真・恋姫†無双―二つの呂旗―
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真・恋姫†無双―二つの呂旗− 第十三話「巳水関撤退戦」

 

 俺達は慌ただしく撤退準備を推し進めていた。

 

 一刀「迎撃は出さない。籠城形式で撤退する。各員大盾の準備を怠るな!大盾による移動砦の陣“黒亭城”にて撤退する!」

 

 愛紗「それにしても・・・この火薬は何に使うつもりだったんですか?」

 

 一刀「巳水関出た所に埋めて・・・どーん!」

 

 愛紗「・・・えげつないですね。」

 

 一刀「ま、俺達の主を食い物にしようとしたんだから当然の報いじゃない?」

 

 愛紗「それではどうして使わないのですか?」

 

 一刀「ん?巳水関で大量被害が出たら撤退されるだろ?先の突撃で一万五千の被害を出させた。おそらく五万も減れば撤退される可能性が出てくる。この火薬で被害はさらに増えるだろう。それこそ3万は簡単に吹き飛ぶ。つまり撤退される可能性まですぐそこだと言う事だ。」

 

 愛紗「なるほど・・・」

 

 奈々「一刀様。各隊撤退完了です。残るは呂北隊一万、高順隊五千、関羽隊五千です。」

 

 一刀「ん、霞と幽香、蓮華には洛陽に直行するように伝えた?」

 

 奈々「はい、しぶしぶですが・・・星様も霞様と洛陽に退くそうです。やはり劉備さんに槍を向けるのがまだ抵抗があるようで・・・」

 

 一刀「そうか。愛紗は?いいのか?」

 

 愛紗「はい、私はご主人様の物ですので。」

 

 奈々「じー」

 

 一刀「・・・も、物扱いは駄目だよ?大切な人なんだ。奈々も愛紗も他のみんなも大切な人だからな!」

 

 二人「////////////////」

 

 一刀「さて、撤退戦の始まりだ。曹操軍をうまく足止めしてさっさと撤退だ!」

 

 二人「お、お〜!」

 

 愛紗は俺と奈々の部隊の後ろに隠れながら進む事になった。元々俺と奈々は大盾隊をベースの部隊構成なので守りに対しては絶対の自信があるのだ。10倍の兵力は抑える自信はある。そして俺達は巳水関を出てすぐ曹操軍の先陣に追いつかれた。

 

 一刀「早いな!大盾隊黒龍壁展開!うねうね逃げるぞ!」

 

 大盾隊「お〜!!」

 

 奈々「その掛け声は気がぬけるのでやめていただきたいんですが・・・」

 

 愛紗「うねうね・・・うねうね〜!」

 

 二人「愛紗(さん)が壊れた!?」

 

 愛紗「なんか楽しいですね!」

 

 一刀「そ、そうか。気に入ってくれてよかった。」

 

 奈々「愛紗さん・・・恋さんの食事風景見たらどうなるでしょう?」

 

 一刀「考えないようにしよう。もう結果は見えているし。」

 

 奈々「ですね。」

 

 ドドドドドドドドド

 

 一刀「ん〜、向こうもしつこいなぁ。」

 

 奈々「どうやら敵将がいるようですね。」

 

 一刀「誰か分かる?」

 

 奈々「少々お待ちを・・・・・・・・・・旗は夏候二つ!

 

 一刀「夏候惇、夏候淵の二人か。仕方無いな。俺が出よう・・・開門!!かいも〜ん!」

 

 その号令と共に兵が判れまるで門が開くように道が出来る。

 

 一刀「我が名は呂北丁郷。我と相対するものは前へ出よ!いち兵卒ごときはすぐに死が訪れると知れい!」

 

 夏候惇「私が相手だ!覚悟しろ、呂北。我が主曹孟徳様の覇道の礎となれ!!」

 

 一刀「ほう?噂では馬鹿と聞いていたが、礎とか難しい言葉を知ってるんだな?えらいな。」

 

 夏候惇「そうか?そんな褒めるなよ・・・照れるではないか。」

 

 夏候淵「姉者・・・はぁ、可愛いなぁ。」

 

 妹の方も馬鹿なのだろうか?

