第一章「閃の軌跡の世界へ」 |
知憲「何とか転生出来たか?」
辺りを見回すと、自動車や電車が走っていた。しかし、形を見る限り閃の軌跡の世界へ来たみたいだな。
知憲「取り合えず無事にたどり着いたな。」
これからどうしようかと思った時、道端で倒れている女性を発見した。
知憲「これってもしかして・・・サラじゃね?」
倒れていたのは、サラ・バレスタインであった。
知憲「おい!?大丈夫か?しっかりしろ!!」
慌てて駆け寄り、呼び掛ける。すると、何処からともなく・・・
グ〜!!
知憲「・・・へ?」
サラ「お・・・お腹が・・・空いた。」
そう言えば、今現在サラは無職だったな。日にちから見て、トールズに入る1年前ってとこか?
知憲「腹へってんのか?家に帰ったら、何か食わせてやるから我慢しろ。」
相変わらず、腹の虫を鳴らすサラを担ぎなが、今住んでる自分の部屋に連れて帰った。
知憲「すぐ作るから、少しだけ待ってな!!」
サラ「お腹すいた〜・・・」
俺は急いで料理に取り掛かった。手っ取り早く丼にした。
知憲「出来たぞ!!ニンニクを少し聞かせた親子丼だ。」
サラ「いただきます!!!!ハグハグモグモグ・・・お、美味しい〜!!なにこの料理!!今まで食べたので一番美味しいわ!!」
知憲「はは、そりゃどうも。所でお前さん、名前は?」
知っているが、あえて聞く。そうしなければ怪しまれるからだ。
サラ「サラ・・・サラ・バレスタインよ。危うく野垂れ死にする所だったわ。改めてお礼を言わせてほしい。」
知憲「気にするな。俺の名は知憲・・・じゃなくて、トモアキ・スプリングだ。ここで食道をしながら暮らしている。」
適当に名前をつけた。因みに、スプリングはネギまのスプリングフィールドを借りた。
サラ「随分と奥地に住んでるんですね?」
トモアキ「まぁな。お前さん、ギルドが潰れてしばらく文無しみたいだな。だから、腹を空かせて倒れてたのか。」
サラ「お恥ずかしながら。」
トモアキ「行くとこもないなら、暫くここで暮らしてみるか?」
サラ「いいんですか!?」
トモアキ「あぁ、丁度人手が足りなくてな。」
サラ「お願いします。」
知憲「こちらこそ。」ナデナデ
そういいながら、俺はサラの頭を撫でた。すると、お客がやって来た。
客「トモさん、店はもうやってるかい?」
知憲「いらっしゃい!!そうだな、ボチボチ開けるつもりだったし、もういいぞ?」
客「あんがと。お〜いお前ら、もう店やってるってよ!!」
そして次々に客がやって来て、あっという間に店は満席になった。小さい店だからすぐに一杯になる。
知憲「そんじゃサラさん。悪いけど、注文を取ってきてくれるかな?それくらいなら出来るだろ?」
サラ「わかりました。後、サラでいいですよ。トモアキさんの方が歳上でしょ?」
知憲「まあな。」
こうして店を捌いていると、扉が突然開いた。
??「失礼する。貴様がこの店の主か?」
知憲「またか。何度来てもここは譲らないって。せめて他に店が出せる場所をそちらが用意するまではな。」
店に来たのは、貴族所属の騎兵隊だ。以前からここに線路を引くから立ち退けと上から目線で言ってくる。しかも、立ち退けと言うだけで、保証もなにもない。だから、せめて別の場所を提供しろと言ってある。
騎兵隊長「悪いが、今度ばかりはそうもいかない。これを見ろ。」
1枚の紙を俺に手渡す。そこにはこう書かれていた。
『トモアキ・スプリング殿。これ以上我々の言葉を無視するなら、こちらも実力行使にださせてもらう。』
知憲「これは?」
隊長「分かるであろう?帝国からの書状だ。」
知憲「なるほど・・・つまりそれがあるから、強引に撤去しても問題ないと。」
隊長「そういうことだ。」
サラ「そんな・・・帝国は遊撃士を解体して、その上に市民の権利まで!!」
隊長「市民?こいつがか?バカを言え。こいつは一般市民ではない。聞いたことはないか?あの伝説を。」
サラ「聞いたことは当然あるわ。戦争が起きたときに現れた一人の男。武器も持たずに戦場に現れて貴族派と革新派の両軍を壊滅に追いやった男。しかもその男はそれだけではなく、不思議な道具まで出した。それで傷付いた兵士達を治療した。その名は・・・」
