第二章「初の特別実習」
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あれから時は立ち、明日はいよいよZ組の連中の初の実習だな。

 

知憲「いよいよ明日か。・・・そう言えば学園長に午後にグラウンドに来るように言われてたな。」

 

一週間前に届いた手紙にそう書かれていた。

 

知憲「けど、なんでグラウンドなんだ?」

 

等と呟きながらグラウンドが見えてきた。すると声が聞こえた。どうやらサラの声のようだ。

 

 

サラside

 

 

サラ「は〜い!!なら、明日の実習課題を配るわよ。」

 

一同「はい!!」

 

実習課題を受け取り、そこには班分けと実習場所が書かれていた。

 

サラ「それがそれぞれの実習場所よ。」

 

リィン「俺はA班で、メンバーは俺にエリオット、アリサとラウラか。ん?」

 

俺は名前の横についていた()が気になった。

 

リィン「サラ教官、A班とB班についている()はなんですか?」

 

サラ「あぁ、それはアナタ達に同行する人が入る部分よ。」

 

「なるほど。しかし、多分1つはサラ教官なのは分かりますが、もう1つは?」

 

サラ「もう一人はもうじき来るわよ?」

 

??「あれ?まだ授業中か?」

 

 

知憲side

 

 

グラウンドに来たが、Z組の連中がいるってことは、まだ授業中だったか?タイミング間違えた〜!!

 

サラ「あぁマスター。いえ、別に大丈夫よ。」

 

知憲「ならよかった。んで、サラには学園長から報告があったと思うけど。」

 

サラ「聞いてるわ。しかし驚いたわ、まさかマスターが来るなんてね。」

 

リィン「あの、サラ教官・・・もしかしてもう一人の同行者って。」

 

サラ「えぇ、マスターよ。」

 

エリオット「ええ!?大丈夫なんですか!?」

 

マキアス「そうですよ!!いくら学園長からの要望とは言え・・・」

 

サラ「ふふ、安心しなさい。マスターは少なくとも君達より強いから。」

 

ラウラ「やはりか。」

 

アリサ「で、でも・・・」

 

サラ「ハイハイ、文句は学園長までね。因みに、マスターには基本A班についていってもらうから。私も途中まではA班と一緒に行動するわ。途中からB班に合流するから。」

 

こうして、Z組の特別実習の日を向かえた。

 

知憲「お早う。しっかし相当早いな。」

 

リィン「おはようございますヴァイツェンさん。」

 

ラウラ「うむ、おはようヴァイツェン殿。」

 

アリサ「おはようございます。」

 

エリオット「ヴァイツェンさんは、朝早いの苦手ですか?」

 

知憲「あぁ、基本的に店は夕方からだからな。昼までは寝てるな。」

 

リィン「すみません。こちらの実習に付き合ってもらって。」

 

知憲「構わんよ。それで?今回の実習先は?」

 

アリサ「はい、今回の実習先は交易地ケルディックです。」

 

エリオット「僕達は、そこで2日間実習をするんです。」

 

知憲「交易地ケルディックか。久し振りだな。」

 

ラウラ「ん?ヴァイツェン殿はよく行かれるのか?」

 

知憲「いや、昔助けた奴と会ったのがケルディックだったんだ。」

 

リィン「へ〜そんな事が。誰なんですか?その助けた人は?」

 

知憲「確か鉄道憲兵隊の奴だ。」

 

エリオット「凄いですね!!あの鉄道憲兵隊を助けるなんて。」

 

その話で盛り上がっていると、あっという間にケルディックに到着した。そこから初日は、魔物退治以外は大市を見て回った。そしてリィン達は疲れて帰ってきていた。そして翌朝・・・

 

アリサ「おはよう。今日はどんな依頼実習かしら?」

 

リィン「えっと今日は・・・」

 

??「ふざけるな!!!!」

 

??「なにを!?お前がやったんだろ!!!!」

 

知憲「ん?大市で何かあったみたいだな。」

 

リィン「そうみたいですね。行ってみましょう。」

 

俺達が大市に行くと、昨日場所の事で揉めていた男達が、また揉めていた。

 