 

 夏候惇「っは!貴様私を褒めて油断させる気だったのだな!?」

 

 一刀「ばれたか!?さすが夏候惇だな!」

 

 夏候惇「・・・だから褒めてくれるな!頬が緩むだろう。」

 

 一刀「そうか?その顔は可愛くて好きだが・・・・」

 

 夏候惇「ななぁ!!お、男などに可愛いと言われても嬉しくないぞ!本当だぞ!」

 

 夏候淵「はぁ、本当に照れてる姉者は可愛いなぁ。」

 

 一刀「・・・なあ夏候惇、夏候淵は・・・・頭は大丈夫か?」

 

 夏候惇「・・・・大丈夫だ!」

 

 一刀「間ぁ・・・ま、いいか」

 

 夏候惇「覚悟!でぇえい!!」

 

 ぶおん!

 

 がきん!

 

 一刀「軽い、軽いなぁ!」

 

 夏候惇「く・・・」

 

 一刀「馬上の戦いも粋なものだが・・・その軽さは逆に予想外だぞ?夏候惇。」

 

 夏候惇「馬鹿にするなぁ!」

 

 ぶん!ぶん!

 

 すっ!すっ!

 

 一刀「今度は遅い!蠅が止まれるんじゃないか?」

 

 夏候惇「ぬぅぅ」

 

 夏候淵「姉者、援護する!」

 

 ひゅひゅひゅ!

 

 きん、きん、ぱし

 

 一刀「お返しだ!」

 

 きりりりりり・・・・ぼひゅ!

 

 夏候淵「!?」

 

 ひゅん!どーん!

 

 夏候惇「な、秋蘭無事か!?」

 

 夏候淵「大丈夫だ姉者。だが・・・一つの矢であれほどの威力・・・化け物か。」

 

 一刀「さて・・・退かなきゃ次は当てるよ〜。」

 

 夏候惇「そう言われてはいそうですかと退けるか!」

 

 一刀「確かに・・・だが・・・!?避けろ、夏候惇!!」

 

 夏候惇「??な!?」

 

 一刀「く!」

 

 夏候惇の後ろからなんと矢が迫ってるではないか!?俺は懐から針を出しそれを投げ飛ばす。数本で軌道はずれたが、その矢は夏候惇の左目に吸い込まれるように刺さってしまう。

 

 夏候惇「ぐぁああああああああああ!!」

 

 夏候淵「あ、姉者ぁ!」

 

 一刀「くそ!夏候淵、君の所の弓兵は鍛錬不足なのか!?」

 

 夏候淵「そ、そんな訳があるか!!」

 

 一刀「・・・夏候淵、とにかく俺達の軍の陣に入れ!!すぐに治療しなければ手遅れになる!」

 

 夏候淵「だ、だが・・・」

 

 夏候惇「う、うあああああああ!!」

 

 夏候淵「あ、姉者!?」

 

 夏候惇「・・・天よ!地よ!そしてすべての兵達よ!よく聞けぇい!我が精は父から、我が血は母から戴いたもの!そしてこの五体と魂、今はすべて華琳様の物!断り無く捨てる訳にもいかぬ!我が左の((眼|まなこ))・・・((永久|とわ))に我と共にあり!」

 

 一刀「夏候惇・・・無茶をする!!」

 

 夏候惇「んぐ・・・ん・・・ぐ・・・・がはぁ!」

 

 夏候淵「姉者、大丈夫か。姉者ぁ!」

 

 夏候惇「取り乱すな秋蘭。私がこうして立つ限り戦線は崩れん!」

 

 夏候淵「姉者、あぁ、そうだな。」

 

 一刀「俺としては早急に治療してもらいたいが・・・気を失わせてでも連れてくぞ!!」

 

 夏候惇「やれるものならやってみろ!!」

 

 彼女の言葉に俺は本気で当たる事にした。

 

 一刀「さっきの口上は見事の一言だ・・・だが、そう言った傷を甘く見るやつは・・・お仕置きだな!!」

 

 夏候惇「なぁ!?」

 

 どすぅ!

 

 夏候惇「か・・・は・・・」

 

 とさ。

 

 夏候淵「姉者!?」

 

 一刀「夏候淵、夏候惇は預かる。治療ならこっちの医者の方が腕がいい上、俺も知識はある。治療場所も近い、設備も整っている。君はどうする?」

 

 夏候淵「・・・私は退かせてもらう。なぜだろうな、貴様の言葉はなぜか信じられる。」

 

 一刀「ならば引け。今は・・・あの矢の出どころが気になる。」

 

 夏候淵「・・・ああ、分かった。」

 

 そのまま曹操軍は一度体制を立て直すため戦線を退き始めるのだった。だがその中に動きが遅い隊を俺は見つけてしまったのだ。あの隊・・・何者だ?

