさりながら叫びかけたその時
「「暗君ディーター……覚悟っ!!」」
ヴァイスとギュランドロスはそれぞれの剣でディーターの身体を貫いた!
「ガアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア――――――――ッ!?」
二人の剣によって身体を貫かれ、貫かれた場所から大量の血を流し続けるディーターは悲鳴を上げ
「おじさま――――――――ッ!」
エリィは涙を流して叫び
「―――――”D∴G教団”の糧となって死んで行った子供達にあの世で謝り、”煉獄”の炎に焼かれながら永遠に彷徨い、もがき苦しみ続けなさい!!」
レンは大鎌を振り下ろしてディーターの首を刈り取って、ディーターを絶命させた!
〜東通り〜
一方その頃キリカはタングラム門に向かう為に東出口に向かって走っていた。
「まさか”あんなもの”まであるなんて、想定外よ…………!大統領達に速く知らせないと…………!」
東通りを走っているキリカは厳しい表情で呟いた。するとその時
「―――――そうはさせませんよ。」
なんと東出口方面から漆黒の軍服を身につけた武器を構えたエルミナが道を塞ぐかのように現れた!
「!!”六銃士”―――――――――”鋼鉄の剣姫”!今は貴女に構っている暇はないわ!!」
エルミナを見たキリカは厳しい表情をした後攻撃を仕掛けたが
「おっと!エル姉には手を出させないよ〜。」
エルミナの背後から跳躍してきた漆黒の軍服を身につけたパティルナがキリカの攻撃を防ぎ
「!!”暴風の戦姫”!こんな時に限って…………!」
攻撃を防がれたキリカは二人から距離を取って偃月輪を構えたが
「―――”将”である私達がたった2人でこんな所にいる訳がないでしょう。」
「!?」
呆れた表情で言ったエルミナの言葉を聞いて目を見開いた。”アハツェン”や地上型魔導装甲――――”パフォス”と”グロウ=ロウ”、そして”アシュラクナーナ”が数体ずつと警備隊員達がキリカを包囲した!
「な……………!?まさかこれらも全てメンフィルから譲渡された……!?」
それを見たキリカは信じられない表情をし
「ええ。―――――オルキスタワー攻略を手伝った事に免じて命は助けてあげましょう。大人しく降伏するなら痛い目には合わせませんよ。」
エルミナは静かな表情で頷いた後キリカを見つめて言った。
「…………………………………わかったわ……………………」
エルミナの言葉を聞いたキリカは悔しそうな表情をして唇を噛みしめた後、偃月輪を地面に落として両手を上げた。
「――――拘束しなさい。ただし、手荒に扱ってはいけません。」
「イエス・マム!!」
そしてエルミナの指示に答えた警備隊員達はキリカを拘束し
「その女はオルキスタワーの適当な一室にでも閉じ込めておきな。一応オルキスタワー攻略を”個人的”に手伝った”協力者”でもあるからね。」
「ハッ!!」
さらにパティルナの指示に答えた警備隊員達は拘束したキリカをアハツェンの中へと閉じ込め、オルキスタワーへ向かい
「パティ、私達もギュランドロス様達の元に行きますよ。」
「オッケー。フフ、ここから最高の展開だね♪」
その様子を見守ったエルミナとパティルナは”帰還の耳飾り”を使ってオルキスタワーの正面玄関へと転移し、エレベーターで屋上に向かって行った。
〜西クロスベル街道〜
「チッ…………!さすがにあれは予想外すぎんだろ!?」
同じ頃レクターはベルガード門に向かって街道を走っていた。すると行く先を防ぐかのように漆黒の軍服を身につけたルイーネが細剣を構えていた。
「!!…………おやおや………どうしてこんな所に貴女のような美しいお嬢さんがいるのかな〜?一人でいたら恐い獣に喰われてしまうぜ〜?」
ルイーネを見たレクターは目を見開いた後、いつものようなチャラけた様子でルイーネに声をかけ
「あらあらまぁまぁ♪お嬢さんだなんて♪もうそんな歳じゃないけど、こうして言われてみると嬉しいわね♪所でその恐い獣さんってどこにいるのかしらね?」
声をかけられたルイーネは微笑みながら答えた後尋ね
「フッ………それは俺様だぜっ!!」
尋ねられたレクターは剣を構えてルイーネに強襲した!しかし!
「あらあら。人間の皮を被った獣さんがいるなんて、ビックリね♪」
「ガッ……………!?ゴホッ!!」
自分の攻撃を紙一重で交わして、細剣で喉を貫いたルイーネの攻撃によって呻いた後口から大量の血を吐き出した!
「フフ、それじゃあね♪”結社”の”第四柱”さん♪」
「!?なんで、それを―――――」
そして細剣を喉から抜いて斬撃の構えをしたルイーネの言葉を聞いたレクターが信じられない表情をしたその時、ルイーネは細剣による斬撃でレクターの首を刈り取って、レクターを絶命させた!
「フフ、まさかお仲間さんが裏切っているとは夢にも思わなかったでしょうね♪さてと―――せめてお魚さんの餌にでもなっちゃいなさい♪」
レクターの死体を見つめて微笑みながら言ったルイーネは刈り取ったレクターの頭と身体を川に投げ捨て、投げ捨てられたレクターの遺体や首は川の流れによってどこかへと流れて行き
「フフ、すぐに参りますね、ギュランドロス様♪」
”帰還の耳飾り”を使ってオルキスタワーの正面玄関へと転移し、エレベーターで屋上に向かって行った。
こうして……………暗君ディーター、結社の”蛇の使徒”達はそれぞれ”六銃士”やメンフィルの手によってあっけない最後を遂げた………………!
ついにディーター死亡です!!フハハハハハハハ!後はまさかのレクターも死亡しましたwwなお、レクターが”蛇の使徒”だというのはこの小説のオリジナルですので原作で第4柱の正体が分かった時違うじゃねえか!?という批判は止めて下さいね。まあ、一説によればレクターが蛇の使徒の一人だという説もありますからその可能性も十分ありえそうですよね…………感想お待ちしております
説明 | ||
第860話 | ||
総閲覧数 | 閲覧ユーザー | 支援 |
1388 | 1286 | 2 |
コメント | ||
K'様 満足いただけて何よりですw(sorano) このシーン、古き支配者を新しき王が直接仕留めるという古典的なシークエンスがシリーズ中最も世界観が現代の世界に近いクロスベル(社長曰く香港などがモデルの1つ)で炸裂するという歪さがたまらなく好きです。(K') 感想ありがとうございます 本郷 刃様&Kyogo2012様 ルイーネ……恐ろしすぎです(ガタブル)…………グアアアアアアッ!?ルイーネ『あらあらまぁまぁ♪』(sorano) ルイーネ(ガタガタブルブル。微笑が一番コワッ・・・・・・・・。ギャァァァァァァァ。ルイーネ「クスクス」(Kyogo2012) やはりルイーネの微笑みが一番怖かった・・・(ガクガクブルブル)(本郷 刃) |
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