真・リリカルなのは 第十一章 機動六課設立編 第四十四話 暗躍のクアットロ |
真っ暗な部屋で語る2つの影
それは、六課の宿敵スカリエッティと その助手のウーノであった
ウーノ「ドクター、例の少女が六課に保護されました」
スカリエッティ「そうか、六課なら良かったよ」
ウーノ「良かった? 手に入らなかったのにですか?」
大いなる野望の為に必要な者が手に入らなかったといううのに、何故 良かったのか?
ウーノは、それがわからないでいた
スカリエッティ「ああ、六課なら安全だよ。奴らの手駒である一課よりはね」
ウーノ「なるほど、確かにそうですね」
スカリエッティの言いたい事を察した ウーノ
一課は既に最高評議会の駒であるようだ
スカリエッティ「それにしても彼には助けられてしまったね」
ウーノ「そうですね」
彼とはカイトの事である
カイトがディエチの砲撃を防いでいなければ、ヴィヴィオは死んでいただろう
そうなってしまっては、今までの苦労が水の泡である
ウーノ「やはり、クアットロは危険です。あの子は処分すべきです」
ウーノは明らかにクアットロを警戒していた
あの者はスカリエッティの野望を邪魔する者だと
スカリエッティ「クククク、まぁ別にいいじゃないか。娘は多少ワンパクの方が可愛いさ」
ウーノ「しかし…………」
スカリエッティ「私によく似ているよ、あの子は……………それに、クアットロに野望を阻止されたならば、私もその程度の男だった…………それだけさ」
ウーノ「…………………………」
それ以上ウーノは何も言わなかった
スカリエッティ「それよりも、今はレリックだ。1つや2つじゃ足りない……………もっと多くのレリックが必要だ」
ウーノ「ドクター、レリックで一体何を為そうというのです?」
スカリエッティ「レリックで擬似のリンカーコアを創るのさ」
ウーノ「リンカーコアを?」
スカリエッティ「ああ、アレもエネルギーの結晶体。そのエネルギーを使えば、魔力とは若干 異なるが、それでも近いものが創れる…………………まぁ私 以外は不可能だろうが」
ウーノ「リンカーコアが今更 必要なのですか?」
スカリエッティ「必要だね、私の計画の為には」
ウーノ「そうですか………………」
スカリエッティ「さて、お喋りもここまでにしよう。最終決戦に向けて、戦力強化の必要がある……………他の戦闘機人にも経験を積ませねばね」
クアットロ「ならば私に考えがありますよ〜」
暗い部屋にクアットロが入って来る
ウーノは彼女を睨んでいるが、クアットロは気にしていない様子
スカリエッティ「考えとは何だい?」
クアットロ「私にトーレ姉さまとチンクちゃんを貸してください。2人に経験を積まし、且つレリックを手に入れてみせますよ〜」
スカリエッティ「ククク、そうかい…………なら、お願いしようかな」
クアットロ「はい、楽しみに待っていてください」
クアットロは部屋から出ていく
ウーノ「ドクター、よろしいので?」
スカリエッティ「ククククク、クアットロがどのように動くか、興味があってね」
どのようにして、私を裏切るのかな?
それとも、ただの思い過ごしかな?
楽しみだよ クアットロ…………君の行動がね
クアットロの独断に近い行動も、スカリエッティの前では興味を引く程度の事柄である
彼に脅威は存在しないのかもしれない
〜六課視点〜
リイン「はやてちゃん! ガジェットですぅ〜」
はやて「カイト君とフェイトちゃんが居らん時にか………………しゃあないか」
カイトとフェイトは、それぞれ別任務の為、六課に居ないのだ
はやて「ライトニングはシグナムが、セイヴァーはルナちゃんがそれぞれ率いてや!」
シグナム「お任せ下さい」
ルナ「ええ、大丈夫よ」
はやて「良し、ほんなら頼むわ!!!」
なのは達は出撃する
クラナガンから少し離れた場所で、ガジェットが到来したのだ
急いでガジェット殲滅の為に動くが…………………
?A「待て! ここから先は通さん!!!」
?B「悪いが止まってもらおうか」
六課の前に2人の女性が立ちはだかった
Aの方は短髪で、紫に近い青い色の髪である
Bの方は背が低く、髪は長めで銀髪。さらに眼帯をしているのが特徴である
ヴィータ「何者だ!!! テメェら!!!!」
?B「これは失礼したな、名乗っておく……………ドクタースカリエッティに仕える戦闘機人の1人、チンクだ」
?A「同じく トーレ」
シグナム「音に聞く戦闘機人か!!」
レヴァンティンを構える シグナム