リィン「何があったんですか?」

 

元締め「君達か。実は、昨晩にこの二人の商品と、貸した店が滅茶苦茶にされていてね。」

 

エリオット「ええ!?」

 

説明してくれた元締め。すると、領邦隊がやって来た。

 

隊長「朝からなんの騒ぎだ!!」

 

知憲「おやおや、今頃になって登場かよ。」

 

あらわれた領邦隊に、元締めが事情を説明する。すると、

 

隊長「今すぐこのくだらない騒ぎを納めて、速やかに撤収しろ!!逆らえば、問答無用に引っ捕らえる!!」

 

リィン「そんな・・・」

 

エリオット「滅茶苦茶だよ!!」

 

知憲「かと言って、ここで食い下がれば俺達も同じこと。」

 

皆にそう言い聞かせてると、領邦隊の連中は帰っていった。しかし、なんだかキナ臭いな。これがオリヴァルトの言ってた事か?

 

リィン「しかし、あの領邦隊・・・昨日は止める素振りさえ無かったのに、今日は何故か止めに来た。」

 

知憲「怪しいな。まるで、この事を知ってるみたいだな。」

 

リィン「えぇ、そうですね。・・・皆、これからこの事件を調査したいんだ。」

 

ラウラ「なるほど、これも特別実習の一環みたいなものか。」

 

リィン「ああ、まずは町での情報収集だ。」

 

知憲「なら、お前達は領邦隊の方を頼む。町の連中には俺があたる。」

 

リィン「わかりました。」

 

こうしてリィン達と別れた俺は、西出口にいるおっさんに話しかけた。

 

酔っ払い「ヒック・・・飲まなきゃやってられっか〜!!」

 

知憲「随分と荒れてるな?何かあったのか?」

 

酔っ払い「何かあったのか?じゃね〜よ!!突然前働いてた自然公園をクビになっちまってよ。しかも、昨日の夜中には、公園の職員が大人数で荷物を運び出してたしよ。」

 

知憲「大人数で荷物を?それは本当か?」

 

酔っ払い「ああ、間違いねぇ。あれは自然公園の職員の制服だ。」

 

知憲「なるほど・・・おい、もしかしたらまた自然公園の警備に戻れるかもしれないぞ?」

 

酔っ払い「??」

 

取り合えず情報は集めた。リィン達と合流して自然公園に向かうとするか。

 

ラウラ「それで、自然公園にやっては来たが。」

 

エリオット「見事に鍵が閉まってるね。」

 

ラウラ「どれ、私が開けよう。」

 

リィン「・・・待ってくれ、俺がやろう。俺なら音をたてずにできる。」

 

知憲「なら任せようか。」

 

リィン「八葉一刀流・・・四の型、紅葉切り!!」

 

すると、南京錠は静かに切れ地面に落ちた。

 

アリサ「えぇ!?」

 

エリオット「凄い・・・!!真っ二つだ・・・!!」

 

ラウラ「八葉一刀、しかと見せてもらった。」

 

知憲「やるな。」

 

リィン「とは言っても、初歩程度の技だけどね。」

 

エリオット「でも、これで先に進めるね。」

 

俺達は、自然公園の奥へと向かった。皆にバレないようにエアーロケーションで、敵の位置は確認出来てるけど、もう少ししたら三名の反応。そして、一番奥に四人反応がある。

 

偽工作員1「ん?なんだお前ら?」

 

偽工作員2「扉に鍵は閉めてた筈だぞ!?」

 

偽工作員3「どうやって入ってきた?」

 

見張りであろう3人が喋る。しかし、本命の荷物はまだ奥だ。

 

知憲「仕方ない。リィン、悪いけどコイツらの相手は俺がする。だから、お前達は先に行け。」

 

アリサ「ちょっと待ってくださいよ!!」

 

エリオット「そうですよ!!いくらヴァイツェンさんでも、無理がありますよ!!」

 

知憲「いいから行け!!ここまで来て、犯人を逃がすのか!!」

 

リィン「・・・わかりました。どうか無事でいて下さい。」

 

ラウラ「ではヴァイツェン殿、ご無運を・・・」

 