 

 一刀「全体今の内に全力撤退!!速度上げぇい!!」

 

 全体「おおおおおおおおおおおおおおお!!」

 

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 一刀「夏候惇・・・なんだ?母さんの時と同じだ・・・何か黒い氣が・・・」

 

 静夏母さんが俺達側に付いた後鍛錬を頼まれた。その最中僅かだったが異質な気を感じ取った。何か分からず友人の華陀に相談し診察をしてもらったんだ。そして分かった事は他人の氣が体内にあるとのこと。相談の結果華陀と一緒に鍼治療する事になったんだ。その時に感じた氣が夏候惇からも同じ氣が感じ取られる。

 

 一刀「ひとまずは傷の治療だ。・・・はぁぁぁぁぁぁ!!元気になれぇぇぇぇぇ!!!」

 

 俺は幼いころに習った五斗米道、いや、ゴッドヴェイドーの鍼治療を行うと同時に彼女の中の黒い氣を消滅させる。

 

 一刀「よし・・・キズの消毒、氣の活性、黒い氣の消滅・・・やる事はやったな。」

 

 しかし・・・静夏母さんの時もそうだがなんだったんだ?凪にはそう言った氣は感じ取れなかったから。曹操軍の所為じゃないと思ったけど・・・夏候惇は同じ氣を持っていた。いや、植え付けられていた?くそ、嫌な予感がしやがる。どうなってるんだ!?

 

 夏候惇「う・・・ん・・・ここは?」

 

 一刀「夏候惇、目が覚めたか?」

 

 夏候惇「呂北?そうか私は捕まったのか・・・」

 

 一刀「夏候惇、行軍中ですまないが一つ聞きたい。君の中に他人の氣が植え付けられていた。何か心あたりは無いか?」

 

 夏候惇「他人の氣だと?・・・すまん、分からん。と言うか私自身詳しい知識がある訳ではない。」

 

 一刀「・・・そうか。実は静夏母さんも同じ氣を植え付けられていてな。気になったんだ。」

 

 夏候惇「氣だけにか?」

 

 一刀「けが人じゃなきゃ突っ込んでるぞ?」

 

 夏候惇「す、すまん・・・しかし、私は如何なるのだ?」

 

 一刀「そうだな・・・どうせ降る気は無いんだろ?なら・・・俺の傍に居ろ。他の奴には手を出させん。俺の傍に居て、この戦いを見届けろ。いいな?」

 

 夏候惇「・・・怪我の治療に、訳のわからん氣を取り除いてくれたのだろう?それに関しては礼を返さなければならん。従おう。」

 

 一刀「ありがとう。・・・一応あの氣に関しては考えておいてくれ。何かきっかけがあるかもしれないしな。」

 

 夏候惇「わかった。・・・なあ、呂北。」

 

 一刀「なんだ?」

 

 夏候惇「・・・・・・・我等は間違った事をしているのか?」

 

 一刀「・・・このご時世で正しい事は限られてるさ。君たちは君たちの正義を貫こうとした。そこは評価してるよ?俺はね。君は曹操の正義を支えようとした、だから・・・涙はふいて。」

 

 夏候惇「ああ・・・ありがとう・・・うぅ、あぁぁぁ・・・」

 

 ・・・曹操は分かった上で、いや、勘付いた上で連合に参加してる。だが・・・なんだ?曹操軍は危険だと俺の勘が言ってる。軍自体じゃなく・・・くそ!情報が足りないせいで勘がうまく働かない!

 

 夏候惇「呂北。私の真名を受け取ってくれないか?」

 

 一刀「いいのか?君のすべては曹操の物なんだろう?」

 

 夏候惇「私が私の真名を預けるのだ。そこは華琳様も咎めはしないさ。」

 

 一刀「・・・なら預かるよ。俺は一刀だ。」

 

 夏候惇「春蘭だ。」

 

 一刀「ああ、確かに預かったよ、春蘭。今は・・・もうお休み。」

 

 俺はそのまま春蘭の頭を撫でてやった。一応医療用の馬車の中だが結構揺れる。それでも春蘭はまるで安心しきってるように眠りについた。

 

 春蘭「一刀・・・ありがとう・・・・・・すぅ。」

 

 一刀「・・・曹操軍の中で何か起こってるのか?」

 

 奈々「一刀様。虎牢関が見えてきました。」

 

 一刀「ああ、わかった。」

 

