一刀の晋王転生録 最終章七話 |
姓:司馬 名:昭 性別:男
字:子上
真名:一刀(カズト)
北郷一刀が転生した者。
姓:司馬 名:懿 性別:女
字:仲達
真名:理鎖(リサ)
一刀と瑠理の偉大なる母。第三章で死亡した。
姓:司馬 名:師 性別:女
字:子元
真名:瑠理(ルリ)
母を目標にする一刀の姉。一刀を異性として愛す。
姓:張 名:春華 性別:男
真名:解刀(カイト)
一刀と瑠理の父にして、一刀の師。第四章前編で死亡した。
姓:王 名:元姫 性別:女
真名:美華(ミカ)
一刀に異常なまでに執着する一刀の妻。
姓:ケ 名:艾 性別:女
字:士載
真名:江里香(エリカ)
後の司馬家軍の宿将。司馬家に対して恩を感じている。
姓:賈 名:充 性別:女
字:公閭
真名:闇那(アンナ)
司馬家の隠密。一刀のために働くことを生きがいとする。
姓:王 名:濬 性別:女
字:士治
真名:澪羅(レイラ)
後の司馬家の水軍の将。一刀を気に入り、司馬家のために戦う。
姓:司馬 名:望 性別:女
字:子初
真名:理奈(リナ)
一刀達親戚で、一刀と瑠理とっては義姉という立場。
姓:杜 名:預 性別:女
字:元凱
真名:綺羅(キラ)
一刀とは同期。親同士の仲は良くないが、当人達の仲は良い。
第七話
「鐘会の暗躍 司馬家の反乱編」
「黄巾の乱が、本を手に入れる為だって?」
「はい、そうですよ」
本一つにあそこまでの乱を起こした事に一刀は驚きを隠せない。
(だが、それは十常侍達にすれば失敗に見える。奴等がそれで納得するわけが無い……待てよ!?)
一刀は思考にある可能性が浮かび上がる。
「まさか、あの時司馬家に帝殺害の疑いが掛かったのは!? そして、あの白装束の正体は!?」
「流石に分かりますか。そうです」
鐘会はニヤっとした笑みを浮かべる。
「全ては、私がした事ですよ」
「鐘会! 失敗したぞ! おかげで司馬昭を降格させることしか出来なかったがどうするつもりだ!」
黄巾の乱が終わった後、鐘会が張譲の前に現れると、直後に張譲は彼を責める。
「まぁ、落ち着いてください。あの策はあくまで自然な流れで司馬家を排除出来そうな手段で選んだ結果です。少し強引ですが、彼等
を始末する策はありますよ。選ばれし者である貴方の力があればね」
「むむむ……聞こうではないか」
「帝を殺し、司馬家を、帝殺害の容疑を掛けるのです」
鐘会は説明する。司馬家に敵愾心を抱いている何進と何皇后を唆し、帝を殺害する。その後、彼等に帝の死亡を司馬家の陰謀による
殺害であると主張してもらう。帝が無くなった後は、長男である劉辯が引き継ぐことになるであろう。そうなると何進と何皇后の発言
権はかなり高い事になる。例え疑われるとしても、二人に逆らう事は簡単では無い。それを利用するのだ。
「では、どのような理由で奴等を唆す? 今、二人には我等と共謀して帝を殺す理由が無い」
張譲の言う事は尤もだ。そのような事が公けになれば劉辯が帝位に就くことが危うくなるからだ。むしろそのような事をせず、帝が
死ぬのを待って、正常な流れで劉辯を帝位に就かせたほうが危険は無い。
「では、帝が劉協に帝位を譲るつもりだと言えば?」
「!? くくく、成程。それならば奴等は協力せざる得まい。劉辯が帝位に就くことが奴等の望みなのだから」
「さらにそうですね……司馬家と帝は仲が良い。世継ぎについての相談もしている可能性はありましょう。その相談で、敵対関係であ
る何進や何皇后を自由にさせまいと、帝に劉協に帝位に付かせるよう主張しているとでも言えば」
「奴等は焦るであろうな。それこそ我等と協力してでも司馬家を始末することしか考えられなくなるな。分かった、ではそうしようで
は無いか」
その後、張譲は鐘会の策どうり、何進、何皇后を唆し、帝を殺害。そして司馬家の人間の殺害は出来ず洛陽から追い出すという形に