俺はリィン達を先に行かせ、連中の前に立ちはだかった。

 

知憲「おっと。ここから先は通行禁止だ♪」

 

偽工作員2「ふん!お前一人で何ができる。」

 

偽工作員1「こっちは3人いるんだ。」

 

偽工作員3「敵うはずないだろ?」

 

知憲「やれやれ・・・相手の力すら見抜けないとは。大方、金目当てでこの仕事をしたって所だな。」

 

偽工作員3「しゃらくせ〜!!」

 

知憲「お前ら、俺を相手に無事に帰れると思うなよ。」

 

偽工作員2「構うな!!撃て!!」

 

偽工作員達は銃を取りだし、俺に向けて撃ってきた。

 

知憲「フライング・・・フォークシールド!!」

 

偽工作員達「「「なっ!?」」」

 

知憲「さっさと終わらせて、アイツ等を追いかけないとな。」

 

偽工作員2「ば、バカな!?」

 

偽工作員1「武器も持たずに・・・」

 

偽工作員3「武器も持たない黒髪の男・・・まさか!?」

 

知憲「ようやく気付いた?世間一般に言われてるアダ名は、千の道具使い・・・または破壊の龍騎士。」

 

偽工作員1「ひ、ヒィィィィ!!」

 

偽工作員3「い、命だけは!!」

 

知憲「・・・別に命までとる価値ないだろ?ま、暫く大人しくしてな。レッグナイフ!!」

 

俺は、レッグナイフをわざと相手のすれすれに放った。すると、3人とも仲良く気絶しました。

 

知憲「さて、後を追いかける・・・ん?笛の音??もしかして・・・」

 

俺は急いでリィン達の所に向かった。

 

 

リィンside

 

 

ヴァイツェンさんに、先程の敵を任せて俺達は奥に進み、残りの工作員をやっつけた。すると、何処からか獣の雄叫びが聞こえてきた。そして、あらわれたのは・・・

 

エリオット「き、巨大なヒヒ!?」

 

ラウラ「恐らく、この自然公園の主という所か?」

 

アリサ「こんなの・・・勝てるわけないわよ!!」

 

リィン「それでも・・・やるしかない!!いくぞ!!!!」

 

エリオット「女神様・・・どうかご加護を〜!!」

 

今の俺達で勝てるのか?

 

リィン「・・・仕方ない。出来るか不安だけど、やってみるしかない!!」

 

その時、俺の中で何かが開眼した。

 

リィン「炎よ、我が剣に集え・・・は〜!!斬!!」

 

ラウラ「リィン・・・今しがた見せたのは。」

 

リィン「ああ・・・修行の賜物さ。」

 

エリオット「凄いねリィン!!」

 

アリサ「何時も、ここぞという時にやってくれるものね。」

 

アリサ達がリィンを祝福していると、倒したはずの主が立ち上がった。

 

エリオット「そんな・・・これで倒れないなんて!?」

 

ラウラ「くっ・・・流石に不味いな!!」

 

アリサ「どうするのよ!!」

 

リィン「不味い・・・」

 

??「待たせたな。」

 

四人「「「「!?」」」」

 

??「急いで追いかけたが、まさかこんなものまでいるとは。」

 

四人「「「「ヴァイツェンさん(殿)!!」」」」

 

 

知憲side

 

 

四人が俺の偽名を呼ぶ。どうやらそれだけ切羽詰まった状況だったみたいだな。

 

知憲「お前らは下がってな。さて・・・」

 

俺は猛獣の前に立ちはだかる。

 

知憲「今すぐここから立ち去るか、俺に料理されるかどっちがいい?」

 

軽く殺気を放ちながら猛獣に詰め寄る。すると、猛獣はそのまま森の奥に帰っていった。

 

エリオット「す、凄い・・・」

 

アリサ「あの猛獣をなにもしないで・・・」

 

ラウラ「凄まじい殺気を放っていた。」

 

リィン「ああ。」

 

俺達はヴァイツェンさんの放った殺気に驚いていた。

 

偽工作員「こんな奴等がいるなんて・・・」

 

偽工作員3「あの野郎言ってたことと違うじゃねえか!!」

 

リィン「あの野郎?」

 

ピピーッ!!