 そうして俺達は虎牢関に入り軍を再編させた。その後虎牢関前に陣を取り野戦準備を完了させた。

 

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 現在の虎牢関陣営は

 

 先陣右翼

 

 呂北隊

 

 楽進隊

 

 静夏隊

 

 馬岱隊

 

 先陣左翼

 

 呂布隊

 

 陳宮隊

 

 孫堅隊

 

 馬騰隊

 

 関羽隊

 

 先陣中央

 

 高順隊

 

 馬超隊

 

 中軍

 

 賈?隊(虎牢関改修工事監督で来てた)

 

 予備兵隊

 

 後軍(本陣)

 

 董卓隊(一刀が心配で出て来た・・・っておいおい。一刀がため息を漏らしたのは言うまでも無い。)

 

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 対して連合側は

 

 先陣左翼(董卓軍側から見たら右、標記は旗)

 

 曹操軍

 

 内訳

 

 先陣中央

 

 李、于

 

 先陣左翼

 

 夏候

 

 先陣右翼

 

 十文字(色なし)

 

 中軍

 

 許、典

 

 後軍(曹操本陣)

 

 曹、純白の十文字、荀

 

 以上

 

 先陣右翼(董卓軍側から見て左)

 

 劉備、袁術軍

 

 内訳

 

 先陣中央

 

 張、呂

 

 先陣左翼

 

 黄、陸

 

 先陣右翼

 

 甘、周

 

 中軍

 

 孫、周、劉、諸葛、鳳

 

 後軍(袁術本陣)

 

 袁、張

 

 以上

 

 先陣中央

 

 公孫賛軍

 

 内訳・・・必要無いね?

 

 公孫賛「ひどくないか!?」

 

 必要?

 

 公孫賛「・・・・ないです。」

 

 よろしい。

 

 中軍

 

 各諸侯。

 

 後軍

 

 袁紹軍

 

 内訳

 

 右翼

 

 顔

 

 左翼

 

 文

 

 本陣

 

 袁

 

 となっている。と言うか総力戦ですか?俺何か間違った!?ま、蹴散らせばいいか・・・その前にちょっと視点変更をば・・・

 

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 沙耶視点

 

 いま私は虎牢関を前にしている・・・正直圧巻だ。華琳さん曰く、相当変わってしまったらしい。私から見てもこれは異常だ。壁には石造りではなく鉄板だろうか?それが敷き詰められていた。これでは関や砦じゃない、要塞だ。ところどころ穴があいてるがそれは弓を射る穴では無い。大きすぎる。まるで・・・大砲?まさか、そんな技術・・・お母さんが向こうに知識を与えたとしても早すぎる。事前準備が必要なはずだ・・・

 

 曹操「・・・沙耶、戒刀は大人しくしてる?」

 

 沙耶「華琳さん・・・はい、今の所は。」

 

 曹操「春蘭も捕らえられ、こちらの戦力は被害こそ少ないけど士気は酷いものね。でも、此処で引いたらそれこそ春蘭が捕らえられた意味が無くなるし・・・とはいえ静夏が向こうに居る以上凪も・・・」

 

 沙耶「はい、凪ちゃんも・・・ほら、あそこ。」

 

 曹操「・・・在るわね。楽の旗。」

 

 沙耶「どうなるんでしょう?」

 

 曹操「勝つしかないわ。私の予想では勝てるはずだったのに・・・やはり呂北が居たせいかしら。」

 

 沙耶「・・・」

 

 そう、呂北なんて聞いた事が無い。董卓軍に居る猛将は華雄や呂布のみでそれ以外でいえば張遼がいい例なのだ。呂北・・・丁郷・・・呂・・・丁?北・・・・郷・・・北郷??いや、待て。それは考えすぎじゃないだろうか?でも・・・そうだとしたら・・・・?歳は若いって聞くからおじいちゃんじゃない。正直会った事も無いんだけど。じゃあ誰?お父さんとお母さんが隠し事してるような気はしてた。まさか・・・でも・・・

 

 曹操「沙耶。考え事は後にしなさい。これから始まるのは・・・今までにない大きな戦いよ。」

 

 沙耶「・・・はい。分かりました。華琳さん。」

 

 そうだ、今は考えるな。お父さんは何かを企んでいるようであり、向こうも何か策が在りそうなんだ。それに頭を向けよう。呂北って人の事はその後でいい。そう、後でいいんだ。

 

