響窃が放った『死の鎌鼬』は真桜を素通りして凪に直撃した

凪の懐からは大量の血が溢れ出ており

生命の気が消え掛かっていた………

　四節　?さらば、偉大なる名医?

真桜「凪ーーーっ!!!」

真桜は泣き叫びながら凪の元まで全速力で走り出した

凪「ごほっ！………ごふっ!!」

凪の口や懐からは留まることなく血が滝のように溢れ出ていた

華琳「凪!!!」

華佗「しっかりするんだ!!」

華佗が直ぐさま治療を開始した

のだが…………

凪「ぐっ……かっ………はっ………!!」

華佗「くっ!!凪の意識が徐々に薄れていっている!!」

真桜「凪!!!しっかりするんや!!」

響窃「切断された部分を繋げることは不可能だ…………公孫賛と同じでな………

楽進はもう助からん………」

春蘭「何っ!?」

凪「かっ………真…………桜……」

真桜「っ!!凪!!」

凪「……あっ………〃〃……〃」

真桜「えぇっ？何やて!?」

凪の発した声はとてつもなく小さかった為、真桜は凪の口元に耳を近づけた

凪「…………………〃〃〃〃」

真桜「っ!!……………凪……!!」

凪「……………うっ………」

真桜「………凪？…………凪!!」

真桜は凪の身体を揺するが

凪「………………………」

凪は目を瞑ったまま動かなくなった…………

真桜「そんな…………嘘やろ……？

凪……凪!!返事せぇや!!冗談すぎるで!!」

そして于吉が……

于吉「残念ながら…………楽進こと真名、凪さんの生命の気が………消失しました…………」

愛紗「っ!!」

華琳「そんな……………凪……」

真桜「凪ーーーーーっ!!!!」

真桜は泣き叫んだ………

凪を抱きしめ、大声で泣き叫んだ

稟「凪……………こんな事……」

風「凪ちゃん……………」

華琳「………………真桜」

真桜「うぅ……うぅ………あ゛い………」

真桜は凪を抱きしめながら華琳殿の方を振り向いた

華琳「凪は………最後………なんて言っていたの…………？」

真桜「グスっ…………凪は………グスっ……

『隊長の仇を……響窃を必ず……倒してくれ……』と………言っでまじだ………」

華琳「…………分ったわ」

真桜「凪…………約束したで……

必ず………倒すからな……」

真桜はそう小さく呟くと

ﾌﾞｩｰﾝｯ!!

ﾌﾞｩｰﾝｯ!!

ﾌﾞｩｰﾝｯ!!

ﾌﾞﾙﾝｯ!!

再び『鎖断鋸斬』を動かし始めた

響窃「………二人目を殺されてもまだ向かってくるのか………？」

真桜「当たり前や!!

確かにアンタ言うた通り此処は戦場、死人が出て当たり前や………

なら…………」

ﾌﾞｩｰﾝｯ!!

ﾌﾞｩｰﾝｯ!!

ﾌﾞｩｰﾝｯ!!

真桜「仇をとるのもありやろ!!?」

響窃「勿論だ………李典………

掛かってくるがいい……！」

華琳「真桜だけじゃないわよ!!」

次々と生き残っている者達が前線に立ちはじめた

霞「響窃………覚悟しいや!!!」

卑弥呼「再戦か………」

貂蝉「でも……このままじゃあ………」

卑弥呼「あぁ………儂らもやられるのう………」

貂蝉殿と卑弥呼殿はご主人様と月ほ所にいた

ｼｭﾝｯ!!

愛紗「卑弥呼殿！貂蝉殿！

お二方も戦って下さい!!」

私は『空走』で移動し、話しかけた

卑弥呼「そう言うが愛紗よ………

このままでは響窃に負けることが目に見えている

そうなってはありとあらゆる外史が破壊されてしまうだろう

その為には奴との戦力差を埋めなければならない」

愛紗「ならばどうするというのだ!?」

卑弥呼「…………一か八か……ダーリン……良いか？」

華佗「俺か？」

貂蝉「っ!!お師匠様ん!?まさか!?」

卑弥呼「儂もしたくないのだ……

だが…………もうこの方法しかないのだ」

華佗「俺は何をすればいいんだ？」

卑弥呼は冷や汗をかきながらこう言った

卑弥呼「……………ダーリンにご主人様の目を開けさせて欲しいのだ」

華佗「………御遣い殿を？」

愛紗「ご主人様に何をさせる気だ!?」

貂蝉「説明は私がするからん、華佗ちゃん、急いでん!!」

華佗「分かった!!はあぁぁっ!!」

華佗は気を溜め始め、ご主人様の気を探りはじめた

愛紗「貂蝉殿!!何のおつもりですか!?」

貂蝉「愛紗ちゃん、落ち着いてん」

愛紗「ですが………!!」

貂蝉「ごめんなさいねん………

出来ればぁこんな事はしたくないのだけどぉ」

愛紗「一体ご主人様に何を…………」

『させるつもりですか』と言いかけた時、

響窃「はあっ!!」

ｻﾞｼｭ!!

真桜「あだっ!!?」

真桜が響窃の『死の剣』によりふっ飛ばされてきたのだ

真桜「くっ…………」

愛紗「真桜!?」

響窃「………今度は何を企んでいるのだ……？貂蝉………」

貂蝉「あらぁん、見つかっちゃったわん……

なら、私も混ざるわん!!」

ﾌﾞｫﾝ!!

ﾄﾞｶｯ!!

響窃「むっ!?」

響窃は貂蝉殿の一撃を喰らいふっ飛ばされた

卑弥呼「どうじゃ!?ダーリン!!」

華佗「もう少しだ………!!

っ!!見つけたぞ!!この気だ!!」

華佗は鍼を構え、その鍼に気を送り始めた

そして

華佗「我が身、我が鍼と一つなり！

一鍼同体！全力全快！必察必治癒……病魔覆滅！元気になれぇぇぇぇぇぇぇっ!!!」

ｶｱｱｧｧｯ!!

鍼がご主人様に刺さるか刺さらないかの瞬間

響窃「させるか………呀猟!!」

ﾋﾟｭﾋﾟｭﾋﾟｭﾋﾟｭﾋﾟｭﾋﾟｭﾋﾟｭﾝ!!

響窃が瓦礫山から『死の光波』を華佗に向かって放ってきた！

華佗「があっ!!!?」

卑弥呼「ダーリン!!!?」

卑弥呼「華佗ちゃん!!?」

華琳「華佗!!!?」

『死の光波』は華佗の心の蔵を貫いていた………

そして

華佗「く…………そ…………」

華佗は静かにその場に倒れた…………

左慈「華佗ーーーーーー!!!!」

　　　　　　　　　　　……終……