スバル「!!!!!」
そして、一瞬だが戸惑う スバル
チンク「そう言う事だな」
ルナ「この騒動、あなた達が原因ね?」
なのは「取り合えず、捕まえさせてもらうよ!!」
シグナム「待て! 高町!」
2人に挑もうとした なのはだが、シグナムに止められる
なのは「え? どうかしたの? シグナム」
シグナム「こいつらの相手は私とヴィータがする」
なのは「でも…………」
シグナム「ガジェット殲滅は、お前の得意分野だろう? 適材適所と言った所だ」
ルナ「なのはさん、シグナムさんの言う通りだわ。今は1分1秒が惜しい」
なのは「わかった………任せます! シグナム!」
なのはとルナ、フォアード達はガジェットが暴れている方へと向かう
トーレ「シグナムと言ったな? お前の相手は私が勤めよう」
チンク「なら、子どもの方は私が」
ヴィータ「テ、テメェ!!! アタシはガキじゃねぇ!! テメェも小せぇくせに生意気だぞ!!!!」
チンク「む? 機嫌を害したか? すまん」
素直に謝る チンク
シグナム「奴の方が大人だな ヴィータ」
ヴィータ「クッ ブッ飛ばす!!!!!!」
ヴィータは、チンクに向かって飛んでいく
シグナム「やれやれ………………」
ヴィータに呆れながらも、レヴァンティンを構え、トーレから目を離さない シグナム
トーレ「では行くぞ!!!」
シグナム「来い!!!」
トーレの武器は、手足に生えた羽根であり、インパルスブレードという
トーレ「はぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!」
シグナム「早い!!」
テスタロッサと対等か?
ガキィィィン
トーレの速さに驚きながらも、その攻撃を悉く弾く シグナム
トーレ「やるな、スピード自慢と戦ったことがあるのか?」
シグナム「まぁな………速さだけで勝てると思うなよ?」
トーレ「フン、言ってくれる…………ならば見せてやるぞ!!! 私の力を!!!」
シグナム「貴様の全力を打ち破り…………そして勝つ!!!」
〜ヴィータVSチンク〜
チンク「食らえ!!!!」
チンクの武器は、スティンガーという投げナイフである
ヴィータ「効くかよ!!!」
アイゼン【シュワルベフリーゲン!!!】
チンクの投げるナイフを悉く、小さな鉄球で弾き飛ばす ヴィータ
チンク(戦い慣れているな……………)
ヴィータ(ヘッ まさかアイツとの戦いが此処で役立つとはな)
奴とは、嘗て すずかを攫った組織 インフェルノの1人である アセムの事だ
彼もまた、ナイフを投げる戦い方であり、激闘の末、ヴィータが勝った
この経験のお陰か、ヴィータはかなり優位に戦えている
ヴィータ(このまま押し切る!!)
チンク(このままでは不利か……………ならば!!!)
再びチンクはナイフを投げる
ヴィータ「効かねぇつってんだろ!!!!!」
ヴィータはアイゼンを振り回し、ナイフを弾く…………………その瞬間
チンク「IS発動!!!! ランブルデトネイター!!!!!」
チンクをそう叫ぶと、
ヴィータ「IS? 何だ? それ!?」
チンクの投げたナイフが大爆発を起こす
ほぼゼロ距離の爆発の為、躱すことなど出来なかった
チンク「やったか?」
煙が晴れると、全身 血まみれのヴィータが立っていた
ヴィータ「痛ってぇな……………」
チンク「アレを食らって死なないのか? 大したものだな」
純粋にヴィータを褒め称える チンク
ヴィータ「テメェ………今のはレアスキルか?」
チンク「いや、違う。言っただろう? ISだと」
ヴィータ「IS?」
聞き慣れない単語に聞き返す ヴィータ
チンク「インヒューレントスキルの略だ。私たち戦闘機人 固有の力と言っておこうか」
ヴィータ「畜生……………油断しちまったぜ」
かなりの大怪我である
最早ヴィータは戦えないだろう
チンク「さて、悪いが命を貰おう」
ヴィータ「へっ もう勝った気で居るのか? 舐めんなよ?」
しかし、それでもアイゼンを構える ヴィータ
チンク「油断はしないさ………………最後までな」
ヴィータの危機!!
この小説での戦闘機人達は地味に強いです
まぁでも隊長格にはリミッターという枷があるからですけど………
ここから戦闘機人達の激戦となって行きます
六課襲撃までは、まだ大分先です
説明 | ||
遂に戦闘機人達が本格的に動き始める | ||
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