 曹操「あら、呂北が前に出て来たわね。いまさら舌戦?必要無いでしょうに。」

 

 沙耶「ここからでは聞こえませんね。」

 

 曹操「・・・・誰かを待ってる?」

 

 伝令「申し上げます。」

 

 曹操「どうしたの?」

 

 伝令「は、敵将呂北が曹操様に舌戦を申し込まれています。それと・・・毒についても話したいと・・・」

 

 曹操「!?・・・・そう、行こうかしら。」

 

 沙耶「私も・・・ついて行っていいですか?」

 

 曹操「好きになさい。桂花、何かあったらあなたが各部隊を指揮なさい。」

 

 荀ケ「は!」

 

 曹操「行くわよ。」

 

 沙耶「はい。」

 

 

 

 以上沙耶視点以降一刀視点

 

 

 

 俺は曹操に舌戦を申し込んだ。毒についても話したい。そうも伝えた。曹操なら氣づくはずだ。何かしら在るのなら・・・そう考えていると

 

 曹操「呂北、久しぶりね。」

 

 一刀「ああ、久しぶり。曹操、そっちの綺麗な方は?」

 

 沙耶「き、綺麗だなんて・・・」

 

 曹操「ちょっと、口説かないでくれる?私の大事な御使いなの。あなたはもう一人の御使いを口説き落としたんでしょう?欲張らないでちょうだい。」

 

 一刀「十文字の旗の事だろ?そっちは二人居るじゃないか、そっちは駄目なのかい?」

 

 そう言って俺は無地の十文字に目を向ける。

 

 曹操「・・・」

 

 一刀「うん、察したよ。屑なんだろう?見た目からして屑だよな?いや・・・見た目はまだいい方か?性格がどうしても屑だと思わざるを得ない。そうだろう?」

 

 曹操「どうしてそう思うの?と言うか沙耶のお父上なんだから少しは口をわきまえてちょうだい。」

 

 一刀「く、くくく・・・親父だからわきまえろ?ああ、そうだな・・・悪かった・・・くくくく・・・・」

 

 曹操「あなた・・・性格悪くなったわね。」

 

 一刀「変わって無いよ?北郷戒刀に対する憎しみがにじみ出ただけ・・・おっと、これ以上は有料情報だ。さて、毒について話そうか?」

 

 曹操「ええ、どう言う事かしら?」

 

 一刀「こちらの北郷静香及び夏候惇の体内に怪しい氣を感じた。今はそれは取り除いたが・・・どう言う訳か俺は知りたい。それを成す人間がそっちに居るんじゃないか?」

 

 沙耶「・・・お父さん・・・」

 

 一刀「ほう・・・北郷戒刀が・・・む・・・そう言えば・・・・なるほどまさか・・・」

 

 曹操「何かわかったの!?」

 

 一刀「・・・どうだろうな?」

 

 曹操「もったいぶらないで!」

 

 一刀「これは舌戦だ。情報を引き出したければ、言葉にて引き出して見せてよ。」

 

 曹操「・・・ええ、そうね。でもあなたを動揺させる物はこちらには無いわ。だから・・・あなたを捕らえて情報を引き出すことにするわ。」

 

 一刀「出来ればいいね?」

 

 沙耶「あの・・・」

 

 一刀「なに?」

 

 沙耶「あなたは本当に呂北さんですか?」

 

 一刀「???そうだが?」

 

 沙耶「・・・北郷って言う姓じゃないですか?」

 

 一刀「!?!?!?!?」

 

 曹操「・・・あら、まさか動揺してる?」

 

 く、やられた。優秀だな沙耶。俺が意表を突かれるなんて・・・

 

 一刀「くくく・・・やられたよ。その一手はそちらの勝ちだ。なら情報を一つ。・・・・俺の本当の名は―――」

 

 そう、これは意趣返し。最高の一手。動揺を誘いう最高の一手。

 

 一刀「北郷一刀。お前の兄だ。」

 

 二人「!?!?!?」

 

 一刀「・・・あのクソ親父には気を付けな。あいつは最低野郎だよ。静夏母さんの氣についても予想がついた。それじゃあな。よい戦いを。」

 

 そう言って俺はその場を後にする。俺が陣に戻ると同時に戦端が開かれた。最初にぶつかったのは董卓軍右翼・・・恋率いる第一師団だ。

 

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 以上一刀視点以降恋視点

 

 恋「・・・・・来る。」

 

 ねね「むむ、各分隊迎撃準備ですぞ!恋殿が敵が来ると言ってますぞ!」

 