 

何処からか笛の音が聞こえてきた。

 

エリオット「これって・・・」

 

ラウラ「面倒な者達が駆け付けて来たようだな。」

 

あらわれたのは領邦軍だ。そいつらはあっという間に俺達を囲んだ。

 

兵士A「手を上げろ!」

 

兵士B「抵抗は無駄だぞ!」

 

知憲「何でそこの連中じゃなくて、俺達を囲むんだ?」

 

兵士C「口答えするな!!」

 

兵士D「学生だからと言って手加減すると思うなよ!」

 

野党「お前ら年貢の納め時だな。」

 

エリオット「か、完全にグルじゃないか。」

 

隊長「なんの話かな?確かに、盗品もあるようだが彼等がやった証拠はなかろう?可能性で言うならば・・・君達の仕業ということもあり得るのではないか?」

 

ラウラ「そこまで我等を愚弄するか!!」

 

隊長「弁えろと言っている!!ここは、公爵家が納めるクロイツェン州の領内だ。これ以上、学生ごときに引っ掻き回される訳にはいかん!!手を引かぬというならば・・・このまま容疑者として、バリアハート市に送ってもいいが?」

 

知憲「・・・さっきから聞いてれば。領邦軍ってのは余程腐ってるんだな。」

 

隊長「な、なんだと貴様!!我々を侮辱すると言うことは、クロイツェン家を侮辱するということだぞ!」

 

知憲「別にそんなの気にしないさ。なんせ、俺は既に公爵一族に恨まれてるしな。」

 

リィン「えっ!?」

 

エリオット「どういうことです?」

 

知憲「ま、それはいつか話してやるよ。それで、逆らえばなんだって?」

 

俺は、両手をナイフに変え金属音を響かせる。

 

隊長「な、何故手から金属音が!?武器も持っていないのに!!も、もしかして・・・貴様は!!」

 

??「そこまでです。」

 

リィン「え?」

 

突然聞こえたら凛々しい声。そこにあらわれたのは・・・

 

兵士B「あ、あれは・・・」

 

兵士D「て、鉄道憲兵隊。」

 

鉄道憲兵隊の連中がやって来た。そして、さっきの声・・・何処かで聞いた事があるんだが。

 

知憲「も、もしかして・・・」

 

??「久し振りですね。」

 

兵士C「ア、氷の乙女。」

 

兵士A「鉄血の子飼いがどうして・・・」

 

隊長「・・・どういうつもりだ。この地は我らクロイツェン州領邦軍が治安維持を行う場所・・・貴公ら正規軍介入される筋合いはないぞ?」

 

氷の乙女「お言葉ですが、ケルディックは鉄道網の中継地点でもあります。そこで起きた事件は、我々にも捜査権が発生する。その事はご存知ですよね?」

 

隊長「くっ・・・」

 

氷の乙女「そして元締めの方達を始め、関係者の証言から判断するに、こちらの学生さん達が犯人である可能性はあり得ません。何か意義はおありでしょうか?」

 

隊長「・・・・・・ふん、特にない。」

 

氷の乙女「ならば、後は我々鉄道憲兵隊にお任せください。盗品の返却も含めて、処理させていただきますので。」

 

隊長「撤収!!ケルディックに戻るぞ!!」

 

兵士達「りょ、了解しました。」

 

そして、鉄道憲兵隊は野党を拘束した。

 

氷の乙女「ふふ、お疲れ様でした。そして、お久しぶりですね。ヴァイツェンさん?」

 

知憲「・・・久し振りだな。2年前に以来か?」

 

氷の乙女「そうですね。お元気そうでなによりです。」

 

知憲「まあな。コイツらに自己紹介でもしてやれ。」

 

氷の乙女「帝国軍・鉄道憲兵隊所属、クレア・リーヴェルト大尉です。トールズ士官学院の方々ですね。」

 

エリオット「そ、そうですけど?」

 

リィン「失礼ですが、クレア大尉はヴァイツェンさんと知り合いなんですか?」

 