隊長「本名かは知らないが、あっているだろう?千の道具使い。または、破壊の龍騎士。」
サラ「!?まさか・・・」
知憲「・・・そこまで調べたか。なら、覚悟は出来てるだろな?」
隊長「ぬかせ!!捕らえよ!!!!」
知憲「悪いなサラ。お前さんとはここでお別れだ。数ヶ月もすれば、また会えるさ。」
サラ「そんな!?折角・・・折角トモアキさんと仲良くなったのに!!!!」
知憲「悪い!!どこでもドア!!」
ドラえもんの秘密道具のどこでもドア。そこにサラを入れる。
知憲「じゃあな。また会おうぜ。」
俺は扉を閉めて、ポーチにしまう。その時にサラの声が聞こえたが、気にしてる暇はなかった。
知憲「さて、そんじゃいくぞ!!!!」
油に引火していた火が、店に燃え移り辺りは炎で包まれていた。そして、銃声音だけが響き渡った。
年歴1204
サラ「いよいよ新学期ね。トールズ士官学院に来てもう1年か。」
私は、3年前に起きた事件から無事に脱出し、途方にくれていた時に、ここの学園長に声をかけられ、ここに就職した。
サラ「さてと、今年から新しいクラスが出来たし、一体どんな子達がやって来るのやら。後であの店にご飯食べに行こ♪」
私がここに来たと同時期に出来た店。3年前のトモアキさんがやっていた店に、凄く雰囲気が似ててそれ以来の常連客。あの人は一体今何をしてるのかな?
サラ「ボチボチ入学式も始まるし、私も行きますか。」
私は、急いで講堂に向かった。
知憲side
知憲「サラの奴、真面目に教官やってるみたいだな。」
俺は、サラには内緒でここトリスタにやって来ていた。あの事件以来、色々な所を転々と回り、ここの理事長だったオリヴァルト皇子に紹介してもらった。ま、本人はオリヴァルトで良いって言ってくれたしな。そして、学園長であるヴァンダイク学園長にこの場所を紹介してもらった。因みに、俺の正体を知ってるのは、オリヴァルトだけだ。後の連中には黙ってて貰うように頼んだ。今現在俺の名前は、偽名のヴァイツェンだ。これは、オリヴァルトと妹のアルフィン皇女が付けてくれた。『一応、分かりやすいように、名前の部分は、知憲で通します。』
知憲「さて、今日の仕込みに取り掛かりますか。」
こうして、俺は今日の仕込みに取り掛かった。そしてあっという間に夕方。
サラside「はい、皆お疲れ様。」
リィン「お疲れ様じゃないですよ。」
アリサ「そうですよ!!いきなりあんな所に落として!!」
サラ「いや〜ゴメンね。でも、これもZ組の大事なカリキュラムなのよ。」
マキアス「だからと言って・・・」
マーシス「いくらなんでもやりすぎだ。」
サラ「ゴメンってば。代わりに今夜は、晩御飯奢ったげるから。ね♪」
ガイアス「ほう、教官自らですか。」
エマ「で、でもいいんでしょうか?」
ラウラ「ふむ、本人がいいと言ってるならよかろう。」
フィー「サラ、もしかしてあそこ?」
サラ「そうよ♪って言っても、学園長が奢ってやれって言ってお金渡してくれたんだけどね。」
一同「・・・・・・」
サラ「んじゃ、行きましょか♪」
私はZ組の皆を連れて、何時もの店に向かった。
サラ「今晩は〜!!マスターもうやってる?」
知憲side
サラ「今晩は〜!!マスターもうやってる?」
知憲「サラか。もう店は開いてるぞ。ん?もしかして、コイツらが学園長が言っていた・・・」
サラ「ふふ〜ん。そうよ、新しいクラスのメンバーよ。」
知憲「なるほど・・・よく来たなZ組の諸君。俺はここで店をやっているヴァイツェンだ。」
一同「宜しくお願いします。」
サラ「マスターは、学園長とも仲がよくてね。それに、色々と相談も受けてくれるし、気軽に相談しなさい。」
知憲「ま、メインは食事場所だがな。学生のお前達でも気軽に来れるリーズナブルな値でやってるさ。」
サラ「さて、挨拶はこの辺にして。皆好きなもの頼みなさい。マスター!!私はいつものね♪」