 呂布隊、陳宮隊「おおおおおおおおおおおおおおおおおおお!!」

 

 紅「ほう・・・相変わらずいい勘をしてるな、恋。」

 

 恋「・・・紅母さんほどじゃない。」

 

 紅「あはははは!謙遜するな。どうだ?琥珀。」

 

 琥珀(馬騰)「ああ、大したもんだ。全盛期の紅を超える武、勘を持っている。」

 

 紅「さて、敵さんは甘ちゃん劉備と愚娘の雪蓮か。」

 

 琥珀「ほう・・・・何やら聞いてた旗より少し増えてるね。」

 

 紅「・・・呂?向こうに呂姓なんて居たかね?」

 

 琥珀「ま、油断はしないようにしようか。」

 

 ・・・こうして、恋達の戦いが始まった。―――これでいい?

 

 あ、はい。ありがとうございます。報酬のバイキング無料券です。

 

 ・・・往ってくる。

 

 ・・・あれは戦場に向かう目だ・・・

 

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 次回

 

 愛紗「覚悟しろ、鈴々!!」

 

 劉備「どうしてなの?愛紗ちゃん!」

 

 紅「さあ、久しぶりに江東の虎と西涼の狼の狂宴と往こうか!!」

 

 周喩「雪蓮・・・なぜ我等はあの方に喧嘩を売ったのだろう?」

 

 第十四話「虎牢関決戦、劉孫同盟対董卓軍第一師団」

 

 少女はかつての主を問いただす。その言葉は届くのだろうか。

 

 

説明
第十三話ですわ〜
とっても悩んだの〜
屑親父の出番はまだ先なのですよ
それでは本編どうぞ。以上。
(キャラぶれまくりですんまそん)
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コメント
JackTlamさん<やるとしてもまだあとです。(ユウヤ)
アルヤさん<最終結果はまだ決めかねてます。死んだ方がマシだ!のほうがいいかも(ユウヤ)
naoさん<沙耶はむしろ父親嫌いです。話もしないです。でもいい子ですよ?(ユウヤ)
Kyogo2012さん<イイ感じに滾って・・・ゲフンゲフン、盛り上がってきましたよ?クソだけにクソですが・・・ま、どんなクソなのかはのちほど(ユウヤ)
俊さん<もはや一刀はハーレムの代名詞それを覆すのは私にはできません!(ユウヤ)
ウイングゼロさん<最終的には全員陥落ですよ?ねね以外・・・(ユウヤ)
叡渡さん<ママ二人揃えばその背後には死屍累々・・・ガクブル(ユウヤ)
氷屋さん<ですね。あの父親のやることなんでひどいものですよ?(ユウヤ)
俊さん<屑父の末路なんてもう決まってるじゃない?w(ユウヤ)
最早殺るしかないなぁ。(Jack Tlam)
屑親父はもう殺っちゃおうぜ。それが最良だろもう。(アルヤ)
一刀が自分が兄だと告げてどうなるのか?クソ親父に問い詰めるのか?もうクソ親父やっちまおうw(nao)
いい感じにみなぎって・・・・・・ゲフンゲフン、盛り上がってきたな。くそ親父が黒い気をうえつけた?そんなことができるの?くそだけにやることもくそなのか?(Kyogo2012)
後何人かって言うか、殆どの将が落されそうですよね。華琳は九年前に堕ちてるから、妹や秋蘭は確実でしょうね。(俊)
一刀に真名を預けた春蘭。このまま彼女も一刀の軍門に下るのだろうか? そして、元主に槍を向ける事になった愛紗が劉備に何を語るのか、楽しみです。勿論劉備側の反応も期待しています。(俊)
俊さんへ、恐らく春蘭は一刀の前に落とされてそのまま配下になるかもしれませんよ?あと何人か此処で落ちそう…(ウィングゼロ)
矢に関しては屑親父が絡んでるんでしょうな、さて事実を知った妹は大変だろうねい、屑親父に聞いてもまともな情報なんか聞けないでしょう。つか一刀がいると分かった時点で何やるかわかったもんじゃない(氷屋)
そして、此処にきて初めて顔を合わせた兄と妹、この二人の出会いが何を生むのか、屑親父がどんな末路を辿るのか、期待しています。(俊)
おや、春蘭が一時的に一刀の元に身を寄せましたね。戦終了後に華琳の元に帰るのか、ちょっと楽しみです。(俊)
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