クレア「はい、ヴァイツェンさんには以前助けていただいたんです♪」

 

ラウラ「そう言えば、ヴァイツェン殿は以前鉄道憲兵隊の人を助けたと言ったが、まさかクレア大尉だったとは。」

 

知憲「たまたま通りかかったんだよ。」

 

クレア「いえ、あれはたまたまではありませんよ。しかし、流石は有名ですね。」

 

アリサ「ヴァイツェンさんが有名?」

 

クレア「ええ、ヴァイツェンさんの有名度は帝国中に広がっています。」

 

知憲「おい、それ以上言うな。コイツらやサラはまだ知らない。」

 

クレア「そうですか。」

 

知憲「そうだ。ほら、お前らもさっさと町に戻るぞ!!」

 

俺はアリサ達を強引に引き連れて町に戻った。

 

クレア「・・・リィンさん?でしたよね。」

 

リィン「はい。」

 

クレア「今から話すことは、誰にもお話ししないと約束できますか?」

 

リィン「誰にも・・・ですか?」

 

クレア「はい・・・」

 

リィン「・・・分かりました。」

 

クレア「それでは、歩きながらお話しましょう。リィンさんは、あの伝説の男性を知っていますか?」

 

リィン「はい。たった一人の男性が戦争を防いだと。」

 

クレア「はい、実は・・・その男性はヴァイツェンさんなんです。」

 

リィン「!?」

 

リィンは驚きを隠せなかった。それはそうだ。ついこないだまで知らなかったな人物が、実は伝説の男性だとは思いもしなかった。

 

クレア「多分、ヴァイツェンと言う名前も恐らく本名ではないです。」

 

リィン「・・・そうですか。ヴァイツェンさんが伝説の男性・・・千の道具使い、もうひとつの名は破壊の龍騎士。」

 

クレア「ええ、ですがリィンさんは今までのように彼に接して下さい。」

 

リィン「もちろんそのつもりですよ。ヴァイツェンさんは、俺達を助けてくれたんです。」

 

クレア「安心しました。本当なら私ももう少し彼と一緒にいたいんですよ〜!!」

 

リィン「ええ!?」

 

クレア「だって、あの時の彼凄くカッコいいんですよ!!もう抱いてと思いました!!」

 

リィン(クレア大尉、ヴァイツェンさんの事になると、キャラが変わるんだな。)

 

等と思いながらリィン達は町に到着した。そして夕方になり帰ることとなった。途中でサラとも合流して、トリスタに戻ることにした。

 

リィン「今回の実習、まるで遊撃士がやっていた事と同じみたいですね。」

 

サラ「てへ・・・バレたか。クースピー・・・スヤスヤ。」

 

知憲「やれやれ、リィンはいい勘してるな。」

 

リィン「ありがとうございます。(ヴァイツェンさん・・・千の道具使いに破壊の龍騎士。まさか、貴方がその人物だなんて。)」

 

エリオット「どうしたのリィン?」

 

ラウラ「何か気になる事でも?」

 

リィン「いや、別になんでもないよ。」

 

サラ(青春してるわね。しかし、あの子達を襲った自然公園のヌシ・・・どうやら、何かが動き出そうとしてるみたいね。)

 

知憲「心配するな。」

 

サラ「えっ?」

 

知憲「何かあれば、俺も手を貸すさ。」ナデナデ

 

サラ「あっ!?」

 

私はその時、3年前のあの事件を思い出した。兵士達と戦闘になる前にしてくれた、私の大切な人。あの人はよく悩んでいたり考え事をしていると、頭を撫でてくれた。その懐かしい感覚を思い出していた。

 

知憲「ん?どうかしたか?」

 

サラ「べべ、別になんでもないわ!!///」

 

アリサ「あら?サラ教官、顔が真っ赤ですよ。」ニヤニヤ

 

ラウラ「ふむ、暗闇でも分かるくらいだな。」

 

サラ「か、からかうんじゃな〜い!!」

 

こうして、初めての特別実習は終わりを告げた。しかし、オリヴァルトが言っていた事が徐々に迫っていたのだった。

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