知憲「あいよ。それにしても珍しいな。お前が奢るなんて。」
サラ「えへへ♪実は学園長からお金出してもらっててね。」
知憲「だと思った。お前が奢るわけないもんな。あったらそれは、貴族派と革新派が仲直りするより珍しい。」
サラ「あははは。」
一同「・・・・・・」
リィン達は苦笑いをしながら、席につき注文した。出てくる料理はどれも美味しくて、皆それぞれ感想を言った。
リィン「ヴァイツェンさん、とても美味しい料理でした。」
エリオット「ホント、どれも美味しかったです。」
アリサ「凄いわね。もしかすると、シャロンと同等・・・いえ、それ以上かも」ブツブツ
ラウラ「素晴らしいなマスター。」
ガイアス「ふむ、これは中々。」
マキアス「凄いですね・・・」
ユーシス「ふん・・・ウチの料理人より上だな。」
ユマ「本当に、どれも美味しいお料理ですね。」
フィー「流石だね。」
サラ「でしょ?アタシもだけど、マスターの料理はここら辺じゃ誰もが認めてるのよ。」
知憲「なんでお前が威張る?」
一同「アハハハハ。」
こうして騒がしかった入学式を終えたリィン達は、寮に帰っていった。それから暫くして・・・
カランカラン
知憲「いらっしゃい。」
??「まだやってるかい?」
知憲「もう店じまいだが、アンタなら別だ。少し待ってな、店の看板変えてっくっから。」
俺は表の看板をopenからcloseにひっくり返した。
知憲「さてと・・・で、まずはなんにする?」
??「そうだね・・・この焼き鳥と言うのを貰おう。」
知憲「へ〜、お前さんにしちゃ、常識わかってんじゃん。」
??「君に散々教えてもらったからね。店に入ればビールに枝豆。無ければ焼き鳥ってね。」
知憲「そう言えばそうだったな。」
??「全く、初めてだよ。僕にこんなに説教した人物は。」
知憲「後にも先にも、庶民なら俺だけだろうな。オリヴァルト皇子?」
オリヴァルト「あはは、そうだね。」
知憲「ほらあがったよ。で、一体なんの様だい?」
オリヴァルト「早速突っ掛かるね。ま、その為にワザワザこの時間帯に来たんだけどね。」
知憲「そらそうだろ?元理事長であるお前が、会議でもないのにここに来るはずないからな。」
オリヴァルト「ご名答♪実はね、Z組の監視を頼みたい。正確に言えば、危なくなったら助けてあげてほしい。」
知憲「なんで俺なんだ?サラ一人でも大丈夫だろ?特別実習くらい。」
オリヴァルト「特別実習だけならね。実は最近掴んだ話で、テロリストがあらわれているんだ。まだ、独自のルートでの報告だから、世間は知らないがね。」
知憲「独自のルートって、どうせアイツに聞いたんだろ?」
オリヴァルト「バレバレか。」
知憲「しかし、帝国相手になった場合が面倒だな。アイツもいるし。」
オリヴァルト「クレア憲兵大尉。またの名を【氷の乙女】か。彼女は君が2年前に助けたんだったよね。」
知憲「あぁ、それ以来しつこいくらいに迫ってきてな。今はこうしてるからいいが、敵対しても俺だけ拉致られそうだ。」
オリヴァルト「ま〜、それは何とかしよう。それで、なんだか嫌な予感がするから、何かあったときの保険にしたくてね。千の道具使い、または破壊の龍騎士?」
知憲「ふ〜・・・仕方ない。けど、影で動くってのは慣れないんだよな。」
おいおい、道具で石ころ帽子があるだろ?
オリヴァルト「それに関しても大丈夫。特別実習の時に特例として、どちらかの班についていってもらう段取りを済ませてある。」
知憲「相変わらず準備がいいな。なら、学園長から時期に連絡があるか。」
オリヴァルト「あぁ、なので頼むよ。それじゃ、代金はここに置いとくね。」
オリヴァルトは、カウンターに代金の入った袋を置き店を去った。
知憲「・・・相変わらず貴族の金銭感覚はおかしい。」
袋のなかを見て呟く。軽く二十万ミラは入っている。
知憲「ま〜アイツのおかげで貯金は出来てるしいいか。」
店の明かりを消して寝室に向かい眠りについたのだった。
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