なったが、張譲達は司馬家を排除するという長年の願いが叶った事で満足した。鐘会もこれで彼等が死ぬとは思えなかったので特に焦
る事はなかった。
それから十常侍達の悪政は始まるが、これも彼の予想どうりだ。そしてそれが原因で何進達と十常侍達が対立する事も。
何進は董卓軍を呼び寄せ、十常侍達の抹殺を企み、十常侍達は危機に陥るが、そこでさらに鐘会は張譲達に一計を授ける。それが、
影武者を立て、その後、隙をついて月を捉え人質にする事だ。
詠が十常侍達の影武者を見破れなかったのは、これが十常侍達の策では無く、鐘会の策だからだ。認識していない人物の策を見破れ
と言われても出来る人間はほぼ皆無であろう。
影武者を間に合わせたのは張譲と他二人だけであったが、それでも策は成功した。そして十常侍達は自分達を死んだことにし、董卓
軍に新しく加わった配下という形にした。これも鐘会の策である。
こうして、董卓軍は十常侍達によって悪政を強いられ、連合を組まれるという地獄の日々が始まったのだ。
そして鐘会は反董卓連合の戦いである細工するために潜伏を始める。
いずれ鐘会は董卓軍が敷く悪政から民を救う、そして新たな帝を救うという大儀で十常侍を始末するつもりだった。その為、連合軍
には、董卓軍の戦力を削ぐ分では良いのだが、勝ってもらうと都合が悪かった。
この時、連合は仲間割れもあって、董卓軍に勝つのは微妙と言ったところだった。しかし確立は零では無かった為、予定どうりに麗
羽の近くに玉璽を配置。そしてそれを見つけた彼女は、もはや連合の勝利などどうでも良くなり、撤収。そして連合は解散となった。
そう、これが麗羽が玉璽を手に入れた経緯である。
鐘会はこれにより彼女が新たな皇帝を名乗る事は分かっていた。だがこれはこれで言いのだ。何故ならその後に彼女を討てば己の権
勢はさらに上がることは間違いなしだ。つまり玉璽はこのための布石とも言えたのだ。
これで後は董卓軍の隙を突いて、洛陽を我が物とするだけだった。ところが、その計画は突如潰れる事となった。
十常侍達のあまりの迂闊さが原因で、洛陽を手に入れる策が司馬家によってほぼ取って代わってしまったのだ。
(無能共が! 彼等を使ったのは間違いでしたね!)
鐘会は憤怒しながらも、己の姿を隠すための白装束を着て、急ぎ司馬家と張譲が居る場所まで向かう。
そこで目にしたのは、張譲が尋問され、司馬家が自分の存在を知られかねない場面だった。
「この陰謀、お前が考えたものか?」
(!? まずいですね、あの無能の事、すぐに口を割りかねない!)
鐘会はすぐに張譲を殺そうとする。
(言え、念のためです。一文字でも司馬家に情報を与えてはならない!)
だが、何とか踏みとどまり、張譲と共に洛陽から大きく離れてから殺害する事にした。
「あなたのような無能は使いすぎてはならない……という事が分かっただけでも良しとしましょう。それに本来、あなたの役目は黄巾
党の乱にて終わっていますからね」
この言葉は張譲を使うのは黄巾の乱で終わらせるべきだったという反省を込めたものであった。
「おのれぇ……おのれぇ! しょう……がは!」
鐘会は張譲を殺し後、しばらくの間、姿を消した。
再び姿を現したのは、瑠理に登用された時である。
説明 | ||
黄巾の乱は、鐘会による策謀だった。だが彼の策謀はこれだけでは無かった。 | ||
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コメント | ||
コメントありがとうございます。彼の話はまだまだ続きます。(k3) 中身が「于吉」なだけに、色々と暗躍しているな。(劉邦柾棟) こんなに暗躍してたのか〜w(nao) 鐘会、意外と考えてたんだな。失敗したけど(ohatiyo) |
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